今回の記事では、伊豆諸島から8つ、小笠原諸島から2つ、東京にある計10の有人島を紹介します!中には日帰り可能な島もあって、気軽に自然あふれる非日常を楽しめます。
それぞれの島の観光スポットを中心に、グルメやお土産、おすすめの名産品まで紹介するので、気になる島があればぜひチェックしてみてください。
東京の離島の魅力とは?
東京の離島は、アクセスの良さや美しい海をはじめとした大自然、島ならではのグルメなど魅力がたくさんあります。
日帰りできる島も!手軽に大自然を楽しめる

離島というと距離も遠く長い休みがないとなかなか行けないイメージがあるかもしれませんが、東京の離島なら東京都心部から2~3時間で到着できる島もあります。サンゴが輝く海や多様な動植物が生息する山といった、島ならではの大自然に気軽に出会えるのも魅力のひとつです。
伊豆諸島で東京から最も近い有人島である大島であれば、竹芝から高速ジェット船で約1時間45分。日帰りでも楽しむことができます。
新鮮な海の幸と特産品を堪能できる

海に囲まれた離島では、近海で獲れた新鮮な魚介類を堪能できる点も魅力。伊豆諸島・小笠原諸島では、シマアジやブリ、メカジキなどの定番魚から、金目鯛や伊勢海老といった高級魚まで幅広く漁獲されます。多くの島で「島寿司」と呼ばれる醤油ダレ漬けにされたお寿司が名物なので、ぜひ食べてみてください。
また、離島ならではの独自の文化によって誕生した特産品にも注目です。多くの島で作られる焼酎、大島の椿油、新島のガラス、八丈島の織物などお土産にぴったりの品がたくさんあります。
伊豆諸島にある9つの離島
東京の離島は大きく「伊豆諸島」「小笠原諸島」に分けられますが、まずは伊豆諸島の9つの島をご紹介します。気軽に日帰りでも楽しめる島や、星空が美しい島などが登場しますよ。
大島
「裏砂漠」「椿園」など、絶景観光スポットが豊富!

伊豆半島の東に位置する大島は、広さ9106haと東京23区の面積の約7分の1ほどで、比較的大きな離島です。人口も7150人(2022年12月時点)と東京の離島の中でも多い方です。島のシンボルである三原山をはじめとした自然があふれ、都心より夏は涼しく冬は暖かい気候も相まってゆっくりと寛げる観光地です。

大島に行ったら見ておきたいのが、「裏砂漠」と「東京都立大島公園椿園」です。「裏砂漠」は三原山の東側にある黒い火山岩で覆われた一帯で、さえぎるものが無いため、遠くまで見渡せる絶景を楽しめます。

「東京都立大島公園椿園」は、“椿の島”とも呼ばれる大島を象徴する観光スポット。園芸種・自生種合わせて8000本を超える椿の咲く様子は圧巻です。

海の幸・山の幸が豊富な大島のグルメの中でもおすすめなのは、生の白身魚を唐辛子しょう油漬けにした「べっこう寿司」です。つややかなネタで写真にも映える逸品です。その他、天ぷらやおひたしで食べることの多い野菜「明日葉」、珍味の「くさや」も名物として知られています。
(画像提供:大島観光協会)
利島
ドルフィンスイムがおすすめ!名産の伊勢海老に舌鼓を

利島(としま)は広さ412haの、こぢんまりとした島です。年間を通して温暖で、夏でも最高気温35度を超える猛暑日はほとんどなく、冬も底冷えする寒さはありません。島の面積の約8割が椿の木々、というのが特徴で、20万本もの椿の木がひな壇状に広がるさまは圧巻です。

利島では3月から11月までの期間、野生のイルカと一緒に泳げる「ドルフィンスイム」が楽しめます。好奇心旺盛なイルカは、自ら近づいてきてくれることもあるそう!

グルメで堪能したいのが、黒潮の荒波でもまれることで身が引き締まり、プリプリした食感の伊勢海老!中には600gを超えるものもあるほど、大きなサイズが獲れることで知られています。刺身、焼き、みそ汁など、色々な調理法で味わえます。

利島ならではのお土産としておすすめしたいのが「さくゆり焼酎」。伊豆諸島だけに自生するサクユリという植物のゆり根を使った、サラッとしてクセのない飲み口の本格焼酎で、どんな人にも飲みやすいと評判です。
式根島
星空を見ながら温泉を楽しめる!夏場は海水浴も

伊豆諸島の中では小さい島ながら、温泉や海水浴場があり自然を全身で体感できる式根島は、年間を通して雨が少なく暖かい気候も魅力です。

「地鉈(じなた)温泉」「足付温泉」「雅湯温泉」と3つの露天風呂があり、水着があれば24時間いつでも無料で入ることができます。満天の星を眺めながらゆったりと過ごせるのは嬉しい限り!夏には「泊海水浴場」で海水浴を楽しめます。海も砂浜もとてもきれいな海水浴場です。

式根島には気軽に味わえるグルメがたくさんあります!島とうがらしが入ったピリ辛の「ねぎとりラーメン」、魚のすり身の中にご飯や具材が入った「たたき丸」、昔ながらの味にリピーターも多い「あげぱん」など、食べ歩きの旅をするのもいいですね。

お土産におすすめなのが、温泉地ならではのオリジナルタオルや手ぬぐいです。可愛らしいデザインのマスキングテープも喜ばれそう!
(画像提供:式根島観光協会)
新島
貴重なコーガ石で作られた「新島ガラス」はお土産にぴったり!

2364haと、伊豆諸島の中では中間くらいの広さの新島は、“常春の島”と呼ばれるように寒暖差が小さく過ごしやすい気候です。南北に約7km続く白砂の海岸「羽伏浦海岸」をはじめ、自然景観の美しさも見どころです。

新島を象徴するのが、特産の石材である「コーガ石」。新島の各所で見られる「モヤイ像」はこのコーガ石で造られたもので、実は渋谷駅前にあるモヤイ像は新島から贈られたものです。島内には100体を超えるモヤイ像があるので、散策しながら探してみては?

グルメで押さえておきたいのは、無添加の「くさや」です。代々伝わるくさや液、新島の地下水、塩のみで作られる名産品で、独特の匂いの強さがくせになります。

お土産にはコーガ石から作られる「新島ガラス」の製品がおすすめ!コーガ石は高熱をあてることでオリーブグリーンのガラスに変化し、独自の美しい輝きを放ちます。
(画像提供:新島村)
三宅島
火山噴火によって生まれたダイナミックな自然景観は必見!

三宅島の面積は5550haで、JR山手線の内側とほぼ同じ広さ。一年を通して温暖で、手つかずの自然が多く、絶景を望むスポットがたくさん点在しています。

1983年の噴火時に岩石や火山灰が積もって、たった一夜で誕生した丘「新鼻新山(にっぱなしんざん)」が代表的な観光スポット。一面にスコリアと呼ばれる火山噴出物が広がり、“まるで月面にいるみたい”と例えられる、非日常感のある場所です。

他にも、遠くに富士山まで見渡せる「七島展望台」、太宰治が訪れたというパワースポット「大路池」、沈む夕日が“映え”る「伊豆岬」 もおすすめです。

磯のりがたっぷりと乗ったインパクト抜群の「島のり弁当」は、観光客の2人に1人は口にすると言われるグルメ!磯の香りがたまらない逸品です。

お土産には銘菓「牛乳煎餅」がおすすめです。甘すぎず食べやすいので、老若男女問わず喜ばれるのだとか。添加物を一切使っていないのも嬉しいポイントです。
(画像提供:三宅島観光協会)
御蔵島
人が少なく自然が広がるのどかな島。イルカウォッチングもできる!

御蔵島(みくらじま)は2054haと、東京都の多摩市と同じくらいの面積を有する島で、海・山の手つかずの自然が広がるのどかな環境です。雨が多く風も強い気候ですが、夏でも都内ほど暑くなく、冬は比較的温暖な日が続きます。
御蔵島では野生のミナミハンドウイルカと一緒に泳ぐことができる「イルカウォッチング」が盛んです。多くの宿がウォッチング船を所有または提携しているので、宿泊予約の際に申し込むことでガイドしてくれます。

明日葉や海苔といった名産はありますが、食事のできる場所は限られており、基本的には宿泊施設での食事となります。ただし、島内唯一のお土産屋(2023年5月時点)である「ふくまる商店」では島の食材で作るオリジナルジェラートが食べられます。
(画像提供:御蔵島観光協会)
八丈島
自然と歴史遺産を一度に楽しめる「大里の玉石垣」が見どころ!

八丈島は69.11平方キロメートルと伊豆諸島の中でも大島に次いで2番目に広く、6795人(2024年4月時点)が暮らしている島です。高温多湿で雨が多い島ですが、そのおかげで豊かな自然景観や豊富な山の幸を堪能できます。特に青々とした緑が広がる「八丈富士」という山には、牛を放牧した牧場などのんびりと大自然に触れられる場所もあります。

また、「大里の玉石垣」のように、自然の美しさと歴史遺産が合わさった観光スポットもあります。一説には、 かつてこの地に流された人が、海岸から運んだ石を積み上げてできた石垣といわれており、昔の島の暮らしをしのぶことができるスポットです。

八丈島で採れる山の幸の中でも特に自慢なのは、肉厚でジューシーな「うみかぜ椎茸」です。この島の気候と豊富な水資源があるからこそできた名産で、島内のレストランや飲食店で食べることができます。海の幸もたくさんありますが、魚を漬けにして握る「島寿司」はぜひ味わってみてください。

八丈島には、「黄八丈」と呼ばれる伝統工芸品の織物があります。この織物を使った財布やアクセサリーがお土産としておすすめです。
(画像提供:八丈島観光協会)
青ヶ島
世界的にも珍しい複式カルデラを有する“東京の秘境”

面積は596ha、伊豆諸島の中では最南端の有人島で、標高250mにある集落は夏でも比較的涼しく過ごしやすい青ヶ島。人の手が入っていない自然が多く残り、島の側面が断崖絶壁の形状をしている点や就航する船の少なさから“東京の秘境”とも呼ばれる魅惑の島です。
火山の火口の中に新しい火山が形成された、複式カルデラというとても珍しい地形はこの島の象徴ともいえる絶景スポットです。島内で最も標高が高い展望台のある「大凸部(おおとんぶ)」から一望できます。

地熱を利用した「ふれあいサウナ」は、室内の温度が約60度と一般的なサウナと比べると低めなので、ゆっくりと過ごしやすくなっています。浴場もあるのでここで一日の疲れを癒すのもいいですね。

また、青ヶ島では地熱による水蒸気の噴出する穴が至るところで見られます。この穴は島の言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれ、地熱を利用して海水を結晶化させた「ひんぎゃの塩」はお土産におすすめです。じっくりと時間をかけて製塩することでまろやかな味わいとなり、食材の味を引き立ててくれるのだとか。
青ヶ島の飲食店は限られているため、基本的に食事は民宿で食べることになります。島の漁師が釣り上げた新鮮な魚や、民宿ごとの素朴な島料理を堪能できます。
(画像提供:青ヶ島村)
小笠原諸島にある2つの離島
次は諸島全体が世界自然遺産にも登録されている小笠原諸島にある2つの有人島「父島」「母島」を紹介します。伊豆諸島よりも東京から離れた場所にありますが、その分特に美しい海や独自の自然を楽しめる島々です。
父島
透明度の高い海が広がるダイビングスポット!フォトスポットも多数

東京から南に1000kmの位置にあり、行くためには船で24時間かかりますが、美しい海を見られたり、クジラ・イルカウォッチングをしたりと、ここならではの魅力がたっぷりの父島。島内には、独自の進化を遂げた固有の動植物たちが多数生息しています。

海はその透明度の高さからダイビングやシュノーケリングをする旅行客も多く、特に「境浦海岸」は波打ち際から100mほどの位置に第二次世界大戦で沈没した船がある神秘的な光景を海中で見られます。他にも、父島の南西に位置する無人島「南島」、岩の形がハートに見えることから通称“ハートロック”と呼ばれる「千尋岩」など写真に残したいスポットも多数あります!

独自のグルメ文化が多い父島の中でも特に個性的なのがウミガメ料理。もつ煮のように味付けた「カメ煮」はぜひ食べておきたいメニューです。ドリンクは、焼酎の水割りに糖度の高い小笠原の島レモンを絞って作る「水レモン」が定番。香り豊かで飲みやすいお酒です。

プルメリアやブーゲンビリアといった、島の植物を活かして作られた「ハーバリウム」は、色鮮やかで大切な人へのお土産にぴったり。また、島レモンを使ったジャムやお菓子は、多くの人に喜ばれる定番のお土産です。
(画像提供:小笠原村観光協会)
母島
母島だけに生息する動植物や、多様な絶景スポットが魅力!

父島と同じ小笠原諸島にある母島は、父島と比較すると広さ1988haと少し小さな島。父島より湿度が多少高いこともあり、母島にしか生息しない鳥・ハハジマメグロなどの動植物がいます。
美しいサンゴが見られる海岸「南崎」、太平洋を一望できる「小富士」の山頂など、絶景スポットも多数あります。ガイドや宿のスタッフをはじめフレンドリーな人が多く、温かい雰囲気の中ゆったりと過ごせるのも特徴です。

観光スポットとしておすすめなのが、かつて母島で採られていた石材であるロース石で建造された郷土資料館「ロース記念館」です。母島の歴史や展示品を見られる他、民芸品を作る「タコノハ細工体験」(材料費として500円)もできます。

父島と同じくウミガメ料理も盛んで、母島ではしょうゆ味で煮込むのが一般的。父島との味の違いを食べ比べするのもいいですね。お土産でおすすめなのはラム酒「海底熟成ラムMother」です。海底に約1年沈ませて熟成させたお酒で、まろやかな口当たりが美味しいと評判です。
(画像提供:小笠原母島観光協会)
※この記事は2024年4月23日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。