約1400年にわたり庶民から厚い信仰を集めている「善光寺」。七年に一度の盛儀、御開帳がいよいよこの春行われます。
正式には盛儀「善光寺前立本尊御開帳」といい、前回2015年は57日間で約700万人もの参拝者が訪れ、前立本尊とのご縁を授かったそう。本来は昨年(2021年)の4月に行われる予定でしたが延期され、2022年の春、4月3日(日)から6月29日(水)の88日間にわたり行われることになりました。
そこで今回は、善光寺の見どころや御開帳についてご紹介。善光寺まいりと一緒に楽しみたい信州グルメやおみやげ店情報も一緒にチェックしてください。
7年に一度の特別な機会!善光寺御開帳とは

善光寺は創建約1400年。山号は定額山(じょうがくざん)。中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、同じく左に勢至菩薩が並ぶ「一光三尊(いっこうさんぞん)阿弥陀如来像」を御本尊とする古刹です。
御本尊はインドから日本に渡ってきた三国伝来の仏像で、絶対秘仏(ぜったいひぶつ)のため、歴代のご住職を含め、誰一人そのお姿を見た人はいません。
誰も見ることができない御本尊の御身代わりとして、鎌倉時代に造られたのが前立本尊(まえだちほんぞん)で、普段は御宝庫に安置されていますが、七年に一度、特別に一般公開され、そのお姿を拝むことが叶います。これが御開帳です。
2022年は4月3日(日)から6月29日(水)の88日間にわたり行われます。
御開帳期間中の主な行事
御開帳期間中には下記をはじめ、様々な式典が行われます。どれも貴重な行事です。公式ホームページで日程などを事前にチェックして参拝しましょう。
3/27(日) 回向柱受入式(えこうばしらうけいれしき)
4/2(土) 前立本尊御遷座式(まえだちほんぞんごせんざしき)
4/3(日) 開闢大法要
4/23(土) 中日庭儀大法要(ちゅうにちていぎだいほうよう)/浄土宗
5/7(土) 中日庭儀大法要/天台宗
6/30(木)前立本尊御還座式(まえだちほんぞんごかんざしき)
前立本尊との結縁のはじまり「回向柱建立式」

御開帳期間中は本堂の前に高さ約10mの「回向柱」が立てられます。本堂の前立本尊の右手中指に結ばれた金糸が五色の糸となり、善の綱となってこの回向柱に結ばれ、前立本尊とつながります。参拝者はこの回向柱に触れることで前立本尊様とのご縁が生まれ、ご利益を授かれるというわけです。
御開帳のハイライト「中日庭儀大法要」

写真は御開帳のハイライトとも称される「中日庭儀大法要」。お稚児さんを先頭に住職が列を作り参道をゆっくりと進む様子は荘厳です。回向柱前の祭壇と本堂では法要も行われます。
善光寺の見どころ
山門

善光寺には国宝や重要文化財もたくさんあります。ほんの一部ですが見どころを紹介します。
仁王門をくぐり賑やかな仲見世通りを進んだ先に現れるのが写真の善光寺山門です。二層入母屋造りの堂々たる姿。山門正面には有名な扁額(へんがく)も掲げられています。実はこの扁額、約3畳分もあるのだそう。
“善光寺”の文字には牛と5羽の鳩が隠れていますのでそちらもチェックしてみてください。登楼も可能で、晴れていれば長野市街が一望できます(9時~16時 ※12/31は~13時。拝観料一般500円、他)。
本堂

本堂は高さ約29mある仏教建築で、間口約24mに対し奥行き約54mとめずらしい縦長の形をしています。諸説ありますが、より多くの参詣者が中でお参りできるようにとこの形になったとか。
屋根は総檜皮葺で、上から見るとT字型の撞木(鐘をたたく仏具)に似ていることから撞木(しゅもく)造ともいわれています。

本堂の中は外陣(げじん)、内陣(ないじん)、内々陣(ないないじん)に分かれていて、御本尊は内々陣の最奥に安置されています。
通常、参拝するところは内陣という広い畳敷きの間で、様々な仏像が祀られています。御本尊は内々陣の左側に安置されているので、お賽銭もお参りも左側で。何より七年に一度の御開帳ですから、前立本尊様のやさしいお顔を拝ませていただきましょう。

本堂参拝の後は『お戒壇巡り』。内々陣右奥の階段を降りると真っ暗な回廊があります。
回廊の中ほどまで進むとちょうど御本尊の真下にあたり、ここに設えられている極楽の錠前に触れると極楽往生が約束されるとか。
錠前は進行方向の右側、大人の腰あたりの高さにあるそうです。極楽往生のご利益を授かりたい人はぜひ。内陣券(内陣参拝、お戒壇巡り、善光寺史料館)500円。御開帳期間中は内陣券(内陣参拝、お戒壇巡り)600円、史料館券300円が必要です。
善光寺で受けられる御朱印


お参りした証として御朱印もぜひ受けたいですね。
善光寺では本堂手前右側・正面御朱印所と、本堂内御朱印所(内々陣)で通常御朱印や特別御朱印を授与しています。その他、境内にある各お堂を参拝した人限定で受けられる諸堂限定御朱印(参拝券が必要 ※雲上殿を除く)もあります。
さらに周辺にある大本願や釈迦堂など各お寺でも御朱印を受けられます。
開所時間や配布日は配布場所や季節によって異なりますし、多く点在しているので“御朱印をもらい忘れた”なんてことにならないよう、公式HPを事前に確認しておくか、境内マップなどを手に入れてチェックしましょう。
また御開帳の期間中は平日・土日祝を問わず大勢の参拝者が訪れます。過去でいくと、『中日庭儀大法要』を過ぎると特に混雑するそうなので、ゆっくりお参りしたい人や回向柱に触れたいという人は、できれば4月中旬頃までに参拝するのがおすすめだそう。毎朝の朝事が終わる7時30分頃、また6月以降も本堂前の参詣者が比較的少ないそうです。
026-234-3591
長野県長野市大字長野元善町491-イ
[参拝時間]【本堂内陣】お朝事の1時間前~16時(12月~2月)※4月~10月は~16時30分、3月・11月は~16時15分、他年末年始は変動
【山門・経蔵・史料館】9時~16時(12/31は~13時)
共通券(三堂/本堂内陣・山門拝観・経蔵拝観と史料館、お戒壇巡りのセット券):大学生・社会人1000円※御開帳の期間は1200円、他
【電車】JR長野駅 善光寺口バスロータリー1番のりば(善光寺方面行)利用、善光寺大門停へ15分。善光寺本堂まで徒歩5分【車】上信越道長野ICまたは須坂長野東ICより40分
5カ所あり(普通車2時間まで600円、以降1時間毎に200円※4月1日以降は1時間毎に300円)
「善光寺前立本尊御開帳」の詳細はこちら
(画像提供:善光寺)
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児島あさこ
編集者・ライター。旅先での楽しみは日頃おせわになっている人へのおみやげ選び。道の駅、美術館、セレクトショップ、うつわ屋さん…など贈る人の好みに合わせて物色している時間が幸せです。好きな町は金沢。