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2024.01.26

「酒蔵」に泊まる!おすすめ宿5選。宿泊して日本酒を知る・飲む・作るを体験しよう

酒蔵だった建物を再生したり、敷地内の家屋を客室にしたり。そんな酒蔵の宿が日本各地にでき始めている。

宿泊すればその酒蔵の酒を堪能できるだけでなく、なかには蔵人体験ができる宿も。

「泊まれる酒蔵」で、日本酒の奥深さに触れる時間を過ごそう。

※この記事は2023年11月14日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち【奈良県・奈良市】

洋のコース料理と日本酒の新たな邂逅。

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
フレンチをベースにした洋風料理に日本酒を組み合わせる手法が新たな発見を生むひととき

今も昔ながらの町家が残る奈良中心部「ならまち」で、かつて酒造りに使われていた建物を改修。「SAKE HOTEL」をテーマに再生したのが、この宿だ。

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
この日は前菜にワイングラスに注いだ1杯を合わせて
NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
アミューズにはスパークリング酒を。ペアリングは4種類の日本酒が付くプランが基本だが、ひと皿ごとに酒を合わせてもらうことも可能
NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
かつての土間をリノベーションしたレストランは、料理人に近いカウンター席が特等席
NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
季節限定酒を入れると数十種類に及ぶ奈良豊澤酒造の酒が料理を引き立てる

真骨頂は、併設するレストランでのディナータイム。料理は大和野菜など奈良の食材をふんだんに使ったコース料理。フレンチの技法を用いた美しい品々に、ぴたりと合う日本酒を提案してくれる。その日本酒は、かつてこの地で酒を醸していた奈良豊澤酒造の商品からセレクト。「まず酒を選び、そこから料理を組み立てていく」というスタンスが、絶妙なペアリングを生み出している。蔵から直送されたしぼりたての酒、宿限定の酒など、ここならではの1杯に出合えるのもゲストの特権だ。

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
日本家屋の意匠は残しつつ、現代の機能性を備えた客室に改修。間取りや造りがすべて異なる全8室
NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
包まれた酒粕を浴槽へ

客室には布に包んだ酒粕が用意されており、湯船に入れれば美肌や血行促進が期待できるという酒粕風呂に。肌で感じる日本酒体験を楽しめるのもまた嬉しい。

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
ならまちの雰囲気にしっくりと溶け込む白壁の建物

奈良豊澤酒造

目指すのは、飲む人に本当に喜ばれる酒造り。ほとんど機械化せず、手造りに徹した酒造りを行う。自家培養した酵母を使うこだわりも。
[創業]1868年
[主要銘柄]豊祝、無上盃
[年間製造量]5000石
[酒蔵見学]可(有料・要予約)
[試飲]可(有料)

代表する1本

NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち

豊祝 大吟醸
山田錦を35%まで削り、長期低温発酵でじっくりと贅沢に醸した1本。2023年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞。720mL 4969円

■NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち
[TEL]0120-210-289(VMG総合受付窓口)
[住所]奈良県奈良市西城戸町4
[料金]1泊2食付き5万8410円~
[アクセス]【電車】近鉄奈良線近鉄奈良駅より徒歩8分 【車】京奈和道木津ICより20分
[駐車場]8台
「NIPPONIA HOTEL 奈良ならまち」の詳細はこちら

RITA出雲平田 酒持田蔵【島根県・出雲市】

夕食は近隣飲食店の特別なペアリングコースで。

RITA出雲平田酒持田蔵
御造り×濃酒井 純米吟醸 生原酒。日本海の魚は地元の日本酒愛好家が米作りと仕込みを手掛けた1杯と。酒器と器の多くは出雲の伝統工芸品である出西窯の作品からセレクト

江戸時代に木綿の集積地として賑わい、その後商人町として栄えた出雲平田。木造の商家が立ち並び、往時の面影を残す「木綿街道」の一角にこの宿はある。建物は、この地で酒造りを続ける酒持田本店のもの。国登録有形文化財の土蔵を改修し、2022年に一棟貸しの宿としてオープンした。

RITA出雲平田酒持田蔵
鮎塩焼き×純米大吟醸 生原酒。山陰が誇る清流・高津川の天然鮎をふっくらと塩焼きに。香り華やかで淡麗な味の純米大吟醸が鮎特有の風味を優しく包み込む
RITA出雲平田酒持田蔵
活鰻炭火焼き×古滴 大吟醸 斗瓶囲い生原酒。古滴は最高クラスの酒を氷温の冷蔵庫で数年寝かせた古酒。深みのある味わいが、炭火で香ばしく焼いた鰻とタレに絶妙にマッチ
RITA出雲平田酒持田蔵
ぼたん鍋×精米90 純米 生原酒。スープはあっさりとした醤油味ながら肉の味が力強いぼたん鍋には、食用米と同程度しか精米せずに醸した濃厚な酒でバランスをとる
RITA出雲平田酒持田蔵
江戸前鮨×白ラベル 純米 生原酒。鮨だねは地元の魚介や江戸前鮨定番のコハダなどバラエティ豊か。香り穏やかで幅広い食材を受け止める純米生原酒とともに
RITA出雲平田酒持田蔵
若き日に東京の寿司店で修業した店主の生間さんは約100年続く店の4代目

夕食は近隣の食事処にて。和食かイタリアンを選べ、いずれも宿泊者専用のペアリングディナーを味わえる。例えば「料理以久満」での和食は全6品。店の3大看板メニューである活鰻炭火焼き、ぼたん鍋、江戸前鮨を組み込んだ特別コースという力の入れよう。そして1品に1杯ずつ、酒持田本店の酒を合わせていく。その酒は、店主が蔵元とともに試飲と試食を重ねて選んだものだ。

RITA出雲平田酒持田蔵
写真右)なまこ壁を施した土蔵は風情たっぷり。写真左)1階はリビングと浴室、吹き抜けの2階が寝室。地下にも小部屋がある
RITA出雲平田酒持田蔵
美肌効果を考えて特別に配合したお風呂専用の酒で日本酒風呂を楽しめる

朝食は建物並びの醤油店でいただくスタイルも独創的。文化財で寝起きしつつ、地域に泊まる感覚を存分に楽しんでほしい。

酒持田本店

出雲杜氏が醸すヤマサン正宗は、米の旨みをしっかりと感じられる酒質。地元生産者を大切にしており、原料米はすべて島根県産を使う。
[創業]1877年
[主要銘柄]ヤマサン正宗
[年間製造量]非公開
[酒蔵見学]可(有料・要予約)
[試飲]可(有料)

代表する1本

ITA出雲平田酒持田蔵

ヤマサン正宗 佐香錦 純米吟醸
島根県独自の酒米「佐香錦」が原料。香り、旨み、キレのバランスが秀逸。720mL 1880円

■RITA出雲平田 酒持田蔵
[TEL]0853-31-9793
[住所]島根県出雲市平田町810
[料金]1泊2食付き3万2000円~
[アクセス]【電車】一畑電車北松江線雲州平田駅より徒歩10分 【車】山陰道斐川ICより15分
[駐車場]1台
「RITA出雲平田酒持田蔵」の詳細はこちら

KURABITO STAY【長野県・佐久市】

初心者でも参加できる希少な蔵人体験。

KURABITO STAY
蔵人体験は日本文化に興味を持つ外国人からも熱い視線を集めている
KURABITO STAY
左が滞在者の宿泊所。酒蔵で寝起きし、酒造りを体験する

旅先で酒蔵を訪れ、試飲や施設見学をしたことがある人はいるだろう。でも、酒造りの体験をしたという話はあまり聞かないはず。歴史ある酒蔵に泊まり、実際に酒造りの現場で作業に携われるのが「KURABITO STAY」。客室がある建物は、ひと昔前まで蔵人が寝泊まりしていた場所。ここでは酒造りだけでなく、蔵人の生活まで体験できてしまう。

KURABITO STAY
神事は酒造りで大切な行事のひとつ。蔵人体験も神前でのお祓いからスタートする。
KURABITO STAY
2泊3日のプログラムでは醪(もろみ)造りなどの踏み込んだ体験も
KURABITO STAY
宿泊所は築100年という建物を改装。1階は古い木桶の蓋のテーブルが置かれたラウンジで、体験仲間と交流できる
KURABITO STAY
客室は蔵人の寝室らしくシンプル

蔵人体験は、大きく2つのプログラムが用意されている。ひとつは1泊2日で神事~麹造りまでの流れを実施。もうひとつは2泊3日で麹造り以降の仕込みまで体験していく。会場となるのは橘倉酒造だが、「佐久エリアは13もの酒蔵がある酒どころ。この体験を機に地域全体のよさを知ってもらえれば」と代表の田澤麻里香さん。

KURABITO STAY
佐久エリアの地酒を揃えたサーバーがあり、滞在中は無料で飲むことができる
KURABITO STAY
夕食は近隣の食事処で蔵人特別メニューをいただく

開業して3年、「また体験したい」という声が多く、リピーター限定のプログラムも開発。これまでにないアイデアが注目されている。

橘倉酒造

もとより酒は工業製品にあらずして、自然のたまもの。そんな言葉を大切にしながら、佐久の大地に根ざした本物の味わいを追求している。
[創業]1696年
[主要銘柄]本菊泉、菊秀、無尽蔵
[年間製造量]非公開
[酒蔵見学]可(無料・要予約)
[試飲]可(有料)

代表する1本

KURABITO STAY

無尽蔵 純米吟醸
酒米は佐久産のひとごこちで、59%まで精米。寒仕込みで丁寧に醸した純米吟醸を無調整のまま瓶詰め。1800mL 3080円

■KURABITO STAY
[TEL]0267-74-0588
[住所]長野県佐久市臼田623-2
[料金]1泊2日蔵人体験5万5000円(2食付き)
[アクセス]【電車】JR佐久平駅よりタクシーで20分 【車】中部横断道佐久臼田ICより5分
[駐車場]数台
「KURABITO STAY」の詳細はこちら

うきは酒宿いそのさわ【福岡県・うきは市】

古民家に滞在して酒米の気持ちを知る不思議。

うきは酒宿いそのさわ
精米(チェックイン):ゲストは「選ばれし酒米」という設定。宿に入り説明を受けるうちに“磨かれて”いく
うきは酒宿いそのさわ
洗米(シャワー):使わなくなった日本酒の醸造タンクをシャワールームに改装して再利用。おそらく酒蔵でしか生まれないアイデア
うきは酒宿いそのさわ
蒸米(サウナ):シャワーでさっぱりしたあとは、サウナへ。サウナは木の酒樽を模したもの。酒の仕込み水を使った水風呂もある
うきは酒宿いそのさわ
発酵(嗜む):地元名物の「あて」をつまみながら、日本酒を楽しむ発酵タイム。滞在中はいそのさわ自慢の酒がフリードリンクに

名水の郷と呼ばれるうきは市で、明治時代から酒造りを続けるいそのさわ。敷地内に残されていた築130年の古民家を、地域活性化の拠点にするべくリノベーションしたのが2022年のこと。地元の人が集う食堂を備えた「酒宿」として再生させた。

コンセプトが面白い。それは滞在中、ゲストには「酒米になりきってもらう」というもの。例えば到着後、シャワーを浴びて身を清めるのが「洗米」、サウナで体の芯まで温めれば「蒸米」。飲んで食べて眠りに落ちれば、酒を寝かせる「貯蔵」、そしてチェックアウトで「出荷」という具合。この酒宿での滞在は、1日1組に限定。グループで利用して酒米になりきれば、イベントのように盛り上がれそう。

うきは酒宿いそのさわ
夕食は地元の旬食材をふんだんに使った手作りの品々が並ぶ
うきは酒宿いそのさわ
25畳の大広間や土間カウンター、日本酒セラーなどがある広々とした空間を、1組で自由に使えるのが魅力的
うきは酒宿いそのさわ
チェックイン時に渡される枡は飲み比べに使用したあとおみやげに

いそのさわ

清らかな湧き水に恵まれた環境で、仕込み水も敷地内の井戸から汲み上げた水を使用。時代の食卓を彩る酒造りを心がける。
[創業]1893年
[主要銘柄]駿、中洲
[年間製造量]2500石
[酒蔵見学]可(無料・要予約)
[試飲]可(有料)

代表する1本

うきは酒宿いそのさわ

駿 純米酒
いそのさわのフラッグシップ。ほのかな香り、軽快な味わい、キレのよさを追求した食中酒。1800mL 3080円

■うきは酒宿いそのさわ
[TEL]080-6781-8727(VILLAGE INC.)
[住所]福岡県うきは市浮羽町西隅上2-4
[料金]大人4名まで1泊2食付き7万7000円、1名追加ごとに1万6500円
[アクセス]【電車】JRうきは駅より徒歩4分 【車】大分道杷木ICより10分
[駐車場]なし(近隣に市営無料Pあり)
「うきは酒宿いそのさわ」の詳細はこちら

きのえね SAKE CAMP【千葉県・酒々井町】

酒蔵でキャンプという開放的な飲酒体験。

きのえね SAKE CAMP
テントはスノーピークの大型シェルターでリビングと寝室の2ルーム

飯沼本家は千葉で300年以上の歴史ある酒蔵。おいしい酒を造るのはもちろんのこと、「たのしい場づくり」も理念に掲げている。これまで敷地内に直営ショップやレストラン、ギャラリーなどを展開し、地域に開かれた酒蔵を目指してきた。そして2023年春にオープンしたのがキャンプ施設。全国的にも類がない試みだ。

きのえね SAKE CAMP
焚火の火起こしに不慣れな場合はスタッフが手伝ってくれるので安心
きのえね SAKE CAMP
直営ショップで300mLの小瓶を購入して気になる酒の飲み比べができる

ゲストに体験してほしいのは、酒が醸された土地の空気を感じつつ、野外で利き酒をする特別なひととき。青空の下で、満天の星を眺めながら、酒を飲み比べるのは格別なはず。キャンプ初心者でも気軽に利用できるように、テントは常設で内部にエアコンを設置。食材を持ち込まずに済むBBQプランを用意するなど、手ぶらキャンプも可能な仕組みを取り入れる。本格的な和食と酒のマリアージュを求めるなら、レストランでペアリングディナーを味わうのも一興。併せて酒蔵見学も楽しみたい。

きのえね SAKE CAMP
10月~3月は毎週土曜日に酒蔵見学を開催。案内付きで施設をまわったあとは試飲も楽しめる
きのえね SAKE CAMP
酒造りの工程を展示で学べる「ビジターセンター石炭小屋」。毎月第4日曜は朝市を開催
きのえね SAKE CAMP
築300年以上の母屋を改装したレストラン

飯沼本家

機械と技の融合で、高品質の酒を安定して醸造。現代の食の嗜好に合わせ、新しいタイプの酒造りにもチャレンジしている。
[創業]1688~1703年(江戸元禄年間)
[主要銘柄]甲子(きのえね)、甲子正宗
[年間製造量]1200石
[酒蔵見学]可(有料・要予約)
[試飲]可(有料)

代表する1本

きのえね SAKE CAM

甲子 純米大吟醸 山田錦50
山田錦を50%まで磨いた蔵最高峰の1本。1800mL 6600円

■きのえね SAKE CAMP
[TEL]043-496-1111(飯沼本家)
[住所]千葉県印旛郡酒々井町馬橋106
[料金]1泊2食付き3万4500円~
[アクセス]【電車】JR南酒々井駅より徒歩10分 【車】東関東道佐倉ICより10分
[駐車場]30台
「きのえね SAKE CAMP」の詳細はこちら

※掲載されている情報は、2023年11月17日現在のものです。定休日や料金をはじめ掲載情報は変更されることがあります。最新の情報につきましては施設へ直接お問い合わせください。
※特に併記していない限り、記載の宿泊料金は平日大人2名1室利用時の1名分(消費税・サービス料込み)です。宿泊日や客室、プランにより料金は異なるため、詳細は各宿にご確認ください。また、別途、入湯税・宿泊税がかかる場合があります。

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。
※宿泊する場合、各自治体が独自に実施している宿泊税が別途かかることがあります。詳細は各宿泊施設にお問合せください。

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