訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、エリアや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2023年2月12日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
卒業旅行やグループ旅行で訪れたい、わいわい過ごせてお財布にも優しい温泉地
2~3月は卒業旅行&春休みシーズン。学生のみなさんは、友達とどこかで出かける計画を立てているのではないでしょうか。
テーマパークやドライブも楽しいけれど、試験や受験で疲れが溜まったこの時期は、気の合う友達同士でゆっくり温泉に浸かりにいくのがおすすめです。
私(筆者)もご多分に漏れず、高校生の頃にはじめて友達とだけで旅館に泊まったり、大学の友達とレンタカーを借りて温泉旅行をしたり、という経験があります。そのときはやはり学生だったので、お財布に優しいところをなんとか探していました。せっかくの友達とのお出かけシーズンに、お金の心配をあまりしたくないですよね。
今回ご紹介するのは、温泉マニアおすすめの卒業旅行やグループ旅行向け温泉地。マニアが太鼓判を押す名湯に、リーズナブルに浸かれるエリアですので、ぜひ旅行の参考にしていただけたら嬉しいです。もちろん、アクセスや宿泊もなるべく金額を抑えられるように選びました!
東京から高速バスで一本!映える遊び場たっぷりな伊香保温泉
卒業旅行・グループ旅行のキホンは、交通費の節約から。新幹線なんてもってのほか、ローカル線を乗り継いで時間をかけて旅行をする人も多いはずです。私も何度、東海道線で熱海へ行ったことか…。
ゆっくりと鈍行の旅をするのもいいけれど、正直ちょっと面倒くさいですよね。そんな首都圏の学生さんにおすすめなのが伊香保温泉(群馬)です。
伊香保温泉は、東京から高速バス1本でたどり着ける気軽なアクセスが魅力的。発着駅は東京駅・バスタ新宿・中野坂上・練馬駅と豊富です。片道2600円~で、便と座席をうまく組み合わせてさらに価格を抑える特割も設けられています。
東京発着の高速バス1本で行けるほかの温泉地と比較すると、草津温泉よりも近くて安く、鬼怒川温泉よりも発着の選択肢が多いのが伊香保なのです。

365段にもなる伊香保温泉のシンボル・石段街には、写真・動画映えするスポットがいっぱいです。まずは町中の射的・わなげ・手裏剣投げで、レトロな遊びを堪能。町中にある足湯や頂上付近の河鹿橋へ行けば、温泉地らしいカットが撮れそうです。

宿泊は町の中心部の旅館やホテルなど。1万円以下で泊まれるところもたくさんあります。温泉は石段街の一番上にある「伊香保露天風呂」へ。ひとり450円で、伊香保の湯力をしっかりと感じられるかけ流しの温泉に浸かれます。鉄分を多く含む伊香保の湯は黄金色に輝いており、温泉に慣れていない人も感動すること間違いなし。
外湯めぐりがメインだから宿泊費おさえるが吉。写真もきれいに撮れる城崎温泉
兵庫県北部にある城崎温泉は、大阪から高速バスで3.5時間ほど。ひとり3800円のところ、路線によっては学割が30%引きで使えます。なにより、この温泉街を見れば、友達同士で散策したくなるはず!

学生さんの旅行に城崎温泉がおすすめなのは、「外湯めぐり」がこの温泉街のメインの過ごし方になっていること。外湯とは、温泉街に点在する公衆浴場のことで、日帰り客も宿泊客もこの温泉施設に足を運ぶのが定番です。そして外湯を守るため、城崎温泉の旅館には湯船の大きさを制限する条例が敷かれています。
つまり、町の中で大きな温泉に浸かりたいときは、外湯に行くのがベストな選択肢であるということ。泊まる宿のスペックに左右されずにいい温泉に浸かれるので、お財布に優しい旅をしたい時にはぴったりだと思います。外湯の利用料金はひとり700円前後です。

外湯めぐりがメインだからこそ、宿泊費をおさえても温泉満足度を維持できるのが城崎の魅力。町中にゲストハウスもいくつかあるので、リーズナブルに泊まれます。
夜は松山のゲストハウス・ビジホで節約。コンパクトに遊べる道後温泉

愛媛県松山市にある道後温泉は、四国にある人気温泉地のひとつ。東京・名古屋・大阪・京都・福岡発着で高速バスが出ており、首都圏からも夜間に移動しながらたどり着けるエリアです。もっと簡単にアクセスしたい場合は、飛行機で松山空港まで行き、道後温泉駅まではひとり950円のリムジンバスに乗るのが◎。


道後温泉への旅行ではずせないのが、シンボルである「道後温泉本館」。なめらかで美しい道後の温泉がかけ流しで注がれています。城崎と同様、外湯である道後温泉本館に訪れるのが過ごし方の大きなポイントなので、宿泊費をおさえても温泉満足度を維持できます。
国の重要文化財にも指定されている道後温泉本館は、外観も内風呂も厳かで本当にすばらしいので、ぜひ浸かってみていただきたいです。
道後温泉内のホテルや旅館で過ごすのもいいけれど、すぐ近くの松山の街にあるゲストハウスやビジネスホテルで節約するのがおすすめ。出張客のニーズに合わせて、5000円以下で泊まれるビジホがたくさんあります。そして食事は、松山の商店街沿いにある食堂や居酒屋へ。道後温泉の旅行は、地元のお客さんに紛れて過ごすのがツウなのです。
300円でホンモノの温泉に浸かる!温泉好きのための別府温泉
大分県の別府温泉は、日本一の源泉数と温泉の湧出量を誇る、一大温泉テーマパークです。各都市からの高速バスのアクセスももちろん充実していますが、大阪からであればフェリーがもっとも価格を抑えられます。相部屋・雑魚寝で11時間フェリーに揺られる旅は、学生さんならではの旅行になるはず。
別府温泉はとても広大ですが、観光に便利な路線バスが通っており、1000円で1日乗り放題券を手に入れられます。あちこち移動して楽しみきりたい卒業旅行にはぴったりです。


別府の魅力は、なんと300円あればかけ流しの温泉に浸かれるところ。別府駅前でよく目立つ「駅前高等温泉」は200円、市営の公衆浴場で広さ最大級の湯船をもつ「不老泉」は250円、シンボル的存在である「竹瓦温泉」は300円が入浴料です。温泉好きの学生さんにとっては、最強コスパ湯巡り旅がかなうと思います。
とにかく広い温泉地なので、ゲストハウス・ビジネスホテル・格安ホテル・民宿など、宿泊の選択肢は無限大。安く抑えたければ、しっかり抑えられます。夕食は気軽に、とり天や別府冷麺に舌鼓を。旅館の夕食でなくても、安くて美味しいものに出会えるいい町です。
卒業旅行・グループ旅行で気をつけたいこと
旅館やホテルの整った浴場でなくても、町中にいい外湯のある温泉地を中心にご紹介しました。お財布に優しい温泉旅行の参考になれば嬉しいです。
ただし、外湯を利用する際に、気をつけてもらいたいことがあります。
温泉街にある外湯は、温泉マニアも太鼓判を押すような“ホンモノ”の温泉に気軽に浸かれる場所です。地元の方が利用することも多々あり、ゆえに入浴料も安価に設定されています。
つまり観光客は、「お邪魔する側」の存在。かけ湯などの基本的なマナーを守るのはもちろん、来たとき以上に清潔にしたいところです。もちろん騒ぐのは絶対NG。毎日利用する地元の方にとっては、もはや家のお風呂同然なのです。他人の家のお風呂をお借りするような気持ちで、静かに楽しくきれいに使うようにしましょう。
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永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi