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2024.07.03

注目のクラフトサケおすすめ7選!新しい「日本酒」に出合える醸造所・ショップ情報付き

「クラフトサケ」と聞いてピンと来た人はお酒ツウ!

もろみを搾らなかったり、発酵時にフルーツやハーブなどの副原料を入れたりと、日本酒とは違う工程で作られる、新しいお酒のカテゴリです。

そこで今回は、「稲とアガベ」や「LIBROM Craft Sake Brewery」など、今大注目の醸造所をご紹介!

どこも直売所や飲食店を併設しているので、ぜひ、訪れてその新しい味を体感してみて。

造り手の個性が光る「クラフトサケ」に注目。

現地に足を運んで、造り手の熱い思いを感じて。

近年、特に注目されているのが、従来の日本酒の枠を飛び越えた「クラフトサケ」。日本酒(清酒)とは簡単に言うと、米と米麹と水を発酵させたもろみをこしたもの。他に使える原料は醸造アルコールや糖類など限りがある。クラフトサケブリュワリー協会の定義によると、クラフトサケはこの日本酒の醸造技術を土台にしつつ、従来の清酒では認められなかった多彩な副原料を加えて造るお酒である。

そんなクラフトサケ、まだ飲んだことがない人も多いはず。どんな魅力があるのだろう?
「米と麹以外にも原料を加えるため、味わいが幅広いのが面白い点」と話すのは、同協会会長・岡住さん。「たとえば発酵の工程でぶどうを加えるとワインのような風味になる。お酒に後から風味を付けるのではなく“米と一緒に発酵させてお酒を造る”のがポイントで、米と麹だけとは違う複雑な発酵が起き、従来なかった味が表現できるのです」。そして加える副原料に制限はなくクラフトサケの可能性は無限大、と言うわけだ。

木花之醸造所
小規模ゆえ「木花之醸造所」のように瓶詰めやラベル貼りまで手作業のところも多い

 一方で、原料に制限がなかったり複雑な発酵工程がある点は、造り手には難しくもありそう。そんな問いかけに、「造り手たちは修業して日本酒造りの基礎がありますし、発酵マニアでもあってみんな研究熱心。探究心が強く、難しいからこそやりがいも感じています」と岡住さん。
「だからどの造り手のお酒もどんどんおいしくなっているし、この先もっと面白い酒文化になるんじゃないかとワクワクしています」。
小規模なクラフトサケの酒造所は直売所や飲食店を併設したスタイルのところも多いので、「現地に足を運んで、造り手の熱い思いを感じてほしい」と話してくれた。

クラフトサケブリュワリー協会
会長 岡住修兵さん

クラフトサケブリュワリー協会  会長 岡住修兵さん

「クラフトサケ」の認知拡大、豊かな酒文化の確立に向けて2022年設立した同協会の会長。自らも「稲とアガベ」代表として酒造りに励む。

【秋田県】稲とアガベ

酒造りを通じて新たな文化の創出を目指す気鋭の蔵元。

稲とアガベ
ほぼ精米せずに米の旨みを活かして引き出す酒造りも特徴

2021年11月設立/秋田県

ビールやワイン、お茶など他の文化をリスペクトしたうえで日本酒と融合させていくクロスカルチャーを意識。秋田県産の無肥料無農薬米と日本酒の技術をベースにした、「クラフトサケのスタンダード」を造る醸造所を目指す。酒造りを通じた街づくりにも注力し、2024年内には男鹿市内にホテルやジン蒸留所の開業を予定している。

「交酒 花風」2310円/720mL

「交酒 花風」
2024年2月発売の新たな代表銘柄はホップを使用し、マスカットやライチの風味を感じる仕上がりに。豊かな旨みとすっきりとした後味が魅力。

「DOBUROKU」2500円/500mL

「DOBUROKU」
秋田県産の無肥料無農薬米と白麹を用いた定番どぶろくはクリーミーな口あたり。売り切れが多い商品のなかでも比較的入手しやすいかも?

ショップ情報:稲とアガベ ショップ「土と風」

稲とアガベ ショップ「土と風」
ショップでは試飲が200円でできる他、特製グルメも味わえる
稲とアガベ ショップ「土と風」
「鶏出汁と山椒カレー」850円
稲とアガベ ショップ「土と風」
酒粕使用の甘酒やソフトクリームも

稲とアガベ ショップ「土と風」
ショップから徒歩圏内に「一風堂」監修ラーメン店「おがや」をオープン
稲とアガベ ショップ「土と風」
「おがや」のチャーシューは、稲とアガベの麹を使った塩麴漬け
稲とアガベ ショップ「土と風」
「ラーメン専用稲とアガベ」2600円/500mLは「おがや」で飲むこともできる

お酒は地域に人を惹きつけるメディアであるととらえ、過疎化が進む男鹿の街に賑わいを生むべく醸造所のショップをはじめ食品加工所やラーメン店もオープン。いずれも徒歩圏内にあるので、醸造所と合わせて訪ねてみては。

■稲とアガベ ショップ「土と風」
なし
秋田県男鹿市船川港船川新浜町1-21
11時~16時
月・火
JR男鹿駅より徒歩すぐ
「稲とアガベ ショップ「土と風」」の詳細はこちら

【福島県】haccoba -Craft Sake Brewery-

既成概念にとらわれず自由に、酒造りを楽しむ。

haccoba -Craft Sake Brewery-
ビール原料のホップの近縁種で「東洋のホップ」と言われる、東北の自生種・唐花草。発酵時に加えると軽やかな苦みに
haccoba -Craft Sake Brewery-
JR小高駅より徒歩7分ほどの「haccoba 小高醸造所」では金~日曜の17時半以降にブリューパブを予約制で営業
haccoba -Craft Sake Brewery-
小高醸造所では直売も実施。10時~17時オープンで月曜定休

2021年2月設立/福島県

東北伝統のどぶろく製法とビールの技法を用いた代表作「はなうたホップス」の他、新作をほぼ毎月リリース。かつて各家庭で親しまれたどぶろくのように、自由な発想で材料や製法を選ぶ「ジャンルを超えた酒造り」が特徴だ。東日本大震災で一時は無人となった街を創業地に選び、街と同様にゼロから新たなサケの世界を開拓している。

「はなうたホップス」2420円/500mL

はなうたホップス
東北のどぶろく製法・花酛にも使われた「唐花草」とクラフトビールに用いるアロマホップを採用。爽やかな香りと米のクリアな甘みを表現。

ショップ情報:haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET

haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
現在は無人駅の小高駅。かつての事務室や宿直室が、醸造所とマーケットに生まれ変わった
haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
食品系から文房具まで、地元や県内外の品をセレクト
haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
観光客だけではなく、駅を利用する近隣住民も訪れる
haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
haccobaの酒粕使用のガトーショコラやオリジナルグラスも販売
haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
haccobaの商品は人気ゆえにすぐ売り切れるので現地でゲットしたい!

小高醸造所、浪江醸造所に続いて2024年2月に誕生した3カ所目の醸造所はなんと、駅ナカにある。小高駅の駅舎に醸造所とマーケットが併設され、自社醸造酒やオリジナルグッズに加えて地域自慢の品々も取り揃えている。

■haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET
なし
福島県南相馬市小高区東町1-140-1
12時~19時

JR小高駅構内
「haccoba 小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET」の詳細はこちら

【東京都】木花之醸造所

今春、シンガポール初となる醸造所も誕生した注目株。

木花之醸造所
ここで醸造長を務めた蔵人が独立後、「稲とアガベ」「でじま芳扇堂」を開業している

2020年6月設立/東京都

「クラフトサケ」黎明期から、「各地に個性豊かな酒蔵ができるように」と独立を志す蔵人の修業の場としても機能。ここで腕を磨いた人が、独立開業を果たしている。代表銘柄は自前の麹室で造った麹仕込みの「ハナグモリ」で、他にもビール酵母とホップ使用「HAZY SAKE」など新作が続々。2024年4月にはシンガポール初SAKE醸造所を始動!

「ハナグモリ」2178円/500mL

ハナグモリ
磨かないそのままの米を使用した、優しい甘さとほのかな酸味のどぶろく。造り方や原料を変えた数量限定品も登場するので要チェック。

ショップ情報:ALL WRIGHT -sake place-

ALL WRIGHT -sake place-
1000円以下の料理が多くあれこれ頼みやすい。お酒は90mL550円~
ALL WRIGHT -sake place-
ガラス越しに醸造所が見える。自家醸造酒は購入可能
ALL WRIGHT -sake place-
ソファ席もあり寛げる

ガラス張りの醸造所奥に広がるバルでは、ここで造られた自家醸造のお酒をはじめ各地の日本酒やクラフトビールを提供。酒粕や塩麹を使った料理と共に、「飲み比べセット」3種1100円などを頼んでいろんな味わいを試したい。

■ALL WRIGHT -sake place-
03-5811-1905
東京都台東区駒形2-5-5 小宮ビルB1
17時~22時(土日祝は15時~)
不定
都営浅草線浅草駅より徒歩5分

【長崎県】でじま芳扇堂

九州初のどぶろく醸造所で地元農産物を活かし、酒造り。

でじま芳扇堂
生産量が少ないのでぜひ現地に行って、その味わいを確かめてみて

2023年3月設立/長崎県

出島にて夫婦2人が営む、九州初のどぶろく醸造所。米をはじめ地元の生産者こだわりの農産物を無駄なく活かすべく、定番「芳扇」に加え形くずれや傷がある規格外の果物や野菜を用いた季節限定どぶろく「たすき」シリーズも醸す。伝統的な日本酒造りの製法を用いながらも、現代のテーブルシーンに相応しい味わいを追求している。

「芳扇-友-」2750円/720mL

芳扇-友-
米の食感が口でふわりと溶け、豊かな味わいが広がる辛口タイプの食中酒。冷酒ならスパイスカレー、燗酒なら豚角煮に合うんだそう。

蔵元ショップ情報:でじま芳扇堂

でじま芳扇堂
様々な温度・酒器でどぶろくや日本酒を
でじま芳扇堂
長崎在来種の黒田五寸人参など「たすき」の材料は月替わり
でじま芳扇堂
醸造家の日向さん夫妻が迎える

カウンター6席のバーと酒器のギャラリーを醸造所に併設。バーには自社のどぶろくをはじめ、全国からセレクトした日本酒も多数。酒肴はおまかせで3500円〜。お土産には「たすき」シリーズなどのどぶろくや一点物の酒器を。

■でじま芳扇堂
なし
長崎県長崎市出島町5-24
10時~19時
火・水(時期により変動)
長崎電気軌道本線出島駅より徒歩2分
「でじま芳扇堂」の詳細はこちら

【福岡県】LIBROM Craft Sake Brewery

フルーツやハーブが香る、するすると飲みやすい一杯。

2021年6月設立/福岡県

福岡県産のフルーツやハーブ、スパイスといった副原料を加え、従来の日本酒にはない香りが楽しめる定番品と毎月2種類の新作をリリース。日本酒文化の入口となるお酒を目指し、低アルコールで副原料の香りをしっかり引き出した「圧倒的な飲みやすさ」を重視している。設立時の目標を叶え、2024年4月よりイタリアでの日本酒醸造に進出した。

「Strawberry」2700円/500mL

Strawberry
福岡を代表するフルーツ・あまおうをたっぷりと使用。まろやかな口あたりと甘酸っぱいいちごの風味が感じられ、デザートとの相性も抜群。

「Verbena」2600円/500mL

Verbena
福岡県福津市産のレモンバーベナを加え、ハーブ由来の心地よい香り。米由来の自然な甘さがあり、酸味も漂うのですっきりと飲みやすい。

ショップ情報:LIBROM Craft Sake Brewery

LIBROM Craft Sake Brewery
おすすめ料理は「クリームチーズの炙り醤油麹」550円や、醤油麹ソースで味わう「酒粕クリームコロッケ」850円
LIBROM Craft Sake Brewery
自家醸造酒も販売

街ナカ醸造所に併設のパブでは在庫があるLIBROMのお酒全種類を45mL
450円で味わうことができ、3種飲み比べも1300円で提供。自家製の酒粕や醤油麴を使用した料理も楽しみながら、自分好みの一杯を見つけよう。

■LIBROM Craft Sake Brewery
092-753-9298
福岡県福岡市中央区高砂1-21-27 ボンフル高砂103
15時~23時(土は13時~)
月、12月30日~1月5日
福岡市地下鉄七隈線薬院駅より徒歩5分
「LIBROM Craft Sake Brewery」の詳細はこちら

【大阪府】足立農醸

日本初!“団地酒蔵”が放つ飯米のお酒は優しい飲み口。

足立農醸
季節限定のお酒は800円~。「おつまみプレート」770円を合わせて

2021年1月設立/大阪府

耕作放棄地を復田して自ら栽培した、コシヒカリ米を用いた日本酒の委託醸造からスタート。2023年10月にいよいよ自らの醸造所を構えた場所は、マンモス団地の一角。コンパクトな醸造室でクラフトサケ造りに取り組んでいる。第1弾のお酒は飯米の高槻市産ヒノヒカリとキヌヒカリを使用し、ふくよかな香りと優しい口あたりを目指して醸造。

「MIYOI -ORIGIN-」3960円/720mL

MIYOI -ORIGIN-
ヒノヒカリ・キヌヒカリに、地元産のキイチゴを加えて発酵させている。第2弾として「DANCHI model」もリリース予定しているそう。

蔵元ショップ情報:ADACHI NOJO Craft Sake Brewery

ADACHI NOJO Craft Sake Brewery
「鯛の昆布〆カルパッチョ塩麹オリーブソース」770円や自家製燻製を提供
ADACHI NOJO Craft Sake Brewery
寒い時期は「発酵あんこのぜんざい」490円も
ADACHI NOJO Craft Sake Brewery
団地1階、店舗内から醸造室が見える

カウンター席のみのカフェバーが、醸造室に隣接。自家醸造酒やつまみになる一品料理のみならず、季節の果物を使ったノンアルコールの麹甘酒や麹スムージーも用意されている。お酒を飲まない人と訪れても楽しく過ごせるはず。

■ADACHI NOJO Craft Sake Brewery
090-9531-3304
大阪府高槻市牧田町7 富田団地55-109
11時~15時(土日祝は〜20時)
火・水
JR高槻駅3番乗り場より市営バス18富田団地行きで21分、富田団地中央より徒歩2分 ※タクシーの場合はJR高槻駅より15分
「ADACHI NOJO Craft Sake Brewery」の詳細はこちら

※この記事は2024年5月24日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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