close

2022.08.24

【全国34カ所】日本の国立公園まとめ!自然が生む絶景の見どころや楽しみ方を紹介

南北に長い島国に、多様な気候帯や自然環境が存在している日本の国土。そんな日本を代表する自然の景勝地として指定された国立公園は、北は北海道から南は沖縄まで全国に34カ所にあります。

日本ならではの大自然と文化を体感できる国立公園では、ハイキングや登山をはじめ、シュノーケリングやシーカヤック、キャニオニングなどのアクティビティのほか、歴史的遺産の見学やネイチャーツアーなどを四季折々で楽しむことができます。

手つかずの自然や、森林・農地・集落など自然と人の暮らしが織りなす地域の歴史や文化など、ここでしか見られない景観が楽しめる国立公園を訪れてみませんか?

目次

●国立公園とは
●日本の国立公園一覧
1.利尻礼文サロベツ国立公園【北海道】
2.知床国立公園【北海道】
3.阿寒摩周国立公園【北海道】
4.釧路湿原国立公園【北海道】
5.大雪山国立公園【北海道】
6.支笏洞爺国立公園【北海道】
7.十和田八幡平国立公園【青森県・岩手県・秋田県】
8.三陸復興国立公園【青森県・岩手県・宮城県】
9.磐梯朝日国立公園【山形県・福島県・新潟県】
10.日光国立公園【福島県・栃木県・群馬県】
11.尾瀬国立公園【福島県・栃木県・群馬県・新潟県】
12.秩父多摩甲斐国立公園【埼玉県・東京都・山梨県・長野県】
13.小笠原国立公園【東京都】
14.富士箱根伊豆国立公園【東京都・神奈川県・山梨県・静岡県】
15.南アルプス国立公園【山梨県・長野県・静岡県】
16.上信越高原国立公園【群馬県・新潟県・長野県】
17.妙高戸隠連山国立公園【新潟県・長野県】
18.中部山岳国立公園【新潟県・富山県・長野県・岐阜県】
19.白山国立公園【富山県・石川県・福井県・岐阜県】
20.伊勢志摩国立公園【三重県】
21.吉野熊野国立公園【三重県・奈良県・和歌山県】
22.山陰海岸国立公園【京都府・兵庫県・鳥取県】
23.瀬戸内海国立公園【1府10県※】
24.大山隠岐国立公園【鳥取県・島根県・岡山県】
25.足摺宇和海国立公園【愛媛県・高知県】
26.西海国立公園【長崎県】
27.雲仙天草国立公園【長崎県・熊本県・鹿児島県】
28.阿蘇くじゅう国立公園【熊本県・大分県】
29.霧島錦江湾国立公園【宮崎県・鹿児島県】
30.屋久島国立公園【鹿児島県】
31.奄美群島国立公園【鹿児島県】
32.やんばる国立公園【沖縄県】
33.慶良間諸島国立公園【沖縄県】
34.西表石垣国立公園【沖縄県】

国立公園とは

日本の自然公園は、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園の3種類があります。

[国立公園]
日本を代表する自然の風景地として、自然公園法に基づいて環境大臣が指定する公園

[国定公園]
国立公園に準ずる風景地として、自然公園法に基づき環境大臣が指定する公園

[都道府県立自然公園]
優れた自然の風景地として、自然公園法に基づき都道府県が指定する公園

国立公園は、アメリカ合衆国の国立公園制度などを手本に1934年3月、瀬戸内海をはじめとする3公園が最初の国立公園として指定されました。

主な特徴として、日本の国立公園では「地域制自然公園制度」を採用しており、公園内には私有地が含まれています。そのため、人々が住む集落や農林水産業が行われている地域があり、人々の暮らしや産業などとの調整を図りながら、協働型管理運営をしています。

日本の国立公園一覧

日本の国立公園一覧

日本の国立公園は、北海道に6カ所、東北に3カ所、関東に6カ所、中部に5カ所、近畿に2カ所、中国四国に2カ所、九州に9カ所、近畿・中国四国・九州をまたぐ形で1カ所、全国で34カ所があります。

各公園では、山や海などのさまざまな自然環境で、地域の美しい花や動物などを見られるほか、ビジターセンターで自然や歴史の解説展示や映像で学ぶことができます。その他、季節ならではのアクティビティや自然体験プログラムなども楽しめます。

出典:環境省ホームページ

【北海道】1.利尻礼文サロベツ国立公園

山岳、海食崖、湿原など多彩な景観を持つ最北の公園

(画像提供:環境省)

利尻礼文サロベツ国立公園は日本最北の国立公園で、貴重な高山植物の花畑が標高500mもない低地で見られる礼文島、利尻富士と呼ばれる利尻山を持つ利尻島があります。

帯状にできた砂丘の間に湖や沼が点在する抜海・稚咲内海岸では、ミズナラやトドマツの砂丘林のほか、日本最大級の高層湿原であるサロベツ湿原があります。サロベツ湿原は、秋には美しく色づくことから“草紅葉”と呼ばれています。

利尻山登山は、北側の鴛泊(おしどまり)と西側の沓形(くつがた)からの2コースがあり、海上の火山島ならではの海が背景となる迫力ある登山を楽しめます。また冬には海を見下ろす壮大な風景を眺めながらパウダースノーを満喫するバックカントリー(※)もできます。どちらもガイド同伴ツアーでの利用がおすすめです。
※リフトを使わず登山し、自然のままの雪山を滑るアクティビティ

(画像提供:環境省)

トレッキングには、礼文島南部の「桃岩展望台コース」がおすすめです。レブンコザクラやレブンキンバイソウなどの花畑のほか、美しい海と断崖の景観を楽しめます。

■利尻礼文サロベツ国立公園
あり(サロベツ湿原センター、幌延ビジターセンター)
「利尻礼文サロベツ国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【北海道】2.知床国立公園

流氷と火山が生んだ雄大な景観と豊かな生態系が特徴

(画像提供:環境省)

知床国立公園は、火山活動や流氷などによって作られた雄大な景観を持ち、多くの野生動物が生息する公園です。

公園内ではヒグマなどの大型哺乳類、希少種シマフクロウなどの大型猛禽類などが生息。生物の多様性と海・川・森の生態系のつながりが評価され、2005年7月に世界自然遺産に登録されました。

ここでは知床五湖の地上遊歩道を歩くガイドツアーのほか、断崖や滝の雄大な景色を望むウトロ出航の観光船、日本屈指のホエールウォッチングポイントとして知られる羅臼周辺の根室海峡で行う野生生物クルーズなど、季節ごとにさまざまなアクティビティを実施しています。

(画像提供:環境省)

オホーツク海北部では流氷が発生し、例年1月下旬~3月頃に知床に接岸します。ガイドとともに氷の上を歩いたり、観光船からオオワシやオジロワシを観察するなど、冬でも楽しめる自然体験ツアーが用意されています。

■知床国立公園
あり(知床世界遺産センター、羅臼ビジターセンターほか)
「知床国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【北海道】3.阿寒摩周国立公園

3つのカルデラ湖と火山を基盤に、天然林が広がる公園

(画像提供:環境省)

北海道東部にある阿寒摩周国立公園は、公園区域の大半が天然林に被われた原始的な姿を保っています。

阿寒・屈斜路・摩周の3つのカルデラ地形を基盤とする火山と湖が近接する非常に貴重な地域で、生態系の源となる広大な森と個性豊かな湖沼があります。

阿寒地域では、悠然とそびえる雌阿寒岳・雄阿寒岳や裾野に広がる阿寒湖、“時がとまる湖”と称される美しさを持つオンネトー、アイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と呼ばれ崇められてきた摩周湖など、湖沼の神秘的な姿を見ることができます。

摩周地域では、“摩周ブルー”と称えられる世界有数の透明度を誇る摩周湖や、周囲の峠や山から一望できる国内最大級のカルデラ湖・屈斜路湖など、四季折々で変わる湖沼や森林の絶景が見られます。

(画像提供:環境省)

日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖のほとりには複数の温泉が湧出。阿寒湖の周囲にも先住民族アイヌの人々が利用していた歴史のある阿寒湖温泉があり、温泉旅館やホテルで楽しめます。

■阿寒摩周国立公園
あり(阿寒湖畔エコミュージアムセンター、川湯ビジターセンターほか)
「阿寒摩周国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【北海道】4.釧路湿原国立公園

特別天然記念物タンチョウの生きる日本最大の湿原

(画像提供:環境省)

釧路川とそこへ流れ込む多数の小さな川や大小の湖沼、さらに日本最大の湿原が広がる釧路湿原国立公園。広大な面積の大部分が手つかずのまま保たれた湿原と、景観のスケールの大きさに圧倒されます。

釧路湿原とその周囲では、700種以上もの植物が記録されています。面積の約8割は低層湿原で、周辺から流れ込む水で潤された地表面にヨシ・スゲおよびハンノキを主とした植物が広がっています。また、推積した泥炭により地表面が高くなったことで雨水のみで潤される高層湿原・ミズゴケ湿原では、寒地性・高山性の植物のワタスゲやガンコウランなどが自生し、周囲の湖沼群ではネムロコウホネやヒシなどの水草が見られます。

その他、周辺の丘陵地には旧石器時代からの遺跡が多数あります。「北斗遺跡」では竪穴住居5棟が復元されており、古の暮らしに触れることができます。

(画像提供:環境省)

釧路湿原で生きる国の特別天然記念物タンチョウは、アイヌの人々よりサルルンカムイ(湿原の神)として崇められた鳥。1年中釧路湿原で生息しているので、タイミングが合えば見られるかもしれません。

■釧路湿原国立公園
あり(温根内ビジターセンター、塘路湖エコミュージアムセンター「あるこっと」ほか)
「釧路湿原国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【北海道】5.大雪山国立公園

道内最高峰・旭岳“カムイミンタラ”を持つ山岳公園

(画像提供:環境省)

北海道中央部に広がる原生的な山岳公園・大雪山国立公園。大雪山とは、旭岳を主峰とする山々のことを指し、“カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)”あるいは“北海道の屋根”と称されています。

広大な面積を持つ大雪山国立公園は、大きく3エリアに分けられます。

核心部・表大雪エリアは、旭岳を主とする大雪火山群と高根ヶ原、沼ノ原、五色ヶ原などの広大な熔岩台地を含み、圧倒的なスケールを持つ山岳景観が見られます。

十勝岳連峰エリアは、活火山の十勝岳を中心とした火山群で、山麓の美瑛や上富良野方面から望む農地や樹林越しの山々と、谷が織りなす連なりは堂々たる姿です。

十勝川流域の東大雪エリアは、ニペソツ山などの山々と深い森、十勝三股カルデラ、糠平湖や然別湖などを含み、原生的な自然を感じることができる山深いエリアです。山麓には豊富な温泉が湧いており、観光の拠点としておすすめです。

(画像提供:環境省)

公園内唯一の自然湖である「然別湖」は、標高810mと道内で最も高く、周囲は原生林に囲まれています。太古の自然を伝えるエゾナキウサギや固有の淡水魚ミヤベイワナも生息しています。

■大雪山国立公園
あり(層雲峡ビジターセンター、旭岳ビジターセンターほか)
「大雪山国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【北海道】6.支笏洞爺国立公園

二大大カルデラ湖と豊かな温泉、高山植物が楽しめる

(画像提供:環境省)

北海道の南西部にあり、札幌市街や新千歳空港からのアクセスも良い支笏洞爺国立公園。

太古の巨大噴火によってできた支笏湖・洞爺湖の二大カルデラ湖は、“北限の不凍湖”としても知られ、支笏湖の青色にきらめく水面は吸い込まれるほどの美しさです。また、日本百名山に選ばれた羊蹄山などの雄大な山々、各地で高温の温泉や硫気が噴き出す地熱現象などの火山活動を見ることができます。

かつて噴火が起こった場所は、登別・洞爺湖・定山渓など、今や北海道を代表する温泉街となりました。湯めぐりのほかにハイキングや登山、高山植物ウォッチングなど、湖と森と火山の織りなす恵みを満喫できます。

(画像提供:環境省)

登別温泉の北東にある登別地獄谷は、登別温泉の源泉かつ長径約450mの爆裂火口跡です。火山ガスや熱湯が噴出する様を、遊歩道から眺めることができます。

■支笏洞爺国立公園
あり(支笏湖ビジターセンター、洞爺湖ビジターセンター・火山科学館ほか)
「支笏洞爺国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【青森県・岩手県・秋田県】7.十和田八幡平国立公園

奥入瀬渓流など豊かな水が作り出す美しい湖沼と湿原

(画像提供:環境省)

本州北部中央の山岳地帯に位置する十和田八幡平国立公園。奥入瀬渓流や色々な泉質の温泉地など、豊かな自然資源に恵まれています。

青森から秋田にかかる十和田八甲田地域は、国の特別名勝かつ天然記念物でもある十和田湖、その十和田湖から流れる奥入瀬渓流、冬季には“スノーモンスター”と呼ばれる樹氷が現れる八甲田山系の山々で構成されています。それらの地域には豊かな自然に息づく動植物のほか、四季を通じて変化に富んだ美しい景観を楽しめます。

岩手にかかる八幡平地域は、国内有数の火山地域。火山現象と冬季の多雪に加え、長い年月をかけてつくりだした多くの湖沼と湿原、さまざまな生態系があります。

(画像提供:環境省)

多くの登山者に親しまれる北八甲田連峰。気軽にロープウェイでアクセスでき、複数の登山道も整備されています。11月には雪が降るため、紅葉と雪という珍しい組み合わせの幻想的風景が見られることもあります。

■十和田八幡平国立公園
あり(十和田ビジターセンター、十和田ビジターセンターなど)
「十和田八幡平国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【青森県・岩手県・宮城県】8.三陸復興国立公園

美しい海岸景観や、多彩なマリンアクティビティを満喫

(画像提供:環境省)

2011年の東日本大震災で被災した三陸地域の復興に貢献するため、2013年5月に創設された国立公園。災害復興を目的にもつ国立公園であり、防災教育の学びの場としても使用されています。

南北に約250kmの敷地を持ち、北には“海のアルプス”と称される大断崖、南は湾・岬・島が入り組んだ地形が美しいリアス海岸が特徴です。

広田崎などの海岸には、寒冷な海霧などの独特な環境に適応した植物が多く生育し、ウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥や野生生物を間近で観察できます。海藻の群生地が形成された浅海域では、多彩な海洋生物の生育を支える場になっています。

公園内には、八戸・宮古・釡石・大船渡・気仙沼・石巻など日本有数の水揚げを誇る漁港が点在し、各地で新鮮な海の幸を味わえます。

(画像提供:環境省)

海に面した公園のため、マリンアクティビティも豊富。浄土ヶ浜の周りをぐるりと回るシーカヤック体験のほか、のんびり海上散歩ができるスタンドアップパドルボード(SUP)、シュノーケリングもできます。

■三陸復興国立公園
あり(種差海岸インフォメーションセンター、北山崎ビジターセンターほか)
「三陸復興国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【山形県・福島県・新潟県】9.磐梯朝日国立公園

高山植物の花畑や輝く湖沼、美しい山岳風景が特徴

(画像提供:環境省)

磐梯朝日国立公園は、陸域では日本で2番目に大きな国立公園。

山岳信仰の地として名高い出羽三山をはじめ、朝日連峰・飯豊連峰・吾妻連峰・磐梯山・猪苗代湖までと広範囲に及び、自然風景のほか歴史的なスポットも多数あります。

飯豊・朝日連峰は、原生的な自然環境が残るエリア。地蔵岳付近のヒメサユリ、飯豊山頂付近のヒナウスユキソウ、御西岳までの山並みにはイイデリンドウやチングルマなどの美しい花畑があります。

また、吾妻連峰や磐梯山周辺では、火山由来の迫力ある山岳景観や、豊かな水をたたえる湖沼や森林など、変化に富んだ自然風景が楽しめます。

初心者から上級者まで楽しめる登山のほか、自然探勝や温泉、冬季にはスノーアクティビティなどが楽しめます。都市圏からのアクセスも良いので、レジャースポットとしておすすめです。

(画像提供:環境省)

標高1250mと高所にある秘湯「姥湯温泉(うばゆおんせん)」は、荒々しい山肌に囲まれた露天風呂が魅力。新緑や紅葉シーズンの絶景が美しいことはもちろん、吾妻連峰の稜線の登山拠点として利用できます。

■磐梯朝日国立公園
あり(浄土平ビジターセンター、裏磐梯ビジターセンター、月山ビジターセンターほか)
「磐梯朝日国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【福島県・栃木県・群馬県】10.日光国立公園

火山と湖沼や滝、湿原が作る自然美と多彩な文化遺産

(画像提供:環境省)

北関東最高峰となる標高2578mをもつ日光白根山、山岳信仰が根付く男体山、現在も火山活動が活発な茶臼岳(那須岳)をもち、敷地の大半が那須火山帯に属する山岳地である日光国立公園。

麓には高原、その周囲には火山活動に起因する湖沼や壮大な瀑布があり、自然名所を巡るハイキングにおすすめ。紅葉の季節には美しく色づく渓谷もあり、季節ごとに見所が多数あります。

さらに、世界文化遺産にも登録された数々の神社仏閣などの歴史的建造物が多数存在しており、自然景観とのコラボレーションも見られます。

首都圏からは鉄道や自動車でのアクセスが良いので、四季を通じて気軽に大自然や歴史文化などを楽しめます。

(画像提供:環境省)

トレッキング型ツアー「那須平成の森ガイドウォーク」(事前予約制・大人2000円~)では、参加者だけが入れるエリアもあり、季節ごとのテーマに沿った様々な自然体験ができます。

■日光国立公園
あり(日光湯元ビジターセンター、那須高原ビジターセンターほか)
「日光国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【福島県・栃木県・群馬県・新潟県】11.尾瀬国立公園

自然保護運動の原点!様々な生物が集う日本最大の山岳湿地

(画像提供:環境省)

1934年に日光国立公園の一部として始まり、2007年には尾瀬地域を分離独立し、会津駒ヶ岳や田代山、帝釈山などの周辺地域と合わせて、尾瀬国立公園として指定されました。

尾瀬火山群の噴火で誕生した山岳地形を基盤に、日本最大の山岳湿地・尾瀬ヶ原、噴火により只見川源流部がせき止められできた尾瀬沼、これらを取り囲む至仏山などの山々が織りなす美しい風景が見られます。

また福島県、栃木県、群馬県、新潟県にまたがる尾瀬は、関東と東北をつなぐ街道の要として、物資・文化の交流点となってきました。古くから独自の文化が作られてきた地域でもあり、檜枝岐村の農村歌舞伎・檜枝岐歌舞伎もそのひとつ。国の重要有形民俗文化財である「檜枝岐の舞台(ひのえまたのぶたい)」は、鎮守神へ奉納するという形で歌舞伎が上演されるため、神社に向かって建てられた拝殿のような形になっています。

(画像提供:環境省)

本州の東北地方や中部地方に生息しているホンドオコジョは、イタチの仲間。公園内でオコジョを見かけたら、尾瀬のビジターセンターへ申し出をするとオコジョ発見証明書が貰えます。

■尾瀬国立公園
あり(御池登山口<福島県檜枝岐村>、戸倉<群馬県片品村>ほか)
「尾瀬国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【埼玉県・東京都・山梨県・長野県】12.秩父多摩甲斐国立公園

秩父の豊かな森林と清流が作った渓谷美を楽しむ

(画像提供:環境省)

秩父多摩甲斐国立公園は、標高2601mの北奥仙丈岳を最高峰とする奥秩父山塊に加え、両神山や大菩薩嶺などの山々、御嶽昇仙峡などの清流が作り出す渓谷が特徴です。

関東圏の代表的河川の源流部となる奥秩父山塊には、河川の浸食で発達した険しいV字谷の美しい景観が広がっています。

東側の荒川・多摩川流域の大半は堆積岩地帯で、日原や養沢などの鍾乳洞があり、夏にはぴったりのスポットです。また、西側の金峰山を含む地域は、浸食・風化よりできた花崗岩の岩塔がそびえたつ豪快な山岳景観が楽しめます。

その他、西沢渓谷や御嶽昇仙峡などのバラエティ豊かな絶景のほか、公園内の各所でハイキングや登山、キャンプ、釣り、沢登り、渓谷でのラフティングなど、様々なアクティビティで自然に親しむことができます。

(画像提供:環境省)

大正・昭和の文豪・中里介山の未完小説で知られる「大菩薩峠」は、草原と素晴らしい展望が広がる稜線が見事。標高2057mのうち、1600mの登山口まで車で行けるアクセスの良さもポイントです。

■秩父多摩国立公園
あり(御岳ビジターセンター、奥多摩ビジターセンターほか)
「秩父多摩国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【東京都】13.小笠原国立公園

幻想的な海中景観や貴重な地形を持つ亜熱帯の島々

(画像提供:環境省)

日本列島から南へ約1000kmの位置にある、亜熱帯の島々で構成された小笠原国立公園。

小笠原諸島では、海底火山活動で発生した枕状溶岩などの海岸地形、石灰岩の侵食や風化で生まれた大地が海に沈んだ沈水カルスト地形など、世界的にも非常に珍しい地形・地質が見られます。

大陸と陸続きになったことが一度もない海洋島のために独自の進化を遂げ、ここだけの固有動物・植物も数多く生息。その非常に珍しい生態系により2011年6月に世界自然遺産に登録されました。

海域にも海棲ほ乳類のザトウクジラやイルカ、アオウミガメや熱帯魚などの生物が生息しています。まるで絵画のような海中景観は、ダイビングやシュノーケリングで浸ることができます。

(画像提供:環境省)

小笠原国立公園は、2018年に3度目の星空日本一(※)に選出。星の他にも緑に光るキノコ・グリーンペペや固有種オガサワラオオコウモリなど、夜行性生物の観察もできるかもしれません。
※平成30年度 夏の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査/環境省調べ 2018年12月21日発表 

■小笠原国立公園
あり(小笠原ビジターセンター、小笠原世界遺産センターほか)
「小笠原国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【東京都・神奈川県・山梨県・静岡県】14.富士箱根伊豆国立公園

大火山群火山地形と太平洋に浮かぶ島々の多様な景観

(画像提供:環境省)

富士箱根伊豆国立公園には、世界的にも知られる日本一の高さを持つ独立峰・富士山を中心に、様々な火山地形や温泉、変化に富む海岸線や島々など見どころがたくさんあります。

公園内は特徴的な4地域から成り立っています。1つめは富士山と周辺の湖沼や高原を含む富士山地域、2つめは古くから東海道の宿場町・温泉保養地とされてきた箱根地域です。3つめは、なだらかな天城山と海食崖のダイナミックな海岸線、温泉など豊かな地質資源を持ち、ユネスコ世界ジオパーク認定もされた伊豆半島地域。4つめは、現在も火山活動を続ける大島や三宅島など、洋上に点在する七島からなる伊豆諸島地域です。

園内の様々な場所から美しい富士山が眺められる上、首都圏からのアクセスも良いため、四季を通してトレッキングやシュノーケリングなど、アクティビティを楽しみに多くの人が訪れています。

(画像提供:環境省)

静岡県伊東市の南西部にある全長9kmの溶岩岩石海岸「城ケ崎」は見所のひとつ。幾重にも深く入り込んだ岩礁や迫力のある絶壁は、流れ出して固まった溶岩が海の浸食作用によりできたとされています。

■富士箱根伊豆国立公園
あり(箱根ビジターセンター、東京都八丈ビジターセンターなど)
「富士箱根伊豆国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【山梨県・長野県・静岡県】15.南アルプス国立公園

美しい山々で登山に史跡巡り、渓流遊びも楽しめる!

(画像提供:環境省)

南アルプス国立公園は、日本アルプスの最南端にある光岳など、非火山性の山々で成り立つ公園。

夏に降る大量の雨によって河川浸食作用が起きて生まれたV字谷が多く、冬季には積雪が少ないために森林限界(高さ2~3m以上の木が育たずに森林を形成することができない境界線のこと)の標高が高く、稜線付近まで森に覆われています。

公園内には、3000m級の山々が10以上あり、初心者でも登頂できる登山コースもあります。時期・場所により、氷河時代から存在したライチョウのほか、キタダケソウや高山蝶などの動植物が見られることもあります。

甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根ルートには、竹宇・駒ケ岳神社など史跡が多く残っているので、山岳信仰の歴史を体感することができます。また、野呂川など川釣りが楽しめる渓流もあり、さまざまな過ごし方ができます。

(画像提供:環境省)

自然豊かな南アルプスでは、昆虫類も豊富に生息しています。長野県指定の天然記念物であるクモマツマキチョウなどの高山性の珍しいチョウ類にも出会えるかもしれません。

■南アルプス国立公園
あり(南アルプス市営芦安駐車場、南アルプス林道バス利用者駐車場)※一般車両通行止め
「南アルプス国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【群馬県・新潟県・長野県】16.上信越高原国立公園

高原や温泉、名所多数の山岳レクリエーションパーク

(画像提供:環境省)

上信越高原国立公園は、浅間山を最高峰とする2000m級の山岳と、火山性系の地形を持つ高原や湖沼、湿原を中心として、多彩な山岳景観が見られる広大な公園です。

山岳地帯では登山やウインタースポーツ、高原では夏の避暑地として、四万、草津、万座、水上、鹿沢、山田など、火山が育んだ温泉地と合わせて様々な形で自然を楽しむことができます。

公園内では、火山としての形成年代や地形の違いや積雪などの気象条件により、さまざまな植物が見られます。コマクサなどの亜高山帯~高山帯に生育する植物や湿原に咲く美しい花々、湯ノ丸高原のレンゲツツジなどがあり、これらを目当てに訪れるのもおすすめです。

(画像提供:環境省)

公園内、長野県山ノ内町の地獄谷温泉にある「地獄谷野猿公苑」では、ほぼ年間を通じて野生のニホンザルを観察できます。冬に見られる温泉に入るニホンザルはスノーモンキーとして海外でも知られています。

■上信越高原国立公園
あり(浅間山北麓ビジターセンター、高峰高原ビジターセンター、万座しぜん情報館、鹿沢インフォメーションセンター、谷川岳インフォメーションセンターほか)
「上信越高原国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【新潟県・長野県】17.妙高戸隠連山国立公園

大パノラマの高原や湖、山歩きの魅力が詰まった公園

(画像提供:環境省)

新潟県と長野県の県境、糸魚川市・妙高市・長野市・小谷村・信濃町・飯綱町の2県6市町村にまたがる妙高戸隠連山国立公園。

敷地面積は他の国立公園と比べて小さいものの、妙高山・火打山・雨飾山・高妻山と日本百名山が密集しています。また、山々の裾野にある高原と湖沼が一体となった開放的な景観を持つ野尻湖、日本列島の成り立ちを示す貴重な地質や特徴的な地形が見られる糸魚川ジオパークも大きな魅力。山、高原、湖のアクティビティなどさまざまな楽しみ方ができる国立公園です。

公園地域は豪雪地域としても知られており、雪国ならではの厳しい自然環境から生まれた文化のほか、鳥居や石仏などの山岳信仰を随所で見ることができます。

(画像提供:環境省)

周囲500mほどの小さな「いもり池」は、100種を超える野鳥や昆虫など、たくさんの生物が生きています。山岳信仰の霊山として崇められた雄大な妙高山を美しい水鏡にも見ることがきます。

■妙高戸隠連山国立公園
あり(妙高高原ビジターセンター、八十二森のまなびや~ecology bank 82 戸隠森林館~ほか)
「妙高戸隠連山国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【新潟県・富山県・長野県・岐阜県】18.中部山岳国立公園

立山を代表する山並みと渓谷、花畑や雪渓などの山岳景

(画像提供:環境省)

1934年に誕生した日本最初の国立公園の一つで、北アルプス一帯を占める山岳公園です。

公園内には、標高3000m級の山々と大規模に切り立つ岩壁、深く険しい渓谷、高山帯の花畑、夏まで残る雪渓や氷河が削ったU字谷など観光名所が多数あります。

現在も火山活動を続ける焼岳は、かつての噴火で梓川をせき止め、日本屈指の山岳景勝地・上高地に大正池を生み出しました。また、立山の室堂平にある地獄谷や火口湖群、弥陀ヶ原などの溶岩台地はトレッキングにおすすめです。

(画像提供:環境省)

大正池は、上高地を代表する景観のひとつ。大正池から青く澄んだ水面を眺めながら、河童橋までのハイキングがおすすめです。穂高連峰の山々と、標高2455mの「焼岳」を眺めながら歩くことができます。

日本において、山は信仰の対象とされており、江戸期には立山が日本三霊山の一つと呼ばれ、多くの登拝者が訪れました。明治時代には、イギリス人技術者ウィリアム.ガウランドにより、同公園を含む山岳地一帯に「日本アルプス(Japanese Alps)」の名がついたそうです。

■中部山岳国立公園
あり(上高地ビジターセンター、欅平ビジターセンターほか)
「中部山岳国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

【富山県・石川県・福井県・岐阜県】19.白山国立公園

絶景と高山植物を見ながら登山ができる自然公園

(画像提供:環境省)

白山国立公園は、最高峰2702mの御前峰、大汝峰、剣ヶ峰で構成された「白山三峰」を中心として、周囲の山々を含む南北40kmと東西30kmの広さを持つ公園。

白山は、山頂部に純白の雪が積もった印象から“越の白嶺”と呼ばれ、古くから愛されてきました。信仰の山としても知られ、かつて修行道だった禅定道という登山ルートが残っています。なかでも石川県白山市からの砂防新道は、登山初心者でも歩きやすいコースです。

山麓にはブナなどの自然林が広がり、標高2000m前後から、白山の名を冠したハクサンコザクラやハクサンフウロ、クロユリなどの高山植物が見られます。標高をはじめとして地形や雪解けの違いから多様な環境があり、約250種もの高山植物が生育しています。
その他、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、イヌワシなどの大型野生鳥獣も生息しており、それら自然性の高さからユネスコエコパーク※に登録されています。

※ユネスコエコパークとは、豊かな生態系を持ち、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域のこと

(画像提供:環境省)

標高2300mあたりになだらかな平坦地が広がる「弥陀ヶ原」は、約3~4万年前から始まった新白山火山の活動により形成された溶岩地形で、季節ごとに様々な高山植物が見られます。

■白山国立公園
あり(市ノ瀬ビジターセンター、桂湖ビジターセンターほか)
「白山国立公園」の詳細はこちら

(画像提供:環境省)

メディアハウスクリエーション  メディアハウスクリエーション

東京・神楽坂にある制作会社で、各種エンタメ誌からブライダル、進学など幅広い制作実績あり。個性豊かなメンバーたちがとっておきの旅情報やトレンドを発信します!

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード