小春日和(こはるびより)とは、晩秋から初冬にかけての、穏やかに晴れた天気を表す言葉です。
天気予報などで耳にするものの、意外とイメージしにくい言葉ですよね。旧暦10月とは具体的にいつ?春に使っちゃダメなの?
この記事ではそんな小春日和が生まれる仕組み、「小春」の付く類語までご紹介します。
※この記事は2021年8月24日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
記事配信:じゃらんニュース
小春日和(こはるびより)の季節はいつ?

小春日和とは、晩秋から初冬の穏やかに晴れた日のこと。小春とは旧暦の10月の別名で、「10月らしい日」といった意味です。
旧暦の10月は最大で10月下旬~12月下旬まで変動しますが、もっともピッタリなのは、太陽の動きに基づいた暦である二十四節気の「立冬」と「小雪」の2つの期間。つまり、11月上旬~12月上旬と思っておくといいでしょう。
たとえばこの時期に手紙を出すときは、「小春(しょうしゅん/こはる)の候…」などと書き始めます。冬の季語でもあり、早春など本当の春には使わない言葉です。

小春日和と同じ季節を指す言葉
小春日和と同じく、「小春」で晩秋~初冬の時期を指す言葉をいくつかご紹介します。
小春凪(こはるなぎ)

冬の初めのころの、穏やかな海の凪ぎのこと。
小春空(こはるぞら)
初冬の穏やかに晴れ渡った空のこと。秋晴れよりさらに冬に近づいたころです。
小春月(こはるづき)
旧暦10月のこと。小春月も小春も、同じように旧暦10月を指します。
小春日(こはるび)

小春日和のこと。またはその日差しそのもののこと。陽だまりでネコがひなたぼっこをするようなイメージです。
どうして寒い季節に「小春日和」になるの?
ひとことで言うと、冬型の気圧配置に移行する前の、秋晴れ勢力の最後のがんばりのおかげです。
10月~11月にかけての日本には、大陸生まれの移動性高気圧が次々にやってきて、さわやかな秋晴れをもたらしてくれます。移動性なので、低気圧も交互に訪れます。

12月が近づいてくるとシベリアの寒気団が強くなり、低気圧とセットになった「西高東低の冬型の気圧配置」が生まれ始めます。こうなると寒く、日本海側は雪、太平洋側は空っ風のことも。
ただし一気に変わるわけではなく、晩秋~初冬にはまだ移動性高気圧ががんばって通過してくれる日もあって、そんな日が「小春日和」になります。
二十四節気の大雪(たいせつ)である12月7日ごろまで季節が進むと、そろそろ小春日和も終わり。シベリア寒気団がいっそう優勢になって、本格的な冬の到来です。
小春日和の時期を過ぎると「冬日和」に

本格的な冬に入ってからも、おだやかな晴れの日がときどき訪れることがあります。旧暦10月を過ぎている場合は小春日和と呼ばず、冬日和(ふゆびより)と呼びます。
また、冬暖(ふゆあたたか)と呼ぶこともあります
冬日和には上記以外にも、「いかにも冬らしい、厳寒の空模様」という別の意味もあり、2つの場面で使える言葉です。
「春日和」は春の時期を指す言葉!

さらに季節が進んで春、同じようによく晴れたおだやかな日を、春日和(はるびより)と呼びます。
春日和は、3月20日ごろの春のお彼岸を過ぎてから使われることが多いようです。
同様に秋には、秋日和(あきびより)という言葉もあります。秋晴れと同じようなイメージですね。
小春日和のいろいろ、いかがでしたか?本格的な冬到来の前の貴重なお出かけチャンス。紅葉が遅めのイチョウなども、まだまだ見ごろかもしれませんよ!
【参考文献】
荒木健太郎(監修)『天気と気象大図鑑』ニュートンプレス、2021年
小倉義光『一般気象学 第2版補訂版』東京大学出版会、2016年
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ミキティ山田
旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。