近年、駅間地区「VINA GARDENS」の開発や「ららぽーと海老名」などの商業施設オープンで、急速に進化する海老名。その駅前に2021年4月、新たな鉄道ミュージアムがオープンしました。
木製オブジェがお出迎えするエントランスからしてアーティスティックなこちらは、小田急電鉄のシンボル・ロマンスカーがテーマ。鉄道好きならずとものぞきたくなる魅力にあふれ、写真映えもバッチリです。レトロかつ革新的、優雅かつ発見に満ちた、しっとり系デートスポットとしての見どころを教えます。
※この記事は2021年8月27日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
鉄道博物館としては異色?ロマンスカーミュージアムとは?

概要
2021年4月19日に、新宿駅より小田急線で最速38分の海老名駅に隣接してオープン。小田急の歴史を彩る車両の展示、沿線の風景を模した圧巻のジオラマなどの見どころがあります。
数ある鉄道系ミュージアムのなかでも、どことなく隠れ家めいた、しっとりと洒落た雰囲気は群を抜いています。照明一つ、スタッフの制服一つとってもスタイリッシュで、併設カフェの居心地のよさは満点。鉄道ファンならずとも楽しめる、濃すぎず薄すぎない“鉄分”は、デートにもうってつけです。
アクセスや料金などの基本情報
アクセスは、小田急線海老名駅より徒歩1分です。
料金は、入館料中学生以上900円、小学生400円、3歳以上100円になります。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入館は公式HPより事前予約制
[TEL]046-233-0909
[住所]神奈川県海老名市めぐみ町1-3(小田急線海老名駅下車すぐ)
[営業時間]【平日】10時~18時(CLUBHOUSE~20時)【土・日・祝】10時~18時(CLUBHOUSE~20時) ※CLUBHOUSEは19時まで時短営業中(2021年8月現在)
[定休日]毎月第2・第4火曜(変更の場合あり)
[アクセス]【電車】小田急線海老名駅より徒歩1分 【車】東名高速綾瀬スマートICより15分
[料金]入館料中学生以上900円、小学生400円、3歳以上100円
「ロマンスカーミュージアム」の詳細はこちら
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入館は公式HPより事前予約制となります。
小田急電鉄のロマンへ誘う歴代車両巡り
外観

エントランスを抜け、1階ヒストリーシアターへ下りると、およそ100年前につくられたレトロな車両が佇んでいます。これは、1927年(昭和2年)の小田原急行鉄道(小田急電鉄の前身)開業時に運行を開始した「モハ1」。その美しさたるや、まるで映画のシーンから抜け出てきたよう!
当時の姿をそのまま残した前面ガラスの向こうに、客室の先端部分をパイプで仕切った運転席、木材を多用した雰囲気ある客車部分が続きます。
座席

「モハ1」客車内。艶やかな木材の設えが美しい座席や革で作られた吊革など、約100年前の設えにうっとり。
ヒストリーシアターの奥では、ロマンスカーの歩みを振り返るショートムービーを上映。タップダンスとジャズで電車が走る音を表現する演出が、レトロな車両とあいまって一気に非日常の世界へ誘ってくれます。
歴代ロマンスカーも

続くロマンスカーギャラリーは、検車庫のなかに迷い込んだかのような雰囲気。1957年からこれまでに引退を迎えた、5車種の歴代ロマンスカーが鎮座しています。画期的な技術を導入し、新幹線開発の基になったといわれるSE(3000形)から、2012年まで活躍したRSE(20000形)まで、ホームに隠れていた車両下部も間近に見ることができるのがポイントです。
車両近くには椅子やテーブルがあり、それぞれの時代で活躍してきた姿をゆったりと鑑賞できます。どの車種も、小田急ロマンスカー伝統のカラーであるバーミリオンオレンジが鮮やかですが、1991~2012年に運行したRSE、HiSEなどカラーが異なる車両もあります。
JR御殿場線に乗り入れをするために新たに設計されたRSEは、ロマンスカーには珍しいカラーリング。そんな違いを楽しんでいると、時おり、駅進入時や発車時に鳴るロマンスカーのミュージックホーンが。ふたりで異空間に迷い込んだかのような不思議な旅情が味わえます。

ロマンスカーの中を覗くと、それぞれ運行当時に使っていたままの客席が残っています。客車内に入ることができる車種もあり、1957年に運行開始した人気のSE(3000形)は、丸いフォルムに彩られたレトロな雰囲気。HiSE(10000形)では、今やロマンスカーの代名詞となった展望席に座ることもできますよ。
小田急沿線のトリビア満載!巨大ジオラマパーク
ジオラマ

続いて2階のジオラマパークへ。超高層ビル群が広がる新宿から、小田原・箱根・江の島まで、小田急沿線を再現したHOゲージの巨大鉄道ジオラマは、圧巻のひと言。ジオラマ全体を見渡せるビューテラスがあり、入館時からほぼ1日過ごす人もいるほど人気の高いゾーンです。
大都市から山や海まで、沿線の見どころを凝縮した情景のなかを、懐かしい引退車両から最新車両まで、10車種のロマンスカーと5車種の通勤車両が駆け抜けます。

小田急の歴代車両以外にも、見れば見るほど楽しみが尽きないのがこのジオラマ。いつも車窓を流れている景色や沿線の名所、観光スポットが絶妙なセレクトで配され、見飽きることがありません。小田急線を利用する人はもちろん、箱根や小田原、江の島を旅したことがある人なら「あれ知ってる!」と思わず声を上げたくなるスポットがたくさん!
箱根エリアに目を向ければ、富士屋ホテルや箱根彫刻の森美術館が立つ丘に箱根登山鉄道のNゲージも走っています。よくよく見ると、駅伝の開催風景や大涌谷の煙などの遊び心あふれるギミックも。ふたりで旅している気分を味わっても楽しそうです。
このミュージアムがある海老名駅周辺の再現度も素晴らしく、駅前の「ViNAWALK」をはじめとする商業施設や有名なSAまであります。なかには、海老名市のイメージキャラクター・えび~にゃもいますよ!
ジオラマパークの楽しみはこれだけに留まりません。ジオラマと背景のスクリーンを舞台に繰り広げられる、2種のジオラマショーは、このゾーンのハイライト!爽やかな朝風景から美しい夕暮れ、光り輝く夜景まで、刻々と情景が変わるショー「小田急沿線の1日」は、時を忘れて見入ってしまいます。
また、新宿から小田原・箱根へ向かうロマンスカーを、ダイナミックなプロジェクションマッピング、オリジナルソングや照明で演出する「時間と距離のロマンス」は、見る人を虜にする躍動感です。ジオラマ内に2カ所ある「ジオラマ運転体験(体験料3分100円)」では、それぞれロマンスカー・GSE(70000形)と江ノ電(500形)のHOゲージが運転できます。

ジオラマパークを出てすぐの場所にあるキッズジオラマは、パステルカラーを基調としたほっこり癒されるまち並み。紙でできた可愛いまちを、子どもたちがつくるペーパークラフトが走ります。
シミュレーター

当日入館時に抽選券を受け取り、時間帯ごとに当選した人が体験できるロマンスカーシミュレーターも外せないコーナー。引退した実際のロマンスカー・LSE(7000形)の運転台に座り、2階運転席からの沿線風景が楽しめるチャンスです。
秦野から本厚木、本厚木から町田、成城学園前から新宿の3コースが用意され、実際の運転台で使用していた機器から、所要時間、アナウンス、実写映像に至るまでリアルな体験ができます。

運転シミュレーターに隣接しているのが、手の動きに合わせてまちが生まれるインタラクティブアート“電車とつくるまち”。壁に手をかざすと線路がひかれ、電車が走り、まちが誕生します。ここで生まれるまちにも小田急線沿線のスポットが盛りこまれ、小田急電鉄によるまちづくりが学べます。
ミュージアム屋上のステーションビューテラスに立ち寄って、海老名駅や隣にある小田急電鉄線海老名検車区、海老名駅を通るロマンスカーを眺めつつ、のんびり過ごしても。ロマンスカーの停車・通過時間がわかる時刻表も用意されています。
ミュージアム限定のグッズやお土産に思わず目移り…

ミュージアム巡りの締めくくりは、ミュージアムショップ “TRAINS”へ。オレンジで統一された店内には、鉄道模型やプラレールなどのおもちゃをはじめ、雑貨など小田急電鉄やロマンスカーの人気グッズがずらりと並んでいます。ロマンスカーミュージアム限定のグッズの充実度は、驚くばかりです。
お土産にぴったりなおすすめグッズ


品揃え豊富な限定グッズは真っ先にチェックを。GSE(70000形)、NSE(3100形)、SE(3000形)の3種を取り揃えた木製ラグゲージタグは各550円。ロマンスカーのフェイスをデザインした3個セットのマグネット550円のほか、日常で使いたい文具類も充実しています。
お土産にぴったりなおすすめお菓子


まず手に入れたいのが、小田急の新旧制服を着用した、不二家の「ペコちゃん&ポコちゃん」ミルキー缶。赤缶(丸)は、レトロな「ペコちゃん&ポコちゃん」がミュージアムの展示車両が走っていた90年代の制服を着用しています。青缶(角)は現代調の2人が今のバージョンの制服をそれぞれ着用。ふたりで訪れた記念に2つセットでどうぞ。各600円(1人4個まで)。
オリジナルデザイン缶バッジ10種のうち、1個が入ったプリントクッキー800円。館内の展示車両をポップにあしらったデザインは、お土産にぴったりです。缶バッジは全10種類、どれが入っているかはお楽しみに!
ワクワクは続く!ミュージアム併設カフェへ
ロケーションも◎

ミュージアムを満喫した後は、2階エントランス脇にある併設カフェ「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」へ。海老名駅へ至るデッキに面した席のほか、海老名駅のホームや通りゆく電車を眺めることができる駅側テーブル席があり、ミュージアム屋上のテラスに劣らない電車ビューが展開されています。
ここではドリンクやかつてロマンスカーで提供されていたスイーツメニューをはじめ、素材にこだわった手づくり生ソーセージのロマンスカードッグ750円~、沿線食材を取り入れた沿線コッペ400円~などの軽食もあります。入館料なしで入れるため、カフェのみ利用もOK。ゆるゆるとした時間を過ごすにはうってつけです。
アートなドリンク

歴代ロマンスカーが描かれた「飲める車両図鑑」各700円は、とびきりアートなオリジナルドリンク。ロマンスカーギャラリー展示の5車種が、当時の走行風景そのままに、カップにくっきりと映し出されています。その鮮やかさは、飲んでしまうのがもったいないほど!ドリンクは、コーヒー・ココア・ミルクの3種から選べます(いずれもホット・アイス可)。
レトロモダンなスイーツ

1950年代の導入当時、喫茶店さながらのサービスが列車内で受けられることで話題を呼び、ロマンスカーの魅力の一つとして知られた「走る喫茶室」。在りし日の看板メニューを再現した「日東紅茶とクールケーキのセット」700円は、ツウ気分で味わいたいレトロモダンなスイーツです。
ミュージアムをひと通り巡ってからカフェへ

おすすめのタイムスケジュール
基本的にはエントランスから順路に従い、ヒストリーシアター→ロマンスカーギャラリー→ジオラマパーク→運転シミュレーターやインタラクティブアートがあるキッズロマンスカーパーク→屋上のステーションビューテラスへ至るのがおすすめです。
ジオラマパークは、ショー必見!瞬く間に時間が過ぎてしまうので、ここではちょっと長めに滞在時間を見ておくことをおすすめします。運よく運転シミュレーターに当選したら、該当する時間にキッズロマンスカーパークへ向かいましょう。
まとめ
いかがでしょうか。れっきとした鉄道博物館でありながら、鉄道に興味がなくても楽しめて、誰と行ってもOK。ここまでデートに使える鉄道ミュージアムはそうそうないと思います。
旅への胸躍るプロローグを演出するロマンスカーさながらに、ひと味違ったふたり時間を過ごしてみませんか。
※掲載の価格は全て税込み価格です。
※新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。ご利用の際には、あらかじめ最新の情報をご確認ください。また、感染拡大の防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
じゃらん編集部
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