名古屋めしのひとつ“台湾ラーメン”。中華料理店「味仙」は、台湾ラーメンが名物の繁盛店で、地元っ子はもちろん、県外からも多くの観光客が訪れています。今池本店を筆頭に、名古屋駅や中部国際空港(セントレア)、今や東京や大阪にも出店している味仙ですが、実は創業者兄弟によるのれん分けで、お店によって味が違うって知っていましたか?今回は、各店舗の味の違いや特徴を紹介するので、比較してみてくださいね。
「味仙」とはどんな店?
根強い地元ファンも多い!台湾ラーメンの名店

1962(昭和37)年創業の今池本店をはじめ、名古屋市内を中心に展開する中華料理店です。本店の創業後まもなく、台湾出身の店主・郭明優(かくめいゆう)さんが、台湾の担仔麺(タンツーメン)を辛口にアレンジして提供した台湾ラーメンが話題になり、行列のできる店へと成長しました。今では名古屋めしのひとつとして地元で愛されています。
味仙 店舗MAP
「味仙」は明優さん(長男)が今池本店を創業したのち、兄弟でのれん分け。次男、長女、次女、三男の5人兄弟で、別々に経営しています。現在は名古屋市内だけでなく、愛知郊外や東京、大阪など、18店舗を展開し、全国にファンの輪を広げているんです。
名物の台湾ラーメンは唐辛子と二ンニクのWパンチ!

台湾ラーメンの始まりは、台湾の担仔麺をアレンジした従業員用のまかない飯。これを見た常連客から「食べさせてほしい!」と頼まれて、急遽メニューに加えることに。その際、“台湾人が作ったから”という軽い気持ちで、台湾ラーメンと名付けたそうです。当時は知る人ぞ知る裏メニューでしたが、今では訪れた人のほとんどが注文する看板メニューになりました。
鶏ガラスープに、唐辛子とニンニクで炒めた豚ミンチとニラをトッピングした台湾ラーメンは、刺激的な辛さや濃厚な旨みがヤミツキになる一杯。ひと口すすればゲホゲホ、鼻水や涙を流してヒ~ヒ~だけど、とまらない美味しさです。
看板メニューゆえ、すべての店舗で提供されていますが、兄弟で経営が異なるため、お店ごとに辛さや味が違うそうです。
ここからは、5兄弟(5系統)の代表的なお店と名物の台湾ラーメン、さらにイチオシメニューを紹介。基本的な材料やベースは踏襲しながらも、兄弟それぞれの個性がラーメンに反映されているので、ぜひチェックしてみてください。
【名古屋市・千種区】味仙 今池本店
創業60余年、長男の明優さんがオープンさせた「味仙」の第1号店。今池の繁華街にあり、1階と2階あわせて280席とグループ店の中でも規模が大きく、グループやファミリーで利用するのにおすすめ。
連日開店前から行列ができるため、事前に席を予約しておくといいですよ。今池本店と系列店の「JR名古屋駅店」では、お土産用の台湾ラーメンや手羽先も販売しています。
辛さの奥に鶏ガラのコク。これぞ名物の台湾ラーメン!

粗めにカットした鷹の爪がどっさり!ひと口すすると見た目をはるかに上回る、強烈な辛さが襲います。ひき肉をニンニクと唐辛子で煮込んだ台湾ミンチの旨みと辛みが溶け出したスープは、深みのある味わい。中太ストレートの麺は淡白ながら食感がよく、辛みを引き立てています。
ちなみに、辛さが得意でない人は「アメリカン」と注文を。唐辛子の量を半分に減らして辛さを抑えた、台湾ラーメンが堪能できます。
おすすめメニューは「アサリ炒め」

アサリ炒めは、「台湾ラーメン」、「青菜炒め(830円)」、「こぶくろ(850円)」、「手羽先(600円)」に並ぶ、本店の人気メニューのひとつ。大きなアサリがゴロゴロ入っています。唐辛子を加えて仕込むためピリ辛で、風味豊かなアサリが香る汁はチャーハンと一緒に食べるのがツウですよ。
17時~翌1時(LO24時30分)
12月31日、1月1日
今池駅より徒歩5分
4台(無料)
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【大阪府・大阪市】味仙 大阪駅前第2ビル地下1階店
今池本店や横浜中華街の料理店で修業を積んだ次男が、1965(昭和40)年に豊田店を創業。約17年後に八事に姉妹店をオープンしたのち、2019年に三男の系列店に経営を託して、大阪へ進出しました。JR北新地駅や阪急梅田駅など主要駅が集まるエリアに位置し、アクセス抜群。現在は名古屋弁が素敵な、創業者(三男)の娘さんが店を切り盛りしています。
スープはややマイルド!素材の旨みを活かした繊細な味

三男がモットーとしていた、素材本来の甘みとコクを活かす調理法で台湾ラーメンを仕込んでいます。ニンニクや唐辛子を加えて、醤油で味付けした豚ミンチは肉の旨みがたっぷり。スープとミンチを混ぜるほど、濃厚な味わいになります。
台湾ラーメンはテイクアウトもOK。プラスチックカップで提供する調理済みタイプと、生麺とスープを真空パックにした家庭調理タイプ(各950円)を販売しているので、自宅で楽しむこともできますよ。
おすすめメニューは「汁なしラーメン」

八事店で営業をしていた頃から提供していた、隠れ人気メニューです。麺の上に、もやし、チャーシュー、かいわれ大根がどっさり。麺と具をつゆに絡ませながらよく混ぜて焼きそば感覚で味わってみてください。辛くないので、お好みでラー油をプラスするのもアリです。
大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル 地下1階
11時30分~14時(LO)、17時~21時30分(LO)※日祝は21時(LO)
水(月2回、火・水連休あり)
北新地駅より徒歩2分
なし
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【名古屋市・中区】矢場味仙
1981(昭和56)年に、長女が名古屋市名東区に下坪店(現在は閉店)を開業したのち、1991年に矢場店をオープン。3階建ての店舗で、収容人数は約350人と全店舗の中でもっとも広く、100種類以上あるメニューのラインナップも魅力です。
栄の中心街や大須商店街からもほど近く、観光とセットで利用するのに最適。地元では飲んだあとの〆として利用する人も多いそうです。
スープの濃さと辛みはダントツ!〆に食べたい一杯

スープは辛いミンチを一緒に煮込んでいるため、パンチがあり濃厚です。辛さの秘訣は、岐阜県恵那市の特産品・あじめこしょうという唐辛子。痺れるような辛さがクセになります。
メニューにはのっていませんが、辛さが6段階から選べるのも矢場味仙ならでは。辛さ控えめのアメリカン→台湾ラーメン(通常バージョン)→イタリアン→メキシカン→アフリカン→エイリアンの順に、唐辛子の量が増し増しになります。エイリアンは刺激が強すぎるので、辛さUPに挑戦したい人は、手始めにイタリアンをオーダーしてみるのがおすすめ。
おすすめメニューは「ホルモンラーメン」

期間限定メニューとして提供していましたが、お客さんの要望を受けてレギュラー化。豚や野菜で出汁をとった塩ベースのスープに、さまざまな部位のホルモンが入っていて食べ応え満点です。じっくり煮込んだホルモンはとろとろでプリプリ。辛さ控えめで食べやすいですよ。
愛知県名古屋市中区大須3-6-3
【平日】11時30分~14時(LO13時30分)、17時~翌1時(LO24時30分)【土・日・祝】11時30分~15時(LO14時30分)、17時~翌1時(LO24時30分)
火(臨時休あり)
矢場町駅・上前津駅より徒歩8分
あり(飲食代3000円以上で若宮パーキング30分無料)
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【名古屋市・名東区】味仙 藤が丘店
次女が1982(昭和57)年に開業。現在は淑子さんの孫にあたる杉山さんが店を切り盛りしています。脱皮したばかりで殻のやわらかい「かにの唐揚げ(1650円)」や、ニンニクが食欲をそそる「特製肉シュウマイ(825円)」など、店舗限定のメニューが豊富。週末は駐車場に入るのを待つ車が店前に並び“味仙渋滞”ができるので、公共交通機関の利用がおすすめです。
最後まで飲み干したくなる!コク深いスープが自慢

醤油と唐辛子でミンチをじっくり煮込んでから、鶏ガラスープを加えるのが藤が丘店流。辛さのあとに肉の旨みが広がり、スープまで飲み干したくなるおいしさです。
ちなみに、辛さ控えめの「アメリカン」はほとんどの店舗で提供されていますが、藤が丘店には辛くない台湾ラーメン「台湾ラーメン ヨード(辛さなし)」があるので、子どもや辛みが得意でない人でも楽しめますよ。
おすすめメニューは「こぶくろの辛し和え」

訪れた人のほとんどが注文するという人気メニュー。鮮度のいいこぶくろを、醤油ベースのピリッと辛いタレで和えています。ホルモン特有の臭みが少なく、コリコリとした食感がたまりません。ニンニクがきいていて、お酒とも相性抜群です。
愛知県名古屋市名東区藤里町38-2
11時30分〜14時30分(LO13時30分)、17時~22時(LO21時45分)
月(祝日の場合は翌日)、12月31日、1月1日
藤が丘駅より徒歩10分
9台(無料)
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【愛知県・日進市】郭 政良 味仙 日進竹の山店
1987(昭和62)年に三男が始めたお店で、愛知県の郊外だけでなく、東京に3店舗、さらにベトナムにも系列店を展開。駐車場も広々で、オープンキッチンのカウンター席やテーブル席、座敷もあるので、シチュエーションに合わせて利用できます。ピリ辛の「台紅やきそば890円」」や、食後のメニューとして人気の「杏仁スムージー(500円)」といった店舗限定メニューにも注目です。
注文ごとに作るスープと、粗さの異なる唐辛子が決め手

辛みと香りが強い粗挽きと、スープに馴染みやすい細挽きの唐辛子を使い、ミンチと一緒にグツグツ。オーダーごとに、ミンチをスープに混ぜて煮込むため、深みがありながらすっきりとした味わいです。
塩や味噌ベースの台湾ラーメンのほか、数量限定の「ホルモンラーメン(1150円)」など、麺類のバリエーションも豊富。
おすすめメニューは「こぶくろ」

台湾料理の定番ともいわれるこぶくろ。秘伝の旨辛タレとたっぷりのネギを絡めたやや濃いめの味付けで、ビールが進みます。コリコリとした独特の歯ごたえが特徴で、噛むほどに甘みが感じられますよ。
愛知県日進市竹の山4-105
11時30分~15時(LO14時30分)、17時30分~22時(LO21時30分)
火、第1・3水
東名名古屋ICより15分
30台(無料)
「郭 政良 味仙 日進竹の山店」の詳細はこちら
まとめ
お店によって味もメニューも全然違う!と言われる「味仙」。スープの仕込み方から、味の濃さや辛さ、ミンチの量、オリジナルメニューまで、店舗ごとの違いがあります。この記事を参考に、各店を食べ歩いて、推しの一杯を見つけてみてくださいね。
※この記事は2025年3月13日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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