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2019.12.02

【和歌山】郷土料理「めはり寿司」!「総本家めはりや」の作り方&美味しさの秘密に迫る

2004年にユネスコ世界遺産にも登録され、世界中から多くの人が訪れる熊野古道。
この地域に古くから伝わる郷土料理が、今回紹介する「めはり寿司」です。
一般の家庭料理からご当地名物に変えたのが、1962年創業の「総本家めはりや」。
その美味しさの秘密や家庭での作り方を取材しました。

記事配信:じゃらんニュース

めはり寿司ってどんな寿司?

日本最古のファーストフード

新宮市を中心とする熊野地方で、古くから山仕事や農作業のお弁当として重宝されてきためはり寿司。奈良時代の文献にも記述が残っており、日本最古のファーストフードという声も。高菜の漬物でおにぎりを巻くだけというシンプルな料理ながら、深い味わいが長年愛されています。

めはり寿司

めはり寿司の名前の由来は諸説ありますが、以前はソフトボールほどの大きさだったため、目を見張りながら大きな口を開けて食べる様子から名付けられたとか。また、平安時代に活躍した熊野水軍の見張り番が食べていたことから、「見張り寿司」がめはり寿司になったという説もあります。

総本家めはりや

家庭料理だっためはり寿司を観光で訪れた方にも味わってほしいと初めて商品化したのが、昭和37(1962)年創業の「総本家めはりや」。女性やお年寄りも楽しめるようににぎりこぶし大の食べやすいサイズに変え、葉っぱで巻くだけでなく、タレにあえた茎の部分を具として入れ、現在よく知られるめはり寿司の形を作り上げました。

総本家めはりや

今では熊野地方の名物として、地元の方はもちろん、観光客からも評判に。ご飯とお漬物という日本人の基本とも言える食材のため、初めて食べる方も「懐かしい味」となじむ方が多いそうです。

めはり寿司発祥の熊野ってどんなところ?

日本書紀にも登場する世界遺産の地

熊野

和歌山県南部と三重県南部にまたがる熊野地方。古くから神々の住む聖地とされる特別な場所で、熊野三山(田辺市の熊野本宮大社・新宮市の熊野速玉大社・那智勝浦町の熊野那智大社)を中心とする熊野信仰の中心地として知られています。
2004年には、「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録。現在では世界中から観光客や、熊野古道を歩いて参拝する巡礼者が数多く訪れています。

愛される名店!「総本家 めはりや」の秘密に迫る

二代目ご主人村尾久彦さんに聞く、めはり寿司3つのこだわり

総本家めはりや

「総本家めはりや」の一番のこだわりは、作り置きはせずに、注文を受けてからにぎるということ。温かいご飯の方が、全体的にタレがなじみやすく美味しくなるから。名前に「寿司」とついているので、酢飯を想像される方もいますが、使うのはふつうのご飯。ちなみに本来のお寿司も、普通のお米に魚をつけて発酵させたもの(ふな寿司をはじめとしたなれ寿司)だそうです。

総本家めはりや

2つ目のこだわりは高菜。九州でも有名ですが、収穫方法が異なります。通常は白菜やキャベツのように株で収穫しますが、このあたりではちょうど良い大きさに成長した葉っぱだけを1枚ずつとり、内側のものは成長を待ちながら順々に収穫していく。農家さんは手間がかかりますが、めはり寿司のサイズに合わせた高菜の葉っぱを育ててくれているのです。
3つ目は、先代から受け継がれた秘伝のタレ。高菜の塩味と相性の良い醤油ベースのタレになっています。家庭では様々な味付けで楽しまれており、酢醤油やマヨネーズにつけて食べる方もいるとか。

ご飯とおかず(お漬物)として完結している食べ物ですが、様々な料理との組み合わせが楽しめるのも、めはり寿司の魅力。「総本家めはりや」では、豚汁、山芋とろろ、めざしがセットになった「めはり定食・1450円」が創業当時からの定番メニュー。エビの天ぷらとご飯を包んだ「めはり天むす・720円」、さっぱりしためはり寿司と相性の良い串カツをセットにした「串カツ膳・1350円」なども人気だとか。

家庭でも楽しめる!めはり寿司の作り方

めはり寿司の作り方

まずは高菜の漬物を水洗いし、まな板に広げます。慣れないと葉っぱを引っ張りすぎて破けてしまうので注意!軸の部分は少し硬めなので、葉の部分と切り分けます。

めはり寿司の作り方

切り取った軸の部分を細かくきざんで、特製のタレに漬け込みます。家庭で作るときは、醤油、酒、みりんなどを混ぜて、お好みの味に仕上げてください。熊野地方では、酢醤油に漬け込む家庭もあります。

めはり寿司の作り方

中には漬け込んだ軸の部分を入れるのが「総本家 めはりや」の基本ですが、おにぎりと同じように鮭や明太子など様々な具を楽しめるのが、めはり寿司の魅力。「総本家 めはりや」では、天むすも人気メニューの一つ。

めはり寿司の作り方

軽くにぎって形を整えます。めはり寿司は、ふつうの俵型のおにぎりより少し大きめサイズが基本。葉っぱを丁寧に広げながら、おにぎりの端の方から全体を巻き込みます。最後に少し手に特製タレをつけながら、全体を軽くにぎって形を整えます。

「総本家 めはりや」では、作りたての温かいめはり寿司を4個入り/640円で提供。中には「味がなじんだ方が好き」という理由から、2~3時間前に注文する地元のお客様もいるとか。ぜひ大きい口で目を張りながら頬張ってみてください!

■総本家めはりや
[住所]和歌山県新宮市薬師町5-6
[営業時間]11時~22時(21時入店ストップ)
[定休日]水曜日
[アクセス]【電車】紀勢本線 新宮駅 徒歩12分【車】那智勝浦新宮道路 新宮南IC約10分 
「総本家めはりや」の詳細はこちら

※この記事は2019年11月時点での情報です
※掲載の価格は全て税込価格です
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください

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Akiko  Akiko

美味しいものを求めて、国内外を旅するライター。最近は山登りも始めるも、何よりの楽しみは下山後のビールと温泉。

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