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2024.08.05

もみじの種類と見分け方を紹介!楓との違いや花言葉、おすすめの紅葉狩りスポットも

秋を代表する風景の紅葉。もみじ(紅葉)とカエデ(楓)の違い、知っていますか?紅葉狩りに行って木々の葉っぱをよく見てみたら、色も形も全然違っていて、「真っ赤な紅葉ってどこで見られるの?」「黄色く色づくアレはなんていう木?」などふと気になる人もいるのではないでしょうか。

今回はそんな紅葉にまつわる疑問や、花言葉などの豆知識、樹木の種類や見分け方も写真付きで紹介します。教えていただいたのは「株式会社もみじかえで研究所」代表の本間篤史さんです。

本間さんは、岐阜県多治見市を拠点にもみじの葉の成分や機能性の研究をしている、まさに紅葉の専門家。違いを知って、種類を見分けられるようになったら、紅葉狩りがますます楽しくなりそうですね。

「もみじ」と「カエデ」の違いとは?

(画像提供:PIXTA)
「もみじ」は、紅葉する樹木全般を指す総称(画像提供:PIXTA)

長年もみじの研究をしている「株式会社もみじかえで研究所」代表の本間篤史さんに、教えていただきました。

“紅葉”(こうよう)と聞いて一般的に思い浮かぶのは「もみじ」と「カエデ」。「もみじ」は、秋から冬にかけて葉の色が変化する樹木全般を指す総称で、それらの樹木は基本的にムクロジ科カエデ属に分類されます。
 
つまり、植物学的に見ると、もみじはカエデの一種で、一般的に同じもののことを指しているのです。日本の紅葉を代表する「もみじ」ですが、意外なことにモミジ属というのは存在しないのです。

「もみじ」という名称は日本独特のもので、その語源は古代の人々が草木の葉が赤や黄色に変わる様子を「もみづ」という動詞が用いられ、それが転じて「もみじ」と呼ぶようになったと言われています。

「カエデ」の名前の由来は、葉の形がカエルの手に似ていることから「カエルデ」と呼ばれ、略してカエデと言われるようになったとのこと。なお、英語でカエデは「maple」、イロハモミジは「Japanese maple」と訳されます。季節の変化や自然の中に生きる生き物の様子から名付ける、そんなところに日本の風情を感じますね。

「もみじ」の花言葉とは?

秋に黄色からオレンジ、赤など美しい色に染まるもみじ。葉のイメージが強いですが、実は春には新緑の上に可愛らしい花を咲かせます。そんなもみじには、いくつかの花言葉があります。 

代表する花言葉として知られているのは「大切な思い出」と「美しい変化」。秋の深まりとともに色鮮やかに染まるもみじと、記憶に刻まれる美しい景色が由来となっているようです。

また「節制」「遠慮」「自制」も、もみじの花言葉。先に紹介した2つの花言葉とはイメージが異なりますが、彩り豊かな秋の紅葉は存在感が大きいけれど、新緑の時期は控えめで目立たない存在ということからきている花言葉のようです。

ここからは、日本の紅葉で見ることのできる代表的な5種類の木々を紹介します。

イロハモミジ

日本の秋の風景、紅葉の象徴的な存在

(画像提供:PIXTA)
赤、橙、黄の紅葉の色の違いを楽しめる(画像提供:PIXTA)

日本国内で最も目にすることが多く、もみじの代名詞的な存在といえるのが「イロハモミジ」です。

オオモミジから進化したと言われているイロハモミジは、葉が3~7裂ほどに裂けて分かれており(分かれている1つ1つの部分を「裂片」と言います)、名前の由来はこの葉の裂片を「いろはにほへと」と数えたことからと言われています。

葉の形がオオモミジの一種であるヤマモミジとよく似ていて、見分け方は葉の縁にあるギザギザの形が違います。また葉の直径が5cmほどと小さいのも特徴です。

オオモミジ

葉が広く大きいため、別名「ヒロハモミジ」とも呼ばれる

(画像提供:PIXTA)
葉が大きく分厚いく、高冷地に生息するため、紅葉の色が鮮やか(画像提供:PIXTA)

太平洋側の比較的標高が高いところに自生。イロハモミジやヤマモミジより葉が大きく、直径は10cmほどで、5~9裂ほどに分かれていて、葉の縁のギザギザはイロハモミジやヤマモミジと違って細かく並んでいます。

裂片が楕円形で、その幅がイロハモミジより広いことから別名「ヒロハモミジ(広葉モミジ)」とも呼ばれています。

色づきの美しさが特徴の「ヤマモミジ」は、このオオモミジの一種で、遺伝子的には同じものと考えられます。

サトウカエデ

メープルシロップが名前の由来!カナダの国旗としても有名

(画像提供:PIXTA)
他のカエデと比較して早く紅葉が始まる。葉と葉脈の色のバランスが美しい(画像提供:PIXTA)

カナダ南部とアメリカ北部の北アメリカを原産地とする落葉広葉樹。「サトウカエデ」は漢字にすると「砂糖楓」。つまり、樹液からメープルシロップが採取できることが名前の由来となっています。カナダの国旗としてもおなじみの葉でもあります。

葉の直径は7~15cmとかなりビッグサイズ。また春には枝先に黄緑色の小花をたくさん咲かせます。

イタヤカエデ

葉が落ちる直前に美しい黄色に変化する

(画像提供:PIXTA)
アントシアニンという天然色素を作る機構がないため、黄色に変わる(画像提供:PIXTA)

日本国内では北海道や青森、山形や秋田などの寒冷地に自生する落葉高木。北海道ではエゾイタヤと呼ばれるイタヤカエデの亜種も生息しています。

種類が多いイタヤカエデは、葉の直径は5~10cmで、縁がギザギザなものから裂片の切れが深いタイプまでさまざま。秋も緑色を保ち、落葉直前に黄色くなるのが特徴です。

ノムラモミジ

春と秋の2度、紅葉を楽しむことができ園芸用としても人気

(画像提供:PIXTA)
秋だけではなく、春紅葉もとても美しい(画像提供:PIXTA)

オオモミジの園芸品種とも言われ、江戸時代から庭木として使用されてきた「ノムラモミジ」。春先から秋まで紫がかった赤色の葉をつけることから「濃紫=ノムラ」という名称がついたそうです。

葉は大きく切れ込みが深いのも特徴。樹高が4~5mと低めなので、庭を彩る木として植える人も多い木です。

今年の秋は少し視点を変えて紅葉狩りを楽しみませんか?

“紅葉”とひと言でいっても、沢山の種類があり、それぞれ特徴が異なっていて、とても奥深いものです。

好きな種類の木々を目指して紅葉狩りに行ったり、種類や違いを意識するだけで、今までよりも深く紅葉を楽しみ美しさを堪能できるのではないでしょうか。 

この秋は、いろんな紅葉スポットに出かけてみてくださいね。

【監修者:本間篤史プロフィール】
株式会社もみじかえで研究所代表。東京海洋大学大学院博士後期課程修了。

当時、抗メタボ素材の探索研究をしている時代に、窓外にもみじの木があり、その葉を持ち帰って研究に用いたところ、偶然に効果を発見したことがもみじにはまるきっかけ。

その他のカエデ属植物にも面白い研究結果と様々な成分を発見し、水産大学にてカエデの沼にはまる。そこからカエデ属植物の生態や分類に興味を持ちはじめ、今に至る。

2011年、株式会社もみじかえで研究所を設立。岐阜県多治見市を拠点に、もみじの葉の健康・美容への応用や成分を研究。もみじの機能性を活かしたお茶やサイダーなど、もみじ関連の商品を開発・販売。
株式会社もみじかえで研究所オフィシャルサイト 

※この記事は2024年8月5日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性がありますので、事前に公式ホームページなどで最新の情報をご確認ください。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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