数々のメディアで取り上げられている、奈良県の和菓子屋「中谷堂」。店頭で見られる「高速餅つき」と、柔らかくてよく伸びるよもぎ餅の美味しさから行列が絶えません。今回は現地で取材を行い、なぜ高速で餅をつくのか、餅つきが行われる時間、美味しさの秘密まで調査しました。一度食べに行きたい!と思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
奈良の和菓子屋「中谷堂」とは?
美味しい「よもぎ餅」と「高速餅つき」が話題!

観光客で賑わう奈良の中心地、三条通りに面した場所にある、創業30年を迎える和菓子屋「中谷堂」。高速で餅をつく様子がメディアで紹介され、国内のみならず海外でも話題です。
つきたての美味しいよもぎ餅を目当てに訪れる人や、元気な餅つきのかけ声に引き寄せられる人、日本の餅文化にふれようと足を運ぶ海外の旅行客などで、店の前はいつも行列ができています。

素材にとことんこだわり、佐賀県産ひよくもち米、北海道十勝産の上質な小豆、国産きな粉、愛媛県宇和島産よもぎの新芽を使用。社長の出身地である奈良県上北山村の伝統的な餅つきの製法で作られ、驚くほど柔らかく伸びる餅となっています。
「中谷堂」へのアクセス・駐車場


近鉄奈良駅東口を出て行基像(噴水)の前を通り「東向商店街(ひがしむきしょうてんがい)」へ。3分ほど歩いてアーケードの出口を出ると、すぐ左前に「中谷堂」があります。大きく「餅」と書かれたのれんが目印です。
奈良公園のすぐ近くで、観光ついでに立ち寄りやすい立地です。店に駐車場はありませんが、周囲には有料駐車場もたくさんあるので、車の人はそちらを利用しましょう。
「高速餅つき」が国内外で話題!
「高速餅つき」はパフォーマンスではなく、上北山村の伝統的なつき方だった



仕上げの段階では1秒に2回もつくという「高速餅つき」。その迫力にギャラリーからは歓声もあがっていますが、決してパフォーマンスではないと「中谷堂」の創業者、中谷社長は言います。店頭で毎日餅をつく社長にとって、「高速餅つき」は子どもの頃から慣れ親しんだ普通の餅つきなのだとか。
中谷堂の餅つきは、社長の故郷である吉野郡上北山村(かみきたやまむら)に古くから伝わる餅つきの方法で、蒸したてアツアツの餅米を、ものすごい速さでつくのが特徴。奥に位置する上北山村の冬はとても寒いので、冷めて固くなってしまわないようにするための知恵ではないかと考えられています。
温度が高いうちにしっかり餅をつくことで、でんぷんの成分が絡み、柔らかさとコシを備えたよく伸びる餅に仕上がるのだそうです。「高速餅つき」は、美味しい餅を作るために欠かせない伝統の技だったんですね!
「高速餅つき」が見られる時間は?

中谷堂では毎日5~6回、行楽シーズンの休日など、多い日には1日30回も餅つきが行われます。つきたてを提供するために売れ行きを見ながら餅をつくため、時間は決まっていません。
店頭には次回のおおよその餅つき時間が貼り出されているのでチェックしましょう。当日の売れ行きによるので問い合わせしても分からないため、ぜひ店頭で確認を!
店頭で時間を確認して余裕がある場合は周辺を観光して戻ってくると丁度いいと思います。五重塔で有名な興福寺も近いですし、古民家の風情漂う飲食店や土産店も多い「ならまち」エリアもすぐの場所なので、お店の前に長く留まらず散策しましょう。
「高速餅つき」を見る際、よもぎ餅を買う際の注意点

「中谷堂」は人通りの多い場所にあり、店の前は観光客や地元の人がたくさん行き交います。通行人や車の邪魔にならないよう注意。餅つきは店に向かって左側の店内作業場で行われますが、よもぎ餅を購入する場合は右側の列に並びましょう。
行列を見てお餅が売り切れて買えないのでは?と心配になりますが、餅つきは1回だけという訳ではなく、お客さんにいきわたるよう行列や売れ行きを見て2回、3回と行われるので大丈夫です。
取材当日も店の人が手際よく販売しているため、思ったより長い時間並ばず購入することができました。
つきたての餅はとにかく柔らかくて伸びる!
できたてのよもぎ餅をその場で実食してみました

店の前には海外から来た観光客がたくさん!皆さん「高速餅つき」を見て歓声をあげていました。威勢のよい掛け声と迫力満点の餅つき、出来上がったお餅を生で見て期待が高まります。
よもぎ餅は1個180円。ばら売りもあるので、好きな個数買うことができ、1個購入するとその場で食べられるように紙で挟んで手渡してくれます。手に取ってみるとまだほんのり温かく、「これぞお餅!」という感じでとてもよく伸びました。

口に入れるとまず、きな粉の風味が広がり、その後しっかりよもぎの香りを感じます。餅はつきたてですが、中のあんこはしっかり蒸した後一晩ねかせてコクを引き出しているのだとか。素朴で優しい味わいですごく美味しかったです。
持ち帰る場合も賞味期限はその日中!

店頭にはお土産用に6個入りパックが並んでいました。美味しかったから持ち帰りたい!とたくさん購入してしまいそうですが、賞味期限はその日中なので食べられる分だけにしましょう。
まとめ
今ではお正月などイベント的にしか見られない餅つき。「高速餅つき」の返し手はちょっとハラハラしましたが迫力満点で元気がもらえました。ならまちや奈良公園も近いので、奈良観光の際は良く伸びて美味しいよもぎ餅を食べに立ち寄ってみてください。
※この記事は2024年9月17日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。
鳥井 晴風
5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。