こぼらさんの岐阜県の旅行記

濃尾平野を一望・池田山〜揖斐峡
- 1日目2019年5月5日(日)
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伊吹山系の池田山は標高924mで、決して高くはありません。濃尾平野の西端に位置している事と、山が南北に展開しているので山頂付近から濃尾平野が見渡せることで知られています。狭い道ですが、夏場は車で山頂近くまで行くことができます。
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池田山の山頂付近をズームアップしています。写真中央右に見える、樹木が生えていない場所がパラグライダーの離陸場になっています。そこからの濃尾平野の眺めが良いので、皆さん山頂だと思っておられるのですが、実は山頂ではありません。写真の左に見える少し高い尾根が山頂です。パラグライダー離陸場のある尾根の奥に、もう一つ尾根があり、そこに山頂があるのです。
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パラグライダー離陸台から眺める濃尾平野。岐阜市あたりは随分手前に見え、名古屋の市街地や伊勢湾も眺望できます。ここはパラグライダーの聖地としても知られています。 ここからパラグライダーで飛び立つ人たちは、大空を吹きわたる風になった気分になるでしょうね。
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パラグライダー離陸台の傍には芝生広場があります。山を麓から眺めると、山頂近くに樹木のない広い斜面が見えますが、それがここです。 パラグライダーの飛行日には、皆さんここでパラグライダーを装着して、発進順番が来るのを待つのです。
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訪れた時はパラグライダーの飛行はありませんでしたが、平野に向けて離陸した直後のパラグライダーの姿が紹介されていました。 岐阜金華山も有名ですが、池田の森公園から見る濃尾平野の夜景も美しく、デートスポットにもなっています。ただ夜10時になると登山道ゲートが閉められるので、ここで夜を明かすつもりなら話は別ですが、遅くまでは居られません。
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池田山の麓にある池田町や神戸町が、手を伸ばせば届きそうな感じで見えます。私は池田町で生まれ育ちましたが、生活している分には狭い町だと思った事はありません。しかし、池田山の直下に見える小さなエリアにしか見えないのが意外でした。この立体パノラマを見る気分は、写真や言葉ではうまく表現できないのが残念です。 揖斐川の向こうには大野町・本巣市・北方町が、そして奥に岐阜市の市街地が見えます。写真左奥の低い山は、岐阜城がある金華山です。
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池田の森公園から見下ろすと、桜の名所として知られる霞間ケ渓公園は、池田山の足元にあるように感じます。地元の小学校では、新学期早々に顔合わせ遠足で訪れるスポットになっています。桜が満開の頃に池田山から眺めれば、公園を霞のように覆う桜花が見えるのでしょうが、その頃は池田山は閉鎖されていて登ることはできません。 山に登れるようになるのは5月からで、満開時期から1ヶ月ほど経過するため、池田の森公園からは葉桜の霞間ケ渓しか見る事ができないのです。
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パラグライダー離陸台から南東を見ています。ズームアップすると、霞んでいますが手前に大垣市街地が、写真を横切る二筋の川(手前:揖斐川、奥:長良川)の向こうには名古屋の高層ビル群も見えています。高層ビル群の背後には、西三河の山影がぼんやりと見えていました。
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多くの方々が、池田山の山頂にある公園だと思っています。ここから濃尾平野を眺めると、視界を遮るものが全くないので頂上だと思うのが無理もないと思います。来る道は少々手強いですが、駐車場やトイレ兼展望台もあり立ち寄りやすい公園です。 池田の森公園の標高は783mで、山頂よりも120mほど低いのです。池田の森公園がある尾根と、山頂がある尾根とは別なのです。公園から数百メートル西側にある尾根に山頂があります。
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池田の森公園から山頂へは、尾根伝いの道を500mほど奥に進みます。今は「ふるさと沙羅街道」と呼ばれる、かつて東海自然歩道だった道です。道は山頂付近をかすめた後、垂井町と揖斐川町の境を縫うようにして垂井町に下りて行きます。しかし、近年の台風被害により、山頂の向こうでは通行止めになっています。
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標高が900m近くなので、まわりの空気は少しひんやりしていました。「ふるさと沙羅街道」沿いに山桜が植えられていましたが、まだまだ見応えのある咲きっぷりの桜もありました。人里離れた山頂付近なのに、どこから来ているのかミツバチがいました。
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池田の森公園から「ふるさと沙羅街道」を少し進むと、垂井町に入ります。垂井町側にも広場が設けられていて、そこに車を駐めて山頂まで歩いて行くことができます。山頂に向かう登山道は私有地になっているため、入山料として一人200円を支払う仕組みになっています。 尾根の上を進む登山道を歩くこと15分程度で山頂に到着します。
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これが標高924mの池田山山頂です。休憩用の東屋と木組みの展望台が設けられています。展望台の手前に車のわだちが見えています。登山道を歩いてしか来られないはずなのに、おかしいですね。 山頂を境に池田町・垂井町・揖斐川町が接しているのですが、池田町側には山頂に車で来られる道がありました。ただし、この道は山頂の管理者の私有地で、一般者は垂井町側から歩いて来るしかないのかもしれません。
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山頂展望台からも濃尾平野は眺望できますが、池田の森公園がある尾根が視界を遮り、残念ながらベストな眺めは得られません。 濃尾平野を展望するなら、標高が100m以上低くはなりますが、視界を遮るものが一切ない池田の森公園から眺めるのがベストということになります。
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山頂・池田の森公園方面から麓の方へ下りて行くと、道路沿いに玉垣が連なっている場所に至ります。焼石神社の境内を囲っている玉垣です。連れてきた両親が、自分たちの名前が刻まれている玉垣を見つけて思い出にひたっていました。 昭和55年に、麓(今は池田温泉があります)と山頂を結ぶ車道が拡大整備され、同時に焼石神社も立派になりました。その際に池田町内のほぼ全ての家庭が寄付をしており、玉垣一本一本に寄付者の名前が刻まれているのです。およそ40年前のこと、もう鬼籍に入られた方々の名前が刻まれた玉垣も少なくなく、時間の流れを感じます。
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池田山「池田の森公園」がある尾根の南側にある焼石神社。巨石が御神体の神社です。地元では「やけいしさん」と呼ばれています。40年ほど前までは巨石と小さな社だけのそれは小さな神社でした。 昭和55年に「池田の森公園」が整備された際、池田町内の全家庭が寄贈して、新たな社殿や鳥居、玉垣に囲まれた参道が造られて神社といえる姿となりました。 一の鳥居横の春もみじが美しいです。
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参道の石段を上がると二の鳥居が見えてきて、左斜め奥に社があります。でも、そこは昭和55年に追加された社であり、昔からある焼石神社の社ではありません。御神体は右手にあります。
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こちらが、昔からある焼石神社の社です。小さな社は巨石の上に立っているのですが、正面からは全くわかりません。
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神社の古い社を横から見ると、巨石の上に立っていることがわかります。この巨石が焼石神社の御神体です。40年ほど前までは、この巨石と社だけの小さな神社でした。 巨石は黒ずんでおり、焼いたように見える事から焼石神社と呼ばれています。太古の昔、現在の何倍もの標高があった伊吹山より、氷河によって運ばれてきた巨石だと学校で習った覚えがあります。ということは、ここは大昔は谷底だったということです。今は尾根なんですけどね。
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巨石を下から見上げています。巨石は半分くらいは尾根に埋まっていそうです。こんな巨石を氷塊に混ぜて運んできた氷河のパワーには驚くばかりです。一体、どれ位の高さのある氷河だったのでしょう?
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焼石神社の傍には、巨石の下の方から尾根上の社殿に上がる歩道があります。これは50年以上前に整備された東海自然歩道の名残です。池田山の山麓から焼石神社を経由して山頂に至り、垂井町や旧春日村(現・揖斐川町)まで通じていました。小学生の時に、山麓から焼石神社まで登ってきたのを覚えています。 昭和55年に「池田の森公園」と山頂付近に至る車道が整備された時に、自然歩道はあちこちで車道によって寸断されてしまいました。現在では、山麓をめぐる遊歩道だけになっています。
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池田町方面から藤橋の湯に行くにあたり、快適に整備された国道303号線を使うとトンネルばかりで、それらしい景色は見えません。あえて旧道を使いました。揖斐川峡谷の両岸の断崖上を通る道です。対向車とのすれ違いに難儀する狭くて険しい道ですが、素晴らしい景観を楽しむことができます。 新道と旧道を連絡する橋の一つに「揖斐峡大橋」があります。揖斐川の峡谷をまたいでいますので、橋の上からの眺めが良いです。
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揖斐峡大橋の上から上流側を見ています。先発の口コミでは、紅葉に染まる雨上がりの揖斐峡が紹介されています。すばらしい写真で気に入っているのですが、ここで撮影されたのですね。この写真は、良く晴れた新緑の揖斐峡の姿です。見比べて頂くと面白いでしょう。 旧道を通らないと美しい揖斐峡を見る事はできません。しかし旧道は、近年の台風土砂被害による通行止め区間が多く、なかなか立ち入れなくなっているのが残念です。
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揖斐峡大橋から、揖斐川右岸沿いの旧道を使って、さらに上流側にある藤橋の湯を目指しました。外津汲(とつくみ)辺りに来ると、揖斐川の様子がダム湖ではなく渓流らしくなり、峡谷が深くなります。奥揖斐峡と呼ばれています。 外津汲橋の下に差しかかり見上げると、橋が余りにも高い場所に架かっているので、脇道を使って橋の上に上がってみました。 この橋は、下流側の揖斐峡大橋と同じように、揖斐川両岸の旧道を連絡し新道(国道303号)につながっています。奥揖斐峡橋と言ってもいいでしょう。 橋の上から見る美しい山々と澄んだ渓流は絶景です。
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外津汲橋の上から見た、上流側の揖斐川峡谷。川が深そうで、秘境感たっぷりの眺めです。
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外津汲橋の上から見た、下流側の揖斐川峡谷。橋と川面との落差は50m程度かと思われます。川の向こうに、今来た旧道が見えていますが、切り立つ崖の真下を進んできたのがわかります。
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外津汲橋を渡り、今度は揖斐川左岸に沿う旧道ルートに切り替え、さらに上流側に向かいました。写真は、外津汲橋のある下流側を振り返っています。周囲は、ひたすら山と峡谷だけの景色になっていました。
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揖斐高原の手前で新道に戻り、数キロほど進んだら道の駅「星のふる里ふじはし」に至りました。けっこう大きな道の駅ですが、敷地の隅に「いび川温泉・藤橋の湯」はあります。 今回は旧道にこだわり、揖斐峡や奥揖斐峡の景観を楽しみながら来たので、秘境の奥地に来た事になります。確かに山深い場所にある温泉施設ですが、アクセスは悪くありません。面倒くさい旧道は使わず、全て新道(国道303号)を用いれば、揖斐川町市街地からわずか30分足らずで到着できます。 ここの足湯は利用したことがありますが、温泉の湯には浸かったことがなかったので、期待して行きました。
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「藤橋の湯」の暖簾が下がる「いび川温泉・藤橋の湯」の正面ゲート。すぐ横に足湯場があります。足湯を設けている温泉施設は珍しくありませんが、足湯は敷地の隅っこにある場合が多いのです。ここでは正面にあるので、事情を知らないと足湯だけの施設と勘違いしてしまいます。温泉施設としての玄関は、その後ろになります。
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これが「いび川温泉・藤橋の湯」の玄関。ガソリンスタンドのような大きくて高いポーチが特徴ですが、遠目には温泉施設だとわかりにくいかもしれません。正面に足湯場を設けて暖簾を下げている理由がわかりました。
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玄関から足を踏み入れると、玄関の外見からは想像もつかない展望が開けます。建物が斜面に沿って建てられているのです。大きなガラス窓からは、奥揖斐峡が見えます。階段を降りて、温泉場に向かうようになっています。 ここの温泉の湯はクセがなく、温泉臭もしません。あっさり・さらさらしていて誰もが親しめそうです。施設のまわりには美しい山々と奥揖斐峡があるのですが、露天風呂から見えないのが少し残念です。
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浴場の出入り口。中の浴場や浴槽は、けっこう洒落た感じのデザインになっていますが、出入り口はシンプルそのもの。温泉の利用料は510円で、お手頃値段。さらに安くなる割引制度もありました。
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「藤橋の湯」のとなりに、特徴的な屋根の店舗を構えています。十割そばが流行っている中で、あえて二八そばと大きく表示しているのが気に入りました。十割そばは、蕎麦粉の産地でベテラン職人さんが手打ちで作ったものなら最高です。でも、そうした店はレアです。二八の方がコシがあって美味しい事が多いのです。
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連休中なので、とても混み合っていました。お代先払いでオーダーすると番号札を渡され、まずは隅の待合席で待つように言われます。空き席ができると、順番に番号が読み上げられ、客席に移動するという次第。10分くらい待っていました。 着席する前に蕎麦が出来上がったらどうするんだと心配になりましたが、お客の着席を確認してから蕎麦を茹で始めるようでした。客席でも10分近く待たされたので、着席前も合わせると20分程度の待ち時間となりました。。 でも、落ち着いて茹でたての美味しい蕎麦が食べられる事を保証する仕組みともいえますので、文句は言えません。
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とろろ山菜そばをいただきました。待ち時間が長めで、近くの客席から漂ってくる出汁の香りに魅了されていたので、一口目から美味しい事この上なし! とろろや山菜は既製品ではなく、この店で調理したものを使っているので、舌触りや歯ごたえが良い。出汁も、鰹だしが利いていて素晴らしかった。
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藤橋の湯からの帰り道に「やすらぎ珈琲池田店」へ寄りました。池田山や揖斐峡を歩き回って小腹がすいたからです。 ここのアフタヌーンティーセットを、親・私・子供の3世代で、とても気に入っているのです。実家に帰ってきた時の楽しみの一つです。去年の正月とGWにも親子で来ました。 昔はファミレスだった店舗なので平成初期の雰囲気が残っていて、のんびりしているところも魅力です。
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フルーツがメインのアフタヌーンティーセット。豪華とは言い難いセットですが、飲み物も含めて800円という安い価格は魅力です。
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やすらぎ珈琲池田店は池田温泉から近いので、温泉からの帰り道に利用するお客も多いようです。 私がリピートしている、サンドイッチがメインのアフタヌーンティーセット。セットドリンクをホットコーヒーにすれば、100円でお代わりできるのも嬉しい。 コスパの良いモーニングセットも地元では知られています。
濃尾平野を一望・池田山〜揖斐峡
1日目の旅ルート
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