プラン7【函館】元町散策で歴史めぐり
異国情緒あふれる街並みに非現実的な時間をすごせる
函館の楽しみ方の一つは「街歩き」。
ベイエリア、五稜郭、銀座通りなど、魅力的なスポットがありますが、なかでも一番のおすすめは函館山のふもと「元町」です。

坂の街としても知られるエリアで、周辺には歴史的建造物が建ち並んでいます。
まるで古い異国の地へタイムスリップしたかのような雰囲気。

漆喰の白壁と緑色の銅板屋根が美しい「函館ハリストス正教会」。
前身は初代ロシア領事ゴシケヴィッチが建てた領事館附属聖堂でした。
内部拝観をはじめ、洗礼を受けていない人でも土日に行われるお祈りを参祷することができます。

1910年に建てられた建物で、左右対称のコロニアルスタイル、ブルーグレーとイエローの配色が印象的です。
日本各地に現存している公会堂の中でも、旧函館区公会堂は建築意匠・技法に優れており、保存状態も良いことなどから国の重要文化財に指定されました。

元町公園内にある旧開拓使函館支庁。
それに隣接する赤レンガの建物は、1880年に建てられた書籍庫です。
1907年に発生した大火から免れ、庫内にあった行政資料も守られたそう。
使用しているレンガは、函館近郊の茂辺地製。

元町公園から海側へ進んだ先にあるのが「函館市旧イギリス領事館」です。
その歴史は古く、開設されたのは1859年。
しかし、数回の火災に遭い、現在の建物は1913年に建てられたものです。
以後、1934年の閉館まで使用されていました。
現在は、展示室や開港ミュージアムなどを併設。
カフェで本場英国の紅茶を楽しむこともできます。
これらのほかにも、寺院や邸宅など、貴重な建物が点在。
美しい風景の連続に、歩くのが楽しいと感じるほどです。
[住所]北海道函館市元町12-18(元町公園内)
[営業時間]9時~19時 ※11~3月は17時まで
[定休日]年末年始
[アクセス]函館市電「末広町」停から徒歩約5分
プラン8【知床】世界自然遺産で大自然を満喫
難しい話は一切なし! 熟練ガイドが楽しく・わかりやすく知床を案内する
北海道東部にある「知床半島」。
流氷によって海から運ばれてきた栄養素により、海が肥え、そこに小魚が群れをなし、小魚を求めて大型の魚や動物が集まります。
そのような動植物による命の循環で、この地は豊かな自然を維持しているのです。
こんな壮大な知床の自然を、楽しく・わかりやすく解説しながら、知床を案内してくれるのが、知床未知案内の菅沼さんです。
おすすめは、ゴールデンウイークから10月末ごろまで行っている「知床五湖ツアー」。
知床五湖をぐるりとまわる、約3時間のツアーです。
ヒグマ対策のレクチャーを受けて、いざ出発!
遊歩道に入るときは、食べ物やジュースの持ち込みは禁止。
飴玉一つでも匂いを嗅ぎつけてヒグマが来る可能性があるので厳守です。

とにかく、景色の素晴らしさに感動ひとしお。
ここは、ヒグマ活動期(5~7月は繁殖期で活発になるため)の間、認定ガイドが同行しなければ入れません。
一日に入場できる人数も限られており、簡単には訪れることができない場所です。

素晴らしい景色を背景に、たくさん記念写真を撮りませんか?
ガイドさんがシャッターを切ってくれるので、自撮り棒がなくても大丈夫。

遊歩道が整備されているので、晴れていればスニーカーでもOKです。
もっと気軽に散策したい人は、「高架木道ツアー」をどうぞ。
やや傾斜はありますがバリアフリーで、電気柵を張っているのでヒグマが出ても安全です。

自然の中を歩きながら、開拓の歴史、生き物たちの生態などにふれてみませんか。
[住所]北海道斜里郡斜里町ウトロ高原56-A-101
[営業時間]随時 ※翌日の予約をする場合は前日19時までに申し込み
[定休日]シーズン中は無休
[アクセス]網走から車で約1時間半
[料金]知床五湖ツアー4500円+認定手数料、高架木道ツアー1000円(1~5名参加の場合は5000円)※すべて税込
[あると便利なもの]レインウエア(上下が分かれているもの。防寒着にもなる)、カメラ、水またはお茶(糖分が入った飲み物は持ち込み禁止)、虫よけスプレー
「知床未知案内」の詳細はこちら
プラン9【天売島】離島の海鳥ウトウに出遭う
40万ペアを超す世界最大のウトウ繁殖地。大群が空を舞う様子は圧巻
羽幌港からフェリーに乗って、約1時間45分。
日本海にぽかりと浮かぶ「天売島」は、周囲約12kmの小さな島です。
ここは、40万ペアを超えるウトウが子育てを行う、世界最大の繁殖地でもあるのです。

ウトウとは、体長38cmほどのウミスズメ科の海鳥で、北日本沿岸から太平洋沿岸まで広く分布しています。
天売島のほか、大黒島(北海道厚岸町)、渡島小島(北海道松前町)、椿島(岩手県)、足島(宮城県)でも営巣しますが、もっともその数が多いのが天売島といわれています。
冬、東北や北陸地方の日本海などで過ごし、3月になると子育てを行うため、天売島にやって来ます。
ウトウの子育ては、島の西側、高さ100m以上の断崖につくられたコロニー(巣穴)で行います。
もっとも密集しているのは、天売島のシンボル・赤岩を望める「赤岩展望台」。

コロニーの深さは1~5mもあり、メスは4月ごろから1個の卵を温めはじめ、5月中旬ごろにヒナがふ化します。
ここから本格的な子育てが始まるのですが、見どころは日没前。
日中、ヒナのために沖へ漁へ出た親鳥たちが一斉に、口いっぱいに魚をくわえて帰巣するのですが、そこに待ち構えているのはウミネコたちです。

ウトウとウミネコの魚の争奪戦がなんとも凄まじい!
無事、コロニーに転がりこんだものもいれば、あえなくウミネコに魚を奪われてしまうものもいて、自然の壮絶さを実感。
見ている人間は、ただただ圧倒されるばかりです。
天売島には、ウトウのほか、希少種であるケイマフリ、ウミスズメ、オロロン鳥なども生息。
これらを見に行くイベントなども開催されています。
[住所]北海道苫前郡羽幌町南町1-1 羽幌町役場内
[営業時間]9時~17時30分
[アクセス]【天売島】札幌から車で約3時間、羽幌港でフェリーに乗り約1時間45分
「羽幌町観光協会」の詳細はこちら
※この記事は2018年3月時点での情報です
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
宮本 育
札幌在住のフリーライター。仕事柄、さまざまな土地を訪ねることが多いですが、プライベートでも時間があると、ふらりと出かけてぶらぶらするのが好き。夢は、「路線バスで行く、日本海・酒めぐりの旅」。