冬の富山へ足を運ぶなら、絶対に外せないのが本場の「寒ブリ」。なかでも、厳しい基準をクリアした「ひみ寒ぶり」は、別格の脂のりやうま味を誇ります。
今回は、そんな「ひみ寒ぶり」をはじめ、冬の富山で水揚げされた旬の天然ブリが食べられるお店や宿を厳選。とろけるような刺身や、サッと出汁にくぐらせてレアで食べるブリしゃぶなど、本場ならではの圧倒的な鮮度と味わい方も魅力です。寒ブリの基礎知識からおすすめ店や宿までご紹介するので、ぜひ足を運んでみてください。
※記事内のプランや食事について、その年の水揚げ量などにより料金は変動します。
「ひみ寒ぶり」とは?
氷見漁港で競られる、脂ののった天然ブリ

冬になると、北海道から九州まで南下する回遊魚、ブリ。越冬と春の産卵に備え、蓄えた脂と栄養で大きいものでは10kgを超えるほどになるそうです。夏のブリとは比べ物にならないくらい太った真冬の天然ものが「寒ブリ」と呼ばれています。


九州に向かって南下するブリを手ですくい取るような地形をしているのが富山湾です。氷見漁港は特に「寒ブリ」の水揚げが多く、2024年~2025年は7kg以上が安定して獲れるようになったタイミングで、「氷見魚ブランド対策協議会」の判定委員会から「ひみ寒ぶり宣言」が発表されました(条件は年によって変更される可能性あり)。独自の基準により、「ひみ寒ぶり」と認定されたものは、1尾につき1枚の「販売証明書」が発行され、専用の箱に入れられた後、各地の市場へ出回ります。
海の様子によって水揚げの状況が変わるため、「ひみ寒ぶり宣言」が出ない年もありますが、その間にまったく寒ブリが獲れないわけではありません。お墨付きをもらった「ひみ寒ぶり」でなくても、厳冬期の天然ブリは脂がのって、うま味も格別です。飲食店や宿が、それぞれのこだわりで厳選したブリをぜひ本場で味わってみてください。
【富山県・氷見市】氷見魚市場食堂
冬のごちそうを、競りの熱気とともに楽しむ

冬の間はたくさんの寒ブリが水揚げされる氷見漁港。その2階にある氷見魚市場食堂では、早朝から新鮮な海産物が味わえます。

同じ建物で競り落とされたばかりの魚が届くため、鮮度は抜群!ブリの切り身がご飯を覆い尽くすようにたっぷりのった「寒ぶり丼」をはじめ、その日水揚げされたおすすめの魚を丼にした「氷見浜丼」(1780円~)、「アオリイカ丼」(時価)、「アンコウの味噌鍋」(時価・冬季限定)、「タラの白子ポン酢」(880円・変更の場合あり)など漁港ならではの新鮮なメニューが並びます。

食堂のテラスからは1階で行われる、活気あふれる競りの様子も見学できます。平日と土曜日の朝6時から一般見学できるので、観光前の朝ごはんに立ち寄って、港町の活気まで味わいたい人にぴったりです。
富山県氷見市比美町435 氷見漁港市場2階
【平日】6時30分~15時【土・日】6時30分~15時30分
例年1月1日~3日※臨時休業あり
氷見駅より徒歩15分/能越自動車道氷見ICより10分
あり(無料)
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【富山県・氷見市】ひみ岸壁市場・ひみ岸壁食堂
海が見える特等席で、脂のり抜群の天然ブリを堪能
「ひみ岸壁市場・ひみ岸壁食堂」は「氷見魚市場食堂」の姉妹店。「氷見市漁業文化交流センター」内にあり、氷見漁港で水揚げされた魚を味わうことができます。



ブリの刺身が丼からはみ出るほどのった「天然ブリ丼定食」やブリ本来のうま味や甘みを堪能できる「天然ブリ刺身定食」、出汁にくぐらせて余分な脂を落とし、さっぱりと食べられる「天然ブリしゃぶしゃぶ定食」などが店の人気メニューです。脂がのって、口の中でとろけるようなブリは格別の味わい。いずれも自家製のつみれ汁が付いて、心身がぽかぽか温まります。
席は92席もあり、セルフサービスのフードコートタイプ。海がすぐ目の前という絶好のロケーションなので、港町の賑わいを見ながら食事ができます。
食事の前後に、建物内の「氷見市漁業文化交流センター」を探検してみるのもおすすめ。氷見の定置網漁業や氷見で獲れる魚に関する映像などで学べば、ブリ料理がより身近に感じられるかもしれません。
富山県氷見市中央町7-1 氷見市漁業文化交流センター内
9時~16時
水(祝日の場合は翌平日休)、祝日の翌平日、1月1日~3日
氷見駅より徒歩20分/能越自動車道氷見ICより10分
あり(無料)
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【富山県・氷見市】味処 割烹 しげはま
老舗店で寒ブリを肝やえらまで味わい尽くす

1940年に創業、氷見市で三代続く老舗料理店です。氷見漁港で水揚げされた新鮮なブリ料理が楽しめます。店主は「頭や骨、内臓まで余すことなく調理して、味わっていただくことこそ本当のブリ料理」といい、素材を大切にした料理にこだわります。
おすすめは、お造りやブリしゃぶ、ブリ大根など全12品からなる「氷見寒ブリコース」(1万5500円)。中でもコクのあるブリ肝の甘煮、食感が楽しめるえらのから揚げなど、同店ならではの珍しいメニューはぜひとも味わってみたい氷見ならではの逸品です。量がたっぷりなので、二人でシェアも可能です。一人客、接待利用などシェアが難しい場合のために「氷見寒ブリミニコース」(1万円)も用意されています。

ブリ料理専門店のため、シーズン中はブリ料理のみですが、シーズン以外は「しげはま定食」(3300円)がよく注文されるそう。内容は、お造り盛り合わせ、焼き魚、煮物、小鉢、かぶす汁(魚のあらの味噌汁)などです。また江戸時代から作られている半生麺の「氷見うどん」も店主自慢の逸品です。氷見ならではのグルメが満喫できそうですね。
富山県氷見市丸の内2-18
【月~金】17時~22時(LO21時30分)【土・日】12時~14時(LO13時30分)、17時~22時(LO21時30分)
木、12月30日~1月4日
氷見駅より徒歩15分/能越自動車道氷見ICより15分
なし
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【富山県・氷見市】食彩居酒屋 灘や
10kg級のひみ寒ぶりをはじめ旬の魚介が多彩にそろう

「せっかく氷見に来たのなら、ぜひうまいものを食べてほしい」という店主の思いから、地元で獲れる四季折々の魚介を提供しています。冬は、ブリはもちろんズワイガニやアンコウ、春は白エビやホタルイカ、夏はクロマグロやトビウオ、秋はアオリイカ、フクラギなどがメニューに並びます。


寒ブリは氷見漁港で揚がるもののみ仕入れ、通常10kg程度の大きなサイズを使用するため、一般的な寒ブリと比べて脂のりも格別。刺身、ブリしゃぶ、ブリ大根など各種料理が単品で味わえるほか、12月~1月は「ひみぶり尽くしコース」(5000円~)も登場します。基本的におすすめメニューは日によって変わるので、事前に希望や予算を伝えておくと良さそう。各種地酒もそろっていますよ。
富山県氷見市本町13-10
17時30分~23時(LO22時)
木
氷見駅より徒歩8分/能越自動車道氷見ICより10分
あり(無料)※徒歩3分のところに「まちなかめぐり無料駐車場」もあり
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【富山県・氷見市】永芳閣
創業70余年の板前宿でいただく、酒粕スープのブリしゃぶ鍋

富山湾を一望する小高い場所に立つ温泉旅館で、板前宿として70年以上の歴史を誇る「永芳閣」。

富山湾の地魚を存分に使い、板前の知識と腕を駆使した各種料理が自慢です。冬には、天然ブリを中心に富山・氷見の味覚をとことん味わえる宿泊プランが登場。ブリトロ入りの刺身では、とろけるような脂の甘みと身のうま味を堪能できます。
ブリしゃぶはさっと火を通すことで脂の甘みが引き立ち、ブリ焼物は香ばしさと濃厚な味わいが楽しめます。同じブリでも、料理によってここまで味わいが変わるのかと驚かされるはず。さらに、ブリ珍味や富山湾の名物・白エビの刺身から氷見うどんまで、氷見尽くしのひとときを楽しめます。提供期間は例年12月15日から2月末までですが、水揚げ状況などにより変わる場合もあるため、早めの予約がおすすめです。

全室オーシャンビューの本館「海光」と別館「天遊」に、海と立山連峰を望める二つの大浴場も備えているので、寒ブリを味わった後に、温泉でのんびりするのもいいですね。
おすすめプラン
[料金]1泊2食付き2万7000円~(2名1室利用)
【富山県・氷見市】民宿 城山
富山湾の絶景と「ひみ寒ぶり」三昧に心躍る

目の前に海が広がり、遠くに立山連峰を眺めることのできる絶景宿「民宿 城山」。“天然生け簀”といわれる富山湾にある漁師町ならではの「キトキト」(富山弁で「新鮮」)魚介料理が自慢です。
中でもブリは、氷見漁港で揚がる「ひみ寒ぶり」のみを使用。そのおいしさを存分に味わえるコースでは、定番のブリしゃぶや刺身のほか、香ばしさが引き立つ塩焼き、うま味の染みたブリ大根、さっぱりとした味わいの生酢など、ブリのポテンシャルの高さを満喫できる料理が登場します(寒ブリが水揚げされない場合は「3大美味コース」に振り替え)。
基本のプランはあるものの、料理内容は相談に応じてもらえるのも嬉しいポイントです。冬はカニ刺しや茹でガニ、海鮮鍋や寿司が別注料理として用意されています。

朝食も氷見の食材にこだわっており、郷土食の昆布〆や、うま味たっぷりのあら汁などが並び、滋味深いやさしい味わいが、目覚めたばかりの体にじんわりとしみ渡ります。

客室「立山」は、目の前に海が広がる半露天風呂付き。波の音を聞きながら、リラックスした時間を過ごすことができます。
おすすめプラン
[料金]2025年は1泊2食付き2万6400円~(2名1室利用)※例年10月に価格が決定
【富山県・黒部市】延楽
天然寒ブリ会席と名湯に癒やされる、黒部峡谷の老舗宿


黒部の漁港から車で約20分の場所に佇む宇奈月温泉の老舗料理旅館。全室が自然豊かな黒部峡谷に面し、湯量豊富な温泉も自慢です。
ブリは地元・黒部や魚津で水揚げされたものを中心に、その時々で状態のよいものを輪島や氷見などから仕入れることもあるそう。
天然のブリが最もおいしい冬には、こだわりの寒ブリ料理を味わうことができます。特製醸造のポン酢で味わう寒ブリしゃぶしゃぶにブリかま浜焼き、お造りからカニ料理、黒部産コシヒカリまで、富山の冬を感じる料理が全12品ほど並びます。峡谷を望む老舗料理旅館で、寒ブリの魅力を会席の流れの中でゆっくり味わえるのが嬉しいところです。

純和風の一般客室のほか、峡谷と温泉が独り占めできる露天風呂客室は「石」「陶」「檜」の3タイプがあり、それぞれに異なる趣が魅力です。富山湾のおいしい魚と、“つべつべ(富山県の方言ですべすべ)の湯”と称される宇奈月の名湯を、美しい雪景色と一緒に堪能してみては。
また、宇奈月温泉では例年1月~3月の土曜日に、打ち上げ花火や冬のトロッコ電車に乗れる「黒部峡谷プレミアムツアー」などが企画されるので、この時期ならではの観光も楽しめます。
おすすめプラン
[料金]1泊2食付き5万2800円~(2名1室利用)
【富山県・砺波市】鳥越の宿 三楽園
2種類の名湯と「ぶり満喫会席」に心満たされる

「鳥越の宿 三楽園」は、富山県を南北に流れる庄川のほど近くにあり、春は桜、夏は清流の若鮎、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の風情が魅力の温泉宿です。
冬季には、名物のブリを料理長がさまざまな調理法で、おいしさを引き出したグルメプランも。ブリを含むお造り5種盛りをはじめ、ブリしゃぶ、照り焼き、握り、ブリ大根など品を重ねるごとにブリの奥深さを感じられる、まさにブリ尽くしの会席です。
冬に旬を迎える上品な甘さの紅ズワイガニや、脂のりが最高潮のノドグロをメインとした各種グルメプランも用意されています。


炭酸水素塩泉、炭酸鉄泉の2種の自家源泉(加温・加水あり、放流式)を持ち、館内にいながらにして成分も見た目も全く異なる温泉を楽しめるのもこの宿の魅力。その昔、越中と飛騨の国境を飛び交う鳥たちが、傷ついた体をこの湯で癒やしたという言い伝えから、「鳥越の宿」という名がついたといわれています。湯の違いを楽しみながら体を温め、冬の富山旅をゆったりと締めくくるのに最適です。
おすすめプラン
[料金]1泊2食付き2万6015円~(2名1室利用)
まとめ
厳冬期の天然ブリは、脂のりやうま味が最高潮です。せっかくなら現地で味わってみたいものですね。立山連峰が望める温泉などと共にグルメ旅を楽しんでみてください。
※この記事は2026年7月8日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の料金は全て税込価格です。
※宿泊する場合、入湯税や、各自治体が独自に実施している宿泊税が別途かかることがあります。詳細は各宿泊施設にお問い合わせください。
吉田美保
岡山県在住。主に旅行雑誌を手がける編集会社を経てフリーのライターに。花や自然、動物、お菓子作りが好き。最近の楽しみは近場の山を散策すること。読みやすさ、わかりやすさ、心に焼きつくような文章を心がけています。
















