東北地方は、豊かな自然と四季折々の食材を生かした多彩なグルメが魅力の地域です。今回は、東北在住の人に聞いた、おすすめのご当地グルメをランキング形式で紹介します。
東北を訪れた際は、地元民から愛される、美味しい郷土の味をぜひ堪能してみてくださいね。
(画像提供:写真AC)
【宮城県】1位 仙台牛たん焼
定食スタイルで香ばしい牛たん焼を味わう

宮城・仙台グルメといえば、まずは牛たんを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
仙台の牛たん焼といえば、厚切りの牛たんを香ばしく焼いたものに漬物をそえ、麦飯とテールスープを付けた定食スタイルが一般的です。
今では“仙台名物”として全国的に知られるようになりましたが、地元でも牛たん焼はご馳走メニュー。牛たん焼店を訪れるのは、ちょっとランチを奮発するときや、県外のお客さんをもてなすときなどが多いようです。
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【宮城県】2位 ずんだ餅
枝豆のまろやかな風味を楽しむ餅料理

新鮮な枝豆を茹でてつぶし、砂糖と少量の塩を混ぜた餡を“ずんだ”と呼びます。その餡をからめたずんだ餅は、江戸時代から仙台地方で食べられてきた餅料理のひとつです。
お盆やお彼岸に登場する定番の供え物でしたが、優しくまろやかな甘さが好まれ、今では一年中楽しめるスイーツとして仙台市内の様々な店で提供されています。
優しい甘さのずんだ餡は、餅以外の食材とも相性が良いのも魅力。ずんだ風味のシェイクやずんだ餡を使った洋菓子など、アレンジスイーツを出す店も増えているんですよ。
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【岩手県】3位 盛岡冷麺
強いコシのツルツル麺がクセになる!

盛岡冷麺が登場したのは1954(昭和29)年のこと(岩手県生めん協同組合調べ)。朝鮮半島に伝わる冷麺を元に、青木輝人氏が生み出したオリジナルの麺料理が盛岡冷麺の始まりです。
小麦粉とでんぷんでできた半透明の麺は、食べ慣れない人からすると驚くほどのコシの強さ。その個性的な味わいは徐々に盛岡市民に受け入れられ、今では地域を代表する名物料理のひとつとなっています。
盛岡冷麺は、牛骨を中心にとったコクのあるスープが基本。つるりとした麺と一緒にすすると、口いっぱいに牛の旨みが広がります。キムチや卵、フルーツなどがトッピングされることが多いので、味の変化を楽しみながら食べられますよ。
辛いのが苦手な人は「別辛」で注文しましょう。冷麺とは別にキムチが付いてくるので、自分で辛さを調整できるのが嬉しいですね。
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【福島県】4位 喜多方ラーメン
「朝ラー」文化としても知られるご当地ラーメン

喜多方ラーメンとは、その名の通り福島県喜多方市のご当地ラーメン。発祥は大正末期から昭和初期とされ、市内の屋台で売られていた支那そばがその原型なんだそう(蔵のまち喜多方老麺会調べ)。
最大の特徴は、飯豊山系の伏流水で打った「平打ち熟成多加水麺」。太めのちぢれ麺にあっさりと澄んだ醤油味のスープがよくからみます。
喜多方で根付いている食文化のひとつが「朝ラー」。現在、市内でラーメンを出している店は約90軒あります。朝からラーメンを提供している店も多く、出勤前や、夜勤明けに市民がラーメンを食べる姿を日常的に見ることができます。
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【秋田県】5位 きりたんぽ
素朴な米どころグルメでご飯の旨みを堪能


炊いたご飯を粗くつぶし、杉の木の棒に巻き付けたものを「たんぽ」といい、それを焼いて味噌を塗ったものを「みそ付けたんぽ」といいます。作りたては熱々で、たんぽの焦げと味噌の香りが相まった美味しさは格別です。
「きりたんぽ」は、焼いた「たんぽ」をちぎった(切った)もので、それを比内地鶏、セリ、ゴボウ、きのこ等と一緒に煮込む鍋料理が「きりたんぽ鍋」です。スープをたっぷり吸った「きりたんぽ」は、ふっくらモチモチの食感。ひと口食べれば、鶏と野菜の旨みがじゅわりと染み出し、寒い冬にぴったりのおいしさです。
もともとは秋田県北部で食べられる家庭料理だったのですが、今では秋田全域の名物グルメとして知られています。
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【山形県】6位 米沢牛
とろける肉質とまろやかな風味が魅力

米沢牛とは、米沢市がある、山形県の内陸部南部の置賜(おきたま)エリアで生産されるブランド牛のこと。自然豊かな環境のなか、麦やトウモロコシなど独自配合の肥料で育てられた米沢牛は、赤身と脂質のバランスの良さが特徴です。
米沢牛の存在が知られるようになったのは明治時代。当時、米沢の学舎で英語教師として働いていたイギリス人男性が、米沢の牛肉の美味しさに感動し横浜の友人たちに振舞ったことで、日本全国に知られるようになったのだそう。(米沢市観光キャンペーン推進協議会調べ)
飼育エリアや“黒毛和種の未経産雌牛”であることなど、その名を名乗るには厳しい基準をクリアしなければならない米沢牛。現在、米沢市内の多くの店で、ステーキやすき焼き鍋、刺身などで提供されています。記念日や誕生日といった特別な日にぴったりのご馳走ですが、ランチタイムなら比較的リーズナブルに食べられる店も多いですよ。
【秋田県】7位 稲庭うどん
藩主御用達の伝統グルメ。なめらかなのどごしが特徴

約350年もの歴史を誇る稲庭うどん。秋田県稲庭地区に住んでいた佐藤市兵衛が地元の小麦を使って干しうどんを作り始めたのが始まりといわれています(秋田県稲庭うどん協同組合調べ)。
江戸時代には藩主・佐竹氏に献上されるほどの高級品で、一般庶民は口にすることのないような食べ物でした。
稲庭うどんが一般的なグルメとして知られるようになったのは、つい50年ほど前のこと。門外不出であった技術が1972(昭和47)年に公開され、秋田を代表するグルメとして定着するようになりました。
今でも伝統的な工程を守り続ける製麺所が多い稲庭うどん。練る・綯う(なう)・延ばすなど3日がかりの工程を経た細めの平麺は、しなやかさと独特のコシが特徴です。
冷たいせいろでいただくのがおすすめ。つるりと心地よいのどごしを堪能できます。
【青森県】8位 大間まぐろ
黒いダイヤと呼ばれるクロマグロの最高級ブランド


本州最北端に位置する下北半島・大間町。この津軽海峡に面した港町で水揚げされた天然のクロマグロ(通称・本マグロ)は、「大間まぐろ」というブランドネームで全国に知れ渡っています。
マグロ漁の旬は水温が低くなる秋から冬にかけて。黒潮、対馬海流、千島海流の3つの海流が流れ込むプランクトン豊富な漁場を泳ぐマグロは、大型で脂がしっかりとのっています。平均的な大きさのもので100kg前後にも達し、東京・豊洲の初競り市場では億を越す価格で競り落とされることもしばしば。
宝石に例えられるほどの高級品である大間まぐろですが、産地である大間町でも極上の味わいのマグログルメに出合えます。寿司や刺身などで、とろけるようなマグロを堪能しましょう。漁獲量によってマグロの入荷状況は変わるので、訪れる際には事前に問い合わせてくださいね。
【宮城県】9位 せり鍋
根っこまでせりをまるっと楽しむ冬の風物詩

宮城県はせりの生産量が全国トップクラス。仙台市近郊の名取市では江戸時代の文献にせりを栽培していたことが記されており、伝統野菜として400年もの歴史を誇る名産品です。
ほぼ一年中栽培されていますが、収穫時期によって味わいは少々異なり、9月から3月頃に出荷される「根せり」は歯応えのよさと独特の強い香りが特徴で、4月から6月頃に出荷される「葉せり」は新芽がやわらかく、爽やかな香りが特徴となっています。
仙台圏でせりをまるごと楽しむ食べ方として根付いているのがせり鍋です。産地だからこその新鮮なせりを根っこの部分まで入れて味わうグルメで、家庭でも飲食店でも寒くなると登場する冬の風物詩です。ベースはカツオ出汁や鶏ガラ出汁など様々。鶏肉や鴨肉を具材として、醤油で味つけすることが多いようです。
【岩手県】10位 盛岡じゃじゃ麺
自分流の味つけで食べる盛岡風混ぜ麺

盛岡冷麺、わんこそばと並び“盛岡三大麺”とも呼ばれる、盛岡を代表する麺グルメ。中国東北部の家庭料理である炸醤麺(ジャージャーメン)を参考に考案されたといわれています。うどんのようなアツアツの平麺の上には、店の味を決める濃厚な肉味噌がたっぷり。ほかに刻んだ長ねぎ、キュウリがトッピングされます。これらの具材と麺をしっかり混ぜ合わせたら、好みでおろし生姜、酢、ラー油、ニンニクなどを加えて味わいましょう。
じゃじゃ麺のシメで外せないのが鶏蛋湯(チータンタン)という食べ方。麺を食べ終え、店員さんにひと声かけると生卵をもらえるので丼に割り入れ箸で溶きます。これを再び店員さんに渡すと麺のゆで汁を加えてくれ、あっという間に卵スープの鶏蛋湯(チータンタン)の出来上がり。1度で2度美味しい、盛岡のソウルフードです。
まとめ
地域の人の思い入れが強く、その分妥協のない美味しさが追い求められる東北のご当地グルメ。滋味豊かな味わいの、レベルの高いグルメがそろっています。ぜひ現地に足を運んで味わってみてくださいね。
【アンケート調査概要】
インターネット調査:選択方式によるアンケート
調査時期: 2023年9月22日~2023年9月27日
調査対象:東北在住20~50代男女
有効回答数:640名
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※この記事は2024年3月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
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星 マチコ
東北・宮城県在住のライター、兼2人の子どもの母。見て、聞いて、触れて、温度感のある観光情報を発信中。雪山が好き。休日はマニアックで美しい絶景を求め、東北をあっちこっちさまよっている。