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2021.10.19

京都のパワースポット「鞍馬寺」の見どころガイド!巡り方から周辺スポットまで

京都市の北部に位置する鞍馬。京都屈指のパワースポットといわれる鞍馬寺を中心に門前町が形成され、100年近く続くお店も立ち並ぶ、情趣あふれるエリアです。

今回は、総本山である鞍馬寺の見どころや巡り方、周辺のおすすめスポットをご紹介します♪

京阪本線の終点である出町柳駅から叡山電車に乗り換え、車窓の景色も楽しみながら30分揺られると、鞍馬駅に到着。記事内で紹介しているスポットはすべて鞍馬駅から徒歩圏内にあるので、手軽に観光を楽しめます。貴船神社へも好アクセスなので、あわせて巡ってみるのもいいですね。

※この記事は2021年9月22日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
※メイン画像の画像提供:PIXTA

記事配信:じゃらんニュース

鞍馬とは

「鞍馬」とは、いったいどんなエリアなんでしょう。

古くから信仰の対象だった「鞍馬山」の中腹に位置するこのエリアの観光のメインとなるのは、何といっても「鞍馬寺」。千二百余年の歴史をもち、史実との関わりや多くの伝説が残るパワースポットで、遠方から訪れる人も多くいるといいます。

春は桜、秋は紅葉の名所としても知られており、四季折々の美しい景観が見られるのも魅力の一つ。京都市内にいながら、神秘的な自然に癒やしとパワーをもらえそうです。

鞍馬寺の歴史や見どころ

鞍馬寺

鞍馬寺は、770年に鑑真和上の弟子である鑑禎(がんちょう)上人によって開創されました。夢の中で聞いたお告げに従い鞍馬山に登った際、鑑禎上人は鬼女に襲われましたが、毘沙門天(びしゃもんてん)に助けられます。そこで毘沙門天を祀る草庵を建てたことが、鞍馬寺のはじまりとされています。

多くの文芸人から愛されたお寺でもあり、平安中期に来山した清少納言は随筆『枕草子』にて、境内の「九十九折(つづらおり)参道」を「近うて遠きもの、くらまのつづらをりといふ道」と書き記しています。また、紫式部の『源氏物語』に登場する光源氏と若紫の出会いの場「北山のなにがし寺」の描写は、鞍馬寺の風景をリアルに描写したものでした。

鞍馬寺で幼少期を過ごしたという源義経(幼名:牛若丸)は7歳の頃に鞍馬寺に入山し、16歳の頃に鞍馬寺を出て奥州平泉に下ったといわれています。昼間は仏道修行し、夜は天狗に兵法を授けられたという伝説があり、お寺周辺のお店にも牛若丸にちなんだ商品やメニューが多く見られるので、散策しながら探してみるのも楽しいですね。

鞍馬山への結界「仁王門(山門)」

仁王門

鞍馬駅から北に3分ほど歩いていくと、長い階段の先に朱色が映える立派な門がお目見え。こちらが浄域への結界でもある「仁王門」で、ここから先は山全体が神聖なパワースポットである鞍馬山に入ります。現在の仁王門は焼失により1911年(明治44年)に再建されたものですが、左側の扉は寿永年間(1182~1184年)に建立された当時のものだそうです。

受付で愛山費300円(高校生以上)を支払い、いざ参拝へとまいりましょう。

仁王門

門の両側には、鎌倉時代を代表する仏師・湛慶作の仁王尊像が安置され、浄域である鞍馬山を悪いものから護っています。口を開いた「阿形」と、口を閉じた「吽形」の一対で「阿吽」を表現しており、これは五十音が「あ」から始まり、「ん」で終わることから、万物すべてを包含するといわれています。

“大杉さん”が見守る「由岐神社(ゆきじんじゃ)」

由岐神社

鞍馬寺の境内・九十九折参道の途中にある神社で、もともとは京都御所内にお祀りされていましたが、940年に大地震や戦乱が起きたことから鞍馬に遷宮。その時の行列の様子を再現した「鞍馬の火祭」は、京都三大奇祭の一つに数えられています。

由岐神社は、御利益が数多くある神社として古くから信仰されてきました。御祭神は商売繁昌・縁結びの神様。境内に鎮座する狛犬は子供を抱いている非常に珍しいもので、子孫繁栄子授・安産の神様。また、「鞍馬の火祭」から火災除けの神様としての御神徳があるとされています。

由岐神社

鳥居を抜けて門をくぐると、御神木である大杉が目に飛び込んできます。樹齢800年、樹高53メートルという桁違いのスケールと、周囲に放たれる荘厳な空気に思わず圧倒されるはず。京都市天然記念物にも指定されているこちらの御神木は、古くから「大杉さん」の愛称で親しまれ、一心に願えば願い事が叶うとされているのだとか。今も多くの人が「大杉さん」に願いを伝えにやってくる、人気のパワースポットとなっています。

由岐神社
天狗みくじ500円

様々なご利益がある由岐神社は、御守の種類も豊富かつユニーク。「縁結御守(1000円)」をはじめ、戌の日にご祈祷を受けられる「安産祈願腹帯(3500円)」や、諸願成就の「大杉さん願い叶う御守(1000円)」など、自分の願いに合ったものを見つけられるはず。

また、天狗のキーホルダーの中におみくじが入った由岐神社限定の「天狗みくじ(500円)」も人気。そのほか天狗柄をあしらった御朱印帳(2500円)もあり、天狗の郷・鞍馬ならではの旅の思い出にもピッタリですね。

■由岐神社
[TEL]075-741-1670
[住所]京都府京都市左京区鞍馬本町1073
[参拝時間]自由 ※授与所は9時~15時(変更の場合あり)
[定休日]なし
[アクセス]叡山電車 鞍馬駅より徒歩10分
「由岐神社」の詳細はこちら

宇宙の力を感じられる「本殿金堂」

本殿金堂

こちらに祀られている尊天は、千手観音菩薩・毘沙門天王・護法魔王尊が三身一体となった鞍馬寺の御本尊で、宇宙の真理そのものであるとされています。御本尊は秘仏となっており、60年に一度丙寅の年に開扉されます。

本殿金堂前の金剛床は、宇宙のエネルギーである尊天の波動が果てしなく広がる星曼荼羅を模しており、境内随一のパワースポットとして人気を集めています。金剛床の中心に立ち、祈ることで人間が尊天と一体化し、そのエネルギーを感じ取ることができるとされています。

本殿金堂

本殿金堂の脇には、狛犬ではなく「阿吽の虎」が鎮座されています。虎はお祀りされている毘沙門天の遣いの神獣であるといわれており、また鑑禎上人が毘沙門天に助けられた日時が寅の月・寅の日・寅の刻であったことから、鞍馬寺では珍重されています。入口の仁王門の両脇にも、同じく「阿吽の虎」がいるため、あわせて拝見したいですね。

自然と文化財のミュージアム「霊宝殿(鞍馬山博物館)」

霊宝殿(鞍馬山博物館)
霊宝殿の入館料は高校生以上200円

本殿金堂から奥の院参道のほうへ2分ほど進んだところにある、3階建ての建物が「霊宝殿」です。1階は自然科学博物苑展示室。2階は寺宝展観室と與謝野寛・晶子の記念室。3階は仏像奉安室になっています。

鞍馬寺では、霊宝殿だけでなく、鞍馬山全体を自然ミュージアムと捉えられています。1階の自然科学博物苑展示室では、鞍馬山の複雑な地質やそれによって確立された固有の生態系について学ぶことができます。「クラマゴケ」に「クラマノジャガイモタケ」など、“鞍馬”の地名がつけられた種もあり、鞍馬山の自然の豊かさを伝えています。

霊宝殿(鞍馬山博物館)

2階には、鞍馬寺所蔵の絵画・書・工芸・考古遺物等を常設展示する寺宝展観室と、たびたび鞍馬寺に来山し、鞍馬を題材にした多くの歌を詠んだ與謝野寛・晶子夫妻の記念室があります。與謝野晶子の書斎を再現した場所や、現代語訳『源氏物語』の原稿などのゆかりの品々が展示されています。

毘沙門天三尊立像(国宝)
毘沙門天三尊立像(国宝)

3階の仏像奉安室には、国宝に指定されている毘沙門天三尊立像をはじめ、多くの重要文化財が安置されています。古来よりたくさんの人が信仰の対象とし、命懸けで護ってきた貴重な仏像の数々と対峙すれば、その厳格な存在感に思わず背筋が伸びそうです。

数々の伝説が残る「奥の院参道」

木の根道
木の根道

「霊宝殿」の先から、牛若丸が天狗に剣術を習ったという伝説の場所・僧正ガ谷を経て魔王殿に至る約1.5kmの山道を「奥の院参道」といいます。この道は貴船神社へと通じているため、鞍馬寺とあわせて参拝される方も多いです。ただしかなりの山道ですので、歩く際はスニーカーなどの歩きやすい靴で、また天候や日没時間にも注意して登りましょう。

道中には、牛若丸が奥州へ行く際に背比べしたとされる「背くらべ石」や、幼少のころ天狗と修行したとされる杉の木の根が地上に露出した「木の根道」があります。「木の根道」は、地盤が固いために木の根が地表を這うように伸び、まるでアラベスク模様のような神秘的な景観を描き出しています。

魔王殿

奥の院参道の最後に現れるのが「魔王殿」です。太古に尊天のうちの一体である護法魔王尊が降臨した場所として崇拝されてきました。鬱蒼とした木々に囲まれ、「本殿金堂」とはまた異なる清廉な空気を感じられる、静かで厳かな場所です。

鞍馬寺のめぐり方

(画像提供:鞍馬寺)
※「鬼一法眼社」と「大杉権現社」は台風被害により2021年9月現在は見学不可

ここまでは鞍馬寺の見どころを紹介してきましたが、続いては鞍馬寺のめぐり方を解説します!

入口の仁王門から本殿金堂までの行き方には2通りのコースが用意されています。体力に自信がない方も気軽に参拝できるようになっているため、ご自身の体調や同行者ごとに適したコースを選んでくださいね。

ケーブルカーコース

ケーブルカー

まず1つ目は境内のケーブルカーを利用するコースです。上記の地図内ではオレンジ色の線で描かれています。ケーブルカーは仁王門から2分ほど歩いたところにある普明殿(ケーブル山門駅)から、ケーブル多宝塔駅までの約200m・高低差96mを約2分で結んでいます。ケーブル多宝塔駅からは10分ほど歩いて本殿金堂を目指します。

15分~20分ごとに運行されており、寄進として中学生以上200円、小学生以下100円(片道)を納めることで利用できるようになっています。「牛若號(うしわかごう)」と名付けられたケーブルカーは平成28年に改修工事が完了し、現在は4代目。修行に励む牛若丸と天狗のイラストがあしらわれたかわいらしい車両です。鞍馬の自然が眼前に迫る車窓の景色も素晴らしく、鞍馬寺参拝のよい記念になりそうです。

徒歩コース

(画像提供:鞍馬寺)

2つ目は、アクティブな方へぜひおすすめしたい徒歩コースです。上記の地図内では緑色の線で描かれています。仁王門をくぐり、ケーブル山門駅とは反対方向に進むと、九十九折(つづらおり)参道に入ります。清少納言が「近くて遠きもの」と詠んだ、長い坂と階段が続く参道ですが、道はしっかり整備されているためゆっくり歩けば険しさは感じないはず。仁王門から5分ほど歩いた場所にある「由岐神社」はこちらの徒歩コースでしか行けない注目スポットです。

由岐神社を過ぎた後も、「川上地蔵堂」といった牛若丸ゆかりの史跡や、尊天を具現化したとされる「愛と光と力の像『いのち』」など、歴史と信仰が感じられる見どころが続き、20~30分ほどで本殿金堂にたどり着きます。自分の足で登り切った本殿から望む京都市内の景色もまた格別ですよ。

■鞍馬寺
[TEL]075-741-2003
[住所]京都府京都市左京区鞍馬本町1074
[参拝時間]9時~16時15分 ※霊宝殿は~16時
[定休日]なし ※霊宝殿は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
[アクセス]叡山電車 鞍馬駅より徒歩3分(仁王門まで)
「鞍馬寺」の詳細はこちら

(画像提供:鞍馬寺)

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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