千葉県外房の大原駅から、房総半島内陸の上総中野駅へ至るいすみ鉄道。どこかノスタルジックな単行列車が緑豊かな沿線を走り、乗車しているだけで心癒される路線です。
こちらでは、期間限定でカラフルなランタンを吊るした特別列車も運行。いすみ鉄道の魅力とともに、沿線の見どころも紹介します。
●房総半島の自然と花々に彩られた「いすみ鉄道」
●カラフルな灯がいっぱい!台湾ランタン列車「祈福」
●江戸情緒を残す町が広がる「デンタルサポート大多喜駅」
・旅の計画を立てつつ、お土産チェック!「大多喜町観光本陣」
・千葉県有数のジオラマが広がる「房総中央鉄道館」
・大多喜のランドマーク!「千葉県立中央博物館 大多喜城分館」
・年間200種以上のハーブが香る「大多喜ハーブガーデン」
●養老渓谷の自然とカフェに癒される「上総中野駅」
・列車を待ちながらカフェタイム「寺ノ下cafe COCORO」
●県下有数の漁港を訪ねる「大原駅」
・購入した海鮮でBBQができる「大原漁港 港の朝市」
・外房伊勢海老が味わえる「海鮮・浜焼き 海老屋」
房総半島の自然と花々に彩られた「いすみ鉄道」



いすみ鉄道は、千葉県いすみ市の大原駅から大多喜町の上総中野駅まで、全14駅を走るローカル線。古きよき日本の原風景を単行列車でのんびりと走りつつ、自然豊かな情景を楽しめる路線です。海近くの大原駅より千葉県の内陸部に向かい、3月~4月中旬は全線26.8kmのうち約15kmにわたって咲く菜の花、初夏は青々とそよぐ稲穂、秋はコスモスやヒガンバナなど四季折々の風景を望むことができます。
いすみ鉄道は上下線とも1時間にほぼ1本で運行。緑のラインが入ったレトロな黄色の外装が特徴的な「いすみ300形」、「いすみ350形」のほか、車内外ともに昭和の雰囲気を残すノスタルジックな「キハ20」、「キハ52」といった車両も活躍しています。


「キハ20」の外装は、昔懐かしい国鉄を思わせる赤×クリーム色のカラー!座席は旅情を誘うボックスシートで、こちらも国鉄時代の車両を思わせる青色モケットシートです。
カラフルな灯がいっぱい!台湾ランタン列車「祈福」


いすみ350形の黄色の車体に台湾柄の華やかなラッピングを施した、台湾ランタン列車「祈福(ちーふー)」。台湾中部を走る集集線との姉妹提携7周年を記念して、2021年春より普通列車として運行されています(運行日時は公式HP参照。2023年8月現在は車両故障のため運休)。
車内は、台湾から取り寄せた赤や黄、緑など色とりどりのランタンで埋め尽くされ、まるで別世界に迷い込んだよう。ランタンには昼間でも明かりが灯り、列車の動きに合わせてゆらゆらと揺れる様子がきれいです。車内が暗くなる夜はさらに美しく、幻想的な雰囲気に浸れます。なかにはハート型にくり抜かれたランタンもあるので、乗車時に探してみてくださいね。
千葉県いすみ市大原(いすみ鉄道大原駅)~千葉県夷隅郡大多喜町堀切(いすみ鉄道上総中野駅)
普通運賃730円(大原駅~上総中野駅)、1日フリー乗車券(1日全駅乗り降り自由)は平日1200円、土日祝1500円
【電車】JR大原駅よりいすみ鉄道大原駅まで徒歩すぐ
「いすみ鉄道」の詳細はこちら
(画像提供:いすみ鉄道)
江戸情緒を残す町が広がる「デンタルサポート大多喜駅」


大原駅より約30分、いすみ鉄道に乗ったらぜひ訪れたいのが、「デンタルサポート大多喜駅」です。大多喜は“房総の小江戸”とも呼ばれ、徳川四天王の一人である本多忠勝が大多喜城を築城した歴史があります。
江戸時代から続く老舗旅館「大屋旅館」や造り酒屋の「豊乃鶴酒造(とよのつるしゅぞう)」など国の登録有形文化財にも指定されている建物が残り、かつての城下町の面影が色濃く感じられる町並みが広がっています。
旅の計画を立てつつ、お土産チェック!「大多喜町観光本陣」
まず立ち寄りたいのが、デンタルサポート大多喜駅前にある町の観光センター「大多喜町観光本陣」。こちらで大多喜町の観光スポット情報がわかるので、どこから周ろうか迷ったら最初に訪れましょう。売店には、大多喜町の銘菓や酒、工芸品、いすみ鉄道グッズが揃っています。
こちらではレンタサイクルを実施しており、少し遠くまで足を延ばしたいときにも便利です。当日有効ないすみ鉄道の1日フリー乗車券や房総横断記念乗車券を提示すると、レンタル料を100円引きしてくれます。

小腹が空いていたら、売店で販売している地元和菓子店「御菓子司ふくだや」のどら焼きはいかがでしょう。つぶあんにごろっと丸ごと一粒入った栗入りはもちろん、はちみつにつけた梅の実と白あんを合わせた梅入りもおすすめです。
千葉県夷隅郡大多喜町大多喜270-1
9~17時
年末年始
レンタサイクル 電動アシストなし1回1台300円、電動アシスト付き1回1台500円
【電車】いすみ鉄道大多喜駅より徒歩すぐ
「大多喜町観光本陣」の詳細はこちら
(画像提供:大多喜町観光本陣)
千葉県有数のジオラマが広がる「房総中央鉄道館」


いすみ鉄道の前身である国鉄木原線や外房線の行先標、鉄道部品など約1000点を展示する鉄道資料館。いすみ鉄道の資料も多く展示されています。
養老渓谷から都市までの風景がジオラマで再現され、ジオラマ内の線路の総延長は約500m。なかでも一度に11本の列車が走行できるNゲージジオラマは、千葉県有数の大きさです。スタッフが走行している車両の解説や鉄道に関する豆知識を披露してくれることもあります。
千葉県夷隅郡大多喜町久保102
日曜10時~15時30分(最終入館15時)
月~土
入館料 大人200円、小学生100円 ※入館日当日のいすみ鉄道フリー乗車券、いすみ鉄道・小湊鉄道の横断切符を持っている場合は大人100円、小学生50円
【電車】いすみ鉄道大多喜駅より徒歩2分
「房総中央鉄道館」の詳細はこちら
(画像提供:房総中央鉄道館)
大多喜のランドマーク!「千葉県立中央博物館 大多喜城分館」

大多喜城跡地にあり、“房総の城と城下町”をテーマとした歴史博物館。いすみ鉄道の車窓からもその姿を望める大多喜町のシンボルです。
2021年12月より施設改修のために休館していますが、敷地内への立ち入りはOK。趣ある城郭を眺めたり、天守閣造りのミュージアムをバックに写真撮影をしたりと、思い思いに散策できます。
(画像提供:千葉県立中央博物館 大多喜城分館)
年間200種以上のハーブが香る「大多喜ハーブガーデン」

「大多喜ハーブガーデン」は4500平方メートル超えの広さを誇る、全天候型のガラスハウスガーデン。ラベンダーやローズマリーなどのハーブが200種以上植栽され、年間を通してハーブを楽しめます。

敷地内にあるハーブレストランは、ガーデンを一望できるオープンテラス式レストラン。新鮮な自社農園産ハーブをたっぷりと使用したランチメニュー、ハーブを使ったドリンクやスイーツでリフレッシュできます。

自社農園産フレッシュバジルたっぷりのバジルペーストを使った、ハーブ園ならではの看板メニュー「コイバジ」。メニュー名には、“濃いバジルにきっと恋する”の意味が込められています。

食後は施設内のガーデンショップへ。植え付けから梱包まですべて自社で行う種類豊富なハーブティー、手づくりのオリジナルスイーツなどハーブ関連商品が並んでいます。
(画像提供:大多喜ハーブガーデン)
養老渓谷の自然とカフェに癒される「上総中野駅」

いすみ鉄道の終点駅で小湊鉄道と接続する「上総中野駅」。豊かな自然に囲まれ、近隣一帯には“房総の奥座敷”と親しまれる養老渓谷が広がっています。
養老渓谷は、約100mにわたって悠々と流れ落ちる「粟又の滝」を始め、渓流沿いの自然を眺めつつ歩ける遊歩道があり、新緑から紅葉までさまざまな表情が楽しめます。
列車を待ちながらカフェタイム「寺ノ下cafe COCORO」



“のんびり寛げる田舎カフェ”をテーマにした自然豊かなカフェ。古民家を改装した雰囲気のよい空間で、ゆったりとした時間を過ごせます。
彩り華やかなプレートや昔ながらのナポリタンなどランチはもちろん、カフェメニューもおすすめ。こだわりのケーキやドリンクとともに、次の乗車時間まで寛げます。
千葉県夷隅郡大多喜町中野249-1
11時30分~15時(LO14時30分)
月~水(営業日や定休日などはInstagramにて確認を)
【電車】いすみ鉄道上総中野駅より徒歩3分
「寺ノ下cafe COCORO」の詳細はこちら
(画像提供:寺ノ下cafe COCORO)
県下有数の漁港を訪ねる「大原駅」
太平洋に面したいすみ市の沖合には寒流の親潮と暖流の黒潮が交り合う良好な漁場が広がり、年間を通じてさまざまな海鮮が水揚げされています。
なかでも日本有数の水揚げ量を誇る伊勢海老やマダコは、その美味しさで知られ、どちらも千葉県が誇るブランド魚介。いすみ市の大原港で開催される朝市では、潮風に吹かれつつ、活気あふれる漁港の雰囲気に浸れます。
購入した海鮮でBBQができる「大原漁港 港の朝市」


「大原漁港」では、毎週日曜に最大約40店が出店する朝市を開催。名物の伊勢海老やマダコをはじめとする豊富な魚介が水揚げされる漁港で、新鮮な魚介や水産加工品、地元グルメに出合えます。
朝市で購入した海鮮を会場で焼いて味わえる貸切BBQもあり、気軽にできる45分コース1500円、60分コース2000円、90分コース3000円が、どれも手ぶらで楽しめます(受付は11時まで朝市本部にて)。
千葉県いすみ市大原11574 大原漁港
日曜8時~12時(開催時間変更の場合あり)
月~土、荒天時・年末年始ほか不定
入場無料
【電車】いすみ鉄道大原駅よりタクシー5分
「大原漁港 港の朝市」の詳細はこちら
(画像提供:港の朝市協同組合)
外房伊勢海老が味わえる「海鮮・浜焼き 海老屋」
例年8月~10月は千葉県の伊勢海老漁獲量が多く、伊勢海老がお得な価格で味わえる期間です。なかでも大原港で水揚げされた外房伊勢海老は、鮮やかな赤い殻が美しく、身がプリプリと締まっていて甘みが強いと言われています。獲れたての身は、食感もピカイチです。



大原漁港近くにあり、魚問屋が営む店が「海鮮・浜焼き 海老屋」です。店内にずらりと並ぶ生け簀から伊勢海老や魚介を選び、テーブルにて網焼きで味わえます。伊勢海老の桜色に染まったピチピチとした身が、網で香ばしく焼き上がった風味はたまりません。
九十九里産の大きなはまぐりやさざえなどの生きた貝類も網焼きにおすすめです。伊勢海老が旬ではない時期も、その時に大原漁港で水揚げした海の幸が味わえる定食や丼メニューが揃っています。
千葉県いすみ市大原10095-6
【平日】11時~LO14時、17時30分~LO19時【土】10時30分~14時LO、17時30分~19時LO【日】10時30分~16時LO
木、第2水
【電車】いすみ鉄道大原駅より徒歩15分
「海鮮・浜焼き 海老屋」の詳細はこちら
(画像提供:海鮮・浜焼き 海老屋)
まとめ
太平洋沿岸のいすみ市から千葉県中部へ向かういすみ鉄道は、昭和レトロな車両に出合え、のどかな車窓風景に浸れるローカル線です。全線乗車しても1時間弱とそれほど長くない路線なので、朝から太平洋を望む漁港を訪ねるもよし、途中下車して見どころ満載な大多喜町を歩くもよし、思い思いの過ごし方で巡ってみてください。
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※この記事は2023年8月7日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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