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2025.01.09

【山形】蔵王の樹氷見どころガイド!ライトアップの時期や行き方を紹介<2025>

山形県の蔵王連峰で見られる樹氷は、冬の風物詩として知られ、その神秘的な美しさは多くの人を魅了しています。特に期間限定でライトアップされた光景は、一度は見てみたいほど幻想的です。今回はそんな「蔵王の樹氷」の見どころやライトアップ期間、アクセスなど、気になるポイントを紹介!この時季だけの絶景をぜひ見に行ってみてください。

「蔵王の樹氷」とは?見られる時期はいつ?

樹氷とは特殊な気象条件が生みだす自然現象

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

山形県と宮城県の境に位置する蔵王連峰で、冬の間だけ見られる樹氷は、特定の気象条件が重なって初めて造りだされる自然現象。日本全国でも、東北地方の奥羽(おうう)山脈の一部など、数カ所でしか確認されていません。

蔵王の樹氷
着氷と着雪が始まった初冬のアオモリトドマツ

樹氷の生成が始まるのは11月ごろ。常緑針葉樹のアオモリトドマツに、季節風で運ばれた水滴と雪がぶつかり、着氷と着雪を繰り返していきます。それが固くくっつき、厳冬期にかけ巨大化していきます。

雪があれば樹氷ができるわけではなく、常緑針葉樹が自生していることや、積雪量が適当であること、一定方向の強風が吹きつける傾斜地であることなど、さまざまな条件が必要。蔵王は、その条件を満たした数少ないエリアです。

見上げるほど大きな氷と雪の固まりは、別名“スノーモンスター”と呼ばれるほどの迫力。ちなみに、とがった形になりやすい宮城県側の樹氷に対して、山形県側では丸くこんもりとした形の樹氷になる場合が多いようです。

見られる時期は12月下旬から3月上旬

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

雪像のような樹氷が見られるのは、例年12月下旬ごろから。徐々に大きなものが増え、1月ごろには立派な樹氷が立ち並び、雪原が“樹氷原”らしくなります。そして、5mに達する樹氷も現れる2月の最盛期を経て、3月ごろ、気温上昇とともに消えていきます。

成長途中の樹氷、迫力満点の巨大な樹氷、儚く溶けゆく樹氷と、訪れる時期によって見られる景色が変化するのも樹氷の魅力です。

「蔵王の樹氷」への行き方、注意点

樹氷原へのアクセス

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

樹氷原へ最もスムーズにアクセスできるのは、蔵王温泉スキー場の「蔵王ロープウェイ」に乗車する方法です。

蔵王の樹氷

麓の「蔵王山麓駅」から蔵王ロープウェイ山麓線に乗車し、「樹氷高原駅」へ。そこから山頂線に乗り換え「地蔵山頂駅」に到着。麓からの所要時間は20~30分ほどで、「地蔵山頂駅」を出れば、目の前は樹氷原です。

なお、蔵王温泉スキー場には「蔵王ロープウェイ」のほか、「蔵王中央ロープウェイ」と「蔵王スカイケーブル」の2つのロープウェイがあります。樹氷原の近くまでゲレンデを通らずに行けるのは「蔵王ロープウェイ」なので、間違えないように注意しましょう。

「蔵王ロープウェイ」までバスを利用する場合は、JR山形駅から蔵王温泉・刈田山頂行きに乗車し、蔵王温泉バスターミナルで下車、そこから「蔵王山麓駅」は徒歩10分ほどです。

防寒対策を万全にして出かけよう

マイナス10度以下になることが多い樹氷原。そのうえ、冬場は晴れの日が少なく、荒れ模様の可能性も高いので、防風仕様のスノーウェアを着用するのがおすすめです。もちろん、手袋やマフラー、ウールの帽子、ネックウォーマーなどもしっかりと身につけてください。

ライトアップされている夜間はさらに気温が下がるので、数個のカイロを持参しておくと安心です。雪上を歩くので、足元は防水性のトレッキングシューズや長靴など、底が滑りにくいシューズを選びましょう。

「蔵王の樹氷」の観賞スポット

ロープウェイから一面の雪景色と共に見下ろす

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

樹氷原近くまでいく「蔵王ロープウェイ」ですが、山頂線は樹氷原上を通過するため、空中散歩をしながら樹氷の観賞ができます。複式単線自動循環式ゴンドラ「フニテル」を採用しているので、支柱通過時や強風の際の揺れが少なく、乗り心地は抜群。席に座ったまま、360度の大パノラマを楽しめますよ。

なお、大きな荷物がある場合は別途運賃(300円~)、または一時預かり料(1日400円)が発生します。ただし、スキーやスノーボードは1人に対し1台まで無料で運べます。

山頂駅前、展望台、レストランから眺める

蔵王の樹氷

地蔵山頂駅を降りれば、目の前は樹氷原。見上げるほどの樹氷の迫力を体感しましょう。ただし、遭難の恐れがあるので安全ロープからは決して出ないようにしてください。

蔵王地蔵尊
(画像提供:PhotoAC)

駅から100mほどの場所には、蔵王地蔵尊が鎮座しています。深い雪に埋もれたお地蔵さまをお詣りするのもいいですね。

蔵王ロープウェイ

樹氷原全体を見渡すなら、駅舎屋上に設置されたオープンデッキの展望台から眺めるのがおすすめ。広大な樹氷原と、山の遠景、天気がよければ太平洋まで一望できます。

地蔵山頂駅併設のレストラン「山頂」では、温かい場所から樹氷をのんびり観賞しましょう。外の景色を楽しめるように、大きな窓に向かってテーブルが設置されているので、ラーメンやそば、うどんといった定番メニューを味わいながら、雪原の美しさを堪能してくださいね。

樹氷の間をスキーやスノーボードで滑る

蔵王の樹氷
(画像提供:PhotoAC)
蔵王の樹氷
(画像提供:PhotoAC)

スキーやスノーボードで樹氷原に沿ったコースを滑走するのも、山形蔵王ならではの楽しみ方。「地蔵山頂駅」から約8km続く「ザンゲ坂・樹氷原コース」は、蔵王温泉スキー場の名物コースで、樹氷を眺めながら滑り降りる体験は、雪国の東北とはいえ、なかなかできるものではありません。

地蔵山頂駅周辺のコースは、歩いて樹氷を観賞している人も多くいます。狭く急な箇所も続くので、衝突しないよう十分な注意が必要です。

カラフルな樹氷ライトアップは必見!

2024年~2025年の樹氷ライトアップ期間

夕方17時から21時にかけ、地蔵山頂駅付近、ロープウェイ通過エリアなどで、悪天候時を除き、樹氷ライトアップを実施。

2024年は12月27日(金)からスタートし、年末年始や週末などを中心に、2025年2月23日(日)まで開催される予定です。なお、上りの最終出発時刻は19時50分となっています。

夜間営業限定35日間

2024年12月27日(金)~2025年1月5日(日)
2025年1月10日(金)~12日(日)
2025年1月17日(金)~19日(日)
2025年1月24日(金)~27日(月)
2025年1月31日(金)~2月3日(月)
2025年2月7日(金)~10日(月)
2025年2月14日(金)~17日(月)
2025年2月21日(金)~23日(日)

昼間とは違う幻想的な世界

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

漆黒の夜、色彩豊かなライトで浮き上がる樹氷の姿は、日中の様子とは異なり、とても幻想的。地蔵山頂駅に降り立てば、カラフルな“スノーモンスター”たちが住む別世界に迷い込んだような不思議な気分を味わえます。ロープウェイや展望台からは、樹氷とともに、山形市街や蔵王温泉街の夜景も満喫できますよ。

ライトアップイベント時は、スキーやスノーボードの持ち込みや滑走は不可。観賞場所はロープウェイ及び、駅舎内と駅周辺のみとなります。

雪上車に乗って観賞する「樹氷幻想回廊ツアー」に参加しよう

蔵王の樹氷
蔵王の樹氷

ライトアップの開催日にあわせ、暖房付きの特殊雪上車「ナイトクルーザー号」に乗って、夜の樹氷を間近で体験するツアーも開催。樹氷高原駅から出発し、樹氷原で折り返した後、樹氷高原駅へ戻る、約75分間のツアーです。

ライトアップの観賞ポイントで停車するので、雪上車から降りて樹氷のそばまでいくことももちろん可能。1日4便の運行予定で、運賃(ロープウェイ山麓線往復+ナイトクルーザー号)は、大人7000円、1歳~小学生5000円。乗車には公式ホームページから事前予約が必要です。

■蔵王ロープウェイ
山形県山形市蔵王温泉229-3
8時30分~17時(地蔵山頂駅行き往復の上り最終16時)
5月連休後~2週間程度(予定)※点検整備のため
【蔵王山麓駅~地蔵山頂駅(往復)】大人4200円、小学生2100円
【車】東北中央自動車道山形上山ICより蔵王ロープウェイ「蔵王山麓駅」まで20分
あり(料金は季節により異なる)
「蔵王ロープウェイ」の詳細はこちら
「蔵王ロープウェイ」のクチコミ・周辺情報はこちら

まとめ

蔵王の樹氷が見られるのは、真冬の短い間のみ。今だけ楽しめる自然の芸術を、ぜひ間近に見に出かけてみてくださいね。

※この記事は2025年1月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

星 マチコ  星 マチコ

東北・宮城県在住のライター、兼2人の子どもの母。見て、聞いて、触れて、温度感のある観光情報を発信中。雪山が好き。休日はマニアックで美しい絶景を求め、東北をあっちこっちさまよっている。

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