ひとり旅はもちろん、ひとりカラオケ・ひとり焼肉など最近では「おひとりさま」も楽しめることが増えてきていますね。でも「ひとり〇〇を経験してみたいけど、どう楽しんだらいいかわからない」そんな方もいると思います。
そこで温泉オタクの永井千晴さんに“ひとり温泉旅行”の楽しみ方を教えていただきました!先日発売された永井さんの書籍もぜひチェックしてみてください♪(詳細は記事最後のプロフィール欄にて)
毎月、連載で少しずつ“ひとり温泉”を楽しむヒントをお伝えしていけたらと思います。
※この記事は2020年12月9日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
島根には、全国でも指折りのすばらしい温泉が湧いています。しかし東京や大阪からアクセスしにくいためか、あまり知られていないかもしれません。私は声を大にして言いたいのです、「島根の温泉はサイコーなので行ってみてほしい!」と。落ち着いた温泉地が多いので、ひとりでのんびり訪れるのがおすすめです。
本記事では、温泉好きのひとり旅行に推せる、島根の隠れた名湯をご紹介していきます。
島根県西部に位置する、2つの趣ある温泉地

島根の温泉地といえば、一番の有名どころは玉造温泉。美肌の湯として1300年前から愛されていて、川沿いには旅館が軒を並べ、温泉コスメの種類も豊富で、若い女性グループ客がたくさん見られる売れっ子温泉地です。縁結びにご利益があると言われる出雲大社が近いこととから、セットでの旅行が人気です。
玉造ももちろんいい温泉地ですが、もうちょっと西側にも、すばらしい温泉地が2つあります。

ひとつめは、有福(ありふく)温泉。「山陰の伊香保」とも言われていて、石段街の美しい温泉地です。建物の半分以上がもう空き家らしく、かなり閑散としていますが、湯はもう逸品。浴感、肌触りがもう、本当に驚くほどつるっつるなのです。

丘の上の共同浴場「御前湯」は、脱衣所のすぐ近くから湧いている新鮮な温泉がたっぷり注がれていて、たゆたゆのオーバーフロー。
青いタイルがかわいらしく、少し深めな湯船の設計もすばらしくて、大好きな共同浴場です。雰囲気もすばらしいので、有福は永遠に続いてほしい温泉地です。

ふたつめは、温泉津(ゆのつ)温泉。有福から45分ほど車を走らせたところにあります。
有福よりもう少し大きい温泉地で、瓦屋根の古き良き旅館が連なっています。2007年、石見銀山とその周辺が世界文化遺産に登録され、温泉津もそのひとつに含まれました。

この「世界遺産の温泉地」には、国内屈指の療養泉が湧いています。あっつあつの塩湯には、いろんな成分がごったごたに含まれていて、ガツーンと体に染みます。力強い温泉成分によって、共同浴場の湯船や床はとろとろに変形・変色していて圧巻。
しっとりした温泉街にはバーやカフェもあり過ごしやすく、地酒も美味しいです。温泉津も空き家が多いみたいなので、本当に多くの方に訪れてほしいですね……。
県外からもお客さんが訪れる、個性派ぞろいの日帰り入浴施設
島根にはすばらしい温泉がまだまだあります。

例えば、「千原温泉 湯谷湯治場」。山奥にぽつんと建つ一軒の湯治場です。小さな木造の湯船には、黄金色の温泉がひたひたに。湯船の底から湧き出している“足元湧出”の温泉です。
足元からプクプクと湧き出す様子は、“生きている”ような感じがして、とってもパワフル。さっぱり塩気があり、何時間も浸かりたくなるような35℃のぬる湯です。炭酸のアワがぴちぴちと肌にまとわりついて、湯上がりはぽかぽか。

また、お客さんが温度調節できる、変わった設計の濃厚鉱泉「木部谷温泉 松乃湯」もサイコー。さっぱり濃いめのぬる湯なので、アツアツがお好きな方は蒸気のバルブをひねって加温します。裏手の間欠泉から湯船に注いでいるのでとっても新鮮で、吹き出す瞬間も見学できます。
他にも、ぺとぺとな浴感と深緑色の湯が印象的な三瓶温泉の「鶴の湯」もおすすめ。また、宿泊施設でもある「奥出雲湯村温泉 湯乃上館」は、つるつるしっとり源泉かけ流し、川沿いのまったりした雰囲気が心地よいなどなど、推せる温泉だらけです。
行きにくさは、“ひとり温泉旅行”の満足感にもつながる
正直に申し上げると、東京近郊の箱根・熱海や、大阪近郊の有馬・城崎などと比べると、島根はどうしても行きにくさがあります。ただ、アクセスに少しだけ時間と手間をかけると、「私は私のためだけに、このひとり温泉旅行を計画して実行した」という、ひとりならではの自己満足感につながることも。
遠く離れた地でのんびり過ごせば、いつもと違うひとときを味わえて、リラックスもできるはずです。
ぜひぜひ浸かってみてほしい、島根のすばらしい温泉たち。飛行機でびゅんと、行ってみてはいかがですか。
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“ひとり温泉”を楽しむ特集一覧
■プロフィール

永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は400超。普段はCHOCOLATE Inc.でプロデュース業をしています。元じゃらん編集部員。
Twitterアカウント @onsen_nagachi
<女ひとり温泉をサイコーにする53の方法>

2020年11月26日発売。訪れた温泉は約500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタク会社員」による温泉偏愛エッセイ!つぶやくと同時に6.8万RTされた「東京・大阪から1泊2日で行けるお勧め温泉チャート」付き
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永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi