栃木県佐野市にある関東三大師の一つ「佐野厄よけ大師」は、新年の厄よけ・方位よけを求めて、人々がこぞって訪れる名所です。“春日岡(かすがおか)”とも呼ばれ、正式な名前は「春日岡山転法輪院惣宗官寺(かすがおかさんてんぽうりんいんそうしゅうかんじ)」。現在は通称の「佐野厄よけ大師」で有名になっています。その周辺にある佐野のご当地グルメや名物土産、イルミネーションイベント情報もあわせてご紹介しますので、2023年の旅にいかがでしょうか?
佐野厄よけ大師とは
栃木県にある初詣スポット

944(天慶7)年、奈良の僧・ 宥尊(ゆうそん)上人が開いたお寺で、厄よけ元三慈恵大師を安置。古くより、厄よけ・方位よけの祈願を行っています。お正月の元旦から1月31日までは「新春 厄よけ、方位よけ祈願大祭」を実施(※大祭後も祈願を実施)。この大祭にはなんと、約30万人以上の参拝客が訪れる一大イベントです。
「春日岡山転法輪院惣宗官寺」の歴史は古く、平安時代中期の武将・藤原秀郷が佐野春日岡(現在の城山公園)の地に、春日明神の社殿とともに創建したと伝わります。以降、藤原一門の信仰で厚く栄えたそうですが、残念なことに次第に衰退。鎌倉時代に入り、藤原一族及び、北条一門の有志とはかり、第九代執権北条貞時をさとして、1297(永仁5)年に復興完成。創建当初は南都六宗の法相宗に属していましたが、復興以後、伝教大師を宗祖と仰ぐ天台宗となりました。1602(慶長7)年に、寺を現在地に移転。江戸時代には三代将軍徳川家光も参拝するなど、徳川幕府との縁故も深いそうです。
佐野厄よけ大師へのアクセス
電車:JR佐野駅より徒歩15分、東武佐野市駅より徒歩10分
車:東北道佐野藤岡IC、佐野SAスマートICより各10分、北関東道佐野田沼ICより10分
※正月の大祭中は混雑するので、電車の利用を推奨
厄よけをしてもらおう
厄よけの申し込み・予約方法
公式HPにその年の厄年と方位よけに当てはまる生まれが掲載されているので、チェックをしましょう。生年月日と性別を入れると自動計算ができるようになっているのも嬉しいですね。
厄年は、人間90年として考えた時に、男性4回、女性5回、一生の内に「からだが大きく変化する時期」といわれています。前厄、本厄、後厄と3年間続くのは、人間のからだも早く変化する人、遅く変化する人がいるためです。しかし、それでも3年間(約千日)の間にほとんどの人が変化し終わるといわれています。
方位よけとは、九星気学の占術(※)による「運勢の弱い1年間」といわれています。方位よけの年は坂道を下るようなものなので、からだは楽といわれています。楽だから真剣に歩かず、あちこちに寄り道をしたがり、色々なことに手を出す。1年たってみると身にならないことの多い年、「出費」がかさんでしまうことを意味するそうです。逆に方位よけに当たらない年は、坂道を登っている分、からだに負担がかかりやすく、時間的に余裕もなく、ひたすら坂道を登る。だけど、過ぎてみれば、実の多い年になるといわれています。
※九星気学:生れた年月日の九星と干支、五行を組み合わせた占術。九星とは、生まれ年により、一白、二黒、三碧、四緑、五黄、六白、七赤、八白、九紫と1~9の星が決まる。
【受付時間】※例年
[12月31日・1月1日]8時30分~夜通し(最終受付19時)
[1月2日・3日]6時~最終受付18時
[1月4日~31日]8時~最終受付17時
[2月1日~12月30日]8時20分~最終受付16時40分
【料金】
[厄よけの祈願]3000円、5000円、1万円、3万円
[方位除災の祈願]5000円、1万円、3万円
厄よけの流れ
1.事前予約は不要。当日、直接本堂正面にて申し込みましょう。申し込み用紙には、住所、氏名、生年月日、祈願の種類などを記入し、ご祈願料と一緒に納めます。
2.受付後は、そのまま靴を脱いで本堂に入ります。混雑状況により、数十人または数百人が一つの組となり、本堂の座敷でご祈祷の儀式が行われます。
3.約40~50分間のご祈祷を受けた後は、お護摩の火を受け、祈願が終了。お札をいただいて、大切に持ち帰りましょう。
境内には佐野東照宮と水子地蔵尊も

ほかにも、境内には徳川家康縁の「東照宮社殿」があります。徳川家康の遺骨を静岡県・久能山から日光遷座の途中、1617(元和3)年3月28日にこちらのお寺で一泊したことにより、諸大名の寄進によって「東照権現」本殿などの造営が行われました。江戸時代中期を代表する華麗で精微な技巧によって完成したもので、1982(昭和57)年には、県指定の重要文化財にも選ばれています。

また「水子地蔵尊」は、この世に生まれることができなかった幼子のために供養をします。供養することで、この功徳福分(くどくふくぶん※1)が回向(えこう※2)して、その善根をほどこした現在の家族が大きな功徳を受け、円満な生活ができると考えられ、しかもその福分は7分の1が亡くなった人が受け、7分の6が施主である家族が受けるともいわれています。
※1 功徳:神仏の果報をうけられるような善行 福分:世間的幸福を受けるもとになる五戒・十善の行法
※2 自分が積んだ善根の功徳を、自分のためではなく、他の人のために回して向けること
おまもり・絵馬・おみくじは自動販売機で購入できます

ユニークなのが、お守りやおみくじ、絵馬などを、こちらでは自動販売機(特別お守りは除く)で授けていただけます。






お守りは「厄よけ守(大)」、「厄よけ守(小)」、「方位除災守」、「身体安全厄よけ守」などさまざまなものがあります。中でも、裏面に接着テープが付いた「魔除け札」は、家の南か東の外壁面に貼りつけておくと良いそうです。また、名前と生年月日を刻字してもらえる「特別お守り」(7100円)は、約1カ月間の制作期間がかかりますが、世界に一つだけのお守りになりますので、こちらもチェックしてください。
佐野厄よけ大師とあわせて訪れたい周辺スポット
らーめん大金

幼い頃から佐野の名店「おぐら屋」の味で育った店主が、慣れ親しんだ佐野らーめんが忘れられず、脱サラをして老舗の味を継承。老若男女、幅広い年齢層の人に愛されるように、店内はすべてバリアフリーになっています。

おすすめは「チャーシューメン」(800円)。自家製の中太縮れ麺はモチモチ食感で、鶏ガラと国産野菜から出汁をとる透き通ったスープとの相性も抜群。麺を覆い尽くす豚バラ肉のチャーシューももちろん自家製で、口の中でほろりと崩れる柔らかさです。

さらに、豚挽肉に国産キャベツとニラがぎっしり入った大ぶりの餃子(5個450円)も人気。野菜の甘みが際立ち、お酢とラー油、こしょうをあわせたタレとよく合います。餃子はテイクアウト(冷凍or焼き)も可能なので、お土産に持って帰るのもいいですね。
0283-23-1989
栃木県佐野市大橋町3229-7
11時30分~14時45分、17時~19時
月(祝日の場合は営業、振替え休みあり)
【電車】東武佐野市駅より徒歩15分、またはJR・東武佐野駅より徒歩30分
「らーめん大金」の詳細はこちら
いもフライの店 江原商店

「佐野らーめん」と並ぶ、佐野名物の一つがこちらの「いもフライ」(1本100円)。蒸したジャガイモを一口サイズにカットして串に刺し、衣を付けて揚げてからソースをつけたシンプルなもの。昔懐かしい味が楽しめます。

数あるいもフライ店の中でも、老舗のこちらは、TVや新聞、雑誌でもお馴染みの名店です。キメ細かい特製の衣を使っており、カリッとした衣の歯触りと、じゃがいものホクホク食感がマッチしています。このシンプルな美味しさをぜひ試してくださいね♪
0283-23-7007
栃木県佐野市高萩町561-10
10時~16時
日・水
【電車】東武佐野市駅より徒歩25分
道の駅どまんなかたぬま

農産物直売所では、地元産の新鮮な野菜やブランド米、バラエティに富んだこだわりの特産品を販売しています。さらに全国のご当地フェアなども多数開催して、食文化向上に貢献されているそう。

人気のお土産は、「味噌まんじゅう新井屋」の味噌まんじゅう(1個118円)!なんと1日5000個が売れるといい、佐野市が認定した「佐野ブランド」のお土産です。小判型の味噌まんじゅうで、黒糖入りの生地はふかっとした軽い食感。味噌の味わいは控えめですが、風味が利いています。ほか、道の駅内には本格中華料理店や、和洋食レストラン、食パン特化型ベーカリー、ジェラートショップなどもあるので、食事やおやつに利用するのもいいですね。
0283-61-0077
栃木県佐野市吉水町366-2
9時30分~18時(2022年10月21日現在時短営業中)、ほか施設により異なる
水、1月1日・2日
【電車】東武吉水駅より徒歩10分
「道の駅どまんなかたぬま」の詳細はこちら
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さのまるの家

こちらのお店は、佐野ブランドキャラクター「さのまる」のグッズ販売と、佐野市の情報発信の地、そして「さのまる」ファンの憩いの場として使われています。ちなみに「さのまる」は、佐野らーめんのお椀の笠に、いもフライの剣を持った佐野の城下町に住む侍のことで、かわいらしい容姿が愛されています。

人気の商品は、いろんな表情をした「さのまる」がデザインされているタオル(620円)。カラーが9種類あり、肌触りもよく、フェイスタオルの大きさなので使いやすいと評判です。日常使いはもちろん、お土産にもぴったりですね。

2023年カレンダー(980円)は、毎月さのまるのデザインが異なり、めくるのが楽しみな一品。また、佐野市の観光スポットも紹介しているので、旅の参考にも使えます。
0283-20-3055
栃木県佐野市高砂町2790 野口ビル1階
10時~17時
毎月1回、臨時休みあり
【電車】JR佐野駅、または東武佐野駅より徒歩5分
「さのまるの家」の詳細はこちら
佐野市観光物産会館

「佐野厄よけ大師」入口正面にある物産館。佐野市の物産品の販売や、挽きたてのコーヒーを飲みながらくつろげるカフェスペースがあり、佐野市観光の拠点になっています。物産品は、お土産用佐野らーめん、お菓子、地酒、天明鋳物・桐製品などの伝統工芸品、さのまるグッズ、地元で採れた新鮮野菜など、幅広いラインナップ。

中でもおすすめはやっぱり名物の「佐野らーめん」(540円~)!佐野市内で製造されたお土産麺を豊富に取り揃えています。

また1月頃~3月頃は、佐野市で採れた新鮮ないちごの「とちおとめ」「スカリベリー」「とちあいか」が店頭に並び、甘酸っぱい旬の味わいを自宅で満喫できます♪
0283-21-5111
栃木県佐野市金井上町2519
9時~18時
なし
【電車】JR佐野駅、または東武佐野市駅より徒歩18分
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あしかがフラワーパーク

四季折々、数多くの花々で彩られるフラワーパークです。園のシンボルは大藤(例年4月下旬~5月上旬)、ほか初夏のバラや夏の花菖蒲、紫陽花、秋のアメジストセージなどの花が迎えてくれます。



さらに、2023年2月14日(火)まではイルミネーションイベント「光の花の庭」を開催中。11月下旬~12月下旬のテーマは「クリスマスファンタジー」、元旦~期間終了には「光と冬咲きボタンの競演」と、何度来ても楽しめます。ほか、4色の藤をイメージした“光のふじのはな物語”、水辺に輝く2000輪の“光の睡蓮”など、イルミネーションの種類はさまざま。冬の夜をロマンチックに輝かせてくれます。
0284-91-4939
栃木県足利市迫間町607
2023年2月14日(火)まで:【平日】昼の部11時~15時、夜の部15時30分~20時30分【土日祝】昼の部11時~15時、夜の部15時30分~21時※最終チケット販売は各閉園30分前迄/通常期10時~17時※季節や花の咲き具合により変動あり、詳細は公式HPへ
12月31日、2月第3水・木※機器点検など臨時休園あり
入園料:【昼の部】中学生以上800円、4歳~小学生400円【夜の部】中学生以上1200円、4歳~小学生600円※花の咲き具合により料金変動あり、詳細は公式HPへ
【電車】JRあしかがフラワーパーク駅より徒歩3分
「あしかがフラワーパーク」の詳細はこちら
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まとめ
「佐野厄よけ大師」をお参りした後は、紹介している佐野のご当地グルメやお土産探し、観光スポットを参考に、より一層楽しいお出かけにしてくださいね。特に厄年や方位よけにあたる年の人は、新年に行くことをおすすめします♪
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※この記事は2022年11月18日時点での情報です。
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じゃらん編集部
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