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2025.01.28

茨城名物「あんこう鍋」とは?大洗や水戸で旬の味覚が味わえる店&旅館9選【2025】

茨城の冬の味覚「あんこう」。中でも「あんこう鍋」は、濃厚な旨みと各店が趣向を凝らした個性的な味わいで多くの人を魅了しています。今回は、そんな「あんこう鍋」が食べられる飲食店と宿泊施設を厳選して紹介!寒い冬に温かい茨城の冬の味覚を楽しむ旅の参考にしてみてください。

茨城名物「あんこう鍋」とはどんな料理?

高タンパク、低カロリー、コラーゲン豊富なアンコウを使った冬のヘルシーグルメ

水戸 山翠
(画像提供:水戸 山翠)

アンコウは深海魚のため見た目のインパクトがありますが、「捨てるところがない」と言われるほど全ての部位を美味しく味わえることが魅力。肝、皮、胃袋など食べられる部位を総称して“アンコウの7つ道具”といい、高タンパクで低カロリーかつ、コラーゲン豊富なヘルシー食材です。

茨城は国内で有数なアンコウの産地であり、“東のアンコウ、西のフグ”とも称されるほどの高級グルメ。県内では冬になると、多くの店や宿であんこう鍋が食べられます。

「あんこう鍋」の種類

あんこうの宿 まるみつ旅館
(画像提供:あんこうの宿 まるみつ旅館)

正確には「あんこう鍋」と「どぶ汁」の2種類の鍋料理がありますが、どちらも「あんこう鍋」と呼ばれています。

「あんこう鍋」はアンコウの身、肝、皮など全ての部位を使い、味噌や醤油ベースのスープで煮込む料理。淡白な身と、スープ全体に溶け込んだ濃厚な肝の旨味が鍋料理にぴったりで、野菜との相性も抜群です。

一方、「どぶ汁」は水をほとんど使わず、アンコウの肝であるあん肝を鍋に炒り付け、たっぷりの野菜とアンコウから出た水分だけで煮込む鍋料理を指し、通常の「あんこう鍋」よりさらに濃厚な味わいが楽しめます。

「あんこう鍋」の美味しい時期はいつ?

旬の味 なかむら
(画像提供:旬の味 なかむら)

アンコウの旬は冬。特に肝が肥大する12月〜2月が最も美味しい時期だそうです。店や宿泊施設ではこの時期に合わせて、11月〜3月頃に「あんこう鍋」を販売するところが多いのですが、人気店はすぐに予約で埋まってしまうので、注意してください。

次からは、「あんこう鍋」が味わえる飲食店と宿泊施設を紹介します。

「あんこう鍋」が味わえる飲食店

水戸 山翠【水戸市】

水戸 山翠
『あんこう鍋』4100円

茨城の郷土料理を提供する「水戸 山翠(みとさんすい)」は、2024年で創業77年を迎えました。

「あんこう鍋」は、醤油ベースの出汁にあん肝を練り込んだ秘伝の焼き味噌を入れることで、独特の香ばしい風味とコクを生み出しています。魚体の大きなホンアンコウが主に使用され、吊るして捌く昔ながらの吊るし切りで丁寧に1日かけて下処理されるので、臭みが少ないのも特徴です。

水戸 山翠
『あんこうフルコース』8800円※2人前〜

アンコウを通年提供している数少ない店でもあり、夏は一度火を通した鍋を敷き詰めた氷に載せて味わう「氷鍋」(2750円)、11月中旬には濃厚な『あんこうどぶ汁山翠風』(6050円)など、季節によって様々な鍋を楽しめます。

水戸 山翠
風情ある門構え。店内はカウンター、座敷、テーブル席の全150席

旬の時期には、冬季限定『あんこうフルコース』もおすすめです。

■水戸 山翠
茨城県水戸市泉町2-2-40
11時30分〜14時30分(LO14時)、17時〜21時(LO20時)

常磐道水戸ICより15分
近隣に提携駐車場あり
「水戸 山翠」の詳細はこちら
「水戸 山翠」のクチコミ・周辺情報はこちら

潮騒の湯【大洗町】

潮騒の湯
『あんこう鍋』単品3000円、定食2500円

立ち寄り温泉施設「潮騒の湯」の併設食堂では、2種類のあんこう鍋が楽しめます。

特製味噌ベースの『あんこう鍋』は、1人前から注文できる気軽さも嬉しいポイント。定食には、小ぶりのあんこう鍋のほか、茨城県産コシヒカリのごはんや刺身などが付いています。鍋自体は小さいながらも、はみ出さんばかりに具だくさんで満足度は十分です。

潮騒の湯
『あんこうどぶ汁』単品4000円、定食3000円

もう一つは、スープを使わず野菜とアンコウの持つ水分で煮込む濃厚な鍋『あんこうどぶ汁』。通常、板前が目の前で完成させるのが一般的ですが、この店では作り方を渡されお客さん自身で作るスタイルです。

お試しで少しだけあんこう鍋を味わいたい場合には、それぞれ定食がぴったりですよ。

潮騒の湯
太古の化石海水と呼ばれる温泉で、塩分濃度が高いため「あたたまりの湯」と呼ばれる

展望レストランからはビーチが見渡せ、施設内で温泉も堪能できるのも魅力。レストランのみの利用も可能で、「味は割烹、価格とボリュームは居酒屋並み」とリピーターに喜ばれているそうです。

■潮騒の湯
茨城県東茨城郡大洗町大貫256-25
10時〜21時30分【レストラン】10時〜20時40分(LO20時)
第3木
北関東道水戸大洗ICより10分
150台(無料)
「潮騒の湯」の詳細はこちら

味処 大森【大洗町】

味処 大森
『あんこう鍋』3600円

2025年で創業45年の「味処 大森(あじどころ おおもり)」では、種類豊富なイワシ料理を主に、夏は天然岩ガキ、冬はアンコウと、四季折々の新鮮な地魚が提供されています。

冷凍ではなく生のアンコウにこだわった、『あんこう鍋』、生肝を出汁に溶かして食べる『どぶ汁鍋』(4300円)、無加水で調理した1日1食限定『漁師のどぶ汁』(5600円)と、3種のあんこう鍋があり、最後の雑炊まで美味しく味わえます。

鍋は、鰹や昆布のシンプルな出汁をベースとし、7種類の味噌に3種類の根菜を加えた自家製味噌仕立て。辛みと甘み、絶妙な香りとコクが特徴のスープは、風味豊かでアンコウとの相性もばっちりです。

味処 大森
『あんこう共酢』1600円

鍋以外にも、茹でたアンコウを赤味噌ベースの酢味噌で食べる『あんこう共酢』や、アンコウをネギ醤油にくぐらせて下味をつけた『あんこう唐揚げ』(1800円)など、多彩なアンコウ料理を味わえます。

味処 大森
趣ある門構え。駐車場は第1〜3まで用意されている

カウンター席から、座敷で椅子に座れるタイプの席まで揃う席数の多い店ですが、アンコウのシーズンは数カ月先まで予約でいっぱいなこともあるので、早めに予定を立てるのがおすすめです。

■味処 大森
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町3152-1
【ランチ】11時30分~14時30分(最終入店13時30分、LO14時)【ディナー】17時~20時30分(最終入店19時30分、LO20時) 
月・火(祝日の場合は変動あり)
大洗駅より15分/北関東道水戸大洗ICより10分
30台
「味処 大森」の詳細はこちら
「味処 大森」のクチコミ・周辺情報はこちら

旬の味 なかむら【大洗町】

旬の味 なかむら
『あんこう鍋コース』8000円(2人前〜)

厳選素材を手間ひまかけて仕上げた和食の店「旬の味 なかむら」。冬季は予約制であんこう鍋のコースが食べられます。

鮮度や質にこだわって仕入れたアンコウを余さず使用し、客席ではなくキッチンで調理したものを食べ頃に持ってきてくれるスタイル。旨みが詰まった〆の雑炊も、一度鍋を下げて完成した状態で再度提供されるので、すぐに味わえます。

特製の味噌とあん肝を溶いた濃厚な出汁に柚子が香る、爽やかな後味が特徴で、最後まで楽しめますよ。

旬の味 なかむら
口の中でとろける、自家製あん肝ポン酢

『あんこう鍋コース』は、その時一番おいしい旬のものを使って、先付、前菜、刺身、焼物から、あんこうの供酢、あん肝ポン酢、甘味まで付いた充実の内容です。

旬の味 なかむら
店主と息子さんがDIYした内装

住宅街にあり、隠れ家的な佇まい。料理について丁寧に説明してくれる店主の人柄が親しみやすく、各地から通うファンも多い店です。

特に冬季のアンコウの時期は早めの予約がおすすめですよ。

■旬の味 なかむら
茨城県東茨城郡大洗町五反田232
【ランチ】11時30分〜14時(LO13時)【ディナー】18時〜22時(LO19時30分)※予約の場合は応相談
月(祝日の場合は翌日)
東水戸道路水戸大洗ICより8分
10台(無料)
「旬の味 なかむら」の詳細はこちら

「あんこう鍋」が味わえる旅館・民宿

大洗パークホテル【大洗町】

大洗パークホテル
あんこう鍋と和洋の会席コースを夕食で味わえる宿泊プラン

海と松林に囲まれた寛ぎのリゾート「大洗パークホテル」では、11月~3月の期間限定であんこう鍋が食べられる宿泊プランが登場します。

下北半島から常磐沖でとれたアンコウを厳選し、あんこう料理専門店で修行を重ねた料理長が丁寧に下処理。水温が低い地域のアンコウを使用することで、引き締まった身と、脂がのってしっとりした口当たりのあん肝が味わえるそうです。

大洗パークホテル
『あんこう尽くしコース』の一例。和と洋を織り交ぜたこだわり会席

あんこう鍋が味わえるプランは、スタンダードとアンコウ尽くし会席の2種類あり、『あんこう尽くしコース』は脂がのった冬のアンコウのタンパクな白身から濃厚な肝までを味わい尽くす贅沢な内容です。あん肝のポン酢ジュレや、あんこうの唐揚げ、さらに、あん肝と牛フィレ肉のロッシーニ風など、他ではなかなか味わえない、さまざまな料理も楽しめますよ。

大洗パークホテル
本館の客室「展望ジャグジー風呂付キング」

ホテルの客室は、オーシャンビューの展望風呂付き客室からスタンダードツインまでシーンに合わせた6タイプの部屋があります。

また、あんこう尽くし会席及びあんこう鍋付きプランは対象外ですが、2024年4月に敷地内にオープンしたサウナ&温泉露天風呂付ヴィラも素敵です。

■大洗パークホテル
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8249-10
【あんこう鍋×スタンダード】基本プランとあんこう鍋で愉しむ冬グルメ旅<あんこう鍋×スタンダード★>2万900円~(1泊2食付き、1室2名利用時の1名料金)
東水戸道路水戸大洗ICより車で15分
46台(無料)
「大洗パークホテル」の詳細はこちら

ホテル大洗 舞凛館【大洗町】

ホテル大洗 舞凛館
あんこう鍋は臭みがなく、スープが絶品※写真はイメージ

「ホテル大洗 舞凛館(まりんかん)」も、11月~3月の期間限定であんこう鍋がメニューに加わります。あん肝とニンニクを使用した特製出汁が絶品の、オリジナルあんこう鍋で、〆の雑炊までしっかり堪能できますよ。

ホテル大洗 舞凛館
朝夕食ともに完全個室でゆったり。別途料金で部屋食(4名まで)も可能

食事は完全個室なので、子連れやグループでも気兼ねなく食事できます。

あんこう鍋のほかにも、常陸牛カルビや、茨城県のブランド豚「美明豚(びめいとん)」、海の幸の創作舟盛など様々なプランが揃っていますよ。

ホテル大洗 舞凛館
装飾が施された障子の和室は8畳〜15畳

客室は和室のほか、小型犬や猫などのペットと宿泊できる新館が2024年12月にオープン。同時にドッグランもオープンし、宿泊客は無料で利用できますよ。

■ホテル大洗 舞凛館
茨城県東茨城郡大洗町大貫町357
【絶品★舞凛館オリジナル・舞凛あんこう鍋セットプラン】▲朝夕2食・完全個室でご堪能▲1万7500円〜2万5190円(1泊2食付き、1室2名利用時の1名料金)
北関東道大洗ICより10分
20台(有料)
「ホテル大洗 舞凛館」の詳細はこちら

うぐいす谷温泉 竹の葉【北茨城市】

うぐいす谷温泉 竹の葉
『あんこう鍋』は1人前3300円で単品注文も可能

四季折々、地元の海の幸・山の幸を使った料理が自慢の宿「うぐいす谷温泉 竹の葉」。冬季限定のあんこうづくしプランでは、常磐沖で獲れるキアンコウを使用した鍋や料理が味わえます。

鍋は、地元産の味噌とたっぷりのあん肝で仕立てた味噌ベースの濃厚スープが特徴。初めての人でも美味しく食べられるよう、濃厚さはそのままに、臭みをおさえた味に仕上げられています。

うぐいす谷温泉 竹の葉
あんこうづくしプランの夕食

そのほか、タンパクなアンコウの白身をさっぱりと味わえる刺身や、脂ののった濃厚なあん肝ポン酢など、定番のあんこう料理を堪能できます。

また、あんこう鍋以外にも、キンキの煮付けや常陸牛などのメイン料理をはじめ、板長による手の込んだ季節の前菜などにも注目です。

うぐいす谷温泉 竹の葉
穏やかなせせらぎと豊かな木々や緑に包まれた、風情ある温泉宿

二ッ島川沿いの谷あいに佇み、季節の自然を楽しめる立地。川に面した温泉は保温性に優れ、肌がすべすべになると何度も入浴するお客さんが多いそうですよ。

■うぐいす谷温泉 竹の葉
茨城県北茨城市磯原町磯原2275
【期間限定】 冬季限定!あんこうを隅からすみまで食べ尽し♪≪あんこうづくし≫2万2000円〜(1泊2食付き、1室2名利用時の1名料金)
常磐道北茨城ICより5分
20台(無料)
「うぐいす谷温泉 竹の葉」の詳細はこちら

あんこうの宿 まるみつ旅館【北茨城市】

あんこうの宿 まるみつ旅館
あんこう鍋の提供期間は9月1日~6月30日

あんこう料理に携わって80年の「あんこうの宿 まるみつ旅館」。冬季はもちろん、1年中あんこう料理が楽しめる宿です。

この旅館のあんこう鍋は、茨城県北部から福島県南部の郷土料理として伝わる「どぶ汁」です。アンコウの肝を鍋に炙り焦がし、味噌を加えてアンコウの身と野菜から出る水分だけで煮込み、秘伝の出汁を加えたもの。

独自の濃厚な味は「一度食べたらクセになる」とリピーターも多いそうです。また、全国ご当地鍋フェスタ「鍋-1グランプリ」では2017年、2018年と2連覇を果たしています。

あんこうの宿 まるみつ旅館
『あん肝味噌ラーメン ライス付き』1145円

あんこう鍋を食べられるのは宿泊客のみですが、土日限定で旅館の食事処を「麺屋まるみつ」として営業し、あん肝ラーメンを提供しています。

贅沢にあん肝が乗った味わい深いラーメンに、〆はライスを入れて雑炊風で味わうのもおすすめです。営業日は公式HPやSNSなどで確認してみてください。

あんこうの宿 まるみつ旅館
敷地内に「あんこう研究所」も併設

館内のお風呂も充実しており、「無重力体験!?日本一の深さ宇宙風呂」「女性に大人気コラーゲン風呂」などのユニークなお風呂が6種類。また、併設の「あんこう研究所」では、あんこうの研究や新しいあんこうグルメの開発にも取り組み、オリジナルグッズなども購入できます。

■あんこうの宿 まるみつ旅館
茨城県北茨城市平潟町235
鍋-1グランプリ優勝の鍋【あんこうどぶ汁】と旬の地魚プラン:1万9400円〜(1泊2食付き、1室2名利用時の1名料金)
15台(無料)
「あんこうの宿 まるみつ旅館」の詳細はこちら

筑波山江戸屋【筑波市】

筑波山江戸屋
国内産の厳選されたアンコウを使用

筑波山神社に程近い山あいに立つ温泉旅館「筑波山江戸屋」では、11月〜2月末の期間限定であんこう鍋が味わえる宿泊プランが販売されます。

中でも、茨城県産の食材をふんだんに使用した創作和食にあんこう鍋がついたプランは、メインのあんこう鍋に至る前の料理も丁寧に仕込まれ絶品。「あんこうづくし」プランでは、あん肝とあんこう唐揚げも食べられます。

筑波山江戸屋
アンコウの7つ道具が全て入ったあんこう鍋

あんこう鍋は、味噌ではなく珍しい醤油ベースの江戸屋オリジナル。スープにたっぷり入ったあん肝の旨味を存分に堪能できるのが魅力です。〆の雑炊まで美味しく味わえますよ。

筑波山江戸屋
自然に囲まれ、静かで穏やかな時間が流れる館内

宿は創業390余年の伝統を受け継いだ和風クラシカルモダンな内装。pH10.18のアルカリ性単純泉温泉は、肌がつるつるになると言われています。敷地内に湧き出る湧水「杉の水」を使ったコーヒーもおすすめです。

■筑波山江戸屋
茨城県つくば市筑波728
「あんこう鍋」と「季節の創作和食」の贅沢プラン2万3100円~(1泊2食付き、1室2名利用時の1名料金)
常磐道土浦北ICより35分
20台(無料)
「筑波山江戸屋」の詳細はこちら

茨城県「あんこう鍋」マップ

まとめ

それぞれの店や宿泊施設ごとにこだわった「あんこう鍋」。地元ならではの鮮度と質の高い味を、手頃な価格で堪能できるのも醍醐味です。美味しく温かい鍋で、身も心もぽかぽかになる茨城の冬旅を楽しんでくださいね!

※この記事は2025年1月21日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

GAKU(J.9)  GAKU(J.9)

株式会社J.9(ジェイ.キュー)所属のライター。福岡・東京を拠点に観光情報誌、情報WEBサイトで日本各地のグルメ、イベント情報などを日々発信しています。Twitterで食べたい!行きたい!情報を随時更新中。 @GakuKael(https://twitter.com/GakuKael)、株式会社J.9( http://j9-fukuoka.com/about/)

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