訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、さまざまなおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、交通アクセスや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2023年6月25日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
気軽にお出かけしやすくなり、求められるのは“フッ軽”な温泉
マスクの着用が任意になり、旅行もだいぶしやすくなってきました。思い切って遠出をするのもいいけれど、東京都心から近い温泉地での気軽な旅行から再開する人も多いのではないでしょうか。
東京から近い温泉地といえば、知名度の高さから箱根・熱海がまず挙げられると思います。もちろん箱根・熱海も魅力にあふれているので、ぜひ訪れてほしいのですが、今回紹介したいのは、箱根・熱海とはまた違った東京から近場のおすすめ温泉地です。
条件は、東京から2.5時間以内。温泉ビギナーさんに知ってもらいたい、マニア太鼓判のおすすめ名湯をまとめました。フットワーク軽く、サクッと行けることを最重視したので、ぜひ休日の旅行計画に役立ててくださいね。
踊り子号で直通約2時間!伊豆の小京都・修善寺温泉
修善寺温泉は“伊豆の小京都”とも呼ばれていて、ノスタルジックな景観が素敵なコンパクトな温泉地です。伊豆半島の真ん中あたりに位置しており、大人向けの落ち着いた雰囲気が魅力的。源氏ゆかりの史跡が数多く残されているので、歴史好きの人にもおすすめといえます。
修善寺温泉は東京駅発の踊り子号に乗れば、直通約2時間10分でたどり着けます。車でも東名高速道路と伊豆縦貫道を使えば、ほぼ高速のみの道のりで約2時間。下道を走る時間が短いので、運転のストレスも少ないのが最高です!
温泉街の真ん中には、温泉地の名のとおり修善寺というお寺が建っています。到着してひとまず参拝を終えたら、竹林の美しい遊歩道で散歩したり、朱色に塗られた橋の上で写真を撮ったり、源氏一族のゆかりの地をめぐったり…と、心地よく過ごすのにぴったりなスポットがたくさん。

修善寺温泉の泉質は軽やかでやわらかな単純温泉。湯疲れしにくくて肌荒れの心配も少ないので、温泉に普段入らないビギナーさんもゆっくり浸かれます。
東北新幹線で75分!好みの温泉に出会える那須塩原温泉
東京から東北新幹線に乗り、75分でたどり着く那須塩原駅。その周辺に広がる那須温泉郷・塩原温泉郷は、バリエーション豊かな温泉の宝庫です。各エリアにさまざまな泉質の湯が湧いているので、お気に入りを探すのにぴったりな温泉地と言えます。
那須温泉郷は、那須塩原駅から北に広がる那須高原にあります。だいたい源泉温度が高めで、たまご臭のする硫黄泉が湧いています。1300年続く古湯「鹿の湯」はぜひ体験してみたいところ。
塩原温泉郷は、那須塩原駅から西の方向にある渓谷沿いの温泉地。古くから“塩原十一湯”と呼ばれていて、11もある温泉地に6種類の泉質の湯が湧いています。温泉郷内には滝と吊り橋がエリア内にいくつも点在していて、自然も満喫できるのがポイントです。

那須温泉郷・塩原温泉郷は、それぞれ駅からバスで60分ほど。新幹線からバスに乗り継ぎとやや大変ではありますが、合計しても東京から2時間ちょっとのアクセス感です。マニアも足繁く通う名湯ぞろいなので、ぜひ温泉三昧の旅を楽しんでもらいたいです。
JR中央線特急で90分!山梨屈指の湯本・石和温泉
新宿駅からJR中央線の特急電車に乗って90分でたどり着くのは、山梨の温泉地・石和温泉。1960年代に温泉が湧出したのち、大型ホテルや旅館の開発で栄えてきました。周辺ではさくらんぼ・ぶどう・もも・りんご・いちごなどのフルーツ狩りをセットで温泉を楽しめるのが魅力です。大人には近隣のワイナリーめぐりもおすすめ。
なにより90分でかなうアクセスは、首都圏民にとってはうれしい気軽さ。東京駅発ではなく、新宿駅発というのも、都内西部に在住の人にとってはありがたいのではないでしょうか。ちなみに車で行っても、中央道でおよそ90分の道のりなのもポイントです。

泉質はアルカリ性単純温泉で、クリアでやわらかな湯が特徴。石和温泉は湯量豊富なので、どばどばと湯船に注がれる豪快な温泉や、広々とした湯船に出会えます。
東北道で約2時間!前橋市内の気軽な名湯・赤城温泉郷
群馬といえば、屈指の温泉大国。日本三名泉に数えられる草津温泉をはじめ、伊香保温泉・水上温泉郷・万座温泉・四万温泉など、前橋や高崎の街より奥へ行くとさまざまな温泉の選択肢があります。
足繁く群馬に通う温泉好きもたくさんいるはず。ただし、それぞれの温泉地は東京都内からの道のりもそれなりにかかります。
移動時間にややハードルを感じる方におすすめしたいのが、前橋市内にある小さな山麓の温泉地・赤城温泉郷。赤城山のふもとにある旅館5軒ほどの小さな温泉地ですが、“上州の薬湯”と呼ばれるほどの名湯が湧いているのです。

温泉は黄金色に濁っていて、炭酸の豊富な美肌湯!その美しい見た目に、思わずマニアも興奮してしまいます。山の中にあるので、自然豊かな景観の露天風呂への入浴もかないます。
車でのアクセスは、東北道経由で2時間10分ほど。公共交通機関だと、東京駅から前橋駅に約1時間で到着したのち、シャトルバスで上毛電鉄の中央前橋駅へ。大胡駅まで行き、乗り合い型の予約バスやタクシーなどを利用してたどり着きます。前橋駅から赤城温泉までの道のりは1時間ほどですが、個人的には、JR前橋駅からタクシーで行くのも楽ちんで良いと思います。
関越道で約100分!埼玉・秩父にある身近な温泉
埼玉・秩父にも温泉地があります。かつては「秩父七湯」ともいわれたそうで、いくつかはなくなってしまったのですが、現存する温泉に浸かれます。
秩父の温泉はそれぞれ市街地から山里のほうまで日帰り温泉施設や宿が点在しています。長瀞(ながとろ)や三峯神社などの秩父観光を堪能したあとに訪れるのがおすすめ。

秩父には渓谷を望める露天風呂をもつ日帰り温泉や、客室露天風呂付きの和風旅館などがあり、過ごし方の選択肢もさまざま。近場の旅先としてぜひ候補に入れていただきたいです。アクセスは、車であれば関越道経由で約100分。電車でも池袋駅から西武秩父駅まで80分ほどで、そこからタクシーなどを使えばあっという間にたどり着けます。
優雅な1日目がかなう「2.5時間圏内」
土曜日の朝、のんびり支度しながら11時ぐらいに出発して、途中でお昼をはさんでも15時のチェックインに余裕で間に合う。「東京発、2.5時間圏内の温泉」には、そんな優雅な旅行の1日目がかないます。なんだかんだいっても、やっぱり好アクセスは正義です。
今回は書ききれませんでしたが、下記も交通機関や車をうまく利用すれば2.5時間でたどりつく温泉地なので、ぜひチェックしてみてください。
・湯河原温泉(神奈川県)
・伊香保温泉(群馬県)
・鬼怒川温泉(栃木県)
・河口湖温泉(山梨県)
・伊東温泉(静岡県)
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※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi