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2024.06.25

2024年「なら燈花会」の見どころを紹介!奈良公園にゆらめくろうそくの灯りが幻想的

奈良の歴史的な名所が幻想的な光に包まれる「なら燈花会(読み方:とうかえ)」。毎年8月上旬の10日間、奈良公園を中心に1万を超えるろうそくが灯されます。春日大社の参道に並ぶ灯篭や、東大寺の大仏殿を照らす灯りなど、いつもと一味違った奈良の夜を楽しむチャンス。今回は、「なら燈花会」の見どころや、より一層楽しむためのポイントを紹介します。

「なら燈花会」とはどんなイベント?

なら燈花会
なら燈花会 浮雲園地

1999年に誕生した「なら燈花会(とうかえ)」は、奈良公園一帯に約1万2千個のろうそくを灯して古都の夏を彩るイベントです。浮見堂や興福寺、東大寺など、複数の会場で様々な奈良の歴史ある景色と、ろうそくの灯りのコラボレーションが楽しめます。

ろうそくの灯心の先にできる花の形をしたロウの固まりを「燈花」と呼び、これが名前の由来となっているのだとか。「燈花」ができると縁起がいいといわれているそうです。

「なら燈花会」の魅力は、電気の光ではなく、炎の灯りで自然を繊細に感じられることにあります。ろうそくの灯りによるライトアップと連動してライトダウンが実施され、奈良の自然や歴史を素朴で幻想的な灯りで楽しめます。

2024年「なら燈花会」の開催日程・開催場所・アクセス

開催期間

奈良の夏の風物詩になっている「なら燈花会」は、例年8月上旬の10日間、お盆休みの頃に開催されます。2024年は8月5日(月)~14日(水)の10日間です。

点灯時間

点灯時間は19時~21時30分ですが、奈良公園一帯は入場無料でいつでも入ることができるので、混雑回避のためにも早めに行くのがおすすめです。

開催場所

2024年は、興福寺、猿沢池と五十二段、奈良国立博物館前、浮雲園地、奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)、東大寺、浅茅ヶ原、浮見堂、春日大社の合計9つの会場で行われます。

奈良駅からのアクセス

会場は複数に分かれているので、場所によりアクセスにかかる時間は異なります。最寄り駅の近鉄奈良駅からは徒歩5~15分、少し離れた位置にあるJR奈良駅からだと徒歩20~30分くらいかかります。

JR奈良駅からは奈良交通の市内循環バスを利用するのもおすすめです。※イベントの臨時バスなどは出ていません。

「なら燈花会」の見どころ

1. 興福寺

興福寺
興福寺

近鉄奈良駅から奈良公園や奈良県庁がある東の方へ大通り沿いを進むと、右手にやわらかな灯りに照らされた北参道が現れます。その参道を歩くと見えてくるのが、奈良を代表する寺院のひとつ「興福寺」。近鉄奈良駅から近いので、最初に立ち寄りやすい場所です。

東金堂と五重塔が見どころで、歴史ある木造建築とろうそくの灯りのコラボレーションは、荘厳で神秘的な美しさ。ただし現在、五重塔は大規模な補修工事中なので全部は見られません。

2. 猿沢池と五十二段

猿沢池と五十二段
猿沢池と五十二段

興福寺の南側にある猿沢池と五十二段会場。興福寺五重塔から猿沢池周辺を結ぶ五十二段の石段と、猿沢池一帯が立体的なろうそくの火で灯されます。

五十二段は、仏門への修行の段階を意味する「菩薩五十二位」に由来するといわれています。下から見上げると、長い階段と列をなした灯り、五重塔も木々の間から垣間見えて、厳かな雰囲気です。また、奈良時代からの悲恋の物語が残る猿沢池の、水面に反射した灯りも幻想的です。

3. 奈良国立博物館前

奈良国立博物館前

「なら燈花会」が行われる各会場の真ん中あたりに位置する奈良国立博物館。仏像や仏画などを観覧するために多くの人が訪れるスポットです。

博物館は明治に建てられた平屋造りの建物で、奈良で最初の西洋建築といわれ注目されています。周りに灯されたろうそくのほのかな灯りが洋館を照らし、寺院建築中心の他の会場とはまた違う雰囲気です。

4. 浮雲園地

浮雲園地

奈良国立博物館からさらに東へ進んだ位置にあり、東大寺の南大門に通じる参道にも面している浮雲園地。昼間は若草山をバックに写真が撮れる、開けて気持ちのいいエリアです。

広範囲に広がるろうそくの灯りで奥行きが感じられ、その様子は地上に描いた天の川のようにも見えます。

5. 奈良春日野国際フォーラム甍

奈良春日野国際フォーラム甍

浮雲園地の光の道を通り抜け、さらに東へ向かうと、奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)会場に到着します。2023年までは春日野園地がメイン会場となっていましたが、2024年からは場所を移して展開される予定です。

来場者が自分でろうそくを灯すことができる「一客一燈(いっきゃくいっとう)」も奈良春日野国際フォーラム甍で開催されます。自分の灯したろうそくが美しい景観の一部になる感動はもちろん、来場者の献灯で灯りが増え、変わっていく光の様相も楽しめそうです。

6. 東大寺(8月13日・14日のみ)

東大寺

奈良国立博物館と浮雲園地の間の通りを北へ進むと東大寺南大門が見えてきます。8月13日と14日には、南大門から中門の間、鏡池の周り一帯にもろうそくが灯ります。

また、南大門と中門、東大寺大仏殿はライトアップされ、歴史ある寺院建築や金剛力士像などが夜の暗がりに浮かび上がって迫力があります。大仏殿正面の観相窓も開き、大仏の顔を外から拝むことができる貴重な機会なので、タイミングを合わせて訪れてはどうでしょうか。

7. 浅茅ヶ原

浅茅ヶ原

奈良国立博物館と浮雲園地の間の通りを、東大寺とは逆の南に進むと浅茅ヶ原(あさじがはら)会場に着きます。浅茅ヶ原会場では、地面に置かれたろうそくの灯りと、竹のオブジェの間にちりばめられた灯りが一緒に楽しめます。期間中2日間は、アーティストによる「ほの灯りライブ」も開催される予定です。

足元のほのかな明るさを楽しむ他のエリアと違い、立体的なオブジェで明るさもしっかりあるので、人物が写った写真を撮るならここがおすすめ。和を感じる竹細工のオブジェを使ったイルミネーションは、浴衣での撮影にもマッチします。

8. 浮見堂と鷺池

浮見堂と鷺池
浮見堂と鷺池

浅茅ヶ原会場からさらに南、「なら燈花会」の会場の中でも一番南に位置する浮見堂会場。ろうそくの灯りに照らされて黄金色に輝く浮見堂、それを鮮やかに映し出す鷺池(さぎいけ)の水面、漂う小舟。そこはまるで極楽浄土にいるような美しさです。

浮見堂会場はその美しい景色を見に来るたくさんの人で賑わい、他の会場と違って橋や通路が狭いので特に混雑します。貸しボートに乗って、池の上からゆったり眺めるのも一つの方法です。

9. 春日大社(8月14日のみ)

春日大社

奈良公園の東の奥には、全国およそ3000社の春日神社の総本社である春日大社の敷地が広がっています。神山を含む約30万坪の春日大社は世界遺産にも指定され、奈良に行ったら必ず訪れたい場所です。

8月14日には参道にろうそくが灯され、光の道に姿を変えます。8月14日と15日には3000基もの燈籠に一斉に灯りが灯される「中元万燈籠(ちゅうげんまんとうろう)」も催されるので、このタイミングで「なら燈花会」に参加できる場合は、ぜひ足を運んでみてください。(15日は「なら燈花会」春日大社参道の点灯はなし)

「なら燈花会」に行く時のQ&A

自分でろうそくを灯すことはできる?

「なら燈花会」では、「一客一燈」といって、自分でろうそくを灯す体験ができます。過去のイベントでは、10日間でのべ約5000人の来場者が参加し、想いを込めた灯りを灯したそうです。

受付場所は「奈良春日野国際フォーラム甍」会場で、19時~21時まで受け付けています。協力金として500円が必要で、先着などの人数制限はありません。「一客一燈」のろうそくを入れたカップは、「奈良春日野国際フォーラム甍」会場内であれば自由に置くことができます。

雨天決行ですが、台風等の悪天候の際は開催されないこともあるので、天候が悪い時は公式ホームページのお知らせをチェックしておきましょう。

周辺に屋台はある?

「なら燈花会」に合わせて、毎年たくさんの屋台が並びます。場所は、春日大社の参道や東大寺参道を中心に出店しています。また、2024年は、「奈良国際フォーラム甍」の前にキッチンカー等の飲食ブースが設置される予定です。

駐車場はある?

専用駐車場はありません。イベント中は混雑が予想されるので電車やバスでの移動が推奨されていますが、車の場合は奈良公園や奈良駅近隣にあるコインパーキングを利用しましょう。

「なら燈花会」と一緒に楽しめるイベントや催しはある?

期間中は様々な催しがあります。

興福寺 中金堂(ちゅうこんどう)

閉館が延長され夜間拝観が可能です。

[日時]8月5日~14日 9時~20時30分
[料金]拝観料大人500円、中高生300円、小学生100円

春日大社

「中元万燈籠」を開催。春日大社の約3000基の燈籠に灯りが灯ります。

[日時]8月14日、15日 19時頃~21時30分
[料金]御本殿特別参拝500円

東大寺大仏殿

中門が開放され、夜間の参拝が可能。大仏殿正面の観相窓が開き、大仏さまの顔を拝むことができます。

[日時]8月13日、14日 19時~21時
[料金]拝観無料

また、ろうそくの灯りの中アーティストのライブを楽しめる「ほのあかりライブ」が期間中2日間開催されます。(現時点で開催日未定)

■なら燈花会
0742-21-7515(なら燈花会の会)
奈良県奈良市奈良公園一帯
「なら燈花会」の詳細はこちら

「なら燈花会」会場マップ

まとめ

ろうそくのほのかな灯りを重ねたライトアップは、LEDのイルミネーションとはまた違う風情があります。古都の夏を彩る幻想的な「なら燈花会」に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

※この記事は2024年6月17日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

鳥井 晴風  鳥井 晴風

5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。

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