2023.06.18

奈良・今井町のおすすめ観光スポット10選！おしゃれなカフェも紹介＜2023＞

奈良県橿原市（かしはらし）にある今井町は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようなエリアを徒歩で巡れる重要伝統的建造物群保存地区です。見学可能な町家をはじめ、町家をリノベーションしたカフェやレストランなどのグルメスポット、歴史ある酒蔵や醤油蔵で造られたお土産もご紹介します。

※画像提供：フォトライブラリー

※この記事は2023年5月31日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信：じゃらんニュース

今井町ってどんなところ？

江戸時代の佇まいが残る町並みを散策できる観光地

大阪市内から車でも電車でも約1時間、ならまちなどの観光地がある奈良市内からは電車で約40分、車で約50分とアクセスしやすい所にある今井町。江戸時代には“大和の金は今井に七分”といわれるほど繁栄し、独自の通貨が流通するほど強大な財力を誇りました。

東西約600m、南北約310mの重要伝統的建造物群保存地区内には、約500件の伝統的建造物が大切に保存され、国の重要文化財9件を含む多くの文化財が存在します。

現在も江戸時代の風情を残す町並みは、映画やドラマの撮影に使われることもあり、多くの人が訪れる観光地として注目度も上昇中です。江戸時代の建築物内部の見学だけでなく、町家を改装したお店でランチやティータイムを楽しむこともできます。古き良き時代に思いを馳せながら、ゆっくり散策してくださいね。

町家を巡り、歴史を体感しよう

今井まちや館

今井町の中には、見学できる町家がいくつかあります。「今井まちや館」は、本町筋の中央部に位置する、18世紀初期に建てられた町家です。

今井町にある大型町家の基本的構造を持つこの建物は、帳台構え（座敷の飾り）、あげ戸、煙出し、つし2階（2階の高さが低い屋根裏空間）など17世紀後半から18世紀初期ごろに見られた設備の手法が良く残っています。

明治時代以降は空き家であった期間が長く、全体的に痛んでいたため、平成11年～12年に調査・復元工事が実施されました。調査では今井町の大型町家の基本平面を持っている貴重な建物であることが判明。痕跡資料に基づき古材を再利用し、耐震や防火施設の充実をはかって当初の姿に復元されたので、江戸時代の雰囲気を存分に体感でます。

土間や和室の壁面にあるパネルでは、建物の構造や当時の暮らしを解説しています。スタッフが常駐しているので、施設についての説明もしてもらえると好評です。

※画像提供：橿原市

重要文化財 旧米谷家住宅

国の重要文化財でもある「旧米谷家住宅」は18世紀中期ごろに建てられたと推察され、平入りで切妻造、本瓦葺きの町家です。

中町筋に面して立ち、「米忠」という屋号で金物商を営んでいました。江戸時代5代目の忠五郎の時期に繁盛したそうで、母屋の西北側に座敷が増築されました。裏庭に立つ土蔵には、数寄屋（すきや）風の蔵前座敷（くらまえざしき）が付属しています。

今井町には珍しい広い土間や、煙返しなどが取り付けられ、商家でありながら農家風民家のイメージが強い建物でもあります。井戸やかまどといった、江戸時代の生活の様子が分かるものも残っているので、見所が満載です。こちらにもスタッフが常駐しているため、いろいろ説明を聞きながら隅々までじっくり見学できます。

※画像提供：橿原市

今井町のおすすめレストラン＆カフェ

Tama

本町筋にある「Tama」は、奈良県産の野菜など旬の食材を使用したオリジナルフレンチを味わえるレストランです。ランチもディナーもシェフのお任せコースのみの提供となっています。

ランチは、コース料理5品とデザート・お茶菓子・お茶（コーヒー・紅茶・ほうじ茶からセレクト）という内容です。シェフ自らが奈良県御所市にある農家に足を運び、厳選した野菜も使われます。

春は紅くるり（赤い大根）、夏はウリ系、秋はきのこや根菜、冬は黒大根や黒キャベツと、一年を通して珍しい野菜も使われるので、どんな一皿がテーブルに届くか楽しみですね。

山菜のフキノトウがマカロンとのコンビでデザートとして登場することもあり、シェフのアイデアとセンスが驚きの一品を生み出しています。

築約150年の町家をリノベーションした店の奥に緑豊かな庭が広がり、昼は明るく爽やかな雰囲気です。「ディナーコース」（8800円）を味わえる夕暮れからは、照明を落としたシックな装いに変わるのも魅力。時間帯によって表情を変える空間と料理で古都のフレンチを堪能できます。

※ランチ・ディナー共に前日までの予約が必要です。

農家のオーベルジュ こもれび

地元で育った旬の野菜をメインに、素材の味そのものを味わえる料理が評判のお店です。

「花籠ランチ」は、季節の野菜の天ぷら・煮物・お惣菜・煮込みハンバーグ・ごはん・汁物・漬物・デザート・ドリンクという充実した内容です。ほとんどの野菜は橿原市と隣接する明日香村産か高取町産。お米もできる限り奈良県産が使われています。旬の野菜に合わせて、天ぷらや煮物・お惣菜の内容も変わっていくそうです。

もう少し量の控えめな方がいい場合は「プチランチ」がおすすめ。内容は、煮物・お惣菜・煮込みハンバーグ・ごはん・汁物・漬物です。

ランチは、オーナーが明日香村で射止めた猪を使う「ジビエカレー」（1200円）もあります。猪肉を柔らかく煮込んだカレーに、塩こうじやヨーグルト漬けにした猪肉のカツが乗り、自家製の漬物とサラダが付きます。時期により提供できない場合もあるため、「ジビエカレー」は必ず前日までに電話で予約をしてからお出かけください。

築150年以上の町家の風情をいかすように、壁の漆喰塗りから床の蜜蝋ぬりまでセルフリフォームされた空間でくつろぎのひと時を過ごしてくださいね。

※夜は完全予約制です。料理内容や時間などの詳細は問い合わせましょう。

cafe たまゆら

町家の木戸をくぐり、敷地の奥へと歩みを進めると、そこに広がるのは海外リゾートを思わせる別世界！真っ白なテラスと建物が迎えてくれます。古民家の離れだった建物をリノベーションしたカフェでは、野菜ソムリエの有資格者をはじめ、スタッフで考えた2種類の“からだよろこぶランチ”が食べられます。

「たまゆらプレート」は橿原市や明日香村の野菜も含め、旬の野菜が中心の彩り豊かなプレートランチ。 雑穀米のごはんとお味噌汁も付きます。メインメニューは、1カ月半から2カ月で内容が変更されるそうです。

もうひとつのランチ「ヴィーガンプレート」（1200円）は、動物性の食材や調味料を使わない料理と、こちらも野菜たっぷりのプレートランチです。

「シフォンプレート」は、アールグレイのシフォンケーキに生クリームと季節のフルーツをデコレーションしたおすすめスイーツです。季節のフルーツとバニラアイスにミックスナッツが散りばめられています。

外観は真っ白なリゾート空間のようですが、店内は太い梁や柱が、ここが町家であることを思い出させてくれるナチュラルな雰囲気です。季節ごとに新作のスイーツやドリンクが登場するので、Instagramをチェックしてから訪れましょう。

うのまち珈琲店 奈良店

落ち着いた雰囲気にリノベーションされた町家にズラリと並ぶ本を読みながら、味はもちろん見た目も楽しめるスイーツやドリンクを味わえるブックカフェです。

中でも「クレームブリュレの季節のパフェ」は、人気のスイーツです。上からキャラメリゼしたブリュレ、ホイップクリーム、ミルクプリン、バニラアイス、イチゴのソルベと重なり、食べ進めていくうちに味わいが変わる驚きも楽しめそうです。フルーツはイチゴやキウイフルーツなど季節によって変わります。

「うのまちクリームソーダ」は、季節により3～6種類提供されます。透明感のあるカラーグラデーションが美しく、バニラアイスやサクランボとの相性も抜群です。優しいピンク色の「さくら」は、ほのかにさくらの香りがするシロップを使用。クリアな「青」には、オリジナルブレンドした柑橘系シロップが使われています。好きな色や味を選んでみてくださいね。

店内には小説、写真集、旅のガイドブックなど、さまざまなジャンルの本が1000冊ほど並んでいます。営業時間中はいつでも食べられる「日替わりカレー」（850円）、「本日のドリア」（950円）といったフードもあるので、本を片手にのんびり食事も楽しめます。

Hackberry

今井町の北東にあたる玄関口に位置する「Hackberry」は、橿原市の文化財に指定されている築150年以上の古民家をセルフリノベーションしたカフェ。コンセプトは“ニューノスタルジー”で、“和×洋”の創作料理もスイーツもオリジナリティ豊かなうえ、多彩なメニューが揃っています。

ランチメニューの中で好評なのが「シネマティック ランチ プレート」です。今井町で行われた映画撮影の際、出演者やスタッフに提供されたケータリングがきっかけで生まれました。

奈良県産の豊富な野菜を中心に、奈良県産古代米・メインのお肉（写真は鶏むね肉のスーヴィット）・パティシエが作るキッシュなど和洋をミックスした内容。旬のフルーツを使ったティーゼリー・奈良県桜井市の特産品である三輪そうめんも付いています。

ティータイムにおすすめの一品は「ダッチベイビー（ドイツ風パンケーキ）生絞り　1mmモンブラン」です。ドイツ風のパンケーキの生地・しっとりスポンジ・レモンカスタード・サクサクのメレンゲ菓子・その上に目の前で絞ってくれるモンブランのクリームという5層になっています。紫芋をはじめ、モンブランのクリームは3種類あるので、好みで選んでくださいね。

それぞれに異なる雰囲気が漂う客席は1階・中2階・2階・地下に分かれ、東洋と西洋のアンティークやブロカント（古道具）で彩られたおしゃれな空間。ディナータイムにしか味わえないメニューもあるので、何度も訪れたくなりそうです。

粋庵

町家の佇まいが残る落ち着いた雰囲気のそば処。朝から店主が秋田県産のそば粉で打つ艶やかな“二八そば”は、細くてのど越しの良いのが特徴です。

おすすめはサービスランチの「今井膳」です。鰹と昆布でだしを取った“つけだし”で食べる「もりそば」か、混合ぶしのだしが香る温かい「かけそば」から選べるそば・おかず（エビの天ぷら・煮物・だし巻・湯豆腐）・ごはん・自家製の漬物も付いています。

単品も冷たいそば5種類、温かいそば5種類が揃います。中でも温かい「鴨南そば」は、奈良県御所市の葛城山麓で飼育された合鴨「倭鴨（やまとがも）」を使用。鴨肉は脂身と赤身のバランスが良く、かむほどに口の中いっぱいに旨みが広がります。

カウンターと小上がりのテーブル席がある店内は、和の装いが心地良い空間。昼はそばメニューだけの提供ですが、夜は奈良県各地の地酒と共に、約40種類もある日替わりの一品料理に舌鼓を打てます。

※前日までの予約がおすすめです。昼は12時までの入店に限り予約を受付。夜はお任せのコース料理や鍋料理もあるので詳細は予約時に相談しましょう。

今井町のお土産が買えるお店

河合酒造株式会社

創業約290年を誇る造り酒屋。店舗であり、住居でもある母屋は国の重要文化財です。

種類に合わせて酒造好適米や奈良県産米を使い分けるお酒は、例年10月から3月ごろまで仕込みが続き、新酒は12月初旬から順次蔵出しされます。屋号でもある「上品寺屋（じょうぼんじや）」、地元の地名を付けた「うねび」「香具山」、今井町にゆかりの深い茶の湯の宗匠「宗久（そうきゅう）」など多彩な銘柄が造られています。

中でも代表銘柄は「出世男（しゅっせおとこ）」です。お土産には、幅11cm、奥行き11cm、高さ12cmの外箱に収まる、かわいいミニサイズの「出世男ベビー菰樽」が好評。本醸造の原酒なので、濃醇旨口タイプで原酒ならではの呑みごたえのある味わいを楽しめます。“常温”から40度ぐらいの“ぬる燗”まで、また夏はロックでいただくのがおすすめです。

大吟醸出世男を使った「出世男酒ケーキ」もあります。スポンジ生地を大吟醸酒「出世男」に漬け込み熟成させているので、ふわりと漂うお酒の香りと、しっとりとした口当たりが魅力のおとな向けスイーツです。

軒下に“良いお酒ができるように”という願いを込めた「杉玉（すぎだま）」が吊り下げられたお店は、造り酒屋の歴史を物語る風格ある佇まいです。

さらに「奈良漬」（うり（深漬）200g／900円など）もお土産や自分使いにぴったり。主に吟醸粕を使い、野菜の漬け替えを繰り返すことで風味が増すそうです。ご飯のお供としてはもちろん、刻んでクリームチーズと和えたり、ポテトサラダに入れたりすると、お酒のアテとしても重宝しそうですね。

※飲酒後の車の運転はお控えください

恒岡醤油醸造本店

創業113年の歴史あるお店。江戸時代後期に建てられた醤油蔵には、30石（5400L）入りの木桶が22本並びます。春先から仕込みが始まり、醤油によって1年～2年熟成させるそうです。8つの銘柄があり、濃口、薄口、再仕込み、ポン酢醤油、だし醤油とさまざまな商品が造られています。

こちらのイチオシは、かけ醤油の「夢ら咲」です。まずは、大豆・小麦・食塩の原材料を1年熟成させた生醬油に麹を加え、さらに1年熟成させるので、塩味の角が取れてまろやかな味わいになります。刺身や豆腐はもちろん、卵かけご飯、焼餅にも良く合うそうです。

多彩な商品の中でも「こいくち・純」は、醤油の原材料のみで2年間熟成させるので、昔ながらの醤油の味わいが魅力です。刺身や豆腐にかけて、深みのある風味を楽しんでみてください。

柱や梁も町家の風情を漂わせる店内には、さまざまな醤油が並んでいます。200mL・300mLサイズの商品は、ガラス瓶で1点ずつ箱入りなので、持ち帰りしやすいのもうれしいですね。

まとめ

江戸時代の雰囲気が絵になる町は、写真映えもばっちりです。個性豊かな空間にリノベーションされた町家で食事やカフェタイムを過ごすのも素敵！“made in 今井町”のお土産もたくさん買いたくなりそうですね。

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
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