まるでお団子のような、丸い体形の小さなお魚「ダンゴウオ」、その仲間の「フウセンウオ」や「コンペイトウ」って、ご存じですか?
海に住む魚なのに、泳ぎがちょっとぎこちなく、一生懸命に泳ぐ姿が可愛いとSNS等で話題に上ったこともあるダイバーの間ではアイドル的な存在だそうです。
今回は、ダンゴウオの仲間3種類について、生態や特徴、会える全国の水族館をご紹介します。飼育員さんにおすすめポイントも聞きましたので、ぜひ会いに行ってみてくださいね。
ダンゴウオの仲間ってどんな魚?
丸くて小さな姿が、“お団子”や膨らんだ“風船”、お菓子の“金平糖”のように見えることから「ダンゴウオ」「フウセンウオ」「コンペイトウ」と、名づけられています。
いずれも、腹びれが変化してできた吸盤がお腹にあるのが特徴。岩や海藻にはりついて生活しています。海水魚ですが、泳ぎは得意ではなさそうで、ぎこちない動きです。
個体の大きさや特徴、生息地などが異なるので、それぞれ簡単にご説明します。
ダンゴウオ(団子魚)

[大きさ]成魚で体長2cm程度
[特徴]色の変化が大きく、赤や緑、茶色など多様。
[住む場所]青森県から相模湾・三重県の太平洋岸、新潟県から山口県、長崎県の日本海側。水深20mより浅い岩礁域に生息。岩や海藻にはりついて生活する。冬場は産卵のために浅瀬にやってきて姿を見ることができるため、「真冬のアイドル」としてダイバーに親しまれている。
フウセンウオ(風船魚)

[大きさ]大きなもので体長13cm程度
[特徴]体の色はだいだい、黄、茶、赤、白などカラフル。クリッとした目を持ち、「北の海のアイドル」と称される。
[住む場所]日本海や東北以北の太平洋やオホーツク海など、北の冷たい海域に生息。
コンペイトウ

[大きさ]大きくても体長15cm以下
[特徴]メスは頭や体に三角形のこぶ状の突起がある。オスは突起が少なく、体表が粘液でヌメヌメしている
[住む場所]山口県以北の日本海沿岸、北海道沿岸。主に水深300mくらいの深海に生息。
(説明監修/ダンゴウオ、フウセンウオ:新江ノ島水族館、コンペイトウ:越前松島水族館)
ダンゴウオに会える水族館
青森県営浅虫水族館【青森県】

ダンゴウオ5個体を常設展示。オトナになっても2cmほどの大きさです。水槽にはホタテの貝殻を入れていて、ダンゴウオたちが貝殻にくっついている姿が見られます。売店ではダンゴウオのマスコット(410円)も販売中。
飼育員さんのおすすめポイント
「ホタテの貝殻にピタッとくっつく姿がめんこい!いろんな色や模様の子がいるので、注目してみて」。
017-752-3377
青森市浅虫馬場山1-25
9時~17時
なし ※新型コロナウイルス感染予防のため、2022年3月6日(日)まで休館中。営業再開は公式ホームページで確認してください。
【電車】青い森鉄道 浅虫温泉駅より徒歩10分【車】青森道青森東ICより約15分
一般・高校生1030円、小・中学生510円、幼児無料
「青森県営浅虫水族館」の詳細はこちら
仙台うみの杜水族館【宮城県】

暖流と寒流が混ざり合い、1年中ダンゴウオを見ることができる宮城県志津川湾をイメージした展示。個体も志津川湾産で、2021年5月に孵化した約20匹をみることができます。
ダンゴウオの飼育は新人飼育員が担当。志津川湾のダンゴウオの魅力を伝えられるよう日々奮闘しているとのこと。
飼育員さんのおすすめポイント
「水替えのとき、ダンゴウオは次に張り付く場所を必死に探すのですが、間違えて飼育員の手に張り付くことが!自分の手で落ち着いてしまう様子が、いつもかわいらしいと思います」
022-355-2222
宮城県仙台市宮城野区中野4-6
9時~17時30分(最終入館17時)※季節により変動あり
なし
【電車】JR仙石線 中野栄駅より徒歩15分【車】仙台東部道路 仙台港ICより5分
大人(18歳以上)2200円、中・高校生(12~18歳)1600円、小学生(6~12歳)1100円、幼児(4歳~未就学児)600円、シニア(65歳以上)1600円
「仙台うみの杜水族館」の詳細はこちら
横浜・八景島シーパラダイス【神奈川県】



横浜・八景島シーパラダイスでは、ダンゴウオ、コンペイトウ、フウセンウオの3種に出会えます!常設展示(※生き物の状態により展示を中止する場合あり)で、それぞれの魚の特徴の違いを見比べられます。
飼育員さんのおすすめポイント
「小さな丸い姿が特徴的なダンゴウオたち。小さなアイドル的存在をお楽しみください!」。
045-788-8888
神奈川県横浜市金沢区八景島
【平日】10時~17時30分【土・日・祝】10時~18時30分(※日、施設により異なる)
なし
【電車】シーサイドライン 八景島駅徒歩すぐ【車】首都高速湾岸線 幸浦出口から約1.5km
アクアリゾーツパス(水族館4施設)大人・高校生3000円ほか料金形態あり ※詳しくは公式ホームページを確認してください
「横浜・八景島シーパラダイス」の詳細はこちら
上越市立水族博物館 うみがたり【新潟県】

ダンゴウオやコンペイトウなど、約30個体を展示中。漁業関係者から譲ってもらうだけではなく、飼育スタッフ自らが日本海で採取。エサを求めて一生懸命泳ぐ姿がキュート。
飼育員さんのおすすめポイント
「正面からの表情が、なんともかわいらしいです」。

025-543-2449
新潟県上越市五智2-15-15
10時~17時(※季節により異なる)
なし
【電車】JR直江津駅より徒歩約15分
【車】北陸道上越ICより約15分
大人 (18歳以上)1800円、高校生1100円、小中学生900円、幼児(4歳以上)500円、シニア(65歳以上)1500円
「上越市立水族博物館 うみがたり」の詳細はこちら
下田海中水族館【静岡県】


ダンゴウオの繁殖に力を入れているという下田海中水族館は、公式SNSでもその可愛い姿を発信中。
現在、展示は2個体で、繁殖の様子などは映像で楽しめます。
飼育員さんのおすすめポイント
「正面からの顔がかわいいです。餌をパクっと食べているときや泳いでいる姿も見てみてください」。
※下田海中水族館の情報は2021年7月16日時点の情報です。
0558-22-3567
静岡県下田市三丁目22-31
9時30分~16時30分 ※社会情勢により変更する場合あり。7月22日以降の営業時間は公式HPで確認ください。
なし
【電車】伊豆急行線 伊豆急下田駅より徒歩25分または路線バス約7分
【車】東名高速沼津ICより約70km
大人2100 円、4歳から小学生1050円
「下田海中水族館」の詳細はこちら
フウセンウオに会える水族館
おたる水族館【北海道】

日本で初めてフウセンウオの繁殖に成功し、6ヶ月以上生存させたおたる水族館。現在は、成熟した個体(オトナ)を展示しているため、産卵のために貝殻に入る様子が見られるかもしれません。
展示水槽には、自然界のように時々強い水流が起こるしかけも。
飼育員さんのおすすめポイント
「進化させた吸盤で流されないように生き抜く、フウセンウオの本来の魅力に気づいてほしいですね」。

0134-33-1400
北海道小樽市祝津3丁目303番地
9時~17時 (LO 16時30分)
なし(12月頃と3月頃に2週間程度の休館あり)
【電車】JR小樽駅から水族館行き路線バス約25分
【車】札樽自動車道小樽ICより約20分
大人(高校生以上)1500円、小中学生600円、幼児(3歳以上)300円
※冬期営業期間は、営業時間や料金が変更になりますので、公式HPでご確認下さい。
「おたる水族館(株式会社小樽水族館公社)」の詳細はこちら
新江ノ島水族館【神奈川県】

全て水族館で生まれ、育った「飼育下四世」の約 80 個体を展示中。普段は岩などにくっ付いてじっとしているけれど、水槽にごはんを入れると意外と素早く泳ぐそう。
飼育員さんのおすすめポイント
「ごはんを口でキャッチすると、元いた場所にくっつきに戻っていく姿が面白く、見ていて飽きません」。

0466-29-9960
神奈川県藤沢市片瀬海岸 2-19-1
9 時~17 時(最終入場 16 時)
なし
小田急江ノ島線 片瀬江ノ島駅より徒歩 3 分 江ノ電江ノ島駅・湘南モノレール湘南江の島駅より徒歩 10分
大人2500 円、高校生 1700 円、小中学生1200 円、幼児(3 歳以上)800円
「新江ノ島水族館」の詳細はこちら
すさみ町立エビとカニの水族館【和歌山県】

世界中のエビやカニを集めた「すさみ町立エビとカニの水族館」に、フウセンウオが仲間入り。アマエビ(ホッコクアマエビ)の水槽に小型水槽を特設して、5個体を常設展示している。
飼育員さんのおすすめポイント
「ほとんど動きません。地味な体色をしているけど、動かなくても可愛い体とつぶらな瞳がたまりません」。
0739-58-8007
和歌山県西牟婁郡すさみ町江住808-1
9時~17時
なし
【電車】JRきのくに線 江住駅下車 徒歩10分 【車】阪和自動車道 すさみ南IC より2分
大人800円 小中学生500円 幼児(3歳以上)300円
「すさみ町立エビとカニの水族館」の詳細はこちら
コンペイトウに会える水族館
わっかりうむ ノシャップ寒流水族館【北海道】

コンペイトウ1匹のほか、ダンゴウオ科のナメダンゴやナメフウセンウオを常設展示中。「まだ生態がよく分かってないダンゴウオ科の魚。ぜひ増やしていきたい」と担当者は意気込んでいます。過去には人工ふ化に成功した実績もあり、更なる生態解明への取り組みに挑戦中です。
飼育員さんのおすすめポイント
「ちっちゃくて丸々としているところに癒されます。視線が合うときも。泳ぎが苦手で、いつもゆらゆら、ふわふわ、とにかく可愛い!」
0162-23-6278
北海道稚内市ノシャップ丁目2-2-17
9時~17時(最終入館16時40分)※11月1日~3月31日は10時
~16時(最終入館15時40分)
4月1~28日、12月1日~翌年1月31日
【電車】JR宗谷線 稚内駅より車で約10分、またはバスで約15分「ノシャップ」停留所下車徒歩約5分【車】道央道 士別剣淵ICより約200㎞
高校生以上500円、小・中学生100円、未就学児(幼稚園、保育園含む)無料。年間パスポートは高校生以上1000円、小・中学生300円 ※隣接の「わっかりうむ 稚内市青少年科学館」にも入館可能
「わっかりうむ ノシャップ寒流水族館」の詳細はこちら
鳥羽水族館【三重県】


コンペイトウを約20匹飼育。現在、水族館での繁殖成功に向け取り組み中とのこと。
コンペイトウは常設展示で、水槽のガラスに吸盤でくっついている様子が見られます。
飼育員さんのおすすめポイント
「餌を食べる時の仕草がかわいいですし、見た目にも表情があるように見えますよ」。
0599-25-2555
三重県鳥羽市鳥羽3-3-6
9時~17時(7月20日~8月31日は8時30分~17時30分) ※入館受付は閉館の1時間前まで
なし
【電車】JR・近鉄 鳥羽駅より徒歩10分
高校生以上2500円、小中学生1300円、3歳以上600円
「鳥羽水族館 」の詳細はこちら
越前松島水族館【福井県】

コンペイトウの繁殖を日本で初めて成功させた越前松島水族館。展示専用の施設「こんぺいとうハウス」を建設し、いつでも赤ちゃんから成魚まで見ることが可能。また、貝殻の中に産み付けられた卵を守るオスの様子など、貴重なコンペイトウの姿を見ることもできます。

飼育員さんのおすすめポイント
「まんまるの目で、こちらと目が合う時もあり、とても愛らしい。水中をホバリングしながら泳ぐ様子もユーモラスです」。

0776-81-2700
福井県坂井市三国町崎74-2-3
9時~17時30分(GW、夏期の土日祝、盆は20時まで。夏期平日は18時、冬期は16時30分まで。)
なし
【電車】JR北陸本線 芦原温泉駅からバス30分 【車】北陸自動車道 金津ICから約20分
大人2000円、小中学生1000円、3歳以上500円
「越前松島水族館」の詳細はこちら
新潟市水族館マリンピア日本海【新潟県】

同館で孵化した個体を含め、約20個体のコンペイトウを展示中。
飼育員さんのおすすめポイント
「コンペイトウは、雌雄で体格やコブに差があります。この性差は孵化後13カ月を過ぎた頃から現れ始め、オスのコブは退縮し、体も大きくなりません。小柄なオスが貝殻に入り、メスの産卵を待つ様子をぜひご覧ください」。
025-222-7500
新潟県新潟市中央区西船見町5932-445
9時~17時(夏季延長の場合有り。最終入館 は閉館の30分前)
12月29日~1月1日、3月第1木曜日とその翌日
【電車】JR・新潟駅から路線バス 水族館前終点下車 約20分 【車】新潟中央、新潟亀田、新潟西、新潟東スマートICから約25分
大人1500円、小中学生600円、幼児(4歳から)200円 、3歳まで無料
「新潟市水族館マリンピア日本海」の詳細はこちら
まとめ
今回は、ダンゴウオとその仲間に会える水族館をご紹介しました!
冷たい海で生きるお魚ですが、それぞれ繁殖に力を入れる水族館があり、私たちがお目にかかることができる機会が増えています。各飼育員さんたちがおススメしてくれた観察のポイントを参考に、ぜひ本物に会いに行ってみてくださいね。
また、今回ご紹介した水族館以外にも、現在は展示がなくても、近くの漁港で獲れると展示される場合があるようですよ。
小さなダンゴウオの仲間たち、ぜひ注目してみてください!
※生き物のため、展示が無くなる場合があります。
※この記事は2022年2月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
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