今回は全国から厳選した八重桜の名所を紹介します!気になる開花時期や見頃をはじめ、ソメイヨシノと八重桜の違いなど、花見前に知っておきたい情報が満載です。花見や散策で八重桜を見に行く際には、参考にしてみてくださいね。
「八重桜」とは?
ぽってりとしたかわいらしい花をつける八重桜。ヤマザクラやソメイヨシノに比べ、開花する時期が遅いので長く春を感じさせてくれる桜です。

実は八重桜は品種ではなく、花びらが幾重にも重なって咲く桜の総称。10枚~130枚ほどの花びらがつくのが一般的ですが、中には300枚以上の花びらをつける花もあり、その上品で優美な姿から「菊桜(きくざくら)」「菊咲き」とも呼ばれています。
また「牡丹桜(ぼたんざくら)」は八重桜の別名で、牡丹に似た八重咲きの様子からその名前がついたと言われ、菊や牡丹に例えられるほどの艶やかさが魅力的です。
品種の数も多く、有名な「関山(かんざん)」や「普賢象(ふげんぞう)」、八重咲きの枝垂れ桜「八重紅枝垂(やえべにしだれ)」、花の外側が薄いピンクで内側が白という特徴的な色をした「一様(いちよう)」、黄色の花を咲かせる「鬱金(うこん)」などがあります。場所によって見られる品種が異なるので、桜鑑賞に訪れる前にリサーチしておくのがおすすめです。

八重桜の名前の由来となる“八重咲き”とは、たくさんの花びらが重なり咲く様を意味しているそう。日本では古くから8という数字は“たくさん”という意味を持ち、さらに漢字の“八”は末広がりの数字として縁起の良い数と考えられることも多いです。
そのため、お祝いの席で出される「桜湯(さくらゆ)」や「桜茶(さくらちゃ)」にも八重桜を使うことが多いのだそう。お湯を注ぐとフワッと良い香りがし、桜の花が広がる様はとても美しく、華やかさが増します。
また、八重桜の花言葉は“しとやか”。そのほかに“豊かな教養” “善良な教育”といった、教育に関係する花言葉も持ちます。幾重にも重なって咲く八重桜は、知識を積み重ね厚みを得る教育を連想させることから、それらの花言葉がついたと言われています。
八重桜の開花や見頃はいつ?
見頃の全国平均は4月中旬ですが、日本列島でも早くから開花を迎える沖縄の見頃は4月上旬から中旬。開花の遅い北海道では5月中旬から下旬にかけて見頃となり、地域によって時期が大きく異なります。
ソメイヨシノより開花から散るまでの期間が長いことも特徴です。八重桜が咲く頃は比較的穏やかな陽気で、花見のピークからもずれているため、観光名所に出かけやすい時期と言えます。
ソメイヨシノとの違い

ソメイヨシノと八重桜の大きな違いは、花びらの枚数です。ソメイヨシノの花びらは5枚なのに対し、八重桜の花びらは枚数が決まっていません。
10枚から100枚以上の花びらが重なり、一輪一輪が大きい桜が八重桜と呼ばれています。

ソメイヨシノは花でピンク一色に染めますが、八重桜は花と同時に新葉をつけるため、新緑とのコントラストを楽しむこともできます。
また、開花時期もソメイヨシノとは差があるのも特徴的。ソメイヨシノは3月中旬から下旬にかけて満開となり、八重桜の多くはその1~2週間後に見頃を迎えます。近年桜といえばソメイヨシノが一般的ですが、歴史は意外にも浅く、日本で花を咲かせはじめたのは江戸時代だそうです。
一方、八重桜は平安時代の和歌にも登場するほど、古くから日本で愛されていた花なのだとか。日本国内で八重桜を楽しめるおすすめスポットをまとめたので、気になるスポットに出かけてみてくださいね。
全国の八重桜の名所8選
オニウシ公園【北海道】
八重紅枝垂れや森町固有種など約500本の桜が咲く

[見頃]5月中旬
北海道・森町の国道5号線近くにあり、道の駅「YOU・遊・もり」に隣接しているアクセスのよい公園。
約500本の桜が植えられており、多彩な品種が時期をずらしながら咲いていくので、長い期間花見を楽しめるのが魅力です。「オニウシ公園」の八重紅枝垂れは例年5月中旬が見頃。ほかにも、森町固有種の駒見桜や堀井緋桜なども見られます。
園内の展望物産館プラザからは、駒ケ岳や噴火湾など絶景を一望することが可能。麓に広がる美しい桜も眺められますよ。
北海道茅部郡森町上台町326
散策自由
なし
無料
【電車】JR森駅より徒歩10分【車】道央自動車道森ICより3分
あり(無料)
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(画像提供:北海道森町商工労働観光課)
盛岡城跡公園【岩手県】
美しい石垣と桜が競演する日本の春景色。華やかな八重紅枝垂桜に注目

[見頃]4月中旬
市民の憩いの場として親しまれている「盛岡城跡公園」。現在も残る内堀や石垣と共に、桜の景色を楽しめます。
公園内で見られる桜は、ソメイヨシノや盛岡枝垂桜など10種類以上約250本。八重紅枝垂桜は4月中旬から見頃になり、見事な濃いピンクの花を咲かせます。覆いかぶさるように枝垂れる桜の下で花見をするのも素敵ですよ。
例年4月上旬から5月上旬まで「盛岡さくらまつり」が実施され、18時からライトアップも行われます。
岩手県盛岡市内丸1-37
散策自由
なし
無料
【電車】JR盛岡駅より都心循環バスで6分※盛岡城跡公園下車徒歩すぐ【車】東北自動車道盛岡ICより15分
あり(【8時~18時】30分150円【18時~22時】1時間150円【22時~翌8時】1時間80円※入出庫可能時間は7時~22時)
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(画像提供:(公財)岩手県観光協会)
長瀞通り抜けの桜【埼玉県】
31品種約500本の八重桜が織りなす“桜のトンネル”

[見頃]4月中旬~下旬
埼玉県・長瀞町の宝登山麓にある遊歩沿いに八重桜が31品種、約500本並ぶ“通り抜けの桜”。
濃いピンクや白、黄の花をつけ花びらの数も多い八重桜がこれだけの規模で植えられているため、春には豪華な桜のトンネルになります。のんびり歩いたり、遊歩道のベンチに座って鑑賞したりと、思い思いの時間を過ごせますよ。
不動寺の近くのロープウェイに乗車し、上からの景色を楽しむのもおすすめです。
埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
散策自由
なし
無料
【電車】秩父鉄道長瀞駅より徒歩15分【車】皆野寄居有料道路皆野長瀞ICより8分
あり(500円)
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(画像提供:(一社)長瀞町観光協会)
有栖川宮記念公園【東京都】
美しい日本庭園が広がる都会のオアシス。ピンクや白の桜が彩る

[見頃]3月下旬~4月上旬
都会にありながら、ゆったりとした穏やかな時間が流れる閑静な公園。麻布台地の変化に富んだ地形をいかした自然豊かな日本庭園は、丘や渓谷、池などさまざまな景色を楽しめます。
園内に植えられている桜は、全11種類。見頃には、濃いピンクや白の華やかな花を咲かせます。庭園と桜が織りなす光景は、まるで絵画のような美しさ。芝生広場の横の案内板では、園内に咲く全種類の桜が紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
東京都港区南麻布5-7-29
散策自由
なし
無料
【電車】東京メトロ 広尾駅より徒歩3分【車】首都高速道路天現寺出口より約5分
なし
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(画像提供:有栖川宮記念公園管理事務所)
国宝 松本城【長野県】
北アルプスの絶景と松本城、咲き乱れる桜が競演!

[見頃]3月下旬~4月中旬
「国宝 松本城」は、雄大な北アルプスを背景に黒と白の凛とした姿が映える美しい城です。
春になると天守を中心に本丸庭園内や松本城公園、堀沿いなどあちらこちらで桜が開花します。ソメイヨシノや八重桜、しだれ桜など、その数は約300本。まだ雪が残る北アルプスの景色と共に桜を観賞できます。
夜にはライトアップされるので、城と夜桜の幻想的な光景も楽しめます。
長野県松本市丸の内4-1
8時30分~17時(最終入場16時30分)※GW・夏季・正月は異なるため公式ホームページを確認
12月29日~31日
観覧料【大人】電子チケット1200円、紙チケット1300円【小・中学生】電子チケット・紙チケット400円 ※2025年4月1日より料金改定
【電車】JR 松本駅より徒歩約20分【車】長野自動車道松本ICより約20分
なし※近隣に有料駐車場あり
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(画像提供:松本城管理課)
諏訪の桜トンネル【愛知県】
桜の大樹が並ぶ愛知県屈指の名所。夜のライトアップも楽しめる

[見頃]3月下旬~4月中旬
名古屋鉄道の諏訪町駅からほど近い場所にある、全長約1kmの桜並木「諏訪の桜トンネル」。約270本のソメイヨシノや桜の大樹が連なっており、満開時期の様子は見事。八重桜も植えられているので、探してみてください。
例年3月下旬~4月上旬の開花時期に合わせてイベントが開催され、キッチンカーも登場!桜の下でグルメを味わうのもいいですね。夜はライトアップも実施予定。散策しながら夜桜を観賞しましょう。
愛知県豊川市諏訪1
散策自由(ライトアップは18時~21時)
なし
無料
【電車】名古屋鉄道 諏訪町駅より徒歩10分【車】東名高速道路豊川ICより17分
あり(無料)
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(画像提供:豊川市観光協会)
花のまわりみち~八重桜イン広島~【広島県】
広島の春の風物詩!イベント開催時のみ自由に入れる造幣局の桜を鑑賞

[見頃]4月上旬
“桜の通り抜け”で親しまれている大阪の造幣局の桜を広島支局の構内に移植。造幣局創業120年の記念事業の一環で、1991年から「花のまわりみち~八重桜イン広島~」としてイベント開催時のみ一般公開されています。
ポピュラーな品種から、大手毬、紅手毬など、ほかではあまり見られないような珍しいものも含めて約60品種、約210本の桜を堪能できます。メインは遅咲きの八重桜で、毎年4月上旬が見頃。
今では広島の春の風物詩でもあり、地元の人々に愛される花見スポットです。
広島県広島市佐伯区五日市中央6-3-1
未定※最新情報は、公式ホームページを確認
一般公開期間中はなし
無料
【電車】JR・広島電鉄 五日市駅より広島電鉄バスで約13分※千同橋下車徒歩10分(一般公開期間中は臨時バスが運行予定※有料)
なし
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(画像提供:独立行政法人造幣局広島支局)
祇園公園【愛媛県】
高台にある八重桜。ぼんぼりのライトアップが情緒豊か

[見頃]4月中旬~下旬
愛媛県の肱川沿いの高台にある約2haの広さを誇る「祇園公園」では、4月中旬~下旬にかけて約700本が見頃を迎えます。
開花時期には例年さくらまつりも開催。屋台でグルメを購入し、ピクニック気分で高台からの景色も楽しめます。
期間中はぼんぼりのライトアップもあり、ほのかな灯りに照らされた濃いピンクの花々は、日中とは違った美しさ。園内の遊歩道を散策しながら夜桜を堪能できますよ。
(画像提供:大洲市都市整備課)
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※この記事は2025年1月28日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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