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2021.11.07

温泉マニアも大興奮!「東京近郊」の日帰りできる名湯エリア4選を紹介します<2021>

訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。

この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、アクセスや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。

※この記事は2021年11月1日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

近場でさくっと、名湯に浸かりたい

心身ともに疲れがたまっている人であれば、少しでも近場で、さくっと浸かれる温泉へ行きたいもの。休日に1泊するのもいいけれど、日帰りもOKであればなお気軽で嬉しいのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、首都圏在住の方におすすめな、東京近郊の日帰り可能な温泉エリア。「温泉地」とまではいかなくても、いい温泉が湧いている場所をまとめました。

選定ポイントは、「温泉好きもテンションが上がるような、いい温泉かどうか」。国内外あわせて約500湯に浸かった筆者(私)の独断と偏見で、個人的におすすめな温泉をピックアップしました。

都内に湧く“いい温泉”といえば、「大田区・蒲田エリア」の銭湯

東京都内にも、温泉マニアが興奮するような温泉が湧いています。品川区・武蔵小山の「清水湯」や、板橋区・志村坂上の「前野原温泉 さやの湯処」などが有名どころ。いずれも日帰り温泉施設で、連日多くのお客さんで賑わっています。

中でも私がおすすめなのは、大田区・蒲田に湧いている黒湯の温泉銭湯たち。

(画像提供:フォトAC)
にぎやかな蒲田の街に、マニアも喜ぶ温泉が湧いている(画像提供:フォトAC)

「改正湯」「蒲田温泉」「はすぬま温泉」などなど、温泉をそなえた銭湯は10箇所以上。そもそも銭湯の数がとても多く、大田区は都内1位を誇るそうです。

東京近郊では、“黒湯”と呼ばれる、名の通り黒い温泉が湧いています。その正体は、「モール泉」という植物由来の成分が豊富な温泉のこと。肌触りはぬるぬるつるつるしていて、美肌効果があると言われています。

蒲田の温泉も黒湯が有名で、中には源泉かけ流しの銭湯もあります。

私が蒲田を推す理由は「黒湯の濃さ」「銭湯の個性」「散策の楽しさ」の3つ。蒲田の温泉はとても色が濃い印象で、ずぶりと体を沈めると、肌の色が見えなくなるほど。浸かっているだけで嬉しくなっちゃいます。

また、蒲田の温泉銭湯は個性派ぞろいなのも特筆したいポイント。湯船から鯉の水槽がどーんと見える銭湯や、大正ロマンがコンセプトの雰囲気あるところなど、どこへ行こうか迷ってしまいます。

改正湯
古き良き銭湯に、真っ黒な温泉が満ちている(改正湯)

そしてなにより、湯上がりにさくっとビールを引っ掛けたくなるような、蒲田のおおらかな雰囲気。大きな街でありながら下町感も残っていて、散策がとても楽しいエリアです。

「山梨・甲府」で、源泉かけ流しの“黒湯”を堪能

山梨県の甲府市街地にも、黒湯が湧いています。甲府駅周辺に点在する温泉銭湯は約9箇所。そのほとんどが「源泉かけ流し」なので、温泉好きとしては楽園のようなエリアなのです。

甲府駅についたら、レンタサイクルを借りて温泉銭湯へ。東京・蒲田と比べると、やや褐色・ウーロン茶色に近い温泉が目立ちます。いずれもすばらしい新鮮さと湯量で、町中にこんないい温泉が湧いているのか、と驚かずにはいられません。ぬるつるで肌から滑り落ちるような感触は、甲府の湯ならではだと思います。

新遊亀温泉
タイルがかわいい甲府の温泉銭湯。ひたひたに注がれているのも◎(新遊亀温泉)

レトロな番台やアナログの体重計など、時が止まったままのような銭湯も多く、レトロな雰囲気が好きな方には特におすすめ。湯上がりは甲府の街でほうとうを食べたり、地元のワインやビールで乾杯したり。ちょっとした小旅行にはうってつけの場所です。

房総の山間に湧く美肌湯、「千葉・養老渓谷温泉郷」も要チェック

黒湯は東京・山梨だけではありません。千葉県中房総に位置する養老渓谷温泉郷にもぷくぷくと湧いています。

養老渓谷へは、東京から車で東京湾アクアラインに乗って1時間半ほど。午前中に出発して、黒湯に浸かり、房総の海鮮をランチでいただいて帰宅…という日帰り旅行がかなえられます。養老渓谷は旅館が多く、夕方には日帰りを受け付けなくなる場所もあるため、ランチ前の早めに温泉に浸かるのがおすすめ。

旅館嵯峨和:2013年撮影
山間の旅館にひっそり湧く、黒々としたモール泉(旅館嵯峨和:2013年撮影)

房総は自然に溢れていて、絶景や道の駅ショッピングなど、温泉・グルメ以外にも楽しめる要素がたくさん。癒やしを求める方にはうってつけのエリアと言えそうです。

お疲れ都民の駆け込み温泉地、「湯河原」は温泉マニアも大好き

東京から新幹線を使って、最速60分で辿りつく温泉地。神奈川県・湯河原温泉は、「おつかれ都民の駆け込み温泉地」と名付けたくなるほど、アクセス抜群なのです。

湯河原駅に降り立つと、その穏やかで落ち着いた空気にほっと癒やされるはず。近隣温泉地の熱海や箱根と違って、観光地らしさよりも、のんびりとした小さな町という印象があります。春先の梅鑑賞シーズンをのぞけば、ゆっくりと過ごせるはず。

湯河原駅
隈研吾氏設計の駅舎もじっくり楽しみたい

湯河原の温泉は、これまで紹介してきた黒湯とは違い、透明でやわらかな湯が特徴。エリア内には3種類の泉質の温泉が湧いていて、それぞれが少しずつ異なる個性を持っています。私のおすすめは、きちきちとした浴感と、出汁のような匂いがする「硫酸塩泉」。まったり重く、疲れた体にじわじわと染みるような感覚が大好きです。

湯河原には日帰り温泉施設も、日帰り可能な旅館もあり、お好みに応じて選ぶのがおすすめ。電車でたった60分の距離ながら、現実逃避ができてしまうような不思議な感覚があります。

東京近郊には、つるつる美肌になれそうな名湯がいっぱい

今回ご紹介した蒲田・甲府・養老渓谷は、すべて黒湯が湧いているエリアです。東京近郊でよく見られる湯ですが、全国的にはめずらしいもの。他の地域でいえば、北海道・十勝温泉郷が挙げられます。

特徴的なぬるつる浴感と、美肌効果に期待ができることから、東京近郊にお住まいであればぜひ一度は浸かってみてほしい温泉なのです。

湯河原も1300年の歴史を誇る温泉地で、古くから療養地として愛されてきました。保温・美肌への効果が期待できる泉質も湧いているので、疲れを取る以外にもいいことがありそうです。

心身ともに疲れてしまった東京近郊のみなさん、さくっといい温泉に浸かるショートトリップをしてみては。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

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