千葉県にある成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)は、関東守護霊場として今から約1100年前に開山されました。境内に御護摩祈祷を行う大本堂のほか、国指定重要文化財の三重塔や光明堂といった建造物が点在しています。今回は成田山新勝寺の見どころのほか、参道沿いのうなぎ店も紹介。周辺の駐車場にも触れているのでチェックして、訪れる際の参考にしてくださいね。
成田山新勝寺とは?

成田山新勝寺は千葉県成田市にある真言宗智山派の大本山で、開山は940(天慶3)年。平将門の乱を鎮めるために、寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)が御護摩祈祷を行い、無事に戦いが平定したことから創建。また、江戸時代には江戸への出開帳をきっかけに、多くの人々の信仰を集め、とくに歌舞伎役者の初代市川團十郎から続く市川宗家とのご縁は有名です。現在も家内安全や商売繁昌、交通安全、厄除けなどのご利益があるとされ、年間1000万人が訪れます。
成田山新勝寺へのアクセス・駐車場
都心から車で約1時間、最寄り駅からは徒歩約10分
公共交通機関を利用する場合、最寄り駅のJR成田駅または京成線成田駅から徒歩約10分。成田空港から成田駅までは快速で12分です。車を利用する場合は、東関東道成田IC経由で、都心からは約1時間で到着します。お正月や節分などの繁忙期には駐車場の確保が難しくなるため、電車で行くのがおすすめです。
駐車場は8時20分から利用可能。徒歩5分圏内なら歩くのもラク!
成田山新勝寺の外郭団体「弘恵会」が運営する駐車場は4カ所で田町、本町、土屋はいずれも総門から徒歩3分、東町第1駐車場は5分の距離です。また、門前駐車場は徒歩3分でトイレや売店が設置されています。総門から離れれば割安の駐車場もありますが、歩くことを考えると近いところに駐車するのが便利。お正月など、繁忙期は満車になってしまうこともありますので、公共交通機関を使う方が安心です。
■成田山新勝寺の周辺駐車場(※普通車の場合)

※その他駐車場、市営駐車場もあり
成田山新勝寺の見どころ
総門

参拝者がまず目にするのが堂々たる佇まいの総門です。高さ約15mの総檜造りで、現在の総門は成田山開基1070年を記念し、2008(平成20)年に建立されました。梁上の蟇股(かえるまた)といわれる欄間にあたる部分に施された十二支の彫刻が見事です。また、総門前広場では毎月28日に「成田山開運不動市」という骨董市が開かれます。
仁王門

総門をくぐった先、次に見えてくるのが仁王門です。仁王門の左右に立つのは、悪いものを追い払う門番の役目をもつ阿形・吽(うん)形の仁王像。右手には那羅延(ならえん)金剛、左手に密迹(みっしゃく)金剛が奉安されています。さらに門の裏側には、広目天、多聞天の二天が鎮座。中央には東京・築地の成田山魚河岸講が奉納した大きな赤い提灯が下がっています。
大本堂と三重塔

大本堂では毎日数回、参列者のお願いごとの成就を祈る「御護摩祈祷」が行われています。「御火加持(おひかじ)」では、かばんや財布などの持ち物に御護摩の火を当てることでお不動さまのご利益をいただけるそうなので、ぜひ受けてみましょう。大本堂の右手には1712(正徳2)年に建立された国指定重要文化財・三重塔がきらびやかな極彩色で出迎えてくれます。
釈迦堂

釈迦堂は1858(安政5)年に建立。現在の大本堂が完成するまでは本堂として参拝者を迎えていました。入母屋造、瓦棒銅板葺きの屋根が特徴的で、周囲に施された五百羅漢は仏師・松本良山が彫刻し、同じ顔は2つとないといわれるほど細やかな造り。御本尊の釈迦牟尼(しゃかむに)如来のほか、文殊菩薩や普賢菩薩、千手観音菩薩、弥勒菩薩が安置されています。
出世稲荷

正式名称は「出世開運稲荷」。きらびやかな彫刻と紫の垂れ幕、紅白の旗に彩られた、鮮やかな色彩のお堂を持ち、御本尊は江戸時代に成田山を篤く信仰した佐倉藩主・稲葉正通氏が寄進したもの。商売繁昌、開運成就、火伏せのご利益があるといわれています。鳥居の脇の売店では、お供え用に油揚げやろうそくが販売されています。
光明堂

1701年(元禄14)に建てられた光明堂は2代前の本堂で、国の重要文化財です。安政年間(1854〜1860)に新本堂(現在の釈迦堂)建立にあたって移築、さらに大本堂が完成した時に現在の場所に移転しました。入母屋造り瓦葺きで、朱漆に彩られた華やかな外観は、元禄文化を今に伝える貴重な建築物。正面に大日如来、左右に不動明王と愛染明王が鎮座し、情熱的な赤色をした愛染明王は6本の腕に弓矢を持つ良縁の神様として信仰を集めています。恋愛成就をしたい人は絵馬を奉納してみてくださいね。
平和大塔

平和大塔は1984(昭和59)年に建立、真言密教の世界観をわかりやすく表現しています。高さ58m、2階の明王殿には御本尊の不動明王、四大明王、昭和大曼荼羅、真言祖師行状図が奉安されています。1階には写経道場があり、8時〜15時、2000円の初穂料で、般若心経の写経ができます。
成田山公園

16万5000平米の広さを誇る成田山公園では季節ごとに、桜や藤、菊、紅葉などを鑑賞できます。園内には雄飛の滝や文殊・竜樹・竜智と名付けられた3つの池といった見どころもあるので散策にぴったり。2月に開催される「梅まつり」の時には屋外でお茶を飲む「野点(のだて)」が行われ、日本文化に触れられます。参拝の後に立ち寄ってみるといいですね。
御朱印・お守りはどんなものがある?
御朱印は全6種!

参詣の証となる御朱印は、それぞれ異なるデザインで6種類あるので境内をめぐって御朱印集めをするのもいいですね。大本堂と平和大塔では不動明王、釈迦堂で釈迦如来、光明堂で大日如来、醫王殿で薬師如来、出世稲荷で茶枳尼天(だきにてん)の御朱印をいただけます。自分の御朱印帳を持参するか、初穂料2000円で成田山新勝寺オリジナル御朱印帳を受け取れ、青・海老茶・ピンクの3色から選べます。初詣など限定版の御朱印が出ることもあるのでチェックしてみてください。
お守りは約50種類。おすすめは「身代御守(みがわりおまもり)」

最も人気のお守りは、「身代御守(みがわりおまもり)」。その名の通り、お不動さまがが身代わりとなって、あらゆる災難から守ってくれます。紙包み木札は初穂料500円、白・朱・紫の袋入りは1000円です。そのほか交通安全、厄除け、開運、縁結び、安産、試験合格、出世開運、病気平癒、健康長寿、財運アップなど人生の節目や願いに合わせたお守りが揃っています。ネックレスやブレスレットなどアクセサリータイプのお守りは、日々の生活の中で気軽に身につけられそうですね。
おすすめのうなぎの名店
川豊本店


川魚の卸問屋がルーツで、1910(明治43)年の創業。店先で生かしておいた新鮮なうなぎを熟練の職人たちがさばき、さきたて、蒸したて、焼きたてで提供しています。創業以来、継ぎ足した薄甘口の秘伝のタレがうなぎの旨みを引き立てます。木造3階建て、国の登録有形文化財の建物は趣たっぷりで、行列ができる人気のお店です。
駿河屋


寛政年間に旅籠として創業し、その後割烹を経てうなぎ専門店へと歴史を刻んできた駿河屋。うなぎは丁寧に串にさし、備長炭で焼き上げているので香りがよいのが特徴。長年継ぎ足したタレは、ともに江戸時代から続く「下総醤油」と「九重味醂」のものを使用し、適度に身が締まり、脂ののりも絶妙です。市場に少ししか出回らない、乳酸菌を与えることで免疫力を高めた、静岡県・山梨県産のブランド鰻「未来鰻」を使った「『特撰』銘柄鰻うな重(肝吸付)」(6600円)もあります。
上町菊屋


江戸時代に新勝寺から菊の御紋を拝領した料理店で、現在の当主は12代目といいます。産地証明書付きで確かな品質を保証したうなぎを熟練の職人が焼き上げ、中はふわっと、表面はぱりっとした食感です。米は地元の契約農家から届くコシヒカリを使用。店内は広々としていて、ゆったりと過ごせますので、参拝後の休憩がてら利用したいお店です。
千葉県成田市上町553-1
【月〜土】11時~21時(20時LO)、【日】11時〜18時(17時30分LO)
なし
成田駅より徒歩6分/東関東道成田ICより10分
なし
「上町菊屋」の詳細はこちら
まとめ
歴史と伝統に彩られた成田山新勝寺に、お不動さまのご利益を得る旅へ。参拝後においしいうなぎを食べたら、心も体も元気になって、運気もよりアップすることでしょう。
※この記事は2024年9月9日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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