こぼらさんの和歌山県の旅行記

おもろい魚たち 白浜水族館
- 1日目2020年1月19日(日)
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「湯快リゾート 白浜温泉 白浜御苑」の中庭に設けられた足湯です。中庭は夜になるとライトアップされ、神秘的な景観になります。湯に足を浸しながら庭を眺めて、贅沢なひとときを過ごせます。温泉地にあるホテルなので、足湯にも本物の温泉の湯がなみなみと注がれています。
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中庭は、1階ロビーの外側にあります。このホテルには、広くて豪華な大浴場や露天風呂が備わっているので、この足湯を利用する宿泊客は少なく穴場です。大浴場とは違った楽しみ方ができます。
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「湯快リゾート白浜温泉・白浜御苑」には癒しフロアが設けられていて、岩盤浴やセラミック足湯を無料で楽しむ事ができます。湯の代わりに、ビー玉サイズのセラミック球を敷き詰めたセラミック足湯は斬新です。じわーっと足と体を温めることができます。上がる際に、足をタオルで拭く必要がないので気軽に利用できます。
- 2日目2020年1月20日(月)
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白浜の半島の北端にある海水浴場です。訪問客が少なく静かで、海の透明度も高い良さがあります。遠浅になっているのも魅力です。 訪問したのは真冬だったので海水浴客は一人もいませんでしたが、海の透明度は確かに素晴らしいものがありました。 奥に見えているのは、田辺湾と田辺の市街地です。
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海水浴場としての魅力は他にもあります。砂浜が白くてきれいなのです。また、周囲に民営駐車場が多く、駐車料金が安いのも魅力です。リピートで海水浴にやってくる観光客は、ここでゆっくりと浜と海を楽しみ、白浜温泉の宿に泊まるようです。
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京都大学が「フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所」の付属施設として白浜に設けている水族館。大学附属の水族館は国内では珍しいそうです。入場料は大人600円(子供200円)で、水族館としてはお値打ちです。1930年に開館した国内最古級の水族館ですが、数年前にリニューアルされてきれいになりました。 無脊椎動物(サンゴ、エビ、カニ、ヒトデなど)の展示コレクションでは、日本一の充実ぶりを誇っているそうです。逆をいえば、魚の展示が少なめなのかもしれません。
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入場して最初に見るのが中・大型回遊魚やサメがいる第1水槽室。こういう大きな窓が2つある大水槽で、水量は240トンもあるそうです。
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第2水槽室の様子。中央の丸い水槽には魚がいますが、それを囲む小さな水槽の主役は無脊椎動物です。こういう展示を見ると、他の水族館とは違った印象を受けます。 他にも違っているなと思うのは、イルカやアザラシ・アシカなど海獣の展示が全くないことです。当然ですが、エサやりやショータイムもありません。 白浜周辺に生息している無脊椎動物や魚類にこだわり、約500種を展示しているのです。派手さはありませんが、見方次第では味わい深い展示動物が多い気がします。
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こんな感じに、サンゴや軟体生物だけの水槽があったりします。
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京大白浜水族館の楽しみ方で、私がお勧めしたいのは、姿を潜めている魚を見つけ出すことです。白浜特有の白い砂と遠浅の海を利用して、上手に身を潜める魚の姿を観察できるのが京大白浜水族館の特長だと思います。 写真は、白い砂に体を埋めて姿を隠すオニオコゼの一種です。海に沈んでいる腐った木片か錆びた鉄くずにしか見えません。外敵から身を守るためなのか、それとも近付いてきた獲物をパクッと捕食するためなのか・・。 でも、奥に黒くて大きなトゲのような背びれが見えています。手前のオコゼ君は、うまく隠れているつもりなのでしょうが、お隣にもっと大きなオニオコゼが潜っているのに気付いているのでしょうか?
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上手に面白おかしく、身を潜めるオコゼの仲間。水槽ガラスの際にいて、30センチくらいの距離から観察できました。 このオコゼの表情を至近距離で見ていると、「どやっ! わからへんやろっ!!」とドヤ顔で言っているように感じました。 無表情に見える魚も、近くで見れば豊かな表情を持っている事に気付きます。
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ピーナツチョコにパウダーシュガーをかけたような、ダルマオコゼ。ダルマと形容されるのがわかる、寡黙でいかつい人間のような顔つきをしています。でも、どこかユーモラスでもあります。 白浜の白い砂を活かして隠れるのが上手です。船の上から海中を見下ろしたら、砂をかぶった黒い石にしか見えないでしょうね。
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水槽の隅っこで、水の流れに身を任せて揺れているコブダイ。まるで大きな魚の死骸が沈んでいるようです。この水族館で一番オモロイ魚だと思います。 余りに異様ながらオモロイ姿をしているので、しばらく見入っていましたが、ときおり口を少し閉じる程度の動きしか見せませんでした。 何かと目立つ大型魚なので、躍動感や存在感を消す事で身を守っているのでしょうか?
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上の写真だと死骸に見えたコブダイも、見る角度を変えれば立派な大型魚です。でも目を曇らせていて、積極的に存在をアピールする魚ではないようです。 コブダイは死滅回遊魚と呼ばれ、本来は回遊する習性はないものの、海流に乗って遠方に移動することがあるそうです。環境が悪いところへ行けば死ぬし、別天地にたどり着ければ繁栄できるかもしれません。大きな魚なのに、存在感を消して海流に乗って漂流するとは面白い特徴ですね。
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他の水族館だったら、希少な超高級食材として紹介される事が多いクエ。京大白浜水族館では、あくまでもハタ類の大型魚の一つとして、生き生きと動態展示されていました。フエダイやセンネンダイなど、他の大型魚と一緒に悠然と泳いでいました。
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京大白浜水族館の奥に、「世界的博物学者 南方熊楠」の看板が立っています。この奥に番所山という低い山があり、その頂には世界的に知られた博物学者・南方熊楠の記念館があるのです。看板のまわりには、椰子の木など南国の植物がうっそうと生い茂っているので、こうしてアピールする必要があるのです。 南方熊楠記念館に行くには、道幅の狭い急な坂道を上らなくてはなりません。車で上がることもできますが、すれ違いができないので、上り下りが信号規制されています。
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坂道を上っていくと、南国の植物が生い茂っているのに気付きます。真冬なのに、青々としています。番所山は岬になっており、近くを黒潮が流れているので温暖なのでしょうか。 道の脇には、動物の親子を描いた彫像がいくつもありました。昭和初期、番所山一帯は番所山遊園地として観光地整備され、動物園と植物園も設けられ、全国から観光客が集まったそうです。その名残なのでしょう。
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和歌山出身で、世界的に知られた博物学者・南方熊楠の資料館です。熊楠の遺品や遺稿を700点余り陳列しています。 熊楠は、白浜周辺と田辺湾に浮かぶ小島・神島(かしま)には、貴重な植生や粘菌が生息していると世間にアピールして保護を訴えました。こうした活動が認められ、高貴な方々も来訪されるほどに、白浜が有名な観光地となるきっかけを作りました。 また、貴重な粘菌を顕微鏡で見る事ができます。生きた粘菌を常時見られる博物館は、ここだけだそうです。また記念館は岬の頂上にあるので、屋上から四方の海を展望できるようになっているのも特長です。
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記念館の玄関脇には、昭和天皇が南方熊楠を偲んで詠まれた歌の碑が立っています。 生物学者でもあられた昭和天皇は、皇太子時代より粘菌にも関心をお持ちで、早くから粘菌研究で知られた南方熊楠の名をご存じであったと伝わります。昭和4年に白浜に行幸された折、南方熊楠を招聘され、この地の粘菌について御進講を受けられました。 陛下は昭和37年にも白浜を訪ねておられ、33年前の御進講を思い出されて、この歌を詠まれたのです。
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この御製歌は、南方熊楠という偉大な学者を生んだ和歌山の誇りとなっているのでしょう。
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御製歌【雨にけぶる 神島を見て 紀伊の国の生みし 南方熊楠を思ふ】が刻まれています。風光明媚な白浜にふさわしい、趣きある姿の歌碑です。 歌に登場する神島(かしま)は、田辺湾に浮かぶ小さな島です。昭和初期、白浜に行幸された昭和天皇を、南方熊楠がお迎えした場所として知られます。碑は、神島を見下ろせる場所に立っています。
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「熊楠を偲ぶ碑」から、岬の先の方へ歩いて行ける遊歩道が整備されています。途中に、番所山の岬「番所ノ崎」の案内マップがありました。 岬全体が公園になっている事がわかります。「番所ノ崎」先端には「番所鼻灯台」が設けられています。
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南方熊楠記念館前から、北側遊歩道を歩いて岬の先の方へ向かっています。所々にベンチがあって、ゆっくり散策ができます。天候には恵まれ青い海が見られたのは良かったのですが、海から吹き付ける風が少々強くて寒かったです。春や秋だと、清々しい風が楽しめそうです。
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番所山公園の北側遊歩道から北東方向を見ています。北側遊歩道は、公園内の遊歩道の中では一番高い場所にあるので、とても眺めが良いです。紺碧の海の向こうに見えるのは、田辺市やみなべ町の海岸です。
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番所山公園の北側遊歩道から西方向を見ています。海原の向こうには四国・徳島が横たわっているはずですが、遠すぎて水平線に隠れてしまうのか何も見えません。かすかに右手の方に岬らしい陸地が見えます。蒲生田岬(徳島県阿南市)ではないかと思います。
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番所山の頂の展望所から北東方向を見ています。田辺湾の向こうには田辺の市街地が見えています。手前の白い建物は、先ほど立ち寄った南方熊楠記念館です。 神島はじめ田辺湾を眺めるなら南方熊楠記念館の屋上展望台を使った方が良さそうですが、広い太平洋を見るならここがお勧めです。
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「番所ノ崎」岬でいちばん高い場所に設けられた展望所です。この上から望む景色が雄大で素晴らしいです。 江戸時代初期、この場所に初代藩主・徳川頼宣は「瀬戸御殿」という館を建て、度々訪れたといいます。ここを根拠地として有力な水軍を育成するのが目的だったようですが、幕府に警戒されて中止となったそうです。 1639年に幕府が鎖国令を出すと、紀州藩はここに遠見番所を置いて異国船を見張った事から、番所山と呼ばれるようになりました。
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「番所ノ崎」岬の展望所から南東方向を見ています。そこから円月島や白良浜を眺める事ができます。円月島を、広く知られている東からではなく、北西方向から見る事ができます。円月島は、真上から見たらU字形をしているのがわかります。
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岬の先端にある「番所鼻灯台」。昭和30年に設置されています。
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第2展望広場から見た円月島と白良浜。番所山が海に突き出して「番所ノ崎」岬となっている様子がわかります。
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円月島展望所(県道34号線沿い)から望む番所山。左手に円月島があります。 番所山全体が岬になっていて、高い場所一帯が公園になっています。 手前に見える白い建物が京都大学・白浜水族館で、山の頂に点々と見える白い建築物が南方熊楠記念館の屋上です。
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お決まりの角度から見た円月島です。車を駐められる撮影ポイントは、上下車線に各1ヶ所しかありません。道路脇を歩いて移動すれば撮影ポイントは他に2ヶ所ほどありますが、すぐ横を車が走り抜けますので危ないです。 行った時刻が午後2時頃だったので、逆光気味になってしまいました。できるなら夕暮れ時に来て、夕陽をバックにした円月島を眺めるのが良さそうです。番所山公園の高台から円月島を見下ろすのも悪くありません。全く違った姿を見る事ができます。
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冬の白浜の海辺をめぐり、体が冷えてしまいました。足湯で温まってから帰途に就こうと、長生足湯に寄りました。去年に続き2回目の利用です。湯快リゾート・白浜彩朝楽の近くにあります。靴を脱いだり履いたりしやすいように、しっかりとした簀の子が置かれていて、気兼ねなく利用できます。 それにしても、白浜には無料で利用できる素晴らしい足湯が多いものだと思います。
おもろい魚たち 白浜水族館
1日目の旅ルート
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