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2023.06.24

【全国】江戸情緒を感じる宿場町12選!レトロな街並みでノスタルジックさんぽ

徳川家康が制定した「宿駅伝馬(しゅくえきてんま)の制」により、江戸と各地を結ぶ街道が整備されるとともに発展してきた宿場町。江戸時代には、参勤交代で多くの大名が行き交うだけではなく、商品流通や参拝などの往来が活発になり、多くの商人や旅人の宿泊地、休憩地として賑わってきました。

今もなおその街並みが残された宿場町には、ノスタルジックな雰囲気に癒やされると多くの観光客が訪れます。

今回はそんな宿場町の中から街並みさんぽにぴったりな場所を厳選して紹介。タイムスリップしたかのような懐かしい風景やご当地グルメに出会いに行きませんか。

※この記事は2023年6月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

宿場町とは?

街道の拠点となった町

下野街道・大内宿
下野街道・大内宿

平安時代末期から「宿(しゅく)」、「宿駅(しゅくえき)」と呼ばれ、街道の拠点となってきた宿場町ですが、大きく発展したのは江戸時代です。経済も文化も成熟し、旅籠などの宿泊施設と、物資の流通を担う問屋、商家などが軒を連ねて賑わいました。

今もその面影を残す宿場町には、古い建物や大名などが宿泊した重厚な本陣跡などがあり、江戸時代に思いを馳せながら、情緒ある街並みをゆったりさんぽできます。

江戸時代に確立した「五街道」

中山道・妻籠宿
中山道・妻籠宿

関ケ原の戦いで天下統一を果たした徳川家康は、政治支配力を強めるために江戸を中心とする道路整備を強化。2代将軍秀忠によって、日本橋を起点とする基幹街道「東海道」「中山道」「甲州街道」「日光街道」「奥州街道」が定められ、要所に関所を設置しました。一里(約4km)ごとに一里塚を築いて、街道沿いに並木を植えることも命じています。

多くの一里塚や街道並木は、昭和時代の道路拡張などで失われましたが、古い街並みを残す宿場町では、美しい杉や松の並木、本陣跡や商家跡などに往時を偲ぶことができます。

ここからはノスタルジックな雰囲気を残す、各地の宿場町を紹介します。

藤川宿【東海道/愛知県・岡崎市】

宿場町さんぽの途中に道の駅でご当地スイーツを味わう

藤川宿
藤川の松並木
藤川宿
藤川宿資料館

愛知県岡崎市にある東海道五十三次の37番目の藤川宿。現在は藤川宿資料館となっている江戸時代の門が残る「脇本陣跡」、宿場町の出入口を示す「棒鼻跡(ぼうばなあと)」などのほか、約1kmの間にクロマツ約90本がそそり立つ「藤川の松並木」の中には高さ30mもの巨木も残っており、見応えがあります。

藤川宿資料館の館内には、当時の藤川宿の街並みが再現された「藤川宿街道模型」や1601年に発給された「藤川宿駒曳(こまびき)朱印状」などを展示。宿場町の歴史を知るには絶好のスポットです。

宿場町は全長約2km。見学中心で約1時間の散歩が楽しめます。

藤川宿
開運家康御幣1本280円
藤川宿
わ紅茶ソフトクリーム400円

宿場町さんぽの途中でぜひ立ち寄りたいのが、藤川駅前で松並木から徒歩5分の「道の駅藤川宿」。地元で生産された新鮮な農産物を販売するほか、藤川特産むらさき麦の粒が入った五平餅の「開運家康御幣(八丁みそ、えごま味)」、岡崎額田地区のお茶屋さん「宮ザキ園」の和紅茶を使用したご当地ソフトクリームを味わうことができます。

■藤川宿(ふじかわじゅく)
[TEL]0564-66-6031(道の駅藤川宿)
[住所]愛知県岡崎市藤川町字東沖田44
[アクセス]【電車】名鉄 藤川駅より徒歩2分【車】東名岡崎ICより15分、新東名岡崎東ICより20分
[駐車場]162台(道の駅藤川宿/無料)
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関宿【東海道/三重県・亀山市】

古い町家が約200軒立ち並ぶ。往時の姿を色濃く残す

関宿
関宿地蔵町付近
関宿
関宿旅籠玉屋歴史資料館

三重県亀山市にある東海道五十三次の47番目の宿場町で、古代三関の一つ「鈴鹿関」が置かれ、江戸時代には参勤交代や伊勢参りの人々などで賑わいました。江戸時代から明治時代にかけて建てられた古い町家が残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

宿場町の歴史を知ることができるのは、江戸時代に旅籠を営んでいた旧家を再現した「関宿旅籠玉屋歴史資料館」です。また、物事の精一杯を表すとき「関の山」と言う語源となった山車を展示する「関の山車会館」などがあり、休憩スポット「百六里庭(ひゃくろくりてい)」内の眺関亭2階からは関宿の町並みが見渡せます。古い町並みとともにじっくり見学して2時間ほどのさんぽができます。

関宿
山菜おこわ定食(一例)
関宿
亀山みそ焼きうどん(一例)

料理のオススメは「山菜おこわ定食」や「亀山みそ焼きうどん」。宿場町中心地から徒歩5分ほどの関駅前にあり、町並みに合わせた木造・瓦葺きの「道の駅 関宿」でのショッピングやランチも楽しめます。

関宿観光駐車場の一角に設置された無料の足湯スポット「小萬の湯」で、歩き疲れた足を休めるのもいいですね。

■関宿(せきじゅく)
[TEL]0595-97-8877(亀山市観光協会)
[住所]三重県亀山市関町中町
[アクセス]【電車】JR 関駅より徒歩5分【車】名阪国道関ICより5分
[駐車場]40台(関宿観光駐車場)ほか周辺に3カ所
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奈良井宿【中山道/長野県・塩尻市】

「奈良井千軒」と謳われ賑わった中山道の中間地点

 

奈良井宿
奈良井宿の街並み
奈良井宿
毎年8月12日に開催する鎮(しずめ)神社例大祭

東海道と共有する草津宿、大津宿を抜いた純粋な中山道六十七宿のうち、江戸・板橋宿からも京・守山宿からも34番目となる中山道の真ん中の宿場町です。難所の鳥居峠を控えて多くの旅人で栄えました。今も往時の風情が色濃く残るため、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

特に、国指定重要文化財の元櫛問屋「中村邸」、古文書・陶器・漆器などの諸道具を展示する「上問屋資料館」は必見です。

毎年8月12日に盛大な例祭が行われる「鎮神社」の本殿は市の有形文化財、社叢(しゃそう)は市の天然記念物で厳かな雰囲気。6月第1金曜~日曜に開催される「奈良井宿場祭」の大名行列「お茶壷道中」は、奈良井宿一番の大きな祭として知られています。

奈良井宿
「お食事処・甘味処 こころ音」のそば(一例)
奈良井宿
「かなめや」の五平餅(一例)

南北に約1km続く奈良井宿。街道沿いには蕎麦店が7店、五平餅やおやき、団子が食べられる店が8店、ほかに食事処、喫茶店なども軒を連ねており、街並み散策とあわせて半日ほど楽しめます。

重要伝統的建造物群保存地区内は地元住民以外の自動車、バイクの乗り入れが禁止なので、ゆったり歩いて巡りましょう。

■奈良井宿(ならいじゅく)
[TEL]0264-34-3160(奈良井宿観光案内所)
[住所]長野県塩尻市奈良井497-3(奈良井宿観光案内所)
[アクセス]【電車】JR 奈良井駅より徒歩1分【車】中央道塩尻ICより35分、伊那ICより40分
[駐車場]189台、ほか有料駐車場あり
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妻籠宿【中山道/長野県・南木曽町】

中山道と伊那街道が交差する交通の要所 

妻籠宿
寺下の町並み
妻籠宿
妻籠宿本陣

中山道六十九次のうち江戸から数えて42番目。長野県にある山深い木曽路の中で、古くから賑わってきた宿場町です。近代では集落保存の先駆的存在として、家や土地を、「売らない・貸さない・こわさない」という3原則をつくり、江戸時代の街並みという貴重な財産を守ってきました。

代々脇本陣・問屋を勤め、建物が国の重要文化財となっている「脇本陣奥谷」、島崎藤村の母の生家で、大名などの宿泊所として幕府に指定されていた「妻籠宿本陣」、「歴史資料館」など、それぞれ内部が見学できるので宿場町の歴史を知ることができます。

春の雛祭り、夏の和智埜神社(わちのじんじゃ)祭礼、秋の月見、冬の氷雪の灯祭りと、四季折々の美しい自然の中でさまざまな伝統行事が見られるのも楽しみの一つです。

妻籠宿
おやき(一例)
妻籠宿
五平餅(一例)

街道沿いには木曽の郷土料理や手打ち蕎麦、おやきや五平餅などが味わえる店が点在し、それぞれ自慢の味を提供しています。同じ五平餅でも、丸形、小判形と形や味噌だれの味付けが違うので好みの味わいを見つけるのも楽しいですよ。

散策だけなら1時間程度ですが、2~3時間かけてじっくり資料館などを巡り、ご当地グルメを楽しむのがオススメです。

■妻籠宿(つまごじゅく)
[TEL]0264-57-3123(妻籠観光案内所)
[住所]長野県木曽郡南木曽町吾妻
[アクセス]【電車】JR 南木曽駅よりおんたけ交通バス保神・馬籠行き7分、「妻籠」下車徒歩すぐ【車】中央道中津川ICより25分、中央道飯田山本ICより1時間
[駐車場]300台(町営駐車場1回500円)
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馬籠宿【中山道/岐阜県・中津川市】

島崎藤村の生家が残る石畳の町 

馬籠宿
今も小水力発電設備として現役の水車小屋
馬籠宿
馬籠宿の桝形

岐阜県中津川市にある中山道43番目の宿場町。石畳が敷かれた坂に沿うように広がり、焼きたての五平餅や煎餅、おやき、土産物店など趣ある家屋が軒を連ねています。

急峻な坂道が2度に渡り90度に折れ曲がっている「枡形」の街道は、江戸時代初期に徳川幕府が国内全ての街道の宿場町に敵の侵入を拒むために作られた場所です。

「木曽路はすべて山の中である。」というフレーズで始まる『夜明け前』の作者・島崎藤村のゆかりの地としても知られ、島崎藤村の生家で、馬籠宿本陣跡である藤村記念館には、数多くの関係資料が収蔵されています。

馬籠宿の代表的なグルメと言えば五平餅。手作りの五平餅が売られています。

また、蕎麦店など歴史ある食事処やおしゃれなカフェにも注目です。街歩きと食事を含めて、約1時間30分の充実した時間が過ごせます。

■馬籠宿(まごめじゅく)
[TEL]0573-69-2336(馬籠観光案内所)
[住所]岐阜県中津川市馬籠
[アクセス]【電車】JR 中津川駅より北恵那交通バスで馬籠行き25分、終点「馬籠」下車徒歩すぐ【車】中央道中津川ICより20分 
[駐車場]300台(一部有料300円~)
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下諏訪宿【中山道・甲州街道/長野県・下諏訪町】

中山道と甲州街道が交差する温泉の町 

下諏訪宿
本陣 岩波家
下諏訪宿
本陣 岩波家の庭園
下諏訪宿
諏訪大社 下社秋宮(画像提供:諏訪地方観光連盟)

長野県にある下諏訪宿は中山道六十九次の29番目で、甲州街道の終点。五街道のうち2つの街道が交差する交通要所で、諏訪大社下社の門前町としても栄えました。

江戸時代創業で、元脇本陣の「まるや」や「桔梗屋」は今もなお旅館として営業するほか、かつて宿場の茶屋だった建物を利用した「今井邦子文学館」、2023年から通年一般公開となった「本陣 岩波家」などで宿場町の趣を感じられます。

特に「本陣 岩波家」の庭園は、中山道随一と謳われ、庭の植物も江戸時代から変わっておらず、上々段の間から見る四季折々の装いは格別です。

下諏訪宿には温泉宿のほか10カ所の共同浴場と5カ所の足湯があり、気軽に温泉を楽しむことができるのもいいですね。

下諏訪宿
うな富のうなぎメニュー(一例)

清流に恵まれた諏訪エリアには、江戸時代から愛されるうなぎの名店がたくさんあります。さばき方や焼き方は、背焼きで蒸す関東風と、腹開きで焼く関西風がありますが、諏訪エリアのうなぎは、関東と関西が融合した背開きで焼くスタイルが多いとか。

街歩きの所要時間は本陣や宿場街道資料館見学、ランチを含めて3時間ほど。歩き疲れたら、温泉で疲れを癒やすのはいかがでしょうか。

■下諏訪宿(しもすわじゅく)
[TEL]0266-28-7055(本陣 岩波家)
[TEL]0266-27-1800(下諏訪町観光振興局)※中山道に関するツアーについて
[住所]長野県諏訪郡下諏訪町
[アクセス]【電車】JR 下諏訪駅より徒歩10分【車】長野道岡谷ICより15分、中央道諏訪ICより25分 
[駐車場]町内各地にコインパーキングあり
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上諏訪宿【甲州街道/長野県・諏訪市】

甲州街道最後の宿で、温泉と日本酒を堪能

上諏訪宿
諏訪五蔵の一つ「舞姫」
上諏訪宿
秋の高島城(画像提供:諏訪市)
上諏訪宿
諏訪大社 上社本宮(画像提供:諏訪地方観光連盟)

長野県の上諏訪宿は高島藩諏訪氏の城下町で甲州街道の44番目の宿場。古くから諏訪大社の門前町としても栄え、江戸時代初期から温泉地としても知られてきました。

築城当時、諏訪湖に浮かんで見えたことから、別名「浮城」とも呼ばれた高島城は、春の桜、秋の紅葉名所です。

旧街道沿いには「諏訪五蔵」と呼ばれる「舞姫」「麗人酒造」「酒ぬのや本金酒造」「伊東酒造」「宮坂醸造」の5つの日本酒醸造元が昔ながらの風情で軒を連ね、酒蔵を巡りながら好みの日本酒を見つけることができます。

諏訪大社は諏訪湖の周辺に4カ所の境内地があり、諏訪市に上社本宮、茅野市に上社前宮、下諏訪町に下社春宮、下社秋宮が鎮座。上社本宮は、江戸時代に再建されたもので、徳川家康の寄進による四脚門など、国の重要文化財に指定されている貴重な建造物が残されています。

上諏訪宿
日本酒を使ったジェラート(一例)
上諏訪宿
日本酒を使ったショコラ(一例)

諏訪エリアの八ヶ岳、霧ヶ峰から流れる天然水や寒暖差の大きな気候は、日本酒や味噌などの発酵文化を発達させてきました。そのため、銘酒と呼ばれる日本酒だけではなく、日本酒や味噌を使ったスイーツも続々登場しています。

諏訪エリア特産の「角寒天」を使ったメニューは、定番のところてん、あんみつだけではなく、パフェなどのスイーツやヘルシーな料理にも使われていますよ。

見どころが多い上諏訪宿は、ランチや立ち寄り湯も含めてゆったり1日楽しみましょう。

■上諏訪宿(かみすわじゅく)
[TEL]0266-58-0120(諏訪市観光案内所)
[住所]長野県諏訪市上諏訪
[アクセス]【電車】JR 上諏訪駅より徒歩8分~15分【車】中央道諏訪ICより15分~20分 ※飲酒後の車の運転は法律で禁止されています
[駐車場]154台(市営駅前[駐車場]3時間まで無料、以降1時間180円~)
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富谷宿【奥州街道/宮城県・富谷市】

過去と未来が交差する宿場町「富谷宿」 

富谷宿
ふるさと物産 奥州道中冨谷宿
富谷宿
富谷宿観光交流ステーション「とみやど」
富谷宿
富谷市しんまち通り(撮影時不明)

112の宿がある奥州街道の72番目が宮城県にある富谷宿です。1618年に仙台藩祖伊達政宗公に命じられた内ケ崎筑後氏により宿場町が整備され、1620年の政宗公の書状により開宿。全国に数多くの宿場町がある中、富谷宿はできあがった経緯がわかる珍しい宿場町で、桝形などの町割りが現在も残っています。

「ふるさと物産 奥州道中冨谷宿」は、江戸時代創業の呉服店が明治時代末期に建てた蔵を利用した物産館で、国の登録有形文化財に指定された建物で特産のブルーベリーを使った加工食品などのショッピングができます。

富谷宿観光交流ステーション「とみやど」は、富谷宿の開宿400年を記念し、内ケ崎醤油店跡地に2021年オープン。芝生広場、イベントスペースのある広い敷地内で陶芸などの文化に触れる体験や、富谷の食材を使った食事、おしゃれなスイーツが楽しめる、今と昔が交錯する複合施設です。

富谷宿
いい茶や「いい茶やお膳」1480円

富谷宿観光交流ステーション「とみやど」内の古民家カフェ「いい茶や」では、地元野菜や市役所屋上で自ら採取したはちみつを使った食事が楽しめます。市内スイーツ店の主菓子が付く抹茶セット、県内最古の酒蔵「内ヶ崎酒造店」の銘酒利き酒セットなど、地域と連携したメニューも豊富です。

街歩きとランチ、ギャラリー見学など、富谷宿めぐりはゆったり4時間ほどのさんぽコースです。

■富谷宿(とみやしゅく)
[TEL]022-358-1531(富谷市民俗ギャラリー)
[住所]宮城県富谷市富谷新町
[アクセス]【電車】仙台市営地下鉄 泉中央駅より宮城交通バス30分、「富谷」下車徒歩すぐ【車】東北道泉ICより15分 
[駐車場]193台 
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■富谷宿観光交流ステーション「とみやど」
[TEL]022-347-3344
[住所]宮城県富谷市富谷新町111-1
[アクセス]【電車】JR 仙台駅より仙台市営地下鉄15分「泉中央駅」下車 仙台市営地下鉄「泉中央駅」より宮城交通バス30分、「富谷」下車徒歩3分 【車】東北道泉ICより15分 
[駐車場]しんまち公園駐車場(150台)、しんまちめぐり第二駐車場(7台)、とみやど駐車場(36台)
「観光交流ステーション「とみやど」」の詳細はこちら

宇都宮宿~徳次郎宿【奥州街道・日光街道/栃木県・宇都宮市】

日光東照宮へと続く街道でのんびり里山さんぽ 

宇都宮宿
徳次郎宿本陣・名主跡
宇都宮宿
智賀都神社
宇都宮宿
徳次郎宿の御宿場印 300円

日光街道は、江戸から徳川家康を祀る日光東照宮に至る道路として江戸時代に整備されました。栃木県の宇都宮宿は日光街道および奥州街道の17番目の宿駅。宇都宮城の城下町で、日光街道の追分(分岐点)でもあります。

奥州道中追分付近には蔵造りの商家や三峰神社、江戸時代の建立で市内最古とされる延命院などがあり、日本橋から28里目となる上戸祭の一里塚が残っています。

徳次郎宿は、往時には本陣2軒、仮本陣1軒、脇本陣3軒、仮脇本陣1軒が設けられ、旅籠が72軒あったそうです。下徳次郎宿には仮本陣跡が残るほか、徳次郎城趾、推定樹齢700年超えのケヤキがある智賀都神社などが残っています。街道をのんびり歩きながら昔に思いを馳せることができるでしょう。

宇都宮宿から徳次郎宿までは10.5kmほどで、約4時間で歩けます。宇都宮にある宿場町3カ所の御宿場印は、JR宇都宮駅にある宇都宮市観光案内所で販売しています。

■宇都宮宿(うつのみやじゅく)~徳次郎宿(とくじらじゅく)
[TEL]028-636-2177(宇都宮市観光案内所)
[住所]栃木県宇都宮市(奥州道中追分)
[アクセス]奥州道中追分まで【電車】東武鉄道 東武宇都宮駅より徒歩10分【車】東北道鹿沼ICより20分 
[駐車場]なし
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大内宿【下野街道/福島県・下郷町】

400年以上守り継がれる茅葺き屋根の街並み 

大内宿
夏の大内宿
大内宿
冬の大内宿
大内宿
昭和40年代の大内宿

会津若松と日光今市を結ぶ下野街道。大内宿は会津から3番目の宿場で、約500mの街道沿いに茅葺き屋根の建物がズラリと並び、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

子安観音や弁天様のある見晴台は、春から夏は緑、秋は紅葉、冬は雪と、四季折々の風景に溶け込む情緒ある茅葺き屋根の街並みが見渡せる絶好のフォトスポットです。

少し奥まったところにあるのですがぜひ立ち寄って欲しいのが高倉神社です。平清盛に反旗をひるがえした高倉宮似仁王が祀られている神社は神秘的な雰囲気。樹齢約800年の大杉や拝殿の彫刻も見事です。

多くの茅葺きの建物が食事処や土産物店として営業しているので、ランチやショッピングも楽しむなら見学時間は2時間~3時間ほどみておきましょう。

大内宿
ネギそば(一例)
大内宿
しんごろう(一例)

大内宿の名物グルメは「ネギそば」。ネギまるごと一本を箸代わりにして、ネギをかじりながら食べるそばで、宿場町の多くのそば処で提供しています。

また、半つきにしたうるち米を団子状にまるめて串に刺し、えごま味噌を塗って焼く郷土料理の「しんごろう」も、素朴ながら地味深く、さんぽのおともにぴったりです。

■大内宿(おおうちじゅく)
[TEL]0241-68-3611(大内宿観光案内所)
[住所]福島県南会津郡下郷町大内字山本
[アクセス]【電車】会津鉄道 湯野上温泉駅より定期周回バスで20分【車】東北道白河ICより1時間20分、磐越道会津若松ICより1時間
[駐車場]400台(1回500円)
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海野宿【北国街道/長野県・東御市】

江戸時代の旅籠造りと明治以降の蚕室造りが調和する

海野宿
街道より田中駅方面の街並み
海野宿
海野格子と、うだつが特徴的な伝統的建造物
海野宿
海野宿の産土神社である白鳥神社

中山道の追分宿から信州の善光寺を経由して上越の高田城下を結ぶ北国街道。長野県にある海野宿は追分宿から3番目の宿場町です。

江戸時代の旅籠屋造りや茅葺き屋根の建物と、明治以降の堅牢な蚕室造りの建物が残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

宿場町のさんぽでは、「うだつがあがらぬ」の語源となった江戸時代の「本うだつ」、明治時代の「袖うだつ」や長短2本ずつ交互に組み込まれた美しい格子「海野格子」など、伝統的な建造物の意匠を見られるのが魅力。北陸の諸大名の参勤交代のほか、徒歩で善光寺に参拝し、賑わったころの街並みを感じることができるでしょう。

白鳥神社は木曽義仲挙兵の地と伝えられる神社で、拝殿前の御神木は樹齢700年以上。海野宿の歴史を今も見守り続ける大木のパワーに元気がもらえます。

海野宿
二八そばと名物のくるみおはぎ(一例)

海野宿のある東御市の特産はくるみ。そば店では、くるみだれのそばを味わえる店や、くるみ入りの醤油ダレが香ばしいくるみおはぎを名物とした店があります。

くるみのクッキーなどスイーツを提供するカフェもあるので、さんぽのひと休みに試してみるのはいかが。

■海野宿(うんのじゅく)
[TEL]0268-62-7701(信州とうみ観光協会)
[住所]長野県東御市本海野1052周辺
[アクセス]【電車】しなの鉄道 大屋駅または田中駅より徒歩20分【車】上信越道東部湯の丸ICより10分 
[駐車場]89台 
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熊川宿【若狭鯖街道/福井県・若狭町】

古建築を活用した食事処やカフェで食べ歩きも楽しい

熊川宿
初夏の街並み
熊川宿
国指定重要文化財の倉見屋 荻野家
熊川宿
1960年代の熊川宿

若狭・小浜と京都を結び、日本海の海の幸や塩を運ぶことで、京都の食文化を支えてきた「若狭鯖街道」。

福井県にある熊川宿は、馬や船が荷を運び込める荷継場として発展した宿場町で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているほか、「御食国若狭と鯖街道」として日本遺産にも認定されています。

地区内には瓦葺き、真壁造または塗込造の伝統的建築物が多数残り、国の指定重要文化財「倉見屋荻野家」のほか古建築を活用した資料館、美術館、食事処、カフェなどが約1.1kmの街道沿いにズラリと並びます。多種多様な建築様式ながら連続性をもった家並みを形成しているのが魅力です。

「倉見屋 荻野家」は熊川で最も古い町家で、店構えの重厚さから当時の問屋の栄えた様子がうかがえます。不定期ですが内部の特別公開を行っているので、事前にホームページをチェックしましょう。

熊川宿
鯖寿司
熊川宿
くず製品一例

宿場町内には、「鯖寿司」が味わえる食事処や「サバサンド」を名物としたカフェなど“鯖街道”ならではのグルメを味わえるほか、鰻、若狭牛など若狭の上質な食材を使った料理を自慢とする店があります。

古くから「熊川葛」の掘出しから製造・加工・販売行っていたことから、「葛もち」や「葛きり」の店や、お土産として葛製品を販売する店も多数。街歩きと食べ歩きの両方なら2時間ほどです。

最近では近くの熊川城や熊川トレイルなど周辺の自然豊かな里山施設と歴史を融合させたアドベンチャーツーリズムを推進しているので、たっぷり1日楽しむこともできます。

■熊川宿(くまがわじゅく)
[TEL]0770-62-0330(若狭鯖街道熊川宿資料館 宿場館)
[住所]福井県三方上中郡若狭町熊川
[アクセス]【電車】JR 上中駅または近江今津駅よりJR西日本バスで10~30分、「若狭熊川」下車徒歩すぐ【車】北陸道木之本ICより50分、舞鶴若狭道若狭上中ICより15分
[駐車場]熊川宿駐車場50台(100円)
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まとめ

ノスタルジックな街並みに、ほっと気持ちが和む宿場町。古い建物や街並みの維持管理は大変なことですが、いずれもそこに住む人々が大切に守り続けてきたものです。

宿場町を歩き、地元の人たちとふれあい、郷土愛を知れば、もっとその街が好きになりそうですね。

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

中林 貴美子  中林 貴美子

旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。

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