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2020.10.21

一度は泊まりたい極上宿4選!絶景・グルメ・温泉…大人の贅沢時間を堪能<全国・2020>

海石榴【神奈川県湯河原町】

季節の薫りがふわりと漂う料亭旅館にのんびりこもる。

海石榴
奥湯河原の渓谷沿いに広がる宿。例年11月中旬~12月上旬、宿周辺はもとより敷地内の庭園や散策路に紅葉が輝く
海石榴
湯河原の中心地を外れた静かな地に佇み、清流沿いの散策路を含む敷地面積は約2万坪におよぶ

何をせずとも寛げる、贅沢な時間が約束された隠れ宿。
湯河原の中心地を抜けて奥へ奥へ。奥湯河原温泉は街と山の谷間にある。宿の兜門をくぐるとなだらかな山容が間近に見え、都内から車で1時間半ほどとは思えない深山の趣だ。

海石榴
数寄屋造りに洋のエッセンスを取り入れた館内。ロビー棟の先に、本館客室棟と迎賓館が
海石榴
到着時は抹茶と干菓子を。女将をはじめ、一人ひとりに寄り添いつつ程よい距離感の接客が心地いい

掃き清められ打ち水をした玄関で手をついた仲居さんに迎えられ、ロビーで抹茶をいただく。茶菓子は椿形の和三盆。椿の古語「海石榴」の屋号にちなんだ遊び心だろう。

海石榴
本館「都鳥」は和室、板張りのリビング、テラス、露天風呂付き。室内には椿の意匠を施した小物が
海石榴
椿の品種名を冠した客室は本館に24室、国内外の要人も逗留する迎賓館に5室あり趣様々。露天風呂付き客室は全10室

ひと息ついた丁度よい頃合いに声をかけられて客室へ。山の起伏を活かした造りゆえ本館1階の客室も階段を上っていく。この入り組んだ道程が非日常に誘うようだ。椿の品種から名をとった客室「都鳥」は、床の間に季節の花を生けた和室に加え洋間もある。創業は40年以上前だが折々に改装されているため、過ごしやすいしつらえだ。

海石榴
明治の文豪も湯治に訪れた湯河原温泉。伊豆石を配した露天風呂付き大浴場で、肌触り柔らかな名湯に入浴を

露天風呂に続くテラスの足元には池が迫り、水上コテージのよう。聞けば2階にも池に面した客室があるそうで、想像を超えた贅沢な建築に驚く。用意されたエサを池に撒くと、ちゃぽん、と鯉が顔をのぞかせた。

海石榴
ラウンジでは夕方に生ビールや料理長特製のゼリー、ハーゲンダッツアイスなどを無料提供。翌朝はコーヒーやソフトドリンクを用意

湯河原の名湯に浸かり、湯上がりはラウンジでビールを一杯。大窓の外には箱根へと続く稜線が見渡せる。それでいてこの宿以外の建造物は視野に入らず、人里離れた地でもないのに何と恵まれた環境だろう。

海石榴
季節の食材で趣向を凝らした、見た目にも心浮き立つ夕食と朝食は部屋出し。料理を目当てに泊まる人も
海石榴
「はしり、旬、なごり」と時期により変わる食材を活かして調理。名物は県内山北産すっぽんの鍋

紅葉時期も見応えがあろうと夢想しつつ客室で寛げば、夕食の時間。料亭旅館と名乗るだけあり、その時期に最もおいしい食材を活かした品々は芸術品のよう。名物のすっぽん鍋も、秋はもみじ麩を添えるなど季節感を忘れず仕上げられる。器も椿の蒔絵を施した特注の椀や、今や入手困難な作家ものだ。そしてこの贅を尽くした品を、絶妙のタイミングで給仕してもらい客室で食べられる贅沢さ。途中、女将が挨拶に来た。

海石榴
約100種2000本の椿を植えた約2000坪の庭園の他、敷地内の川沿いに散策路が。初秋は金木犀が香り、秋の紅葉も見事

古き良き日本のおもてなしの粋を集めた旅館「海石榴」。季節を変え、椿が花盛りを迎える早春に再訪したくなる。

海石榴
日本のトップスパを選ぶ「スパ クリスタルアワード2019」でTOP10に輝いたスパ施設も併設している
海石榴
調度品や建材にも特にこだわり、神奈川県の建築コンクールで最優秀賞に輝いた迎賓館。1000坪の広さに客室は5室のみの贅沢さ。その1室、2019年10月にリニューアルした「花富貴」は和室2間とシモンズ社製のベッドを置いた洋間、露天風呂付き
海石榴
見晴らし抜群のバーで、食後のひと時を過ごすのもいいだろう

周辺情報

近隣の「池峯 もみじの郷」は湯河原屈指の紅葉名所。車で約20分の箱根芦ノ湖、車で約30分の熱海温泉に足を延ばす手も。

■海石榴(つばき)
[TEL]0570-026577
[住所]神奈川県足柄下郡湯河原町宮上776
[料金]1泊2食付き4万4000円~(入湯税別途150円)
[アクセス]【電車】JR 湯河原駅よりタクシーで7分【車】西湘バイパス石橋ICより30分
[駐車場]20台
「海石榴」の詳細はこちら

加賀屋別邸 松乃碧【石川県七尾市】

アートや文化にふれながら大人の粋な時間を過ごす。

加賀屋別邸 松乃碧
エントランスの天井を支える8本の杉の柱にも工芸品を展示
加賀屋別邸 松乃碧
エントランス部は輪島市出身の工芸家・角偉三郎氏のギャラリーを兼ねている

もてなしに定評のある名宿が大人のために創りあげた別邸。
ふすまを模した白塗りの自動ドアが開き、天井まで伸びた杉柱が姿を見せた。エントランスホールには輪島塗の数々。なるほど、玄関口に「角偉三郎美術館」の看板があるのはこういうことか―。

加賀屋別邸 松乃碧
輪島塗の漆器や九谷焼などの伝統工芸品が館内のあちこちに。工芸品が購入できるギャラリーショップもある

ここは、日本一のもてなしだと名高い旅館「加賀屋」の別邸。「美術館に泊まる宿」を謳い、加賀百万石の藩主・前田家の奨励で花開いた伝統工芸の作品が館内を飾っている。

加賀屋別邸 松乃碧
ロビーラウンジから望む国宝『松林図屏風』をモチーフにした庭。左奥に茶室
加賀屋別邸 松乃碧
到着後はまず庭園と海を見渡すロビーラウンジで呈茶のおもてなし

奥に進み、ガラス壁に囲まれたロビーラウンジでチェックイン。松を植えた庭と波穏やかな七尾湾が一望でき、水平線には能登島が浮かんでいる。名画のような光景に感心すると、国宝の水墨画に着想を得て作庭したのだとスタッフが教えてくれた。

加賀屋別邸 松乃碧
庭に移築された、加賀藩主・前田家ゆかりの茶室でお点前を。スタッフのサポートもあり初心者も気軽に参加できる
加賀屋別邸 松乃碧
前田家の姫君が茶をたしなんだ、江戸末期築の茶室は格天井の鳳凰図をはじめ豪華な造り
加賀屋別邸 松乃碧
釣鐘形の窓からのぞく海が美しい

庭に建つ前田家ゆかりの茶室ではお茶がいただけると聞き、15時の回に申し込む。ラウンジや湯上がり処など館内で提供される飲み物やスイーツが追加料金なしで楽しめる「インクルーシブシステム」の宿だとは知っていたが、茶室の利用まで無料とは。

加賀屋別邸 松乃碧
和の趣を伝えつつソファやマッサージチェアを配した客室が全28室。そのうち露天風呂付きも3室ある
加賀屋別邸 松乃碧
全室が七尾湾ビュー。和室(12畳・ツイン)は窓に面してベッドが置かれ、目覚めた途端に海が見える

客室に着くと「冷蔵庫の飲み物やおつまみも宿泊料金に含まれていますから、ぜひご利用ください」と笑顔を残して立ち去るスタッフ。さすが加賀屋流、さり気なく必要なことは伝え、こちらの言葉に打てば響く相づちを返してくれる。加えて別邸は「大人の二人」がテーマなので、加賀屋の本館以上に客に踏み込み過ぎない距離感を大事にしているようだ。

加賀屋別邸 松乃碧
能登牛やノドグロときのこの棚板焼きなど、季節香る美しい日本料理を。冬は北陸自慢のカニや寒ブリも
加賀屋別邸 松乃碧
/多彩な酒類からワイングラスで飲む高級茶まで夕食時の飲み物もフリー

館内の雰囲気も賑わいのある本館とは違い、宿泊は中学生以上限定ということもあり静けさが漂う。夕食は個室に席が設けられ、二人きりの時間に。九谷焼や輪島塗に麗しく盛られた料理や、献立に合う酒を提案するすすめ上手なスタッフのおかげで、地酒の呑み比べに人気焼酎「森伊蔵」…とつい杯を重ねるが、これも「インクルーシブ」とは嬉しい限り。

加賀屋別邸 松乃碧
バーではお酒や夜食を
加賀屋別邸 松乃碧
和倉温泉が満ちた露天風呂も海一望。湯上がり処ではビールやアイスを

食後はバーで寛いでもいいし、ライブラリーで借りたDVDを部屋で観てもいい。大人だけに許された、自由で特別な時間はまだまだ終わらない。

周辺情報

和倉温泉が位置する能登半島では海絶景や伝統工芸の美術館めぐり、輪島朝市が楽しめる。和倉温泉から車で約1時間20分の金沢観光を組み合わせてもいい。

■加賀屋別邸 松乃碧(まつのみどり)
[TEL]0767-62-8000(予約センター)
[住所]石川県七尾市和倉町ワ部34
[料金]1泊2食付き5万5000円~(入湯税別途150円) 
[アクセス]【電車】JR和倉温泉駅より予約制送迎バスで6分【車】能越道七尾ICより20分
[駐車場]30台
「加賀屋別邸 松乃碧」の詳細はこちら

※新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。ご利用の際には、あらかじめ最新の情報をご確認ください。また、感染拡大の防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
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じゃらん編集部  じゃらん編集部

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