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2022.05.28

ひとり旅でワインが楽しめる、おすすめ温泉地4選<全国・2022>

訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。

この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、周辺観光・アクセス・泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。

※この記事は2022年5月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

地元のワインがたらふく飲める温泉地に行きたい!

(画像提供:Adobe Stock)
しっぽり地産ワインを飲む温泉旅行に行きたい(画像提供:Adobe Stock)

ワインが大好物の私(筆者)は、旅先で地元のワインを見かけると必ずといっていいほど注文してしまいます。味や製法の違いにそこまで詳しくはないのですが、そこで作られていると知ってから飲む一杯はいつも以上に美味しく感じられるもの。もちろんワインだけでなく、日本酒・焼酎・ビールなどなど、テンションの上がる“地産のお酒”は、旅の目的になるほど強烈な引力を持っています。

今回ご紹介したいのは、ワインの産地にほど近く、ひとり旅におすすめな温泉地。挙げていく4つの温泉地はどこもしっとりと落ち着いていて居心地がよく、ひとりでふらっと訪れたくなるところばかりです。

東京からアクセス◎ やわらかな泉質で癒やされる石和温泉(山梨)

新宿駅から特急電車に乗って1.5時間ほどでたどり着く、東京近郊に位置する山梨県・石和(いさわ)温泉。

温泉街はとても落ち着いていて、仕事終わりや週末にサクッと逃避行できるような場所柄なのがとても良いところ。甲府市街地のすぐ近くにあるため、甲府の観光とセットで訪れるのもおすすめです。

(画像提供:photoAC)
近代的で立派な石和温泉駅(画像提供:photoAC)

山梨では明治時代からワイン醸造をしており、“日本のワイン発祥の地”とうたっているそう。ワインの生産量は都道府県で1位(※1)を誇り、明治初期創業の老舗から近年オープンした醸造所まで、県内のワイナリーは約80もあるのだとか。(※1 国内製造ワインの概況より)

石和温泉駅周辺には、館内を見学したり、試飲ができたりするワイナリー「マルス山梨ワイナリー」や「モンデ酒造」があります。また駅の観光案内所内にも、地産ワインをいただけるワインサーバーが配置されています。ワイン好きとしてはたまらないスポットばかり。

(撮影場所:旅館 深雪温泉)
石和温泉の湯は、とても優しい(撮影場所:旅館 深雪温泉)

石和に湧いているのはアルカリ性単純温泉という泉質で、やわらかく湯疲れしにくいのが特徴。石和には、リーズナブルなホテルからちょっと贅沢したいときの老舗旅館までさまざまな種類の宿があり、自分にあった滞在スタイルを選べるのもポイントです。

私のおすすめは、「旅館 深雪温泉」。驚くほどの湯量を誇る自家源泉が本当にすばらしいです。ぬる湯とあつ湯の混合泉で、すべての湯船が源泉からかけ流し。ドバドバと投入されていて鮮度がよく、温泉マニアもうなること間違いありません。

温泉街にワイナリーが4箇所も!ワインの町、赤湯温泉へ(山形)

山形県南陽市にある赤湯温泉には、東京から山形新幹線に乗って2.5時間でたどり着けます。「東北はちょっと遠いかも…」と感じる方でも、新幹線の停車駅が最寄り駅であるため、比較的アクセスの良い温泉地と言えます。

公式サイトにも記載の通り、「赤湯温泉は、実は日本有数の小さなワイナリーの集積地」。山形県内の11のワイナリーのうち、4つが赤湯温泉に集まっています。それぞれ工場見学ができたり、試飲ができたりと、ワイン好きとしては巡りたくなるワイナリーばかり。中には、生産量が少なく、全国に出荷されないという貴重なワインも取り扱っているのだとか。

(画像提供:Adobe Stock)
南陽市のぶどうハウス栽培(画像提供:Adobe Stock)

赤湯温泉には、個性豊かな旅館が軒を連ねています。

温泉地に湧く泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。豊かなたまご臭を感じながら、体をぽくぽくに温められる“塩の湯”が湧いています。自然豊かな赤湯の風景を眺めながら、ワインと温泉で心身を甘やかす旅にぜひ。

「信州の鎌倉」といわれる別所温泉で、硫黄泉と希少ワインを堪能(長野)

別所温泉は、長野県上田市にある、1400年の歴史を持つ温泉地。清少納言が『枕草子』に記載した一節のうちに「七久里の湯」という表記があり、これが別所温泉の起源だとする説もあるそうです。また、木曽義仲、源頼朝、塩田北条氏などの武将たちとも縁があり、「信州の鎌倉」と呼ばれています。

しっとりとした温泉街の雰囲気は、ひとり旅にぴったり。いわゆる“ひなび”な商店街が広がり、共同浴場も渋さ満点で、私は大好きな温泉地です。

別所温泉街(2013年に撮影)
別所温泉街(2013年に撮影)
共同浴場「大師湯」
共同浴場「大師湯」。たまご臭の源泉かけ流し温泉に浸かれる

豊かな山々を有する長野は、品質の良いぶどう栽培に適した気候なのだそう。山梨に次いで国内2位のワイン生産量を誇り、県内には個性豊かな62のワイナリーが存在しています。

長野にさまざまな温泉地がある中で、今回別所温泉を選んだのは、ひとり旅に向いているからだけではありません。別所でしか飲めないワインと言われる、「ヴィランジュ・ドゥ・ベッショ」があるから。地元上田市で採れたワイン用ぶどうを使って生産されており、別所の旅館や売店でのみ手に入れられる、希少なワインなのだそうです。

ワイン好きとしては、ぜひぜひこれをお目当てに旅行してみたいところ。

美しいレイクビューとともにいただくワインは絶品!洞爺湖温泉(北海道)

新千歳空港から電車を乗り継ぎ、1.5時間でたどり着く洞爺湖(とうやこ)温泉。湖畔沿いに旅館が並び、レイクビューを堪能できるロケーションが魅力です。

カヌー、キャンプ、トレッキングなどなど、アクティビティに興味のある方にもぴったり。

(画像提供:Adobe Stock)
洞爺湖温泉街の全景。昼も夜も、湖面が美しい(画像提供:Adobe Stock)

レイクサイドにはリゾートホテルが多く、「旅館でしっぽり」より、「ホテルで上品に」休暇を過ごしたい方におすすめ。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、さっぱりとしたよく温まる浴感が特徴です。

北海道もほかのエリア同様、ワインの産地として有名で、山梨、長野に次いで国内3番目の生産量を誇ります。洞爺湖温泉でぜひ飲んでみたいのは、洞爺湖を一望できるぶどう畑から作られた「月浦ワイン」や、湖畔東側に位置する小さなファームで醸造されている「キムンカムイワイン」。美しい洞爺湖の風景とともに、“地元の一杯”をいただく贅沢を楽しんでください。

地産のお酒を求める温泉旅行へ

最近泊まった旅館で、ビールや日本酒などさまざまな地産のお酒のメニューがあるにも関わらず、市場に流通されている“ふつうの生ビール”を注文している方を見かけました。もちろん飲みたいものを飲めばいいのですが、もし苦手意識がないのであれば、ぜひ地産のお酒を飲んでみてほしいと思っています。

ワインや日本酒、ビール、焼酎だけなく、地域の梅や杏でつくった自家製の果実酒や、お酒を飲みたくない人のためのジュースなども充実している宿も増えてきました。地産のお酒はちょっと割高になってしまうことはあるけれど、地域や旅館に貢献する一助として選ぶのもひとつの手です。

旅先でいただく地元の一杯は、いつも以上に心と体を贅沢な気持ちにさせてくれるはず。

<参考サイト>
ワインの国 山梨
国税庁 国内製造ワインの概況

※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

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