長野県にある、昭和レトロな雰囲気の温泉街「渋温泉」。9つの外湯が楽しめる九湯めぐりや、射的などレトロな遊びが楽しめるのが特徴の温泉地ですが、まだまだ知らない人も多いはず。
そこで今回は、「渋温泉」ってどんな温泉地?見どころは?魅力たっぷりの「渋温泉」と、周辺の観光スポットを紹介します!
渋温泉ってどんな温泉?特徴は?
昭和レトロを感じる石畳が魅力の渋温泉

渋温泉は、長野県北部の「湯田中渋温泉郷」内にあり、県内屈指の湯量を誇ります。「地面を掘るとすぐお湯が出る」といわれるほど、数多くの源泉が存在します。
そんな渋温泉の一番の魅力はやっぱり温泉街!石畳の続く温泉街には、外湯や足湯をはじめ、昔懐かしい射的や卓球場、食べ歩きにおすすめの温泉まんじゅうなど、どこか昭和を感じるレトロな雰囲気が楽しめます。
旅館の浴衣に身を包み、下駄を履いてカランコロンと音を鳴らしながら歩けば、まるでタイムスリップしたかのような、ノスタルジックで非日常な雰囲気を感じられます♪
渋温泉へのアクセス

車の場合は、東京方面から関越・上信越自動車道を通って、上信越自動車道中野信州中野ICより15分。計約3時間の道のりです。
電車で東京駅から出発する場合は、北陸新幹線を利用し、長野駅へ(約1時間20分)。長野駅で長野電鉄の特急に乗り換えて、湯田中駅で下車します(約50分)。湯田中駅からはバスかタクシーで移動する(約5分)と、渋温泉街に到着!
例年11月下旬~4月上旬の冬のシーズンは積雪の影響で道路が規制される場合もあるので、当日の道路情報にご注意ください。
渋温泉で外湯「九湯めぐり」を楽しもう!
日帰りは1カ所のみ。宿泊者限定の外湯をめぐって満願成就♪

渋温泉街には9つの外湯(共同浴場)があり、源泉や効能が異なるそれぞれの湯が楽しめます。利用は宿泊者限定ですが、「九番湯 渋大湯」のみ宿泊者以外も入浴可能です。
9つすべての外湯に入浴すると、「九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿のご利益がある」といわれ、願いが叶うとされています。利用方法は、宿泊している施設で外湯専用の鍵を受け取ればOK!必ず一番から九番まで順番通りに回らなければならないというルールはなく、一部のみの入浴でも大丈夫です。
別売りの「祈願手ぬぐい」(350円)を購入して、各外湯の入り口に設置されたスタンプを押しながら、スタンプラリー感覚で湯めぐりを楽しめます。満願成就を目指して、ぜひコンプリートしてください!
それでは、満願成就の九湯めぐりをご紹介します♪
一番湯 初湯

渋温泉街のほぼ中央に位置する「一番湯 初湯」。初湯は、胃腸機能の低下に効く泉質といわれています。やや熱めの湯は、入浴して数分で体がじっくり温まります。
二番湯 笹の湯
「一番湯 初湯」から歩いて数10mの「二番湯 笹の湯」。熱めの源泉が特徴で、水で調整しながら入浴します。お湯は湿疹などの皮膚疾患によいといわれています。
三番湯 綿の湯
渋温泉街の最も西側(湯田中駅側)に位置する「三番湯 綿の湯」。シンプルな造りの湯船と高い天井が特徴です。お湯は切り傷やおできによいとされ、心身ともにじっくりと温まる湯が楽しめます。
四番湯 竹の湯
格子模様の壁が印象的な「四番湯 竹の湯」。比較的広めの湯船に注がれた湯は痛風によいといわれています。先(一番湯~三番湯)のお湯に比べると温度は低く、ゆっくりと浸かることができます。
五番湯 松の湯
「四番湯 竹の湯」から歩いてすぐの「五番湯 松の湯」。渋温泉街を流れる横湯川の近くにあり、湯は脊椎病によいといわれています。湯船の三方がタイル張りで、身体を洗うスペースも広々としています。地元の方もよく利用している外湯なので、交流が楽しめるかもしれません。
六番湯 目洗いの湯
少し小さな造りが特徴の「六番湯 目洗いの湯」。その名の通り、眼病によい湯とされています。湯船は細長く、熱いお湯の外湯が多い渋温泉の中では一番ぬるめのお湯(40℃前後)になっています。
七番湯 七繰の湯

「六番湯 目洗いの湯」の2軒隣にあるのが「七番湯 七繰の湯」。小さな湯船が特徴で、4~5人でいっぱいになるため少人数で楽しむのがおすすめ。ストレスによる諸症状によいとされています。
八番湯 神明滝の湯
間口が狭いので、見逃し注意の「八番湯 神明滝の湯」。板張りの浴場で温泉成分の色がついた風情のあるお風呂です。湯は婦人病によいといわれています。
九番湯 渋大湯

最後にご紹介するのが「九番湯 渋大湯」。温泉街の中心部に位置し、他の外湯とは違い、日帰りで訪れた方も入湯料を支払えば入浴が可能です。湯はリュウマチや神経痛に効くといわれています。
通常の湯船に加え、蒸し風呂があり、サウナが苦手な人でも楽しめる40℃前後の温度でじっくり発汗できます。
0269-33-2921
6時~22時(九番湯 渋大湯の宿泊者以外の利用は10時~17時)
不定
無料(九番湯 渋大湯以外は、温泉の宿泊者のみ利用可能)
あり(渋温泉大駐車場500円)
「九湯めぐり」の詳細はこちら
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足つぼ効果でリフレッシュ♪「足湯 休足処 信玄」

ぬるめの温度(40℃前後)で、じんわりと温まるお湯が特徴の足湯。横湯山(よこゆやま)温泉寺の入り口付近にあり、観光客はもちろん、地元の人々にも親しまれています。
4つに区切られた足湯スペースの周りには、大小さまざまな石が敷き詰められた足つぼ湯があります。心地よい痛みを感じながらゆっくり回れば、リフレッシュできるはず。
温泉街散策に疲れたら、「足湯 休足処 信玄」に立ち寄って少し休憩してみてはいかがでしょうか?
温泉と一緒に楽しむならやっぱり卓球!「歌恋会館 無料卓球場」

温泉街で楽しめるスポーツといえばやっぱり卓球!渋温泉街には無料で楽しめる「歌恋会館 無料卓球場」があります。会館内に2台の卓球コートとラケット、ボールが用意されていて、営業時間内であれば、ふらっと立ち寄って卓球ができます。

周囲の壁には渋温泉街の変遷がわかる写真が貼られているため、見ているだけでノスタルジックな気分に♪卓球をするために立ち寄るのもよし、渋温泉街の歴史を知るために立ち寄るのもよしの、おすすめスポットです。
0269-33-2921
長野県下高井郡山ノ内町大字平穏
8時~22時 ※2022年8月現在コロナ感染症拡大防止のため9時~21時
なし
無料
あり(渋温泉大駐車場500円)
「歌恋会館 無料卓球場」の詳細はこちら
昔懐かしいレトロな射的場「面白屋遊戯場」

1917年創業、「面白屋」の大きな文字が目印の「面白屋遊技場(おもしろやゆうぎじょう)」。店内はまるでタイムスリップしたかのような趣のある射的場で、温泉街ならではの娯楽が楽しめます。遊び方は簡単!エアライフルを使用してポイントの的を撃ち、ゲットしたポイント数に応じて景品がもらえます。
的の上に並べられた景品は、懐かしいキャラクターがたくさん。子どもに戻った気分になれそうな、レトロな景品獲得を目指して、ぜひ挑戦してみてください。
古くから地元の人々に親しまれている「横湯山温泉寺」

「横湯山温泉寺」に伝わる話によると、京都の禅師が創建し、その後、戦国大名・武田信玄の寄進によって再興されたといわれています。曹洞宗の由緒あるお寺としても知られていて、寺宝には信玄公直筆の寄進状や軍配が残っているのだそう。歴史好きの人は必見です!

古くから地元の人々に親しまれ、渋温泉を見守っている「横湯山(よこゆやま)温泉寺」。渋温泉街の端の「足湯 休足処 信玄」から歩いてすぐの場所にあるので、足湯と同時に訪れるか、九湯めぐりの途中に立ち寄るのがおすすめです。
酒蔵の一部を改良したアート・ギャラリー「酒蔵美術館 ギャラリー玉村本店」

約150年前に建築された酒蔵を一部改良し、アート・ギャラリーとして公開している「酒蔵美術館 ギャラリー玉村本店」。玉村本店当主の佐藤家が代々コレクションした日本画を中心に展示しています。

渋温泉は、戦前から風光明媚な土地として知られ、日本画の巨匠・横山大観が画室を構えたり、戦後の日本を支えた白洲次郎・正子が保養の地に選んだりと、文化人が多く訪れる場所でした。
ギャラリーで展示している作品のほとんどは、渋温泉を訪れた作家によるものです。中でも伊藤深水や福田平八郎、山口華楊、上村松篁などは、玉村本店のお酒が縁で集まったといわれています。

玉村本店は、清酒「縁喜(えんぎ)」や志賀高原ビールの醸造元で、ギャラリー内で販売も行っています。グラスやグッズも販売しており、おみやげ選びにもぴったりのスポットです。
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地元の食材を生かしたフレンチが楽しめる「渋温泉食堂gonki」

ノスタルジックな石畳の渋温泉街の中で、パステルカラーの壁がひときわ目を引くおしゃれな「渋温泉食堂gonki(ゴンキ)」。フランスのアルザス地方で料理を学んだシェフが営んでおり、地元の食材や思い入れのある地域の食材を生かしたフレンチが楽しめます。

店内は洋風のインテリアや照明、食器で飾られ、まるでフランスのおうちに招かれたような温かみのある雰囲気が特徴。さっきまで温泉街を歩いていたことを忘れてしまいそうなおしゃれな空間で、お食事をゆったりと味わえます。

季節ごとにメニューが変わり、旬の食材を使用したフレンチが楽しめるのも魅力の一つ。現在はランチ・ディナーともに予約制の営業なので、気になった方は事前に予約して訪れてください。
0629-38-0246
長野県下高井郡山ノ内町平穏2267‐3
【ランチ】12時~ 【ディナー】18時30分~※完全予約制 ※基本的に18時30分、19時スタートのみでそれ以外は要相談。予約状況により食材があれば飲み物とおつまみの対応ができる場合あり ※ランチ、ディナーともに決まったLOはなし。
不定
6600円~
[駐車場]なし
「渋温泉食堂gonki」の詳細はこちら
温泉といえば、やっぱり温泉まんじゅう♪「羽田甘精堂」


創業1927年の和菓子店「羽田甘精堂(はたかんせいどう)」。自家製のこしあんにこだわり、創業以来三代にわたって守り続けた味が特徴です。
名物は「温泉まんじゅう」や「しそ巻」(1個108円)。親切なお店の方が、おみやげの説明はもちろん、周辺のおすすめ観光地についても気軽に教えてくれます。

3代目の店主が考案した、一口大のオリジナル餅菓子「はやそばもち」(6個入 350円)も人気商品の一つ。地元山ノ内町のそば粉を使った冷たいお餅で、信州みそや白ごま、砂糖を練ったタレを包んでいます。その他にもりんごやブルーベリーなど地元の素材を生かした季節商品も販売しているのでチェックしてくださいね。
ランチや本格コーヒーが楽しめる「小石屋旅館カフェ&レストラン」

「小石屋旅館カフェ&レストラン」は、築約100年の昭和初期に建てられた旅館の1階をリノベーションして営業しています。木のぬくもりが感じられる店内は、ホッと一息つけられる居心地のよさが魅力です。

テーブル席やバーカウンターなど、シチュエーションに合わせて座席が選べます。モーニングやディナー、土・日・祝はランチやカフェタイムに、とさまざまなシーンで利用可能です♪
メニューも時間帯によってさまざまで、信州の食材をふんだんに取り入れたごはんが楽しめます。

さらにおすすめしたいのが、バリスタが一杯ずつ丁寧に淹れるコーヒー。コーヒー豆は厳選したスペシャルティグレードの豆が使用されているそう。本格的なエスプレッソマシンもあり、ラテアートを楽しめるカフェラテ(550円)やカプチーノ(550円)が人気です。
本格的なコーヒーが味わえるお店なので、ランチの後にぜひ立ち寄ってみてください♪
0269-38-0311
長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2277
【平日】7時30分~9時30分、18時~21時 【土・日・祝】7時30分~9時30分、12時~14時、18時~21時
不定
3台
「小石屋旅館カフェ&レストラン」の詳細はこちら
吉本さとる
大阪在住。旅行、グルメ、求人、転職、企業情報を中心に、取材・執筆活動をおこなう旅好きフリーライター。学生時代の富士山登頂がきっかけで、まだ見ぬ世界を旅したいと思うように。以降、日本各地を旅したり、マレーシアで生活したりと、一期一会を求めて国内外を飛び回っている。モットーは『足踏みしてても、靴の底は減るぜ』。https://note.com/sy2519