1. 宿・ホテル予約TOP >  みんなの旅行記 >  竹島水族館・蒲郡竹島

こぼらさんの愛知県の旅行記

竹島水族館・蒲郡竹島

  • 夫婦
  • 2人
  • 芸術・文化
  • 史跡・歴史
  • 自然

知り合いに、毎年夏になると必ず竹島(蒲郡)を訪れている人がいて、その訳もわからずに自分も行ってみたいと考えていました。竹島は、国の天然記念物に指定されているとはいえ、とても小さな島です。竹島一帯が風光明媚であり海もきれいで、かつては文人・文豪たちに人気のあった逗留スポットだったようです。 あいにく天気に恵まれず、青くきれいな海は見られませんでしたが、島をぐるりと一回りする遊歩道では神秘的な雰囲気を味わえました。近くの竹島水族館では、スタッフ手描きの解説ポップがとても面白く、魚を見るよりも楽しめました。小さなローカル水族館なので、正直あまり期待していなかったのですが、とてもインパクトがありました。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代

1日目2019年5月31日(金)

竹島水族館

蒲郡市

「竹島水族館」を   >

地元では「タケスイ」と呼ばれている小さな水族館です。入館料は大人500円・子供200円で、水族館としては非常に安いです。水族館の前や近くに無料駐車場があり、駐車料金を気にせずに、竹島や竹島園地にも行けるようになっています。

とても貴重な海棲動物の展示があるでもなく、展示室や水槽に特殊な仕掛けがある訳でもないのですが、スタッフの方々の手描きによる解説ポップが実に面白いのが竹島水族館の特徴です。来場者が解説を読み込む事では、日本一といわれる水族館とのこと。

筒に巻き付くようにうごめくウツボたちは竹島水族館の見所の一つですが、写真右上の賞状のような解説パネルに注目!

竹島水族館

蒲郡市

「竹島水族館」を   >

解説ポップ「感謝状」のアップ。ボール紙の隅にガムテープを貼り、額縁のように見せているチープさが何とも絶妙。「この水族館のスタッフさんたち、できる!」と感じ取れます。ウツボ軍団よりも感謝状の方に見入ってしまったくらいです。 感謝状では、ここの「ウツボ軍団」が大変に人気があることをアピールしつつ、「キモチワルサ」を強調した展示手法を誇っておられるのです。確かに来場者はウツボ水槽の前に来ると、しばし足を止めて見入っていました。以降、手製のおかしな解説ポップを楽しみに、館内を見て回るようになりました。

笑える解説「ネズミフグの魚歴書」。名前がネズミフグだからといって、○ッキー○ウスって!目の部分を黒く塗りつぶすセンスが素晴らしい。どうやら、水族館に展示魚類を販売している業者がハリセンボンと間違えて捕獲してしまい、処置に困っていたところを竹島水族館が引き取ったように読めます。数奇な運命をたどって竹島水族館にやってきたネズミフグ君に、履歴を語らせているように仕上げてあるのが面白い。

これが魚歴書で身の上を吐露していたネズミフグくん。ヒレのまわりに針が付いているので、ハリセンボンと間違われやすいのだとか。間違われて捕獲された不本意な運命に悲嘆しているのか、それとも喜んでいるのかわかりませんが、竹島水族館なら大事にしてもらえることでしょう!

愛嬌あるカサゴの展示。「タケシマンション」と名付けられたブロックの穴には部屋番号と入居者の名前が書き込まれていて、入居者「ナオミ」さんの何ともいえない表情も相まってホッコリできました。

タケシマンション展示で来場者をホッコリさせておいて、水槽横の解説ポップでは「食べるとウマイ」ってシリアス過ぎます!それも「お刺身」「からあげ」「煮つけ」などと具体的に。かわいいカサゴの生態を見せておいて、それはないでしょ!でも食欲そそられました。

何か言いたげに、じっと来場者を見ているクエ?。顔つきを見るとクエだと思うのですが、こんな模様がありましたっけ?照明の具合で模様が浮き出て見えるのかな? クエは高級食材として有名ですが、ゴツイ顔つきはともかく、どんな姿をした魚なのか普段は知る機会がありませんので、興味深かったです。

クエについての解説は、いたってシンプル。でも「お魚から一言」で、高級魚なのに「貧乏なタケスイ」に居るのが不思議とクエに言わせているのが面白い。自虐的なのか、それとも水族館として自信たっぷりな余り、逆説的に主張しているのか?たぶん後者でしょう。ここのクエは、グソクムシとトレードで、あの有名な鳥羽水族館からやってきたのだそうです。

竹島水族館

蒲郡市

「竹島水族館」を   >

クエの居る大きめの水槽には、温帯から熱帯に生息する魚類が展示されています。水槽の上に、こんなおかしなポップがありました。 「うまそうに みえるじゃないか ひとだもの」にすれば川柳だなと余計な事を考えながら、句を鑑賞し解説を拝読しました。「水槽からすくって食べたりしませんよ」とか、食べたい時はスーパーで買っているので展示の「魚が1匹ずつ行方不明になることは」ないという主張を、おもわずニヤニヤして読み込まされてしまいます。 国内で、来場者が解説を最も読み込む水族館として知られているのもうなずけます。

迷句・迷解説を鑑賞した後で、あらためて高級魚が居る水槽を見ると、高級料亭のいけすに見えてくるから不思議なものです。展示や解説が上手すぎます。

アシカショーもやっていました。名前は「ラブ」ちゃんです。直立不動でエサをねだるのが上手らしいです。時には空のポリバケツを抱えて立ち尽くすのだそうです。そんな姿を見たら、なにかあげないわけにはいきませんよね。 スタッフの方が「ラブちゃん、そんなにくっ付かれると(体が)冷やっこいんだけど!」と言って笑いを取っていました。

竹島水族館

蒲郡市

「竹島水族館」を   >

「バック転」を披露してくれたラブちゃん。写真手前が頭です。お腹が真上に来た時には、すでに顔は着水地点を確認しています。もの凄い身体能力です。ショーの終わりには3回連続を披露してくれました。 スタッフさんは「バック転」と言っていましたが、アシカに手の平はないので「バク宙」ですね。満場の拍手に応えて、ラブちゃんも手を振り拍手していました。

竹島水族館

蒲郡市

「竹島水族館」を   >

スタッフさんが掲げる赤いターゲットめがけて、水中からジャンプするラブちゃん。ターゲットの高さは水面から2.5mほどはあったでしょうか。水面下の深さがどれほどあるのかわかりませんが、ターゲットめがけて正確に4〜5mジャンプするのは難しい芸ですね。イルカショーではよく見かける芸ですが、アシカ君の荒技を見るのは初めてでした。

竹島

蒲郡市

「竹島」を   >

蒲郡の観光シンボルとされる「竹島」。面積わずか1.9ヘクタールの小島ながら、対岸と全く異なる植物相が自然植生で群生していることから、島全体が国の天然記念物に指定されています。 長さ387メートルの橋で陸地と結ばれていて、気易く歩いて島に行くことができます。島の真ん中あたりに、日本七弁財天のひとつに数えられる「八百富神社」があります。島全体が神社の境内でもあります。同じように、橋で歩いて行けて植物相がユニークな小島として、越前三国の雄島も知られています。でも竹島はもっと小さいです。

八百富神社(竹島弁天)

蒲郡市

「八百富神社(竹島弁天)」を   >

これは竹島園地(陸地)の隣にある八百富神社の遙拝所です。遙拝所の向こうに竹島が見えています。遙拝所の斜め前(竹島側)にも鳥居があります。遙拝所からの竹島の眺めを遮らないようにしているのだと思います。 島に渡る橋ができたのは昭和時代初期だったので、それ以前はここから島に向かって拝むのが一般的だったのかもしれません。当時の遙拝所は賑わっていたことでしょう。

遙拝所ですから、建物の中には特に何もありません。八百富神社が鎮座している竹島と、島との行き来に使う竹島橋がよく見えるようになっています。

遙拝所の鳥居をくぐり、橋を歩いて竹島に渡ります。橋の長さは400m近くあるらしいのですが、ご覧の通り道幅があるので、さほど長い橋とは感じません。

八百富神社(竹島弁天)

蒲郡市

「八百富神社(竹島弁天)」を   >

島が近付いてくると一の鳥居が見えてきます。背の低い鳥居に見えますが、鳥居が海面から立ち上がっているのに対し、橋は参道として鳥居の下を通っているからです。また鳥居は大正時代初期に建立され、現在の橋(2代目)は1986年に完成しているので、鳥居建立時にもっと大きくしようというアイデアはなかったのです。 八百富神社の境内は竹島の頂上付近にありますが、橋(参道)は島の東端に取り付いています。そこから石段を上って境内に入るようになっています。

島に着いてすぐの石段を上がると、こうした平坦な石畳の参道となります。ここだけを見ると島に来ているという感覚を余り感じません。

遙拝所の鳥居から数えると5つめの鳥居(島では三の鳥居)をくぐると境内に至ります。まず正面に見えてくるのが宇賀神社。

宇賀神社の斜め前、島の三の鳥居横にあるのが大黒神社。参道をはさんで宇賀神社と大黒神社が向かい合わせに鎮座している形になっています。他の神社では、神殿前に狛犬が一対いるのを見かけますが、そんな意味合いで二つの社が鎮座しているのでしょうか。大黒神社の祭神は大黒天・大国主命ですから、よもや狛犬扱いはしないでしょう。 大黒神社から少し離れた場所には千歳神社もありました。境内社が非常に目立つ、珍しいレイアウトです。

八百富神社(竹島弁天)

蒲郡市

「八百富神社(竹島弁天)」を   >

島の三の鳥居をくぐり、三座の境内社の前を進むと八百富神社の社殿に至ります。社殿は、手前に拝殿、その奥に神殿という造りになっています。 三河国司であった藤原俊成が、琵琶湖に浮かぶ竹生島より竹島へ市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を勧請し、八百富神社を開創したとのこと。日本七弁天に挙げられています。 ここに来る前に陸地の立派な遙拝所を見てきたので、この拝殿を見て考えてみました。橋ができた昭和初期までは島に来る参拝者は少なく、多くの人々は陸地の遙拝所から拝んでいたことでしょう。このため、大正以前の八百富神社には拝殿がなかったのではないでしょうか。 橋手前の遙拝所から数えると、ここまでに5つの社があり、さらに奥にも八大龍神社があります。ですから、事前にそれなりの数量のお賽銭を用意していくことをお勧めします。

拝殿前には、唐破風の立派な向拝がありました。この数十年の間に改築または改修がなされているようで、木材からは古さを感じませんでした。やはり大正時代以前には、拝殿はなかったのだと思います。

竹島

蒲郡市

「竹島」を   >

八百富神社の横を通って奥に進むと、八大龍神社と呼ばれる境内社がありました。折しも神社の方が来られていて、社の扉を閉じてお賽銭箱からお金を集めておられました。 扉が閉じられた社に拝むのもなんだし、神社の方も作業の様子を見られたくないだろうと思いパスし、さらに先にある竜神岬に進みました。 竜神岬は島の南側(竹島橋は北側)にあり、島の裏側にあたります。竜神岬からの三河湾の眺めが良かった。 曇りだったので、青くきれいな海は見られませんでしたが、水が澄んでいることは実感できました。

竜神岬の先から石段で海岸まで下りられるようになっていて、島を一周する「竹島遊歩道」に至ります。遊歩道の上は樹木が生い茂っており、前屈みに歩かないと頭や顔に枝葉が当たります。

遊歩道のすぐ近くが海岸になっています。水がとても澄んでいて、汚れていませんでした。小さなゴミひとつ打ち上げられていないのも驚きでした。

竜神岬の下から、竹島橋の袂までは歩いて5分ほどでした。路面がコンクリート舗装されているので歩きやすいです。その間、前屈みに歩き続けたので、少しばかり腰に負担がかかったかな?

蒲郡クラシックホテル

蒲郡市

「蒲郡クラシックホテル」を   >

竹島を見終え、橋を渡って戻る途中に、丘の上に和洋折衷様式のゴージャスな建物がそびえ立っているのが目につきました。大正から昭和初期の文人・文豪たちの間で人気があった「常磐館」の洋館で、現在は蒲郡クラシックホテルと呼ばれている高級ホテルです。玄関にはドアマンが粛然と立っているくらい格式あるホテルなので、映画のロケ地にも使われているそうです。 じゃらんで日帰り利用(ランチとか温泉とか)ができるか、その場で調べてみました。「即日予約OK」とのことでしたが、お値段が・・。でも伝統ある高級ホテルである事を考えれば、宿泊するなら割安ともいえるレベルです。 竹島付近の景観を見て、知り合いが毎年夏になると宿泊している理由に納得し、今度はここに宿泊しようと思いました。

海辺の文学記念館

蒲郡市

「海辺の文学記念館」を   >

竹島園地の隣にあり、無料で入館できます。大正から昭和初期にかけて活躍した文人・文豪たちが作品の中に登場させた料理旅館「常磐館」の趣を再現しているといいます。景勝地・保養地としての蒲郡竹島が全国に知られるようになったのは、こうした文人・文豪たちと常磐館によるものだったのです。 和洋折衷の美しい建物です。オリジナルの常磐館は、老朽化により昭和57年に取り壊されたそうですが、現在の再建版は同じ場所に建てられています。

海辺の文学記念館

蒲郡市

「海辺の文学記念館」を   >

中に入ると、和装の女性スタッフの方が事務所から顔を出され「ゆっくりしていって下さいね。」と挨拶をして下さいました。昭和ロマンを感じさせる出で立ちで、昔どんな著名な文人・文豪が常磐館に逗留していたのだろうと思います。 館内で調べてみると、菊池寛・志賀直哉・谷崎潤一郎・山本有三・川端康成・井上靖など、名だたる文人・文豪たちが逗留したとの由。彼らによって、常磐館そして蒲郡の海や竹島の素朴な美しさが作品の中に描かれ、その名が全国に知れ渡っていったのだそうです。

文学館の中の様子。文人・文豪たちの肖像画が並んでいるかと思いきや、まっ先に目に入ってきたのは藤原俊成の解説パネルでした。藤原俊成は平安時代末期に活躍した公家で、12世紀中頃に三河国司に任じられ、蒲郡の開発をした人物とのこと。竹島に、琵琶湖に浮かぶ竹生島より辨天様を勧請して八百富神社を開創しています。いわば、景勝地や保養地としての蒲郡竹島を作った人物です。このため、文人たちよりも優先して解説パネルを掲示しているのでしょう。 ちなみに、新古今和歌集で知られる藤原定家は俊成の息子です。

文学館の奥には座敷部屋があり、文人・文豪たちが海を見ながら執筆していた座敷机が置かれていました。中に入っても良かったのですが、なんとなく気がひけて入口から様子を見ただけでした。座敷机から見る竹島と竹島橋の景色が良いそうです。

海辺の文学記念館の前には竹島園地という公園があり、そこに藤原俊成の立像がありました。蒲郡の人たちにとっては、郷土の発展の基礎を築いた偉大な人物だということでしょう。

蒲郡海鮮市場

蒲郡市

「蒲郡海鮮市場」を   >

名前の通り、海産物の大きな市場です。金曜日ではありましたが、平日だったせいか来場客が少なかったです。駐車場はとても広く、土日祝日はとても賑わうのだろうと思います。隣に寿司屋さんがありましたが、朝や夕方にしか営業しないのか、閉まっていました。

施設の中にイートインがあって海鮮丼などを楽しめるものと思い込んで行ってみたものの、海産物売り場が並んでいるだけでした。竹島水族館の解説ポップで食欲をそそられ、ここで海鮮類にありつけると思って来ただけに、少々がっかりでした。

1日目の旅ルート

みんなのコメント(0件)

投稿する

投稿に際しては、必ず観光ガイドご利用規約をご確認ください。
皆様がより快適にご利用いただくための「投稿上のルール」や、
投稿内容の利用に関して記載しております。

閉じる

この旅行記は参考になりましたか?参考になった!46

この旅行記をもとに旅の計画をつくる
この旅行記をカスタマイズして、あなたの旅の計画を作りましょう

こぼらさんの他の旅行記

  • 鳥取めぐり旅A 皆生・境港〜北栄

    2020/6/21(日) 〜 2020/6/22(月)
    • 夫婦
    • 2人

    2泊3日の鳥取めぐり旅の後半です。2泊目は、コロナ感染予防体制を整えたうえで営業再開した湯快リゾート...

    3080 22 2
    • 夫婦
    • 2人

    2泊3日の鳥取旅行の2日目です。まずは白兎海岸(鳥取市)に寄って神話「因幡の白うさぎ」の舞台である美...

    3078 24 2
    • 夫婦
    • 2人

    2泊3日で鳥取めぐりの旅をしました。初日は、砂丘=「すなば」とコーヒー店「スタバ」とをもじったネー...

    2802 25 4
    • 夫婦
    • 2人

    ゴールデンウィークが過ぎると、コロナ拡大防止のための移動自粛が少しは和らいで、条件付きながら観光...

    3166 28 2
(C) Recruit Co., Ltd.