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2023.07.12

【夏の星座11選】北斗七星や大三角、ベガなど一等星の見つけ方。星空観賞の持ち物も

夏の星座を鑑賞しよう!6月から8月の夜空には、はくちょう座のデネブとわし座のアルタイル、こと座のベガの3つの一等星からなる夏の大三角形が描かれます。ほかにも天の川に北斗七星、赤く輝くさそり座の一等星など、迫力のある星や星座がたくさん!

星の特徴や見つけ方、星空観賞の注意点や持ち物など、初心者でも楽しめる夏の星座探しのノウハウを、星座学習サイト「88星座図鑑」を運営している星座観察のスペシャリスト、スタディスタイル★自然学習館の齋藤さんに教えていただきました。

※この記事は2023年7月12日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

夏の夜空の特徴

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

6月~8月頃にかけて、夜に見やすい位置にある星座のことを「夏の星座」と呼んでいます。

夏の夜空を眺めると、天の川の流れに沿って、はくちょう座やわし座、さそり座など有名な星座たちを見ることができます。

夏を代表する星座が夜空に勢揃いするのは、6月上旬なら午前0時過ぎ。日を追うごとに早まり8月下旬になると20時頃には夜空に夏の星座が出揃います。

6月頃は日が沈むと共に明るい一等星が次々と昇り、一晩中美しい星空を楽しめます。
7月下旬から8月上旬の22時頃には、夜空のちょうど真上に夏の大三角と呼ばれる3つの明るい一等星が並びます。

夏の大三角は見つけやすいので、夏の星座探しのガイド役となります。

夏の大三角を作る一等星のひとつデネブは、はくちょう座を形作る星の1つ。まずは、はくちょう座を見つけ、そこから夏の夜空を彩る数々の星座を探してみましょう!

【はくちょう座(デネブ)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

7月下旬の21時頃、夜空のちょうど真上(天頂)から少し東に目をやると、天の川の中に大きな十字架の形に並ぶ星々が見つかります。翼を広げた白鳥の姿を表したはくちょう座です。

夏の夜空でひときわ目立つ星座で、一等星のデネブ(α星)をはじめ、アルビレオ(β星)などの明るい星が十字架の形を作っています

ギリシャ神話では、大神ゼウスが美しいスパルタの王妃レダを気に入り、ひそかに会いに行くために白鳥に姿を変えたという物語が、はくちょう座の由来の1つと言われています。

【わし座(アルタイル)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

はくちょう座の十字架から天の川に沿って南に目をやると、少し小さな十字架の形に並ぶ星々が見つかります。翼を広げた鷲の姿を表したわし座です。

七夕の「ひこ星」として知られるアルタイル(α星)はわし座の中心にある一等星で、はくちょう座のデネブと共に天の川に浮かぶ宝石のように輝いています。

ギリシャ神話では、大神ゼウスが美少年ガニメデス(みずがめ座)をさらいに行ったときに変身した鷲など、いくつかの物語が伝えられています。

【こと座(ベガ)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルを底辺とし、西に三角形を作るように目をやると、青白く輝く明るい星が目に入ります。七夕の「おりひめ星」として知られる、こと座の一等星ベガ(α星)です。

こと座はベガと4つの星からなる平行四辺形が、たて琴の形を作る小さな星座です。

ギリシャ神話では「オルフェウスのたて琴」として悲しい物語が伝えられています。

【夏の大三角】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガが「夏の大三角」を作っている星々です。

天の川を挟んで明るく輝く3つの一等星の美しさは、夏の夜空最大の見どころ。7月~8月の夜はほぼ一晩中楽しむことができます。

【ヘルクレス座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

こと座のベガから西に目をやると、アルファベットの「H」のような星の並び、または、大小2つの台形が繋がった星の並びが見つかります。勇者ヘルクレスの姿を表したヘルクレス座です。

夏を代表する大きな星座ですが、三等星より暗い星ばかりの星座なので、見つけにくいかもしれません。

ギリシャ神話に登場する勇者ヘルクレスは12の冒険を成し遂げ、星座になったといわれています。

【かんむり座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

ヘルクレス座からさらに西に目をやると、7つの星がきれいな半円形を描くように並んでいます。美しい王冠の形を表したかんむり座です。

二等星より暗い星でできた小さな星座ですが、形がはっきりしているので見つけやすいのが特徴。

ギリシャ神話では、酒の神ディオニュソスがクレタ島の王女アリアドネに贈った美しい冠を星座にしたものと伝えられています。

【へびつかい座、へび座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

ヘルクレス座の頭上から南の地平線に向かって少し目線を移動すると、大きな将棋の駒のような形をした星の並びが見つかります。大蛇(へび座)にからみつかれる医神アスクレピオスの姿を表したへびつかい座です。

へびつかい座の底辺あたりから東西に延びる暗い星へび座を形作っています。

へび座はへびつかい座にさえぎられる形で頭と尾が東西に分かれていますが、へびつかい座と一緒の星座と見たほうがわかりやすいです。

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

【さそり座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

へびつかい座からさらに地平線近くに目を向けると、赤く輝く明るい星が見つかります。長い尾の先に猛毒のある針を持ったサソリの姿を表したさそり座の1等星アンタレス(α星)です。

サソリの心臓にあたる星で、その左下にS字を描くように並んだ星がサソリのしっぽを形作っています。

夏の南の空の低い位置に赤く輝く明るい星を見つけたら、さそり座のアンタレスで間違いないでしょう。

【いて座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

さそり座のアンタレスから天の川の対岸あたりに視線を移すと、6つの明るい星がひしゃくの形に並んでいます。半身半馬のケンタウルス族のケイローンが弓を引く姿を表したいて座です。

ひしゃくの形に並んだ星々は南斗六星と呼ばれ、ケイローンが弓を引く右手から弓の上弦にあたります。

夏の大三角から地平線にかけて流れる天の川に沿って並んでいるので、天の川からも見つけやすい星座です。

【てんびん座】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

さそり座のアンタレスから西に目をやると、「く」の字を裏返したような形の星の並びが見つかります。重さを量る天秤の形を表したてんびん座です。

暗い星ばかりの目立たない星座なので、見つけにくいかもしれません。

いて座、さそり座、てんびん座は星座占いでもお馴染みの星座です。

黄道十二星座と呼ばれるこれらの星座は、天球の上を太陽が1年をかけて移動する間に通る星座たちなので、順番に見つけていくことができます。

【北斗七星(おおぐま座)】の見つけ方

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

南の空に並ぶ夏の星座たちが見つかったら、今度は北の空にも目を向けてみましょう。

夏の大三角が天高く昇るころ、北の空の低い位置に7つの星がひしゃくの形に並んだ北斗七星が見えています。

北斗七星を含むおおぐま座は春の星座として知られますが、夏の間も完全に沈むことなく北の空をまわっています。おおぐま座は、古くから季節や時間を知ったり、北極星の位置を見つけたりするための大切な星座となっています。

ベガとアルタイル(七夕伝説)

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

一等星のこと座のベガわし座のアルタイルは、全天に21個ある一等星のうち、それぞれ5番目と12番目に明るい星です。

天の川を挟んで東西に輝くこの2つの一等星は、ベガはおりひめ星、アルタイルはひこ星と呼ばれ、年に一度しか会えない七夕伝説の主人公としても知られています。

土星と木星

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

星空観賞をするときの持ち物

(画像提供:88星座図鑑)
(画像提供:88星座図鑑)

星座早見盤

鑑賞する日の日時と方角を指定し、その時の星の位置を確認する特殊な星図。

観察したい星がキレイに観られる日時を逆算することも可能です。

アプリもありますが場所によっては電波が届かない場合もあるので、ぜひ用意しておくと良いでしょう。

コンパス&時計

星の位置を確認する時には、方角や時間の情報が頼りです。

スマホやアプリで代用できますが、都心から離れた場所で鑑賞する時にはぜひ実物をご用意ください。

ライト

星空観賞は人工の光を避けた場所がおすすめ。そのため、灯りのない暗い場所に行くことが多いので、手元や足元を照らすランタンやヘッドライトが必要です。

ただ、明るすぎる光は目が惑わされて星空が見えなくなってしまうことや、ほかの観測者に迷惑がかかることがあるので気を付けましょう。赤いセロファンで覆っておくと光の強さが弱まります。

レジャーシート

長時間鑑賞する場合や草原などの広い場所で鑑賞する場合は、ゴロンと横になれるシートやマットがあると便利です。横になって鑑賞すると星空に包み込まれるような感覚になり、より楽しめます。

防寒着

夏でも夜は冷えます。標高の高い場所は気温が下がり、ビーチや海岸など海の近くは風が強いので、軽く羽織るものを準備しましょう。

虫よけスプレー

夏は虫に悩まされます!
星座探しや星空に夢中になっていると、数カ所刺されていた、なんてことも。

鑑賞に集中できるよう、あると良いアイテムです。

星空観賞をするときの注意点

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

星空観賞は場所と日にちと時間選びが大切です。

場所は、街の明かりや街灯の光が少なく、空が広く見えるところが最適。
街中だと建物の屋上や公園、郊外まで足を延ばすならキャンプ場や水平線が見える海などがおすすめです。

日にちは、月の満ち欠けを考慮すると良いでしょう。丸く大きな月は美しいですが、その明るさが星座観察の妨げになってしまいます。
おすすめは新月の前後数日間。月明かりがないので空が暗く、暗い星も見えやすくなります。

時間は、より多くの星が鑑賞できる時間帯を選びましょう。
お目当ての星が何時に空に昇るのかは、星座早見盤で確認できます。また、新月の前後数日間以外の日に鑑賞する場合は、月が沈んだ後の時間帯が適しています。

星空観賞アプリや星座学習アプリを活用すると、良い状態の空を効率的に楽しむことができます。

【監修】88星座図鑑
https://www.study-style.com/index_seiza.html

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※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

仲西なほ子  仲西なほ子

沖縄出身、沖縄育ち、沖縄在住。15年間の東京生活を満喫してUターン。現在はフリーランスで取材・執筆・編集・コピーの仕事と、美容の仕事でプライベートサロンも稼働中。息抜きは沖縄県内のリゾートホテル巡り。

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