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2020.09.03

歴史ある文化財のカフェで贅沢な時間を。美しい建築や雰囲気を堪能しよう【全国】

気ぜわしい日常から逃れ、落ち着いた空間でゆっくりとティータイムを楽しみたい…そんなモードになっている人は多いのでは?

そこで今回は、全国の重要文化財や登録有形文化財指定の建物・施設にあるカフェをご紹介。都会のオアシスのような、あるいは閑静な別荘地で出合える、とっておきのお店ばかりです。

※この記事は2020年8月26日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト【北海道】

ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
明治前半期と昭和、2つの時代の建物が共存

JR札幌駅からタクシーで約5分。2年前、旧永山武四郎邸・三菱鉱業寮内にオープンした「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」。

ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
こちらが旧永山武四郎邸
ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
書院座敷(和室)と応接室(洋室)が直接つながる間取り

旧永山武四郎邸は、屯田兵の父と呼ばれ、第2代北海道庁長官を務めた永山武四郎氏が1877年(明治時代前半期)に建てた私邸です。

緑に囲まれた邸宅内は、純和風書院座敷と洋風の応接室がつながる和洋折衷様式で、開拓時代当時の北海道で多く見られた西洋建築の様式が随所に伺えます。

ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
旧三菱鉱業寮。ミントグリーンの外観や丸窓が印象的

そしてその隣にあるのが永山氏の逝去後、1937年頃に三菱合資会社が買い取り、増築した洋館・三菱鉱業寮。「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」はこちらの1階にあります。

館内にある電話室やホール、その他、オリジナルのステンドグラスなど、どこを切り取ってもフォトジェニック。和洋折衷の空間に合わせて選ばれたクラシカルな家具もすてきです。

旧永山武四郎邸は北海道の指定有形文化財、旧三菱鉱業寮は2019年9月、国の登録有形文化財にそれぞれ指定されています。どちらも見学は無料です。

ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
永山邸カレー1078円。2種類のルーが味わえます

レトロな邸宅カフェで味わうのはオリジナルカレーやビーフシチュー、オムライスなど。北海道産の和牛を使ったオリジナルの厚切り牛ヒレレアカツサンドや季節のフルーツサンドなどサンドイッチも各種揃います。今回挙げたメニューはすべてテイクアウトOKです。

ナガヤマレスト/文化財指定のカフェ
十勝新得町・北広牧場のソフトクリームを使ったソフトクリームパフェ1078円~

北広牧場のソフトクリームをあしらったパフェやプリン・ア・ラ・モードなどデザートメニューもおすすめ。なんとパフェもテイクアウトOK。夜遅くまで利用できるのもうれしいですね。

和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト
[TEL]011-215-1559、011-232-0450(札幌市旧永山武四郎邸及び札幌市旧三菱鉱業寮)
[住所]北海道札幌市中央区北2条東6-2(永山記念公園内)
[営業時間]11時~22時(LO21時)※開館・見学は9時~
[定休日]毎月第2水(祝日の場合は翌日)、年末年始
[アクセス]【電車】市営地下鉄 東西線「バスセンター駅前」駅10番出口より徒歩8分 
[駐車場]なし
「旧永山武四郎邸」の詳細はこちら
「和洋折衷喫茶 ナガヤマレスト」の詳細はこちら

大正浪漫喫茶室【青森】

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
弘前公園に隣接する「藤田記念庭園」の中にあります

JR弘前駅からタクシーで約10分。「藤田記念庭園」にある洋館の中に、モダンな喫茶室があるのを知っていますか。

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
赤いとんがり屋根が目を引きます

こちらのかわいい洋館は1921年、弘前出身の実業家・藤田謙一氏の別邸として建てられました。館内にはステンドグラスや窓ガラスなど大正時代の建築の粋が当時のまま保存されていて、2003年には国の登録有形文化財に指定されています。

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
光が注ぐ窓際席。家具もタイルもおしゃれ

写真は“特等席”と評判の大広間の窓際席。サンルームから陽光がたっぷり注ぎ、心地いい空間です。岩木山を借景にした庭園も望めます。ペパーミントグリーンの家具や窓枠、モザイクタイルの床など目に映るもの全部、かわいいですね。

庭園の開園期間は毎年4月中旬から11月23日ですが、洋館は通年利用OK。ステンドグラスは1階の大ホール・玄関で見られます。

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
手前から「タムラファーム」、「ないすらいふ」のアップルパイ

喫茶室の人気メニューはアップルパイとドリンクのスイーツセット660円~825円。市内7店舗のアップルパイとドリンクをそれぞれ1品ずつ選べます。

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
「洋館のプリンアラモード」770円

この夏は新メニューも仲間入り。まずは今年じわじわキテいる固めのプリンと、洋館風クッキーをあしらった昔懐かしいプリンアラモード。

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
オリジナルソーダ。写真は大人メロンソーダ605円

こちらも懐かしいオリジナルソーダ。メロンソーダと桜バージョンがあり、どちらも洋館風クッキー付き。レトロな空間に合います♪

大正浪漫喫茶室/文化財指定のカフェ
りんごガレット660円

他にも白神産そば粉を使用したそば粉のガレットをはじめスイーツ、ドリンク、軽食までメニューはいろいろ楽しめます。

大正浪漫喫茶室(たいしょうろまんきっさしつ)
[TEL]0172-37-5690
[住所]青森県弘前市上白銀町8-1(藤田記念庭園 洋館 内)
[営業時間]9時~17時
[定休日]なし
[アクセス]【電車】JR 弘前駅より土手町循環100円バス利用、市役所前停下車、徒歩5分【車】東北道大鰐ICより25分
「大正浪漫喫茶室」の詳細はこちら

VERT CAFE(ヴェール カフェ)【埼玉】

VERT CAFE/文化財指定のカフェ
「VERT」とはフランス語で緑の意味

2016年12月に行田市の有形文化財に指定された「旧忍町信用組合店舗」。1922年、地場産業を支える足袋商のオーナーらが出資し創業した地元金融機関の建物で、木造洋風のハイカラな造りです。

VERT CAFE/文化財指定のカフェ
写真は1階。現在、席数を減らし全席非対面の形をとっています

2018年9月、市内にある水城公園の東側園地に移築(一部リノベーション)。「VERT CAFE(ヴェールカフェ)」としてオープン以降、水城公園を含め、市民の憩いの場となっています。

VERT CAFE/文化財指定のカフェ
プレートの左手前がご当地グルメのゼリーフライ

カフェでは“行田の魅力を発信する”をコンセプトに地元の食材を使ったご当地グルメを提供。おすすめは、ゼリーフライピタパンサンド(780円)や行田古代米カレー(880円)など。ちなみにゼリーフライとは行田のご当地グルメで、パン粉などの衣は使わずに素揚したおからコロッケのようなものだそう。

VERT CAFE/文化財指定のカフェ
アフタヌーンティーセットは1人1650円(2名から受付)

レトロな空間にぴったりのアフタヌーンティーセットも好評です。14時~16時限定。利用日の3日前までに電話予約が必要です。

VERT CAFE/文化財指定のカフェ
メロンソーダ528円、他

今夏は4種のフロートがリニューアル。右上から時計回りに昔ながらのメロンソーダ「ヴェールフロート」、「ほろ苦コーヒーフロート」、ブルーソーダの「浮城フロート」、イチゴソーダの「甲斐姫フロート」。

その他、各種ドリンクやゼリーフライ120円、梨アイスバー220円などもあり、フロートを含めテイクアウトもOKです。

VERT CAFE(ヴェールカフェ)
[TEL]048-556-4330
[住所]埼玉県行田市水城公園2305
[営業時間]11時~16時(L.O.15時30分)
[定休日]木、祝日
[アクセス]【電車】JR 行田駅より市内循環バス(右回り)利用、水城公園停下車 【車】東北道羽生ICより25分
[駐車場]水城公園南側駐車場(無料)またはバスターミナル駐車場を利用。徒歩3分
「VERT CAFE」の詳細はこちら

旧軽井沢Cafe涼の音(すずのね)【長野】

旧軽井沢Cafe涼の音/文化財指定のカフェ
雑木林に囲まれた隠れ家カフェ。2013年7月に登録有形文化財に指定

自然と文化が同居する国内有数の避暑地、軽井沢のなかでも、賑やかな軽井沢銀座商店街とは対照的な一画。万平ホテルに程近い閑静な別荘街で出合うカフェがこちら。

ベンガラ色の外観と土管煙突が特徴の、前期軽井沢バンガロー建築で、建てられたのは大正~昭和初期と思われています。この建物の外観が国の登録有形文化財に指定されています。

明治時代、総理大臣や大蔵卿を務めた松方正義の孫娘で、駐日アメリカ大使・エドウィンライシャワー夫人の松方ハル氏が所有。1940年代にはスウェーデンの公使館として使われていた由緒ある建物で、1970年代には軽井沢に縁のある作家・森瑤子氏らもこちらで執筆活動をしていたとか。

旧軽井沢Cafe涼の音/文化財指定のカフェ
窓ガラスはレトロな大正ガラス。ガラス越しにゆらゆらとこぼれる緑がきれい

間取りは建築当時から変えておらず、調度品なども手直しして使っているそう。避暑地・軽井沢の初期の別荘の歴史や雰囲気が存分に味わえます。

旧軽井沢Cafe涼の音/文化財指定のカフェ
フレンチトースト1100円。朝からオーダーできますが数量限定なのでお早めに
旧軽井沢Cafe涼の音/文化財指定のカフェ
海老とホタテのアメリケーヌソースパスタ1540円

店主におすすめメニューを伺いました。まずは「フレンチトースト」。フルーツたっぷりで彩りも鮮やかです。

そしてもう一品が「海老とホタテのアメリケーヌソースパスタ」。エビの殻でダシを取り、ホワイトソースで仕上げた濃厚ソースのパスタ。サラダ、スープ、パンがセットになっています。

その他モーニング、ランチも各種。ケーキやドリンクも豊富です。

■旧軽井沢Cafe涼の音(すずのね)
[TEL]0267-31-6889
[住所]長野県北佐久郡軽井沢町旧軽井沢972 ハウスNo.1138
[営業時間]9時~17時(モーニングL.O.11時、ランチ11時30分~L.O.16時30分)
[休み]水 ※祝日の場合翌日、12月~3月
[アクセス]【電車】JR 軽井沢駅よりタクシーで3分 【車】上信越道碓氷軽井沢ICより18分
[駐車場]周辺の有料駐車場利用
「旧軽井沢Cafe涼の音(すずのね)」の詳細はこちら

児島あさこ  児島あさこ

編集者・ライター。旅先での楽しみは日頃おせわになっている人へのおみやげ選び。道の駅、美術館、セレクトショップ、うつわ屋さん…など贈る人の好みに合わせて物色している時間が幸せです。好きな町は金沢。

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