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戦に生まれ戦に翻弄された神社らしい神社。 - 美奈宜神社(荷原)のクチコミ

三文詩人さん

神社ツウ 三文詩人さん 男性/50代

5.0
  • 一人

県道509号線沿いにある。寺内ダムを目指し北上すれば、橋の先に鳥居と大銀杏が見えるので、迷わずに済んだ。
一の鳥居の右手に猿田彦大神、鳥居の先左手に大銀杏。長い参道を進み、山中に至る。
如何にも古社らしい雰囲気、しかし実際には秋月種実が遷座した社。昔は山上にあり、更にその前は美奈宜川上の池辺にあったという。北にある喰那尾神社が元宮らしい。
後に豊太閤に歯向かった秋月種実は、島津氏と結んで戦ったが敗北。日向國高鍋に移封され、神領は没収、社人は離散。古伝神宝も失ったという。
後に三奈木黒田家が再興し、更に再建した社殿が今に残る。

天照皇大神に住吉大明神・春日大明神を配祀。相殿に神功皇后・武内宿祢を併せ祀る。
社伝に拠ると昔、仲哀天皇は羽白熊鷲を討たんとするも、病に急逝。神功皇后は喪を秘し小山田邑を発ち、喰那尾山頂(北西200m)に布陣、賊を討伐。これは小山田邑にてお告げをうけた三神の助であるとして、美奈宜川上「池辺」(東へ300m)に戦勝奉告をされた。後に仁徳天皇の勅願により(312年頃)、「池辺」にこの神を祭るようになった。林田の美奈宜神社にも同様な話が伝わり、しかし御祭神は異なる。
仲哀紀に拠ると、住吉三神は仲哀天皇が存在を知らず、小山田邑に於ける神功皇后の神託に初めて顕れる神。天照皇大神は、そのとき神託に顕れた撞賢木嚴之御魂天疎向津媛命(つきさかきいつのみたまあまさかるむかつひめのみこと)の別名。顕れたあと一柱は事代主(ことしろぬし)なのだが、何故か春日神(建御雷神・経津主神・天児屋命・比売神)に置き換わったようだ。
なお、神託を受けたという小山田斎宮は、古賀市にある。

神門を潜り階段を上り、池の右手に祠が並ぶ。説明は無いが、麻底良山や林田の美奈宜神社にもあった十九神と同じ。
更に上ると拝殿、左に手水舎。湧き水らしきものが勢いよく吹き出て、少々勢いが良すぎる。
拝殿右手の階段を上ると、摂社の宮地嶽神社。こんなところに在すとは驚き。
拝殿はよくある流造ながら、龍の彫刻に十二支羅針盤もあり、手が込んだ造り。周りの山林森々と、神でも降りてきそうな境地、まことに神社らしい神社。延喜式にいう美奈宜神社三座とは、此方のことではないかと思えてならない。

  • 行った時期:2017年4月30日
  • 混雑具合:空いていた
  • 滞在時間:1時間未満
  • 投稿日:2017年6月27日
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