日本有数の参拝客数を誇る千葉県・成田山新勝寺。駅前から成田山新勝寺まで続く参道は今でも江戸情緒を色濃く残しています。
その中で、ひときわ目を引くのが鰻料理店。古くから鰻をはじめとした川魚料理が食べられてきた成田エリアでは、江戸時代に成田詣が盛んになると、門前で提供される鰻料理が長旅の疲れを癒してくれると参拝客から評判になりました。
そこで今回は成田山周辺の美味しい鰻屋さんをピックアップしました!混雑回避のコツも調べたので参考にしてみてください。
【新勝寺総門より徒歩すぐ】成田山門前 旅館 若松本店
創業250年。老舗旅館ならではの熟練の技が光る

江戸時代後期の1768(明和5)年創業の老舗旅館です。ランチのみの利用もOKで、創業当時から名物としている鰻料理を味わうことができます。
鰻料理は、さばき、蒸し、焼きまでを一貫して熟練の板前が担当し、いつでもふっくらつややかな焼きたて鰻が味わえます。長年継ぎ足してきた秘伝のタレは少し甘めで、女将の実家で作る成田産コシヒカリのご飯とも相性抜群です。
鰻一尾が味わえる肝吸い付きの「上うな重」が看板メニューとなっています。

オリジナルの「特製にんにく味噌」と肝吸いがついた、お手頃価格の「うな丼」も用意。

多くの参拝客で賑わう成田山新勝寺総門の目の前ながら、店内は落ち着いた雰囲気。畳にテーブルを配した純和風の空間でゆったり食事が楽しめるのも魅力です。
混雑回避のコツ
「竹定食」4400円以上の食事をする場合、予約が可能です。詳細は公式HPを確認してください。
千葉県成田市本町355
11時~13時30分(LO)
不定
成田駅より徒歩15分/東関道富里ICまたは成田ICより15分
20台(無料)
「成田山門前 旅館 若松本店」の詳細はこちら
【新勝寺総門より徒歩1分】駿河屋
下総醤油と九重味醂のタレが鰻の旨さを際立たせる

店先で鰻をさばく様子が見られる鰻専門店です。毎回さばきたての鰻を白焼きにして蒸し、タレをつけて焼くため、いつでも新鮮で焼きたてが味わえます。
鰻は各地からその時期にあう厳選された鰻を使用。全国でも厳選の店だけで味わえる生産量が少ない幻の鰻「未来うなぎ」を使用するメニューも用意されているそうです。長年継ぎ足しで使う醤油は地元・千葉県にある下総醤油、みりんは伝統の製法を守り続ける三重県・三河味醂の白九重味醂を使っています。甘すぎず、あと味がいいタレと、脂ののった鰻の旨みは相性抜群です。
焼きに使うのは備長炭。煙が出ず、雑味がつかない上に火力が強い備長炭は、表面は香ばしく、中はふっくらジューシーに焼き上がります。

創業は江戸時代の寛永年間。旅籠からスタートし、現在は鰻専門店として参道でも行列ができる店として知られています。お祝いや記念日などに大切な人とゆったり過ごすのもおすすめです。
混雑回避のコツ
席の予約はできませんが、開店30分前より整理券を発券しています。なるべく早く整理券を取得し、目安の時間まで参道散策を楽しむのがいいですね。整理券を取得しない場合、特に土・日・祝は時間がかかるのを覚悟して出かけましょう。
千葉県成田市仲町359
【平日】11時~17時(LO16時)【土日祝】10時~17時(LO16時)
木(変更の場合あり)
成田駅より徒歩10分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
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【新勝寺総門より徒歩3分】川豊本店
漁師、養魚、卸問屋がルーツ。新鮮さにこだわりあり


平日でも行列の絶えない店です。店頭でさばき、蒸し、焼き上げているので、思わず見入ってしまいます。
鰻・鯉をはじめとする川魚を専門的に取り扱う「漁師」「養魚(養殖)」「卸問屋」をルーツとしているため、1910(明治43)年の創業以来、鰻の目利きには絶対の自信あり。その時期に最も美味しい鰻を厳選して仕入れ、井戸水で生かした新鮮な鰻をさばきたて、蒸したて、焼きたてで提供しています。
創業以来継ぎ足しのタレは薄甘口で、箸ですっと切れるほど柔らかく焼き上げた、鰻本来の風味を引き立てています。

昔なつかしい雰囲気が漂う木造3階建ての建物は、1911(明治44)年の建築。太い柱や梁、大黒柱や欄間などに職人の技を見ることができます。名建築の中で、こだわりの鰻を味わいましょう。
混雑回避のコツ
お正月や土用の丑の日など、混雑時には「整理券」を配布していますが、配布開始時間は混雑状況によります。公式HPではリアルタイムに待ち状況がわかるようになっているので参考にしましょう。
千葉県成田市仲町386
10時~17時(LO)※7・8月の土・日・祝は10時~18時(LO)
なし
成田駅より徒歩10分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
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【新勝寺総門より徒歩4分】國之家
氷砂糖を使うタレは上品な甘さが秀逸

都内の料亭やホテルで修業した店主が営む、鰻料理と天ぷらの店です。肉厚な鰻が一尾のった「うな重」のほか、リーズナブルな「うな丼(半身・きも吸い付き2400円)」もあります。
氷砂糖を使用し2時間以上かけてじっくりと煮詰めた照りのある上品な甘めのタレが特徴。丁寧に焼き上げたボリューム感ある鰻を、最後の一口まで飽きることなく味わえます。

店内にはテーブル席や小上がり席のほか、2階には大小の宴会ができる広間も。表参道では珍しく、夜も営業しているので、お酒とともにゆっくり夕食を楽しむこともできます。
胡麻油の香り豊かな揚げたての天ぷら(「天ぷら定食」2300円など)も絶品。天つゆのほか、抹茶や山椒、カレー塩があり、揚げたてを様々な味わいで食べられるのもいいですね。
混雑回避のコツ
平日、土・日・祝ともに14時以降なら比較的入りやすいそうです。
【新勝寺総門より徒歩4分】鰻福亭
炭火焼きの鰻は、手打ち蕎麦とのセットがおすすめ


鰻のほか、そば・うどん、カレーなども揃えたカジュアルな雰囲気の店です。臭みを抜いた鰻を炭火で白焼き。老若男女に愛される甘めのタレで外側はパリッと、中はふっくらジューシーに焼き上げています。

厳選したそば粉を使って手打ちするそばにも定評があり、ミニうな重とセットになった「うなそばセット」が人気。そばはうどんに変更することもでき、冷たい「ざる」か、温かい「かけ」を選べます。

カラッと揚がった海老や野菜が丼にそびえ立つような「特上天丼」は、板長自慢のメニューだそうです。

「お腹いっぱいになって、笑顔で帰っていただきたい」という店主の思いが詰まった多彩でボリューム満点のメニューは、店名の通り“まんぷく”間違いなしですね。
混雑回避のコツ
8名以上のグループは、電話(0476-22-0027)または公式HPから予約が可能です。予約なしの場合は、平日の開店直後または14時以降なら比較的空いているそうです。
千葉県成田市仲町394
10時~15時、宴会(要予約)は11時~22時(LO各30分前)
月(祝日の場合翌平日、繁忙期は営業)※公式HPで要確認
成田駅より徒歩10分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
4台(無料)
「鰻福亭」の詳細はこちら
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【新勝寺総門より徒歩7分】上町菊屋
産地証明付きの鰻を使用。羽釜で炊いたご飯も絶品

江戸時代中期創業の老舗「日本料理 菊屋」が2022年6月に表参道にオープンした新店です。菊屋で使う鰻はすべて産地証明付きで、その時期に美味しい鰻を各地から仕入れ、日本料理の修業を積んだ熟練の板前が一尾ずつ丁寧に手焼きしています。
鰻の持ち味を活かすタレは上品な甘さ。追いタレも提供してくれるので好みの味加減にできるのも嬉しいですね。羽釜で炊く地元産のコシヒカリはふっくらつややかで、箸が止まらぬ美味しさです。

外観は表参道の景観にマッチした趣ある佇まい。入り口のバーカウンターでは鰻をはじめとした食事はもちろん、アイリッシュコーヒーや美味しい生ビール、ソフトドリンクなど、飲み物だけの利用もできます。1階は開放的な椅子席40席、2階は80席で、用途にあわせてテーブル席にも座敷席にもできます。個室もあるので、記念日に訪れるのもいいですね。
混雑回避のコツ
公式HPから席だけでも予約が可能です。予約なしの場合は、平日の14時以降の時間帯が狙い目です。
千葉県成田市上町553-1
【月・火、木~土】11時~21時(LO20時)【日】11時~18時(LO17時)
水
成田駅より徒歩6分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「上町菊屋」の詳細はこちら
【新勝寺総門より徒歩9分】名取亭
ふわトロな鰻はもちろん、美しい日本庭園にも感激

成田山公園に隣接した静かな川魚料理店です。鰻料理は注文を受けてから調理し始めるので少し時間はかかるものの、待ったかいがある美味しさ。鰻はふっくら柔らかく、トロリと溶けるような食感で、少し甘めのタレが絶妙な塩梅です。

鰻と野菜の天ぷらをのせた平日限定の「鰻天丼」もおすすめ。揚げることで旨みを閉じ込めた鰻は、蒲焼きとは違った美味しさを発見できるはずです。

広い店内は四季折々の自然が感じられる日本庭園をのぞむ座敷席が中心ですが、一部、掘りごたつ席もあります。大小の個室も備えているので、慶弔時やちょっとした会食まで、ゆったり寛げ、表参道の喧噪から離れて落ち着いた雰囲気で食事ができるでしょう。
「鯉の洗い」一人前1900円(注文は2人前~)、「天ぷら定食」3500円など、鰻以外の料理も豊富に揃っています。
混雑回避のコツ
予約、個室や席の希望などは電話(0476-22-0355/11時~15時)で相談が可能です。
千葉県成田市寺台575
【昼】11時~15時(LO14時30分)※夕方以降の宴会などは応相談
不定
成田駅より徒歩20分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
約70台(飲食の場合無料、繁忙期の駐車のみは1台1000円)
「名取亭」の詳細はこちら
【新勝寺総門より徒歩11分】天ぷら・うなぎ 三はし
関東では珍しい「地焼き」の鰻が味わえる

創業90年を迎える鰻と天ぷらの店です。鰻は蒸してから焼く関東風ではなく、蒸さずに香ばしく焼く関西風の「地焼き」スタイル。余分な脂を落としたパリッとした焼き上がりが特徴で、噛むほどに旨みが口に広がります。
甘めのタレは長年継ぎ足してきたもので、硬めに炊いた茨城県産コシヒカリともよく合います。リピーターが多いというのも納得の味わいです。

大正時代に創業し、現在は5代目の店主が伝統の味と独自の焼きの技を守り続けている店です。うな重のほか、「うな丼(2300円)」や揚げたての「天ぷら定食(3200円)」などもあります。清潔感ある店舗で気持ちよく食事が楽しめるのがいいですね。
混雑回避のコツ
開店直後または、14時以降の入店なら、並ばずに入店できることが多いとのことです。予約は受け付けていないので、昼のピーク時間を避けて訪問しましょう。
千葉県成田市花崎町532
11時~16時(LO)
不定
成田駅より徒歩5分/東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「天ぷら・鰻 三はし」の詳細はこちら
「天ぷら・鰻 三はし」の周辺情報はこちら
「成田山うなぎ屋」MAP
まとめ
成田山近くの印旛沼は鰻の漁場。特産の鰻で参詣客をもてなしてきた成田は、鰻を味わうのにおすすめの街です。同じ「うな重」でも、店によって味わいは様々。参拝ついでとはいわず、絶品の鰻を目的に成田を訪ねてみませんか。
※この記事は2025年4月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
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中林 貴美子
旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。