こぼらさんの福井県〜滋賀県の旅行記
初冬の琵琶湖西岸 高島〜マキノ
- 1日目2019年12月8日(日)
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湖西道路(国道161号線)をはさんで琵琶湖に面している白鬚神社。背後の「上の宮」と呼ばれる高台から見下ろしています。左から、本殿・拝殿・鳥居・絵馬殿。 全国に白鬚神社は多数存在していますが、いずれも猿田彦命を祭神としており、この高島市の白鬚神社を総本宮にしているといいます。
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「上の宮」と呼ばれる高台には紫式部の歌碑があります。 【三尾の海に 網引く民の てまもなく 立ち居につけて 都恋しも】 解説も付いていて、三尾崎の浜辺(白鬚神社の近く)で漁民が網を引く姿を見て、都での生活とはかけ離れた様子だったので、都が恋しく思い出される気持ちを詠んだものとのこと。 紫式部といえば、宮中で源氏物語を執筆した人物として有名ですが、白鬚神社に来て和歌を詠む事があったのでしょうか?調べてみたら、平安時代(996年)に越前国司として赴任する父・藤原為時に従い、船路でこの付近を通った際に詠んだものだそうです。紫式部にとって、生涯でただ一度の長旅だったらしい。
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拝殿前から湖中大鳥居を見ています。琵琶湖畔に浮かぶ大鳥居の姿形は、安芸の厳島神社の大鳥居に似ているので「近江の厳島」とも呼ばれるようです。 鳥居の向こうに見えているのは、沖島と琵琶湖の東岸(近江八幡市)です。 湖中大鳥居と境内との間には、交通量の多い国道161号線が横切っているので、湖畔の方へ行くのは少々大変です。
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拝殿を真正面から見ています。琵琶湖畔と湖中大鳥居と対面しています。拝殿の奥が本殿になっています。本殿は慶長年間に、拝殿は明治時代(1879年)に造営されています。300年近い時代差があるのに、そうは感じさせない風格を備えた拝殿です。 琵琶湖西岸の名刹で、絶景ポイントでもあるのに駐車料金や拝観料が無料なのは嬉しいです。
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拝殿の後ろに鎮座している本殿。慶長8年(1603年)に豊臣秀頼が、片桐且元を奉行に任じて造営させたと伝わります。とても風格ある建物です。 本殿のすぐ脇が参拝者用駐車場になっていて、建物のすぐ近くに車を駐めることができます。重要文化財のすぐ近くに車を駐めるのは、どこか気を遣います。さすがに混み合う土日祝日には駐車場整理スタッフの方が立つようです。
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若宮神社。一間の小さな社ですが慶長年間の築造とされています。豊臣秀頼が白鬚神社の本殿を建立していますので、同時期に建立されたのでしょう。
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若宮神社の脇の石段を上がると、「上の宮」と呼ばれる境内社が並んでいます。11社もあるそうです。主立った社は若宮神社同様に慶長年間の築造です。 石段を上がりきった正面に鎮座しているのが「豊受大神宮(外宮)」で、その隣に「皇大神宮(内宮)」が鎮座しています。
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国道161号線を北上し、旧マキノ町のマキノピックランドに移動しました。メタセコイア並木が見たかったからです。 マキノピックランドは、南北に2.4km続くメタセコイアの並木道の南端の方にあります。メタセコイアの並木道は、平成6年に読売新聞社が「新・日本の街路樹百景」に選定した事を契機に人気が出て、1年を通して来訪者でごった返す盛況ぶりです。 並木を見て楽しむには、マキノピックランドの広い無料駐車場に駐車して、歩くのがお勧めです。メタセコイアが形作るトンネルを車で通り抜けるのも良さそうですが、歩行者が車道をうろつきますので進行がギクシャクしますし、絶景ポイントに差しかかっても停車できない辛さがあります。
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マキノピックランド脇の並木道スタート地点です。並木は、対面通行2車線道路の両脇に等間隔に植えられています。並木の外側に側道があり、歩行者はそこを歩くようになっています。
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スタート地点には解説パネルが立っています。それによると、メタセコイアは中国原産で、ヒノキ科の落葉樹(和名:アケボノスギ)だと説明されています。木の高さは、最大で35mにも達するそうです。 これだけの規模の並木なので、長い歴史があるかと思いきや、そうでもないようです。1981年に植樹されたのが始まりで、40年も経過していません。
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側道を歩いてメタセコイア並木の鑑賞を始めたところです。ほぼ等間隔に植えてあるのですが、奥の方は木が密集しているように見え、手前の方は疎らに見えます。うっそうと茂る並木が見たくなり、どうしても車道の方に近寄りたくなるのが人情です。 車で通り抜ければ、車道上から並木を見るので違った見え方になるはずです。しかし、道路上で駐停車できないので、景色を堪能できないでしょう。
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メタセコイア並木の外側(側道)から、並木の内側まで移動して見たところです。やはり並木の内側から望んだ方が、木々の紅葉が密集して見え、美しく感じます。 こうした事情は、皆さん歩いているうちに気付き、車道の路肩付近を歩くようになります。車道を進む車は気を遣わねばならないので気の毒ですが、歩行者の目線からは歩行者専用道にすればいいのにと勝手なことを考えてしまいます。
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並木道を横断して西側の側道に移動しました。歩行者は、車道を走る車の列が途切れるのを待って小走りに横断していました。
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西側の側道を歩いています。片側の並木だけを見ると、メタセコイアが切れ目なく密集して独特の雰囲気が醸し出されています。
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メタセコイア並木の西側を見ています。一面に広がっているのはクリ畑です。メタセコイア並木の周辺には、2万本ものクリの木が植えられているそうです。 実の収穫が終わり閑散としたクリ畑の向こうに、野坂山地が見えます。昨日の寒波により、山々の頂は白くなっています。 山の頂から、朱く染まったメタセコイア並木を見たら、どんな感じに見えるのでしょうか?
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側道とクリ畑との境には、ところどころに花梨の木が植えてあります。葉はほとんどが散ってしまい、熟した実が枝にしがみついていたのが印象的です。
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並木道を北に1kmほど歩いたところで引き返しました。約2.4kmにわたって続くという並木道の真ん中あたりでしたが、全てをじっくり見て歩くと往復で2時間近くかかりそうだったからです。 来た道を戻りましたが、東側の並木が西日に照らされ、赤銅色に輝いていました。
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車道を横断して東側に移動しました。横断中に、車道上からメタセコイア並木を撮影しました。並木のトンネルの中にいるようで、これはこれで素晴らしい眺めです。朱く色づいた並木トンネルも結構ですが、新緑のトンネルも良さそうです。風かおる5月にも来てみたいです。
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初冬の西日に照らし出されるメタセコイア並木。鮮やかな赤銅色に輝いています。 メタセコイアとは、冬になると葉が枯れて落ちるスギの一種だったのですね。カエデやイチョウが紅葉するのとは違い、葉は決して赤色や黄色にはなりません。ただ枯れるだけです。赤銅色の輝きは、枯れゆく葉が織りなす美しさなのです。
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メタセコイア並木紅葉まつり
高島市
今年はメタセコイアが色づくのが遅れ、コンサートなどのイベントも開催時期を決め打ちするのが難しかったようです。12月の第2日曜日でも、メタセコイア並木を見に来た観光客でいっぱいでした。マキノピックランドの前で、サンタ姿の人たちを見かけました。これからイベントの準備が始まるようでした。
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センターハウスの中には、みやげ物売り場の他に、フードコートとイートインコーナーがあります。マキノピックランド周辺の畑で収穫されたフルーツの果肉が入ったジェラートアイスが有名です。メニューには、うどんや丼物もありました。
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みやげ物売り場の様子。余り広くはありません。
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マキノピックランドの駐車場に戻ってきました。離れた場所から眺めるメタセコイアの並木も良いです。 並木の奥に並び立つ野坂山地の山々が、うっすらと雪化粧をしていました。写真の右手、稜線上に送電線鉄塔が並び立っている山が赤坂山です。滋賀県と福井県の境に位置しており、稜線の向こうが福井県です。写真左の大谷山から右の赤坂山まで、尾根伝いに縦走できる登山コースが整備されています。高島トレイルと呼ばれる入門者向けのコースとのこと。
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メタセコイア並木の真北に、福井県敦賀市の野坂岳(913m)が見えていました。手前に滋賀・福井県境になっている赤坂山の麓が見えています。メタセコイア並木を見たあとは、国道161号線に戻って北上し、敦賀を目指しました。
初冬の琵琶湖西岸 高島〜マキノ
1日目の旅ルート
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