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2019.11.03

【全国】大人の極上宿14選!こだわりの美味しい料理と贅沢空間で忘れられないひと時を

9.鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭【長野県伊那市・伊那谷】

山を愛するジビエの匠が試行錯誤の末に辿り着いた野趣溢れる料理を囲炉裏端で。

鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
ジビエコース/鹿肉のソーセージと鹿肉のパテには、オオハンゴウソウなどの野草の天ぷらを添えて
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
鹿セルヴェル天ぷらの茶碗蒸し。鹿は肉だけでなくレバーや脳みそなど多彩な部位を使用
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
炭火焼きジビエの盛り合わせ。この日は鹿とハクビシンとカラスだった
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
煙を纏わせながらゆっくりと囲炉裏で焼き上げていく
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
猪肉と山野草の鍋

コース終盤に登場する名物の鍋料理。脂ののった猪肉とセリなどの山野草のほのかな苦みが調和する一品で、秋は山野草の代わりに伊那谷で採れたきのこを使用。あっさりとした味わいが締めにぴったり。

鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
脂ののった猪肉。この日は鍋の素材に使用した
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
狩猟免許を持つ料理人の長谷部晃さん。素材の特徴を見極めながら丁寧に下処理をする
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
夕食は囲炉裏端で。長谷部さんが教えてくれる山の食材の“物語”も楽しみのひとつ
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
ほどよいサイズで“お籠り感”のある客室。築約180年の古民家が持つ重厚な風情を味わえる
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
玄関先には鹿の角が。3室の宿を長谷部さん一人で切り盛りしている
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
南アルプスの山麓に立つ宿
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
宿の前にはキュートなバス停
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
三峰川が流れる美しい風景もこの宿の魅力

鹿肉の表面に塗った米油が、赤く輝く木炭に滴り落ちた瞬間、炎と煙がゆらりと立ち上ります。囲炉裏端には炭が爆ぜる音が響き、続いて肉の香ばしい芳香が広がっていきます。

「煙を肉に纏わせることによって、野生動物特有の匂いも気にならなくなる。炭火焼きとジビエは、やはり相性が良いんです。下処理や火入れの加減、焼き方など、さまざまな工程で試行錯誤を繰り返し、ようやく納得のいく炭火焼きができるようになりました」と話すのは「鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭」の主人、長谷部晃さん。東を南アルプス、西を中央アルプスに囲まれた伊那谷の深い森に抱かれたざんざ亭は、築180年ほどの古民家を改築したわずか3室の宿です。

北アルプスの山小屋で和食の基礎を身に付け、「山を育てる仕事をしたい」と伊那谷に移り住んだという長谷部さん。林業に携わりながら地元の猟師から狩猟を学んだ長谷部さんが、宿を始めたのは2011年のこと。当初は郷土料理を供していましたが、やがて伊那谷の鹿を中心とする多彩なジビエを扱う独自の“山師料理”へと進化していきました。

山の生命を余すところなく使いたい――。そんな想いから生み出される山師料理は、野趣溢れ、独創性に富んだものばかりです。たとえば鹿セルヴェル天ぷらの茶碗蒸しは、鹿や猪のベーコンを入れた茶碗蒸しに鹿の脳みその天ぷらを添えた一皿で、ミルキーな旨みとふわりとした食感の妙が光ります。また、炭火焼きジビエの盛り合わせには、鹿肉だけでなく、地元の猟師が持ち込んだ熊や鴨、ハクビシン、カラスなど、さまざまな肉が登場。しっとりと滋味深い鹿の赤身や濃厚なコクを持つカラスのモモなど、ジビエの持つ多彩な味わいに思わず驚かされてしまいます。

「野生動物は、育ってきた環境や獲れた季節、年齢、食べ物などによって、一つ一つ味が異なります。ジビエの魅力は、肉の味わいの奥に“自然のストーリー”を感じられること。それを見極め、素材の味を引き出すことが、料理人としての自分の役割だと思います」。囲炉裏を見つめてそう話す長谷部さんの言葉には、山を愛し、生命と向き合ってきた人が持つ深い響きがありました。

■鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭
[TEL]0265-98-3053
[住所]長野県伊那市長谷杉島1127
[料金]1泊2食付き1万800円~
[アクセス]中央道伊那ICより45分
「鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭」の詳細はこちら

10.時の宿すみれ【山形県米沢市・米沢】

米沢牛のフルコースに心躍らせるひとときを“おふたり様”専用の宿で。

時の宿すみれ
左/コースのメインを飾るのは、サーロインステーキ。ヒレなどにアップグレードもできる。右/肩三角を使った大とろポワレのにぎり。ほかにも、さまざまな希少部位を使った料理が
時の宿すみれ
米沢牛づくしのフルコース。味噌と醤油で仕立てた特製のタレを使用するすきやきは、肉の旨みを纏った野菜の味わいも秀逸
時の宿すみれ
米沢牛を知り抜く料理人たちが目の前の鉄板でステーキなどを焼き上げていく
時の宿すみれ
露天風呂付き内風呂「時と光の湯」を始め、多彩な湯処が揃うのも魅力
時の宿すみれ
全10室の客室は、すべて設えが異なる。テレビなどはなく、シックな雰囲気の空間は“おふたり様”のくつろぎにぴったり
時の宿すみれ
美しいカウンターを配したラウンジにも注目したい
時の宿すみれ
夫婦で、親子で、友人と…。さまざまなシーンで訪れたい宿だ

口に入れた瞬間、脂がふわりとほどけてゆきます。優しい甘みと、深い旨みを持つ米沢牛の味わいに、頬が緩んでしまいます。一頭の牛からわずかしかとれない希少部位の肩三角を使った米沢牛のにぎり、ジューシーな肉の旨みと味噌と醤油を合わせたタレが調和するすきやきや、目の前の鉄板で焼き上げられるサーロインステーキ…。一皿一皿が、確かな存在感を持っているけれど、しつこさを感じることがないのは、最高級の米沢牛だけを厳選するこだわりの証。それもそのはず、「時の宿すみれ」を切り盛りする女将の黄木綾子さんは、1923年から続く米沢の老舗精肉店「米沢牛黄木」で生まれ育った目利きのプロなのです。

ちなみにここは“おふたり様”限定というユニークなコンセプトを持つ宿です。めくるめく米沢牛の美味に酔いしれ、貸切露天風呂に癒やされ、モダンな客室にくつろぐ。この秋、そんな贅沢な旅を楽しんでみてはいかがでしょう。

■時の宿すみれ
[TEL]0238-35-2234
[住所]山形県米沢市関根12703-4
[料金]1泊2食付き2万2140円~
[アクセス]東北中央道米沢八幡原ICより10分
「時の宿すみれ」の詳細はこちら

11.みなとや旅館【長野県下諏訪町・下諏訪温泉】

文人墨客に愛される2組限定の小さな宿で伝統の馬肉料理と庭湯を。

みなとや旅館
馬刺し

美しく盛りつけられた馬刺しは、生姜醤油であっさりと。桜鍋とともに多くの文人墨客に愛されてきた名物料理だ。代々宿に伝わってきたという骨董品のような器も、料理を引き立てる。

みなとや旅館
桜鍋には刺身用の馬肉を使用する
みなとや旅館
諏訪湖のワカサギを使った南蛮漬けなどの小鉢も優しい味わいの逸品揃い
みなとや旅館
1日2組限定の家族経営の宿。長きに亘ってご主人とともに宿を切り盛りする小口芳子さん
みなとや旅館
中庭にある名物貸切露天風呂の庭湯も宿の名物だ
みなとや旅館
2階にある客室はすべて和室。館内にはゆかりのある作家の書やサイン本も

古くから宿場町として栄えた長野県の下諏訪温泉。その一角に、白洲次郎・正子夫妻や岡本太郎などの文人墨客が愛した小さな宿があります。

江戸中期に創業した「みなとや旅館」の魅力のひとつが、伝統の馬肉料理。信州産を中心とした馬肉を生姜醤油で味わう馬刺しや地元の味噌で甘辛く仕立てた桜鍋などの料理は、シンプルだが素材の良さが光るものばかり。その味わいこそが、舌の肥えた人々を魅了し続ける理由です。

もうひとつの魅力が、中庭にある貸切露天風呂の庭湯。1000年の歴史を持つ名湯・綿の湯を引きこみ、加水も加温もせずに使用する湯船では、やわらかな肌触りの温泉を、心ゆくまで楽しむことができます。

美食に舌鼓を打ち、名湯に癒やされる。いつの時代も変わることのない、本質的な温泉旅の歓びを味わえる宿です。

■みなとや旅館
[TEL]0266-27-8144
[住所]長野県諏訪郡下諏訪町立町3532
[料金]1泊2食付き1万8000円~
[アクセス]中央道岡谷ICより10分
「みなとや旅館」の詳細はこちら

じゃらん編集部  じゃらん編集部

こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。

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