雲海に浮かぶ幻想的な「天空の城」。兵庫県の有名な「竹田城跡」のほかにも、福井県の越前大野城、島根県の津和野城など、日本の各地に点在していることはご存じでしょうか。
言葉にできない絶景を、いつか一度はその目で見てほしい!おすすめの季節や眺望スポットも一緒にご紹介します!
雲海が発生しやすい条件とは?
雲海が発生しやすい期間は、概ね秋から春にかけての夜明け前~日の出前後。地理的には、山間部や盆地に発生しやすいと言われています。放射冷却などにより朝晩の気温差が大きくなる日がねらい目です。また、前日の雨などで湿度が高く、風が弱い晴れた日というのも発生しやすい条件です。
幻の絶景と言われる「天空の城」を見ることができるのは、こうした気象条件と地理的条件とが絶妙に重なった時だけです。その分、絶景を目の当たりにした時の感動は言葉になりません。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
※条件が合わない場合は、見ることができません
竹田城跡(兵庫県)
「日本のマチュピチュ」ともいわれる天空の城の代表格

標高353.7mの古城山の山頂、眼下を見渡せる絶好の場所に位置する竹田城跡。
秋の良く晴れた朝、周辺に濃い霧が発生することがあり、朝霧が竹田城跡を取り囲む様子はまるで雲海に浮かんでいるかのよう。その姿がまるで「日本のマチュピチュ」のようだと話題になり、いつしか「天空の城」と呼ばれるようになりました。

写真は立雲峡(りつうんきょう)からの景色です。
廃城から約400年以上経過した今も残る石垣は、全国屈指の規模を誇ります。歴史の面影を色濃く残す美しい姿を一目見ようと、城好きだけでなく、多くの観光客が訪れています。
運が良ければ、朝日に城跡が照らされる、このような神秘的な光景が見られることも!
おすすめ眺望ポイント
・立雲峡
竹田城跡から円山川を挟んで向かいにある、朝来山の展望スポットです。雲海に包み込まれる竹田城跡の姿を撮影しようと、カメラ愛好家も多く訪れる絶景スポットです。3つの展望台があり、専用駐車場から第2展望台までは徒歩20分、もっとも竹田城跡がきれいに望めるとされる第1展望台までは徒歩40分の道のりです。
・城跡内
雲海に包み込まれているかのような、幻想的なパノラマの景色が広がります。登城にはJR竹田駅から登山道を進み徒歩で約40分。築城当時からの山道は九十九折り(つづらおり)で石段が続きます。足元に十分気を付けてくださいね。
おすすめの時期
9月~11月(雲海シーズン)の明け方から午前8時頃
※他の季節でも稀に見られるそうですが、秋(特に晩秋)が一番発生しやすいとのこと。
公式ホームページでは、雲海が発生する条件や、見に行く際のおすすめの服装なども紹介されていますので、こちらもチェックしてみてくださいね。
http://www.city.asago.hyogo.jp/takeda/0000000332.html
兵庫県朝来市和田山町竹田169
【3~5月】8時~18時【6~8月】6時~18時【9月~11月】4時~17時【12月~翌年1月3日】10時~14時
[閉山期間]1月4日~2月末
【大人】500円(20名以上の団体 450円)【中学生以下】無料
【車】播但連絡自動車道 和田山ICから山城の郷駐車場まで10分 山城の郷駐車場から徒歩約40分【電車】JR竹田駅から登山道で40分
あり(無料)
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赤木城跡(三重県)
豊かな森に囲まれた、奥野の里山に佇む風情ある天空の城

里山の朝もやに浮かぶ天空の城、趣のある佇まいの赤木城跡をご紹介します。
標高は約230mでそう高くはないものの、湿度や寒暖差などの条件が揃った日に霧が発生し、ノスタルジックな風景を見ることができます。
熊野の山奥という、風情たっぷりなロケーションも魅力のひとつです。

赤木城は、築城の名手・藤堂高虎によって作られた、中世と近世の築城法を併用した平山城。
熊野地方の木材を確保するため、羽柴秀吉の命で築城されたたと言われています。近世城郭の萌芽ともいうべき城郭機能を兼ね備えており、その面影を今に伝える赤城城跡は、築城当時の原型を残した全国でも貴重な城跡として称賛を浴びています。
おすすめ眺望ポイント
・県道40号線沿い
のどかな景色が広がる県道沿いから赤木城跡を見ることができます。運が良ければ、田園風景の先に雲海に浮かぶ石垣が現れることも。県道40号線を北上する途中、赤木川を越えて約1分ほどの所に「国史跡 赤木城跡」という標識がありますので、探してみてくださいね。
・城跡内
こぢんまりとした城跡ですが、頂上は思いのほか広く、360度広がる里山の風景にも圧倒されます。秋には紅葉、春には桜の花が咲き誇るなど、四季折々の景色を楽しめるスポットです。城跡は駐車場のすぐ目の前です。トイレもありますので、安心してゆっくり満喫できますよ。
おすすめの時期
10月下旬から12月にかけての早朝
津和野城跡(島根県)
津和野町を見渡せる天空の山城!観光リフトも運行する国指定史跡

津和野城は標高362mの霊亀山(または城山)上にある山城です。
この津和野町一帯は秋から冬にかけてしばしば濃い朝霧が発生。雲海に城跡が浮かび上がり、神秘的な天空の城の姿となります。
また、城跡内からは朝霧に包まれた城下が少しずつ見えてくる幻想的な様子も見ることができますよ。

山麓から約200mの標高差があり、麓から見上げても、石垣から城下を遠望してもこれぞ山城といった景観です。

城跡からは、古都・津和野の町並みが一望!寒暖差の大きい盆地なので、雲海の発生条件にもぴったりです。
おすすめ眺望ポイント
・城跡内
10月の終わりから11月末まで、土日の早朝7時から城山観光リフトが運行される予定です。
城跡の途中までリフトで登ることができますよ。リフト降り場から城跡までは徒歩約20分です。
お出かけ前に運行状況をチェックしてみてくださいね。
おすすめの時期
10月の終わりから11月末頃にかけての早朝
島根県鹿足郡津和野町後田
[城跡観光リフト運行時間]9時~16時30分 (3月~11月毎日運行、12月~2月土日祝日のみ運行、1月1日~1月5日は運行、10月末~11月末までは土日朝7時から運行予定)
[リフト料金]【中学生以上】往復:700円、片道:400円【小学生以下】往復:500円、片道:300円
観光リフト乗り場までJR津和野駅より車で5分、徒歩25分 ※リフト降り場から城跡まで片道徒歩20分
あり(無料)
「津和野城跡」の詳細はこちら
備中松山城(岡山県)
雲海と木々の間から姿を現す、江戸時代以前から残る山城

備中松山城は、江戸時代以前からの現存天守12城の一つで、唯一の山城です。
山を登り、その優美な姿が見えた時の感動はひとしお!また、雲海に浮かび朝日に照らされる様子はまさに絶景です!

雲海が発生するシーズンには、とくに多くの観光客やカメラマンが訪れます。
最近は、キュートな猫城主「さんじゅーろー」が就任したことでも話題を呼んでいます。運が良ければ会えるかも!
おすすめ眺望ポイント
・雲海展望台
岡山県高梁市奥万田町にある展望台です。岡山自動車道・賀陽ICで下車し、国道484号線を高梁方面へ。5kmほど進むと右折を示す看板があります。右折後さらに4km分ほど進むと展望台にたどり着きます。4台分の駐車場(無料)があります。また、備中高梁駅からタクシーにて約20分で訪れることもできますよ。
・高梁市ループ橋 展望公園
天守の南約3キロ、岡山県高梁市上谷町に位置する、備中高梁エリアをほぼ一望できるスポットです。夜景がきれいなことでも知られていますが、無料の望遠鏡が設置されていて、備中松山城を見ることもできます。備中高梁駅から車で6分ほどの国道484号線沿いにあり、駐車場が広く立ち寄りやすいスポットです。
おすすめの時期
9月下旬~4月上旬の、明け方5時半や6時あたりから午前8時頃まで
うち10月、11月は比較的発生率が高く、濃い雲海が期待できるそうです。
岡山県高梁市内山下1
【4月~9月】9時~17時30分【10月~3月】9時~16時30分(最終入城時間は閉城時間の30分前まで)
※入城の際は、新型コロナウィルス感染予防対策としてマスク着用をお願いします。
12月29日~1月3日
【大人】500円【小中学生】200円
【車】賀陽ICから城見橋公園駐車場(5合目)まで約30分【電車】備中高梁駅前からふいご峠駐車場(8合目)までタクシーで約10分 ※城見橋公園駐車場から先は、季節により車両の乗入規制あり。(城見橋公園駐車場から天守まで徒歩50分、登城整理バスを利用する場合は、ふいご峠駐車場下車後徒歩20分)
あり(無料)
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越前大野城(福井県)
大野盆地全体が雲海の中に。四方を山々に囲まれた天空の城

越前大野城は、大野市の中心部にある亀山(標高:249m)にそびえる平山城です。
麓には城下町が広がり、この城下町が雲海に包まれ亀山だけが浮かんで見える日に、「天空の城 越前大野城」の姿となります。越前大野城が「天空の城」となるのは年に10日ほど!大変貴重な絶景です!
雲海が広がって次第に町が隠れていくさま、晴れて姿を現していくさまを眺めていると、まるで古(いにしえ)の大野に一瞬迷い込んだかのような幻想的な気分になれますよ。

天守は、2層4階建の大天守、2層2階の小天守、二の丸、三の丸があります。石垣は石を立てず横に寝かせ、大きい石を奥に押し込んで積むという、野面積みという工法の貴重な史跡です。織田信長に仕えた金森長近により、4年の歳月をかけて築城されたと言われています。外堀・内堀をめぐらし城を守っていたそうです。
また、越前大野城では、登城の記念や旅の思い出におすすめの「御城印」を販売。2020年は築城440年記念の御城印を販売しているので、チェックしてみてくださいね。
おすすめ眺望ポイント
・戌山城址の南出丸下
越前大野城の西約1kmにある、戌山城址(標高324m)の南出丸下から見ることができます。眺望ポイントに行く犬山登山コースは3つで、どのコースも目指す場所は同じで登山道を徒歩で登るため、十分に準備をして臨んでくださいね。
犬山登山コース【1】 鍬掛(くわかけ)コース(天空への小径)
初心者でも比較的チャレンジしやすいコースです。犬山の東側のふもとに、撮影スポット登山者用の広い駐車場(無料)があります。そこから国道158号線を北に2~3分歩いた先のトンネルの左側に登山道があり、20分ほど登ると眺望ポイントに到着します。
犬山登山コース【2】 ほたるの里コース
犬山の西側にある登山道の入り口から約20分で眺望ポイントにたどり着きます。道案内の標識に従って、自然の山林の中を進みます。なお、こちらの登り口には駐車場がありませんが、400mほど離れた場所に「清水コース」の駐車場(無料・6台ほど)があります。
犬山登山コース【3】 清水コース
犬山の西側の「みくら清水」から登る約30分のコースです。戌山城址の遺構の中を歩くため、堀切(ほりきり)、竪堀(たてぼり)などの起伏があります。大変険しい道ですが、古城好きにはたまらない歴史的にかなり貴重なコースです。
おすすめの時期
10月から4月末頃の明け方から午前9時頃まで
11月頃が最も「天空の城 越前大野城」が出現する時期といわれています。明け方4時頃から雲海が発生する日もあれば、日の出前後の30分くらいの時間だけ雲海に包まれる日もあるそうです。
公式ホームページでは、「越前大野城雲海カメラ」でリアルタイムに雲海の発生状況を見ることもできますので、参考にしてみてくださいね。
福井県大野市城町3-109
【4月~9月】9時~17時【10月・11月】9時~16時(早期開館する場合があります)
12月~3月
【大人】300円(30名以上の団体 150円)【小人】無料
【車】大野ICから登城口まで約7分【電車】JR越前大野駅から登城口まで徒歩約15分 ※登城口より越前大野城までは、徒歩で約15~20分
あり(無料)
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郡上八幡城(岐阜県)
朝霧に浮かぶ、奥美濃の山々に囲まれた日本最古の木造再建城

城下町を一望できる郡上八幡城。秋冬の朝や雨上がりの翌朝など、条件が揃ったときにだけ発生する濃い霧が城下を包み隠し、「天空の城」の姿となる山城です。
その姿を写した、まるで絵のような幻想的な作品がポスターに起用されたことなどで、近年、脚光を浴びるようになりました。

郡上八幡城の起源は永禄2年、つまり戦国時代末期の1559年に戦の陣が置かれたことから始まります。
明治4年(1871年)に廃藩置県により石垣を残して廃城となり、昭和8年(1933年)に再建された日本最古の木造再建城です。「日本一美しい山城」との呼び声が高く、白亜の天守と四季折々の景色が織りなす景色は一見の価値ありですよ。
おすすめ眺望ポイント
・国道256号堀越峠
郡上八幡城の南東に位置する峠の中腹あたりです。ふもとの八幡大橋南の交差点から車で8分ほど上ったところです。山の上に佇む天守を、見下ろすようなアングルで見ることができますよ。
※この場所は、急勾配・急カーブが続く大変危険な山岳道路です。路上駐停車も禁止、駐車場、歩道、展望台等もありません。地元の生活道路としても利用される交通量の多い峠ですので、マナーを守ってくださいね。(事故等は自己責任となります)
おすすめの時期
10月下旬~1月(秋冬)の7時~8時頃が目安
ねらい目は、昼夜の気温差が大きくなる晩秋~冬にかけてです。日が上り気温が高くなる前を目指しましょう。
郡上八幡城が雲海に包まれる姿を見るのはかなり難易度が高いと言えるのですが、城の周辺は観光が充実しているので、雲海が見られずとも歴史と風情を満喫することができます。町家一棟貸しの宿などもあるので、宿泊して雲海を楽しみに待つのもおすすめです。
岐阜県郡上市八幡町柳町一の平
【3~5月、9~10月】9時~17時【6~8月】8時~18時【11~2月】9時~16時30分 ※最終受付は15分前
※新型コロナウィルス感染予防対策として2020年7月現在、時短営業中です。7~8月は通常8時~18時営業ですが、当面の間、9時~17時にて営業中です。
年末年始 12月20日~1月10日
大人320円 小中学生150円
【車】東海北陸自動車道 郡上八幡ICより約12分【電車】長良川鉄道 郡上八幡駅よりタクシー等で約12分
あり(無料)
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