第三章 名画のような、秋。
湖のホテル【山梨県・富士河口湖町】
富士の山を特等席から。



多彩な表情を見せる日本一の名峰あり。
富士山の初冠雪の知らせは、例年9月下旬から10月にかけて届けられる。ただ、まだその時期は気温が高くなることも多く、山頂の雪も消えたり残ったりと安定しない。そんな雪の白と山肌の青のせめぎ合いで、富士山の表情が実に豊かになるのが秋である。
創業から半世紀以上、河口湖の小高い丘から雄大な姿を見つめてきたこのホテルは、2017年夏に全面リニューアルを決行。新たなコンセプトのもと、五感を刺激する仕掛けをあちこちに張りめぐらせた。おびただしい数の和洋のアート、異国情緒溢れるとりどりの装飾…。初めて訪れる人は、濃密な世界観を放つ空間に思わず声を上げ、評判のいい料理に心躍らせるだろう。
しかし、窓の外に眺める霊峰は、あくまでもただ静かに存在している。わざわざ場所を選ばずとも、ステイ中は何時でもどこからでも、その瞬間ごとの表情を惜しみなく見せてくれるのだ。ちなみに、眺めの良いレストランの名はずばり「晴好雨奇」。その言葉が示す通り、晴れていれば素晴らしく雨が降ってもそれはそれで趣あり。今日だけの富士山がそこにある。
富士山に見守られる快適なステイ。


夜は人気のバーでカクテルを傾けて。



絶景ポイント
全客室から富士山の眺望を楽しめる。朝、昼、夕と刻々と表情を変える姿をお見逃しなく。10月下旬には富士河口湖紅葉まつりも開催され、紅葉とのコラボも。
0555-72-1234
山梨県南都留郡富士河口湖町浅川187
1泊2食付き1万6500円~(入湯税別途150円)
【電車】富士急行河口湖駅より送迎有(要連絡)【車】中央道河口湖ICより8分
30台
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ザ・リッツ・カールトン日光【栃木県・日光市】
ラグジュアリーに紅葉観賞。


錦秋の湖畔はまるで水彩画のパレット。
日光のベストシーズンといえば、やはり秋。世界遺産の東照宮エリアから進んでいろは坂を登りきり、奥日光地域へとさしかかると、ひと足早い紅葉に彩られた自然が迎えてくれる。
ホテルはその絶景と一体化するように佇んでいる。ご存じの通り、世界中で展開しているホテルブランドだが、日光におけるコンセプトは「自然と調和する邸宅」。栃木の伝統工芸や日本家屋の技術を活かした、繊細でミニマリズムあふれる空間は、シンプルだからこその贅沢感をもたらす。
ホテルを取り囲むのは、錦の縁取りが美しい中禅寺湖、山全体が秋色に染まる男体山など、奥日光のシンボルたち。その美しさは、ぜひ客室の縁側ラウンジやバスルームから存分に堪能したい。
また、ザ・リッツ・カールトンブランドでは初となる温泉が用意されているのも特筆。地元食材を使った秋の味覚や、自然に触れられるアクティビティも魅力的。アートのような紅葉とラグジュアリーなホテルステイを五感で楽しんで。
お部屋で絶景三昧、お風呂でリラックス。





アクティビティは積極的に参加する。


絶景ポイント
標高約1300mの中禅寺湖畔は、例年10月中旬~11月上旬が紅葉の見頃。ホテルでは中禅寺湖から男体山まで、スケールの大きいパノラマ絶景が望める。
0288-25-6666
栃木県日光市中宮祠2482
1泊2食付き6万1902円~※季節により変動あり(入湯税別途150円)
日光宇都宮道路清滝ICより車で30分
25台(1泊3000円・要予約)
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会津芦ノ牧温泉 渓谷美の宿 川音【福島県・会津若松市】
絵になる紅葉露天。





せせらぎともみじの風流なコントラスト。
悠久の昔から流れる水が岩を穿ち、少しずつ形作られてきた渓谷。その岸辺をカラフルな木々が彩る秋。会津の奥座敷・芦ノ牧温泉が、一年でもっとも賑わう季節である。ここへたどり着くまでにすでに目にした紅葉も、宿の中から見ればまたひと味違う。渓谷に面した窓辺から視線を落とせば、赤や黄、オレンジに染め抜かれた絶景を俯瞰することができる。
食事の前には、客室の湯でひとっ風呂。本館の温泉大浴場も利用できる。お待ちかねの夕飯は渓谷を見下ろせる食事処でいただこう。それにしても里の秋には和の風情がよく似合う。ポストカードのような紅葉絶景を目にするたびに、絵心があれば… と思わずにはいられない。
絶景ポイント
阿賀川の渓谷は10月下旬~11月上旬に紅葉の見頃を迎える。周辺は天然記念物の柱状の奇岩が続く塔のへつりや大内宿など、南会津の紅葉名所がいっぱい。
0242-92-2121
福島県会津若松市大戸町大字芦ノ牧字下夕平1128
1泊2食付き2万8000円~(入湯税別途150円)
【電車】会津鉄道芦ノ牧温泉駅より送迎バス有(要予約)【車】東北道白河ICより1時間
100台
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志摩観光ホテル ザ ベイスイート【三重県・志摩市】
夕陽は印象派のごとし。






リアス海岸を染めゆくやさしい色彩を愛でる。
大小の島々が浮かび、日本有数のリアス海岸である志摩半島・英虞(あご)湾。日本の夕陽百選にも選ばれた夕陽が、その優美な海岸線をより幻想的に描いていく。熊野古道を擁する紀伊山地の山々の柔らかなシルエットと、真珠の養殖筏が浮かぶ英虞湾を染める夕陽のグラデーションはここならではの絵になる風景。
ホテル内別棟の「ザ クラシック」から眺める秋から冬にかけての夕景は、小説にも描かれた名場面だ。ゲスト専用ラウンジはそんな名シーンを愛でる特等席。グラスを片手に優雅な空間で、刻々と移りゆく大自然のショーを時を忘れて眺めていたい。国内外の賓客をもてなしてきた格式ある老舗ホテルで、贅を尽くした秋の夕陽観賞はいかが。
絶景ポイント
ホテルは国立公園内にあり灯りが少ないため、特に秋冬は日没と星の輝きが同時に見られるのも魅力。幻想的なマジックアワーの表情にも癒やされて。
0599-43-1211
三重県志摩市阿児町神明731
1泊2食付き6万1200円~
【電車】近鉄賢島駅より送迎有(予約制)【車】伊勢道伊勢西ICより40分
49台
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第四章 非日常がそこに、冬。
北こぶし知床 ホテル&リゾート【北海道・斜里町】
迫る、流氷。

地球を感じる幻想風景、新感覚の“ととのい”を。
北海道は知床。野生動物の宝庫でもあり、スケールの大きな自然が広がるこの地の、もっとも厳しく、美しい季節が冬である。あたりは雪と氷に閉ざされ、オホーツク海には流氷が浮かぶ。そんな地球のダイナミズムを肌で感じられるのがこのホテルだ。ウトロ港に面したロケーションで、館内はどこから眺めても絶景の連続。
名物はユニークにデザインされたサウナ室で、冬はワイドな窓の外に流氷を望みながらととのうことができる、国内でも稀有な「流氷を見渡せるサウナ」なのである。水風呂で体を引き締め、流氷原を望みながら外気浴でリラックス。同じサウナでも、これほどの開放感を味わえる場所はまずないだろう。
他にも、パノラマ絶景の展望大浴場、足湯が用意された流氷テラスなど、眺望抜群で居心地のいい空間は館内の至る場所にある。そして、せっかくなら流氷の上を歩くアクティビティにもぜひトライを。非日常のワイルドな眺めとともに、記憶に残り続ける休日をどうぞ。
流氷の上を歩いて世界遺産を体感する!

外の寒さを忘れる温泉でまったり。



絶景ポイント
大きな窓から見える迫力の風景。流氷は例年2月中旬~3月上旬までが見頃。海流や風向きなどの気象条件によって、見え方が刻々と変化するのも興味深い。
赤倉観光ホテル【新潟県・妙高市】
たなびく、雲海。


眼下を白に埋め尽くす自然の不思議に魅入る。
旅の出会いは一期一会。この地を訪れて憧れの絶景に出会えたら、それはやはり幸運といえるだろう。舞台は越後富士の異名をとる妙高山中腹の高原において、ひときわ目立つ赤い屋根のクラシカルなホテル。こちらは1937年(昭和12年)に開業した、本格高原リゾートホテルの草分け的存在で、標高1000mのダイナミックな自然の懐にある。
美しい季節の移ろいの中、名物のひとつとなっているのが雲海である。狙い目は初夏と冬だが、特に空気がキリリと冷えた冬は筆舌に尽くしがたい神秘性がある。たとえば、その朝は日の出前に起きる。外を見やると、薄暗い中にたちこめている雲に気づく。次第に明るくなり、今度はふわふわと静かにたなびく姿がはっきりと見える。
客室もいいが、せっかくならビューポイントでもある館内の「アクアテラス」で。水盤に朝日が映し出され、いっそう幻想的に。こんな感動体験をしたら、次なる幸運を求めてきっとまた訪れたくなる。
客室露天とテラスでプライベートビュー。


朝から極上の絶景を天空のレストラン。



絶景ポイント
10月下旬~12月上旬、晴れて放射冷却が起きた朝に発生しやすい。5月中旬~7月中旬の雨上がりもチャンス。出現するかどうかは、言うまでもなく運次第だ。
0255-87-2501
新潟県妙高市田切216
1泊2食付き2万9500円~(入湯税別途150円)
【電車】しなの鉄道妙高高原駅より送迎有(要予約)【車】上信越道妙高高原ICより10分
76台
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玄妙庵【京都府・宮津市】
日本三景、雪化粧。






雪舟が描いたがごとく広がる水墨画の世界。
日本三景・天橋立を約80mの高台から一望する老舗宿。一年を通して美しい姿を見せる天橋立だが、雪に覆われた冬は格別。雪が降り始めるとまるで一幅の水墨画が現れるように、モノトーンの静謐な世界が眼前に広がる。
お部屋で畳に寝転んで眺めるもよし、お風呂にゆっくり浸かって愛でるもよし、ロビーで寛ぎながら目に焼き付けるもよし。幻想的なパノラマ風景とともに、静かに流れる時間に身を任せるのがここでの正しい過ごし方なのかもしれない。
絶景ポイント
12月下旬頃~2月末頃が降雪シーズンだが、年により変わるのでご縁に期待。雪の晴れ間には、山々は白く、空は青く、松林は緑の美しいコラボレーション。
0772-22-2171
京都府宮津市字文珠32-1
1泊2食付き6万6000円~、かにフルコースは12万1000円~
【電車】京都丹後鉄道天橋立駅より送迎有(要事前連絡)【車】京都縦貫道天橋立ICより10分
5台
「玄妙庵」の詳細はこちら
大阪マリオット都ホテル【大阪府・大阪市】
超高層が放つ、冬夜景。






大阪の絶景を一望する「天空のホテル」。
エレベーターで19階のロビーラウンジへ。大きく開放的なガラス窓から眼下に広がる街並みに、チェックインから心が躍り始める。日本屈指の高層ビル「あべのハルカス」の上層部に位置するこのホテル、夜になれば北は梅田の高層ビル街の煌めき、南は遮るものがない大阪平野のダイナミックな夜景が迫る。
せっかくなら50階以上のアッパーフロアやクラブフロアに泊まりたい。滞在中ずっと空に浮かんでいるような、夜景に包まれたプレミアムな時間が心に残る。
絶景ポイント
レストランや客室、ラウンジなどは床から天井まで広がる大きな窓で設計されていて、ワイドビューな夜景が圧巻!昼間は晴れた日なら淡路島まで見渡せる。
06-6628-6111
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
1泊食事なし2万5905円~
【電車】JR・Osaka Metro 天王寺駅・近鉄大阪阿部野橋駅直結【車】阪神高速14号松原線天王寺出口より5分
28台(3000円/泊)
「大阪マリオット都ホテル」の詳細はこちら
※特に併記していない限り、記載の宿泊料金は平日大人2名1室利用時の1名分(消費税・サービス料込み)です。別途、入湯税・宿泊税がかかる場合があります。
※料理などは季節や天候により変更になる場合があります。
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※この記事は2023年3月3日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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※掲載の価格は全て税込価格です。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。