千葉県千葉市にある写実絵画専門の美術館、「ホキ美術館」をご存知ですか?回廊が宙にはね出すアートな建物や、写真と見間違えるほどに細密な写実絵画は見応えたっぷり。緑の眺めに癒やされるレストランやカフェなど、魅力あふれる館内と、美術館周辺のおすすめスポットを案内します。
ホキ美術館とは?

周囲の自然と調和するように建てられた美術館の外観
始まりは保木さんのコレクションハウス
ホキ美術館は、創設者である保木将夫さんの写実絵画のコレクションを所蔵・展示する美術館です。開館したのは2010年11月。それ以前は、保木さん宅の隣家を展示場兼収蔵庫にして年に1回、無料で公開していたそうです。来場者は年々増えて、1日1000人を超えるほどになったことから、美術館を設立することに。
コレクションのきっかけとなった森本草介氏の「横になるポーズ」をはじめ、現在の所蔵作品は約500点。展示作品は106点(絵画作品のみ)にのぼります。
館内は8つのギャラリーにレストラン、ショップも!

ギャラリー2、ギャラリー3、ギャラリー4がある地下1階
館内には8つのギャラリーがあり、展示は「企画展」と「常設展」に分かれています。
年に2回、5月中旬と11月中旬に展示替えを行う「企画展」は、ギャラリー1で開催。その他のギャラリーは常設展となっていて、人気作家の人物画が並ぶギャラリー2、野田弘志氏の代表作「神仙沼-保木将夫氏に捧ぐ-」を中心にしたギャラリー3、15人の作家がホキ美術館のために描きおろした大作「私の代表作」を展示するギャラリー8など。絵画だけでなく、日本の陶磁器の名品を展示するギャラリーもあります。
さらに、鑑賞の途中にひと休みできるカフェとイタリアンレストラン、オリジナルのミュージアムグッズを販売するショップも。アートに親しみながら、充実した時間が過ごせる施設です。
アクセス・料金をチェック!
千葉県千葉市にあるホキ美術館。都心から車利用の場合は、東関東道・千葉東金道路を経由して1時間ほどでアクセスできます。
大人の入館料は1830円。滞在時間の制限がなく、退館してもチケットがあれば当日中は再入館ができるので、1日ゆったりと展示が楽しめることも魅力です。
宙に浮く回廊も!?アート過ぎる建物

独創的な建物は2011年の「日本建築大賞」や「第18回千葉県建築文化賞」などを受賞している

緑の眺めと自然光を採り入れたギャラリー1の回廊
こちらの美術館の見どころの一つが、写実絵画コレクションのために設計された個性的な建物。地下2階、地上1階の三層の長い回廊を重ねたギャラリーは、一部鉄骨造により宙に浮いている部分も!
ピクチャーレールやワイヤーを使わずに、磁石で絵画を固定する展示方法、作家一人一人のアトリエの光環境に近づけたLED照明、長時間の鑑賞でも疲れないゴム素材の床など、館内もこだわりあふれる空間です。
隣接する公園「昭和の森」の緑が望めるギャラリーもあり、森の中を散策しながら絵画を鑑賞しているような、特別なひと時が過ごせます。
リアルさに驚愕する写実絵画




写実絵画とは、デフォルメや単純化などをせず、対象をありのまま忠実に描いた、写真のようにリアルな絵画のこと。1年に数点しか描くことができないほど、作家が時間をかけて向き合い、緻密に作り上げられた作品です。
森本草介、野田弘志、中山忠彦など写実絵画の巨匠をはじめ、日本の現代作家約40人もの作品が鑑賞できるホキ美術館は、もはや「写実絵画の殿堂」。ギャラリーで絵画と対峙すれば、その細密な表現と深遠な世界観に魅了されること間違いなしです。
ギャラリー1の企画展では、2022年11月13日(日)まで「いろいろ 色の魔法‐色から見える写実」展覧会が開催中です。
デザイナーズチェアが楽しめるミュージアムカフェ


地下1階には、土日祝のみ営業しているミュージアムカフェが。こちらでは、数量限定の「ハヤシライス」や「チキンサンド」などの軽食が味わえます。
店内には様々なデザイナーズチェアが配されているので、混んでいなければ、座り比べてお気に入りを見つけるのも楽しそうです。
土日祝10時30分~16時30分(ラストオーダー) ※2022年7月16日(土)~8月22日(月)は毎日営業
本格イタリアンが味わえるイタリアンレストラン「はなう」

1階にあるイタリアンレストラン「はなう」では、「昭和の森」の豊かな緑を眺めながら、本格的なイタリア料理とワインが堪能できます。地元、千葉で育まれた新鮮な食材や旬の素材を生かしたコース料理は、食事だけを目当てに訪れるお客さんもいるそうです。
【ランチ】11時30分~15時 ※予約制【カフェ利用】10時30分~17時(LO16時30分)【ディナー】17時30分~21時 ※前日までに要予約
※レストランのみの利用も可能
043-205-1500
千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
10時~17時30分(入館受付は閉館の30分前まで)
火曜日(祝日の場合開館、翌平日休館)
一般1830円、65歳以上・高校生・大学生1320円、中学生910円、小学生以下760円(保護者1人につき2人まで無料)
【電車】JR土気駅より徒歩25分【車】千葉東金道路中野ICより15分
あり(40台/無料)
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ホキ美術館周辺のおすすめスポット
美術館から車で約3分!「昭和の森」



千葉県内でも屈指の規模を誇る総合公園。東京ドーム約23個分の広大な敷地に、芝生の広場やアスレチックのあるレクリエーションゾーン、高台から太平洋を見渡せる展望ゾーン、季節ごとに美しい花景色が楽しめる中央林間ゾーンなど、5つのゾーンが揃っています。
園内の一部は県立九十九里自然公園に指定されていて、草花や樹木、野鳥など、自然がいっぱい!レンタサイクル(2時間200円)で園内散策もおすすめです。
043-294-3845
千葉県千葉市緑区土気町22
入園自由(駐車場は8時30分~17時30分)
なし
入園無料
【電車】JR土気駅より徒歩20分【車】千葉東金道路中野ICより15分
あり(824台/1時間100円※1日最大400円)
「昭和の森」の詳細はこちら
美術館から車で約20分!「たぶん…世界一小さいチョコレート工場」




あられとお煎餅の老舗、株式会社三真が手がける小さなチョコレート工場。併設の直売所には、工場で手作りされた様々な種類のオリジナル商品がずらりと並びます。「ガーナカカオマス100%」120円など素材にこだわったものや、「チョコレートカレー」600円などユニークなものもあり、思わず味わってみたくなるはず。
テイクアウトのドリンクコーナーでは、北海道産の牛乳を使用した「ミルクシェイク」100円が名物。ドライブのお供におすすめです。
0475-53-6810
千葉県東金市田中85-1
9時30分~17時
年末年始
【電車】JR福俵駅より徒歩30分【車】千葉東金道路東金ICより5分
あり(無料)
「たぶん…世界一小さいチョコレート工場」の詳細はこちら
美術館から車で約32分!「不動堂海岸(九十九里浜)」


広大な九十九里浜のほぼ中央に位置する不動堂海岸は、巻貝をモチーフにした「九十九里ビーチタワー」がシンボル。らせん階段を上った頂上からは、雄大な太平洋と九十九里浜を見渡すことができます。
夕暮れ時には黄金色にきらめく海原、日没後にはライトアップされたビーチタワーもキレイなので、ドライブの最後にのんびり過ごしてみてはいかがでしょう♪
0475-70-3175(九十九里町産業振興課)
千葉県山武郡九十九里町不動堂451-11地先
【電車】JR東金駅よりサンライズ九十九里行きのバスで不動堂下車、徒歩10分【車】九十九里有料道路不動堂ICよりすぐ
あり(約500台/土日祝および海水浴場開設期間は1日500円)
まとめ
写実絵画の作品はもちろんのこと、こだわりあふれる建物も、館内のレストランも魅力的な「ホキ美術館」。1日のんびり過ごすのもおすすめですが、車で訪れたなら、周辺のおすすめスポットもぜひ巡ってみてください。アートに刺激され、自然とスイーツに癒やされて、きっと充実した1日になるはずです。
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※この記事は2022年7月13日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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加藤 愛
宿、温泉、食、ご当地体験を取材して記事を書くこと十余年。取材のモットーはその場所の魅力を肌で感じること。酒蔵ではとことん飲み、渓流アクティビティでは頭から滝を下ります!プライベートでは島旅とお酒と写真が趣味。