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2023.02.28

都内の美しい「日本庭園」6選。枯山水や池泉庭で季節を感じよう【東京】

日本の伝統的な庭園「日本庭園」。自然の風景を表現していて、四季折々の見どころがたくさん。また、東京都内には有名な日本庭園が多くあり、都会の真ん中でゆったりとした時間を過ごせます。心がホッと落ちつく場所を見つけに行きませんか?

※この記事は2023年2月17日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

日本庭園の特徴とは?

日本の伝統的な庭園の様式

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
六義園(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
六義園(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

日本庭園は日本の伝統的な技法で造られた庭園のことで、池や石、草木などを配置して自然の景色を象徴的に再現しています。これを「見立て」といい、さざ波が立つ海の景色や穏やかな山の景色などを表現しています。

池泉庭園、枯山水、露地など主に3つの様式がある

日本庭園は大きく分けて「池泉庭園(ちせんていえん)」「枯山水(かれさんすい)」「露地(ろじ)」の3つの様式に分類することができます。

1. 池泉庭園

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
清澄庭園(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

「池泉庭園」は池を中心に作られた庭園で、日本にある庭園の多くがこの池泉庭園です。池は海や極楽浄土を表しています。

日本庭園が造られ始めた平安時代には、ほとんどが舟を浮かべて庭園を楽しむ「池泉舟遊式」でした。その後、書院などから池をながめる「池泉鑑賞式」、中心に池を設けて園内を歩きながら楽しむ「池泉回遊式」へと変化していきました。

2. 枯山水

(画像提供:写真AC)
枯山水イメージ(画像提供:写真AC)

見立てを使った様式として、石と木と砂のみを使った「枯山水」があります。

閑寂の中に豊かさを見出そうとする“わびさび文化”の影響を受けていて、石や砂を使用して波や水流を再現し、水のある風景を表現しています。

3. 露地

(画像提供:写真AC)
露地イメージ(画像提供:写真AC)

「露地」は茶庭とも呼ばれる茶室にある庭のことで、飛び石や灯篭が付いているのが特徴。飛石は山を表現しており、訪れた客が茶室に到達するまでにいくつもの峠を越えていくという意味が込められているといわれます。

次からは、都内の有名な日本庭園を6つご紹介します。

浜離宮恩賜庭園【中央区】

潮入の池と三百年の松

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

[庭園の様式]池泉庭園

浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)は都内唯一の海水を引き入れた「潮入の池」が特徴の庭園。江戸時代に創設され、明治維新後は皇室の離宮となり、整備ののちに昭和21(1946)年に一般公開されるようになりました。

「三百年の松」は六代将軍、徳川家宣が庭園を大改修したとき、その偉業をたたえて植えられたといわれるクロマツ。高さ12mにもなり、まるで幹のような立派な枝が四方に伸びている姿は圧巻です。

「お伝い橋」を渡って向かう池の中心には、「中島の御茶屋」があります。ビルや木が池に映る風景を楽しめる露台があり、季節の和菓子と抹茶を味わえます。

例年お正月には鷹狩の技である“放鷹術(ほうようじゅつ)”の実演が行われます。鷹匠(たかじょう)の手から鷹を飛び移らせたり、疑似餌を鷹に捕らせたりする姿は迫力満点です。

■浜離宮恩賜庭園
[TEL]03-3541-0200
[住所]東京都中央区浜離宮庭園1-1
[営業時間]9時~17時(入園は16時30分まで)
[定休日]年末年始(12月29日~1月1日)
[料金]中学生以上300円、65歳以上150円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料
[アクセス]【電車】大手門口:都営地下鉄築地市場駅、汐留駅、ゆりかもめ汐留駅より徒歩7分、中の御門口:都営地下鉄汐留駅より徒歩5分【車】首都高速道路汐留出入口ICよりすぐ
[駐車場]なし
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清澄庭園【江東区】

日本全国の名石が趣深く並ぶ

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

[庭園の様式]池泉庭園

清澄庭園(きよすみていえん)は中心にある大きな池の周囲に、日本全国の名石が並べられた回遊式庭園です。

三菱財閥の創設者である岩崎彌太郎氏が荒廃していた土地を買取り、明治13(1880)年に完成させました。 岩崎彌太郎氏は石好きとして知られていて、園内には様々な色や形、質感の石が並べられています。

「磯渡り」は池の端に置かれている飛び石で、歩くたびに景観が変わるように石が配置されています。美しい景色に見とれて池に落ちないように注意してください。

池に突き出るようにして建てられている数寄屋造りの建物が「涼亭(りょうてい)」です。東京都選定歴史的建造物に指定されていて、涼亭から池を見るとまるで水に浮いているような感覚を味わえる絶景スポットです。現在は集会施設として利用されていて、入るには事前予約が必要となります。

そのほか見逃せないのが花菖蒲(はなしょうぶ)。例年6月初旬頃には水辺に咲く色とりどりの江戸花菖蒲が見ごろを迎えます。

■清澄庭園
[TEL]03-3641-5892
[住所]東京都江東区清澄3-3-9
[営業時間]9時~17時(入園は16時30分まで)
[定休日]年末年始(12月29日~1月1日)
[料金]中学生以上150円、65歳以上70円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料
[アクセス]都営地下鉄・東京メトロ清澄白河駅より徒歩3分
[駐車場]なし
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旧芝離宮恩賜庭園【港区】

石組の見立てが美しい

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

[庭園の様式]池泉庭園

JR浜松町駅から北口から徒歩1分の好立地にあり、池を中心とした伝統的な日本庭園と都心のビル群の対比が美しい庭園です。

元禄時代に老中だった大久保忠朝によって造られた庭園「楽壽園」が始まりで、大正13(1924)年に「旧芝離宮恩賜庭園」として一般公開されました。

旧芝離宮恩賜庭園(きゅうしばりきゅうおんしていえん)には、様々な石組が配置されています。石組とは日本庭園で良く見られる、石や岩を組んで、自然の風景や不老不死を表現するために造った構築物のことです。

中でも水を使わずに滝を表現した「枯滝(かれたき)」は、静けさの中に流れ落ちる滝の姿を思い起こさせます。また、「雪見灯籠」も見どころの一つ。「雪見灯籠」とは、池などを照らすための背の低い灯篭のこと。対岸には築山や都心のビル群があり、園内随一の景観スポットです。

■旧芝離宮恩賜庭園
[TEL]03-3434-4029
[住所]東京都港区海岸1-4-1
[営業時間]9時~17時(入園は16時30分まで)
[定休日]年末年始(12月29日~1月1日)
[料金]中学生以上150円、65歳以上70円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料
[アクセス]JR浜松町駅より徒歩1分、都営地下鉄大門駅より徒歩3分、ゆりかもめ竹芝駅より徒歩10分
[駐車場]なし
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ホテルニューオータニ【千代田区】

400年以上の歴史ある日本庭園

ホテルニューオータニ
ホテルニューオータニ

[庭園の様式]池泉庭園、枯山水、露地

閑静な雰囲気の紀尾井町にあるのが、敷地面積約1万坪のホテルニューオータニの日本庭園。その歴史は江戸時代の武将、加藤清正の下屋敷からはじまり、400年以上にもなります。

庭園の入り口近くにある「大滝」は高さが6mもあり、都心とは思えない迫力ある滝の音が響きます。

また、見どころの一つである「枯山水」は、波の様に線が引かれた白い砂利が特徴。所々に佐渡島の金山から運ばれた庭石、「佐渡の赤玉石(あかだまいし)」が置かれていて、静寂の中に力強さを感じます。

他にも茶室の「和楽庵(わらくあん)」や朱色が美しい「太鼓橋」、江戸時代の灯篭など細部までこだわり抜かれた景観が魅力の庭園です。

日が落ちると風情のあるライティングで彩られ、昼間とはまた違った雰囲気を感じられます。

■ホテルニューオータニ
[TEL]03-3265-1111
[住所]東京都千代田区紀尾井町4-1
[営業時間]6時~22時
[定休日]なし
[料金]入園無料
[アクセス]【電車】東京メトロ赤坂見附駅より徒歩3分【車】首都高速都心環状線 霞ヶ関ランプより10分
[駐車場]760台(30分500円)
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小石川後楽園【文京区】

日本と中国の名勝を再現

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

[庭園の様式]池泉庭園

「小石川後楽園」は、水戸徳川家の初代藩主である徳川頼房が寛永6(1629)年に造りはじめ、2代目の徳川光圀の代で完成。徳川光圀は明の儒学者である朱舜水の意見を取り入れ、中国の教えから後楽園と名付けました。

中国の景勝地や様式が色濃く取り入れられているのが「小石川後楽園」の特徴です。敷地内は海、山、川、田園の4つのテーマに分かれていて、場所ごとに趣が変わります。

池の中心にある「蓬莱島(ほうらいじま)」は不老不死の仙人が住んでいるといわれている島を再現しています。

「涵徳亭(かんとくてい」)は庭園の入り口近くにあるお茶屋さん。桜や紅葉などを眺めながら和定食や抹茶、ぜんざいなどが楽しめます。散策に疲れたらこちらでゆっくりしてみてはいかがでしょうか。

■小石川後楽園
[TEL]03-3811-3015
[住所]東京都文京区後楽1-6-6
[営業時間]9時~17時(入園は16時30分まで)
[定休日]年末年始(12月29日~1月1日)
[料金]中学生以上300円、65歳以上150円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料
[アクセス]【電車】東門まで:JR・都営地下鉄水道橋駅より徒歩5分、西門まで:JR・東京メトロ飯田橋駅より徒歩8分【車】首都高速一ツ橋出入口ICより8分
[駐車場]なし
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六義園【文京区】

和歌の聖地、和歌の浦を再現

(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)
(画像提供:公益財団法人東京都公園協会)

[庭園の様式]池泉庭園

元禄8(1695)年より、五代将軍・徳川綱吉の側近であった柳澤吉保が7年かけて造った庭園「六義園(りくぎえん)」。和歌の世界を再現している庭園で、中国の詩の分類「六義」から名付けられました。

園内は中央にある池を木々が囲むように造られている池泉庭園で、和歌に詠まれた景勝地が八十八境として映し出されています。特に和歌の聖地であった和歌浦周辺(和歌山県)の名所を表現する造りになっています。

園内全体を見渡すことができる絶景ポイントが、標高35mの築山である「藤代峠」。特に毎年4月末頃には約30種類1000株のツツジが見ごろを迎え、満開の花々に囲まれながら石段を登れます。

例年、桜と紅葉の季節には開園時間が延長され、ライトアップが行われます。夜の六義園で幻想的な時間を楽しんでみてくださいね。

■六義園
[TEL]03-3941-2222
[住所]東京都文京区本駒込6-16−3
[営業時間]9時~17時(入園は16時30分まで)
[定休日]年末年始(12月29日~1月1日)
[料金]中学生以上300円、65歳以上150円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料
[アクセス]JR・東京メトロ駒込駅より徒歩7分
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まとめ

東京都内には由緒ある風光明媚な日本庭園が数多く残されています。どれも丁寧に管理されていて、桜や紅葉など季節ごとに違った姿を見せてくれます。見立てられた自然の景色を感じてみてくださいね。

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。

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