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2025.03.28

【京都・大原】三千院の魅力を徹底ガイド!四季が楽しめる庭園や国宝など見どころを紹介

三千院は、京都市内から少し離れた大原にある天台宗の寺院です。“苔むす庭”で知られ、名勝にも指定されている「聚碧園」「有清園」という庭園や国宝を安置した重要文化財の往生極楽院など、名刹ならではの美を堪能できます。

春は山桜、初夏の紫陽花、そして紅葉、雪景色といつ訪れても四季の豊かさを感じられるのも魅力のひとつ。そんな三千院の見どころからアクセス・駐車場情報までたっぷりと紹介します。

三千院とは

(画像提供:三千院)

三千院とは、京都・大原に位置する天台宗の寺院です。起源は8世紀、仏教僧・最澄が比叡山延暦寺を建立の際、梨の木の下に構えた庵が始まりと伝えられています。平安後期には皇族が入寺するようになり、その後も皇族が住職を務めました。

明治維新の後、京都市街地から大原に移り、三千院と名付けられ、その由来は「一念三千(いちねんさんぜん)」という天台宗の教えなのだそう。心のわずかな働き(一念)の中にも、この世のあらゆる要素(三千)が備わっている、という意味です。

それ以前も、円融房(えんゆうぼう)、梨本坊(なしもとぼう)、梨本門跡(なしもともんぜき)、梶井宮(かじいみや)と移転の度に名前を変えて現在に至ります。移転を繰り返しながら、1200年もの時を刻み続けている歴史的な寺院です。

三千院の魅力1:四季を楽しめる2つの庭園

(画像提供:三千院)
聚碧園

三千院には、京都市指定名勝となっている2つの庭園があります。建物に座って眺める形式の池泉観賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」と、池の周りを散策しながら観賞する池泉回遊式庭園の「有清園(ゆうせいえん)」です。

「聚碧園」は、“緑を集める庭園”という意味を持ち、特に秋は庭を覆い尽くす美しいもみじが見どころ。「有清園」では、春になると山桜とシャクナゲ、初夏はアジサイ、秋には紅葉、そして冬の雪化粧と四季を通じて美しい景観を楽しめます。

「聚碧園」
江戸初期の武将であり茶人でもあった金森宗和が修築したと伝えられている庭園。苔むした一面の緑と、丸く刈り込まれたサツキが印象的です。隣接する書院の縁側で、庭を眺めながら抹茶を味わえますよ。

「有清園」
一面苔に覆われた庭には杉やヒノキが立ち並び、池には滝の水が流れ込みます。木々の合間から眺める、三千院の中で最も古い建造物「往生極楽院」は三千院のシンボルです。

三千院の魅力2:貴重な寺宝

(画像提供:三千院)

三千院といえば、重要文化財の往生極楽院に安置された国宝・阿弥陀三尊像が有名です。この世の極楽浄土を表現するため、天井には極彩色の天井画が描かれています。

現在、天井画は肉眼では見えにくくなっていますが、宝物館である「円融蔵(えんにゅうぞう)」にて忠実に再現した復元画を見られますよ。当時の顔料で描かれた極彩色の天女や菩薩の姿は極楽浄土を思わせます。

その他、仏教・国文・国史や、中古・中世・近世にわたって書写・収集された文書、襖絵等、貴重な品々を多数保存。常設展の他、特別展が企画されることもあるので事前に確認するのがおすすめです。

三千院の魅力3:いたるところで見られるわらべ地蔵

(画像提供:三千院/作:杉村孝)
(画像提供:三千院/作:杉村孝)

彫刻家の杉村孝さんが手掛けた小さくて可愛らしい「わらべ地蔵」。すっかり苔で覆われていますが、歴史はまだ浅く平成になってから置かれたそう。

点在するお地蔵さまそれぞれ表情が異なるので、散策がてら以下の場所を探して、お気に入りの一体を見つけてみるのもいいですね。

「往生極楽院」前の苔が広がる場所
「有清園」と「往生極楽院」を進むと、一面の苔が目に飛び込んできます。ここにはいくつものお地蔵さんが並んでいます。

「往生極楽院」東側斜面
斜面なのでやや遠く見えにくいのですが、ちょこんと立つ可愛い姿を確認できます。

三千院の見どころ

ここからは、三千院の参拝ルートに沿って、各所の見どころを解説します。ゆっくり回っても所要時間は1時間程度。歴史と自然の美しさを感じながら、じっくりと散策してください。

【御殿門】風格ある石垣に囲まれた玄関口

(画像提供:三千院)

「御殿門(ごてんもん)」は、三千院の玄関口。石垣に囲まれた門の前に立つと、参拝への期待が高まります。

【聚碧園】自然の美しさを茶席から堪能できる庭園

(画像提供:三千院)

「御殿門」を抜けた左手で拝観受付をして、すぐ目の前の客殿へ。畳が敷かれた書院になっており、要人をもてなすのにふさわしい落ち着いた雰囲気が漂います。

客殿から見られる庭園が「聚碧園」です。庭園に面した赤いじゅうたんの茶席に座り、美しい緑をゆっくりと堪能できます。

【有清園】季節ごとの美景が魅力の庭園

(画像提供:三千院)

「聚碧園」に続いて、三千院が誇る庭園「有清園」は、客殿から渡り廊下を抜けたところに位置する「宸殿(しんでん)」から眺められます。

青々とした苔や秋の紅葉など、季節感のある庭園の情景を楽しめますよ。

【往生極楽院】国宝も安置されているお堂

(画像提供:三千院)

「宸殿」を背にして「有清園」を進むと、重要文化財に指定されている「往生極楽院」が見えてきます。木立の中にひっそりと建つ小さなお堂ですが、中には国宝の阿弥陀三尊像が祀られる貴重な場所。

中央に坐す阿弥陀如来坐像は存在感があり、金色に輝く姿で美しく佇んでいます。

【弁財天】幸福の女神像

(画像提供:三千院)

「往生極楽院」から左手前方に歩いていくと見えてくるのが、七福神のひとつ・弁財天です。この琵琶を奏でる女神は、幸福・財宝を授けてくれるとされています。

【金色不動堂】金色の御朱印をいただけるお堂

(画像提供:三千院)

弁財天像の先にはあじさい苑が見えてきます。そこからさらに進むと、“護摩祈祷(ごまきとう)”と呼ばれる、供物を火で焚き上げることで加護を願う法要が行われる「金色不動堂」に到着。

金色不動明王は、例年4月の不動大祭と、秋のもみじまつり期間中(10月28日~11月28日※日取りは変更になることもあり)に御開扉、期間中と金色不動明王の御縁日である毎月28日には、金色で「金色不動尊」と書かれた御朱印をいただけます。

【円融蔵】多くの文化財が見られる宝物館

(画像提供:三千院)

「金色不動堂」を出たら、入り口の「御殿門」方面へ戻り、重要文化財を収蔵している「円融蔵(えんにゅうぞう)」へ。

極楽浄土を描いた天井画をはじめ、三千院開山以来の寺宝が展示されているので、参拝の最後に立ち寄ると、その歴史を感じられます。

三千院の御朱印

(画像提供:三千院)

三千院では5種類もの通常朱印をいただけます。御朱印の授与所は2カ所。金色不動堂、円融蔵それぞれで扱う御朱印が異なります。

また、金色不動明王の御開帳時、毎月28日には金字で「金色不動尊」と書かれた限定御朱印がいただけますよ。

<御朱印データ>
[志納料]通常の御朱印300円
[受付時間]開門時間内

三千院の客殿で写径もおすすめ

(画像提供:三千院)

「中書院内 写経場」では写経の体験が可能。般若心経一巻を写経しているうちに心が落ち着いていくのを実感できそうですね。

写経の手順
奉納料と引き換えに写経用紙と奉納経朱印授与引換券をいただきます。

お手本の上に薄い和紙の写経用紙を敷き、筆または筆ペンでなぞって書き進めるので、筆文字に自信が無くても大丈夫です。もちろん、お手本を見ながら書いてもOKです。

写経が終わったら、最後に願い事、日付、名前を書いて完成。書き終えたものは、ご本尊に奉納されます。

奉納経朱印授与引換券を円融蔵の授与所に提出すると薬師瑠璃光如来の御朱印をいただけます。

<写経データ>
[受付方法]写経場にて呼び出しボタンを押し、申し込み
[奉納料]奉納一巻1000円
[所要時間]60分

三千院へのアクセス

三千院へは、車はもちろん電車やバスといった公共交通機関でも行くことができます。駐車場はないので近隣のパーキングを利用してくださいね。

電車・バスでのアクセス
・地下鉄烏丸線「京都駅」~地下鉄烏丸線「国際会館駅」(約20分)→京都バス19系統「大原バス停」下車(約22分)→徒歩10分

・JR「京都駅」→京都バス17系統「大原バス停」下車(約60分)→徒歩10分

車でのアクセス
・東京から東名高速道路経由で6時間20分
・大阪から名神高速道路経由で1時間30分
・名古屋から名古屋神戸線経由で2時間10分

■三千院
京都府京都市左京区大原来迎院町540
[参拝時間]【3月~10月】9時~17時【11月】8時30分~17時【12月~2月】9時~16時30分
なし
拝観料【大人】700円【中学生・高校生】400円【小学生】150円
なし
「三千院」の詳細はこちら
「三千院」の口コミ・周辺情報はこちら

(画像提供:三千院)

※この記事は2025年3月7日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部  じゃらん編集部

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