近年続々と新たなトレンドがやってきているラーメン。最近の話題は、朝ラーメンで関東でも朝ラーメンを提供する店舗が増えてきました。そこで今回は、ラーメン官僚こと田中一明さんに関東のおすすめ朝ラーメンを選んで頂きました。
毎年700~800杯のラーメンを食べ、これまでの実食杯数は1万6000杯以上を誇るラーメン官僚の田中さん。数々のラーメンを食べ歩き、味わい尽くす、まさに超ラーメンフリークです。そんなラーメン官僚が厳選した、絶品朝ラーメンが食べられるお店を5店舗紹介します。
※この記事は2021年12月10日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
ラーメン官僚が朝ラーメンブームを解説

昨年(2020年)の春先から猛威を振るってきたコロナ禍によって、大きな影響を受けた飲食業界。ラーメンも、もちろんその例外ではない。ラーメン店においては、感染症拡大防止対策の中でも、夜間におけるお酒の提供自粛、営業時間の短縮が、特に大きな影響を及ぼした。
具体的には、居酒屋が昼の空き時間を利用してラーメンの提供を始めるケースや、居酒屋からラーメン店へと業態を変更するケースが目立った。元々ラーメンを提供していた店舗も、営業スタイルの変容を余儀なくされた。営業時間が20時までへと短縮されたことにより、朝営業に踏み切る店が続々登場。
これによって、「朝ラーメン」が、一気にブームを飛び越え、一般的な営業形態のひとつとして定着した感がある。このあたりの事情は、コロナ禍によって、テレワークやWebシステムの活用が一気に普及した経緯にも通じるところがあるだろう。
2021年11月現在、日本においては、コロナ禍がひとまず落ち着き、営業時間の短縮要請が解除された。これによって朝営業を取りやめ、営業時間帯を元(昼夜営業)に戻したラーメン店もあるが、その一方で、引き続き、朝営業を続けている店舗も少なからず存在する。
それ以上に影響が大きかったのは、朝営業が決して特殊な営業形態ではないと、多くの作り手が認識したことだ。これにより、コロナ禍が落ち着いた後も、朝営業を継続することに決めた店や、更に進んで、夜営業は身体に負荷が掛かるといった理由により「朝の時間帯を積極的に活用したい」という店まで、登場してきている。
今回の特集では、そんな朝ラーメンを提供する店舗の中から特におススメに値する実力店を、新旧を織り交ぜながら、5軒ご紹介する。ご興味がおありの方は是非、一度足を運んでみていただきたい。
【東京】らーめん七彩飯店
東京駅八重洲地下街で喜多方の息吹そよぐ!出勤前の一杯として是非


最初にご紹介するのは、2021年8月27日にオープンした『らーめん七彩飯店』。店舗の場所は、東京駅八重洲地下街の2番通り沿い。都内でも指折りの実力店『麺や七彩』と、飲食店プロデュース業を営む『株式会社ビート』のコラボにより、誕生。
オープン当初は11時からの営業だったが、10月11日より、平日7時30分から10時までの時間帯で朝ラーメンを開始。現在(11月1日現在)、オープン当初から提供している「喜多方らーめん」に加え、「煮干しらーめん」、「油そば」も提供。外壁が存在しない、フードコートのような開放的な店舗構造で、食べ手にとっても敷居が低いのか、訪れる人が絶えない盛況ぶりだ。
サイドメニューの「東京ソースチャーハン」を含め、いずれの品も甲乙付けがたい逸品揃いだが、まず召し上がっていただきたいのは、基本メニュー。醤油ベースの「喜多方らーめん」。老若男女が幅広く集うロケーションであることを考慮し、好みを分けそうな要素は極力排除。強く縮れたモチモチの平打ち麺を啜り上げた瞬間、麺に絡み付いたスープの素朴なうま味が味蕾をしっとりと潤し、食べ手はいつの間にか丼の世界へと没入。
朝の東京駅前で、かくもハイレベルな一杯がいただけるとは。出勤前にでも是非、一度足を運んでみていただきたい。
[TEL]03-5542-1877
[住所]東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 八重洲地下2番通り
[営業時間]【平日】7時30分~10時、11時~22時(LO22時) 【土・日・祝】11時~22時(LO22時)
[定休日]なし
[アクセス]東京メトロ 京橋駅より徒歩4分、JR東京駅より徒歩5分
【本川越】川越大勝軒
『永福町大勝軒』系の一杯が、早朝から楽しめる!川越の「良心」とでも言うべき名店


ロケーションは、西武新宿線本川越駅から徒歩3分弱。ご紹介する『川越大勝軒』は、東京都杉並区(京王井の頭線永福町駅前)に鎮座し、その名声を全国へと轟かせる名店中の名店『永福町大勝軒』の直系店舗。同店の営業時間は、早朝朝6時から15時までと、同系のラーメン店の中では極めて変則的。
基本メニューは「中華麺」。煮干しの滋味をじんわりと利かせたスープを、香り豊かなカメリアラード油がコーティング。スープを舌上で丹念に転がせば、煮干しのうま味の土台として、重厚な動物系素材のコクが役割をしっかりと果たしていることが実感できる。『永福町大勝軒』系の御用達製麺所『草村商店』の中細縮れ麺の軽妙な啜り心地も相まって、一度口を付けたら最後、箸とレンゲを持つ手が止まることはないだろう。
麺量も、デフォルトで2玉(中盛は1.5玉、小盛は1玉)。盛りが極めて良い総本山(『永福町大勝軒』)のスタイルをかたくなに踏襲し、朝からしっかりと麺を胃袋へと収めることができる点も、喜ばしい限り。
早朝から極上の一杯が口にできる幸せ。川越で朝ラーメンを食べたくなったときは、こちらで決まりだ。
[住所]埼玉県川越市新富町2-25-8
[営業時間]6時~15時
[定休日]不定
[アクセス] 【電車】西武鉄道 本川越駅より徒歩2分、東武鉄道 川越市駅より徒歩6分、JR 川越駅より徒歩8分
【八千代緑が丘】麺や福々三座
千葉への移転を機に朝営業を開始!京都、石川で名声を轟かせた店主が紡ぐ珠玉の味わい


「私は元々和食の出身。45歳の時に畑が全く異なるラーメンの世界へと飛び込み、京都(京都市)と石川(金沢市)でお店を出させていただきましたが、ラーメン作りは本当に奥が深い。ラーメンという食べ物の本質が分かってきたのは、ほんの最近の話です」。
そう語る福田店主だが、店主が金沢で切り盛りしていた『福座』は、石川県のラーメン店の中でも屈指の名店。そんな店主が「ラーメン職人人生の終の住処」として選んだのは、千葉県八千代市。若いファミリーが数多く住まう、落ち着いた住宅街だ。
私のオススメは、屋号を冠した豚骨醤油タイプの「福々」。豚ゲンコツと豚頭を丁寧に炊いた出汁に、京都と千葉の醤油をブレンドしたタレを合わせたスープは、深いうま味と分厚いコクが実直な仕事ぶりを物語る。厨房の燻製機で作るモモ肉の焼き豚も絶品だ。
現在、同店においては、7時から10時までの時間帯で朝営業を実施。「私も、もう63歳。夜遅くまで店を開けると身体に負担が掛かるようになったので、千葉への移転を機に、朝型の生活へと切り替えたいと考えていました。朝営業は、私にとって最適な営業形態なのです」。
五臓六腑に沁みわたる素材のうま味。紡ぎ出す一杯から、店主の真摯な人柄が垣間見えたような気がした。
[TEL]047-407-0767
[住所]千葉県八千代市大和田新田1035
[営業時間]7時~10時、11時30分~16時
[定休日]月
[アクセス]【電車】東葉高速鉄道 八千代緑が丘駅より徒歩11分
【新杉田】杉田家
早朝5時から営業する横浜家系ラーメン店のビッグネーム!超本格派の一杯を是非一度


『吉村家』を始祖とし、2021年現在、全国各地にまで勢力を拡大するに至った、横浜家系ラーメン。そんな横浜家系ラーメンを提供する店舗の中でも数少ない、『吉村家』から「免許皆伝」を授かった直系店舗が、今回ご紹介する『杉田家』だ。
営業時間は、なんと、早朝5時から。同店のスープは、時間帯によってニュアンスが刻々と移ろうのが特徴。
朝の時間帯に提供されるラーメンのスープは、甘辛いカエシに豊潤な豚のコクが優しく寄り添う、比較的サッパリとした食べ口。上質なうま味が徐々に胃袋を充たしていく感覚は、食べ手に、比類なき幸福感を与えてくれることだろう。
このスープに合わせるのは、家系御用達の製麺所『酒井製麺』謹製の中太ストレート。モッチリとした口当たりと、短く切り揃えられることによる啜りやすさによって、驚くほどテンポ良く食べ進めることができる。
夜が明ける前から、同店の一杯を求め、どこからともなくお客さんが詰め掛ける。一度は、出社前に足を運び、朝の行列に加わってみるのも、風流なものではないだろうか。
[TEL]045-776-2155
[住所]神奈川県横浜市磯子区新杉田町3-5
[営業時間]5時~22時
[定休日]日
[アクセス] 【電車】JR新杉田駅より徒歩3分
「杉田家」の詳細はこちら
【初石】The Noodles & Saloon Kiriya
オープンから5年弱。東葛を代表する人気店に、死角は皆無!


2016年12月、大のラーメン好きだった青木氏が、ラーメン好きが高じて開業した『TheNoodles&SaloonKiriya』。初めは、週末のみの営業でスタートした同店だが、同氏が紡ぎ出すラーメンが高い評判を獲得し、2018年春から平日営業を開始。今では、千葉県を代表する実力店のひとつへと成長を遂げた。
「煮干ソバ」「煮干Swallow」等の煮干系のラインナップも充実しているが、2021年現在における看板メニューは、2017年12月から提供を開始した淡麗ラーメンの「Kiri_Soba」。
スープは、動物系素材(鶏ガラ・丸鶏・豚骨等)から放たれる分厚いうま味と、魚介素材(利尻昆布・サバ節・海老・昆布等)から抽出される豊潤な滋味とを、各素材の持ち味を熟慮しながらブレンドしたもの。
大量の天然素材を用い、個々の素材のうま味を最大限にまで引き出した一杯は、店主自らが「今の味がピークに近いのではないか」と胸を張る渾身の出来映えだ。
「Kiri_Soba」は、「潮(塩ベース)」と「流山本みりん醤油(醤油ベース)」の2種類を用意。土日は9時から営業しており、この一杯を朝から堪能することができる。是非、一度ご賞味願いたい。
[住所]千葉県流山市西初石4-475-1
[営業時間]【水~金】11時~15時 【土・日】9時~15時
[定休日]月・火
[アクセス] 【電車】東武鉄道 初石駅より徒歩4分
※掲載の価格は全て税込み価格です。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。