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2021.03.26

栃木県宇都宮の大谷石文化が凄い!採掘場の巨大な地下空間が見られる大谷資料館も必見

大谷石とは栃木県宇都宮で採掘される石の一種。この採掘のストーリー(物語)は「大谷石文化」として2018年に日本遺産に認定されています。
数々の映画やアーティストのPV撮影場所にもなった大谷資料館の巨大地下空間・採掘場跡や、大谷石の洞窟の壁面に彫られた観音像、「陸の松島」とも称される奇岩群など、大谷石の魅力を紹介!

※この記事は2021年3月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

大谷石(おおやいし)とは

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)
(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

「大谷石」とは、栃木県宇都宮市大谷町付近一帯から採掘される流紋岩質角礫凝灰岩(りゅうもんがんしつかくれきぎょうかいがん)の総称。

大谷石の分布は東西約8km、南北約37kmにも渡り、地下200m~300mの深さまであり、うすい緑色の凝灰岩として所々に露出しています。

割れ目が少なく、軟らかくて軽く加工しやすいのが特徴的。

古墳時代から切り出されたと言われ、その埋蔵量は6億トンとも推定されています。

大谷石文化は日本遺産にも!

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)
(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

2018年、大谷石採掘の歴史が日本遺産に認定されました。

日本遺産に認定されるには、文化財の価値だけではなく、そこから生まれる「ストーリー」が重要とされています。

約1500万年前に起こった海底火山の噴火による岩山を、この地域の人々は古くから生活の一部として利用してきました。

江戸時代には、建材として採掘された大谷石が出荷され、明治以降は産業として栄えました。また、宇都宮の市街地では都市づくりにも活用され、それは文化となり、今に至ります。

そのような文化が形作られてきた「ストーリー」こそが、日本遺産としてふさわしいと認められたのです。

「大谷石文化」とは?

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)
(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

そんな、さまざまなストーリーを持つ大谷石文化について、もう少し詳しく見ていきましょう。

古くは縄文時代、住居としての洞穴利用からはじまったといわれています。

古墳時代には墓地として活用され、奈良・平安時代には岩壁を彫って造られた大谷観音が人々の信仰を集めました。

江戸時代には本格的な採石がはじまります。

その後、明治の終わり頃になると主に地下空間で採掘が行われ、石を掘れば掘るほどにその地下空間は巨大に広がっていきました。今でも、その迷宮のような地下採掘場を大谷資料館で見ることができます。

採掘された石は東京や横浜に建材として出荷されてきた一方、城下町として栄えた宇都宮の市街地でも都市づくりに使われてきました。

教会や寺、お屋敷に民会の塀など、さまざまな建造物に大谷石を活用してきたのです。

宇都宮のまちは「凹が拡がり、凸が生み出される」と表現されています。

石を採掘することで地下空間のへこみ(凹)が大きくなるほど、まちに新たな文化が生まれて魅力が突き出る(凸)-それが大谷石文化です。

構成文化財

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)
(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

大谷石文化の構成文化財は、この後おすすめスポットとして詳しく紹介する「大谷資料館」「宇都宮聖ヨハネ教会聖堂」「旧篠原家住宅」などをはじめとして、全部で38あります。

その多くは「小野口家住宅」「上野本家住宅」「大久保石材店」といった建造物で、どれも歴史があり少しくすんだ石の深みを感じられる文化財。

住宅だけではなく、「カトリック松が峰教会」「大山阿夫利神社」などの宗教施設もあります。

「芦沼集落」「上田集落」のように、十数軒~数十軒が並ぶ集落そのものが文化財になっている場所も。

また、巨大な岩と植物の緑のコントラストが美しい「大谷の奇岩群(御止山)」や天狗が投げて乗せたという伝説が残る奇岩「天狗の投げ石」といった、自然がつくり上げた神秘を感じられるスポットもあります。

そして、大谷石を採掘するために使われていたツルハシ・ハンマーなどの道具までも構成文化財になっています。

ここからは、特におすすめのスポット(文化財)を6つ、詳しく紹介していきます。

おすすめスポット1.大谷資料館

地下30mに広がる静寂な巨大地下採掘場跡は必見!

(画像提供:大谷資料館)

大谷石の採掘の歴史が分かる資料館。中でも、地下の大谷石地下採掘場跡は必見!

約70年もの年月をかけて掘り進められ、当時の採掘した跡が石壁に均等に残されています。地下30mに広がる静寂な巨大空間の迫力と幻想的な雰囲気に、唖然としてしまうかも!?

(画像提供:大谷資料館)

数々の映画やアーティストのPV撮影場所にも使われ、”見たことある!”と思う方もいるかもしれません。

平均温度8℃前後とひんやりしているのも、非現実的な空気を感じさせてワクワクしそうです。

また、大谷石の採掘方法や採掘形態、大谷石搬出・輸送の移り変わり、手掘り時代の採掘、機械化後の採掘など、大谷石に関するさまざまな展示を見ることもできます。

(画像提供:大谷資料館)
大谷資料館
[住所]栃木県宇都宮市大谷町909
[営業時間]【4月~11月】9時~17時(最終入館16時30分)【12月~3月】9時30分~16時30分(最終入館16時)
[休館日]【4月~11月】なし【12月~3月】火曜日(祝日の場合水曜休館)、年末年始、その他臨時休館あり
[料金]【大人】800円【小人】400円
[アクセス]【電車】JR「宇都宮駅」より関東バス西口乗場(大谷、立岩、大谷資料館行き)で30分【車】東北自動車道「宇都宮IC」より15分
[駐車場]350台(無料)
「大谷資料館」の詳細はこちら
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(画像提供:大谷資料館)

おすすめスポット2.平和観音

自然の岩壁に総手彫りで製作された高さ27mの大迫力観音像

(画像提供:大谷寺)
(画像提供:大谷寺)

大谷石でできた高さ27m、胴まわり20mと迫力満点の「平和観音」が、大谷公園でお出迎え♪

戦没者供養と世界平和を祈る観音像で、自然の岩壁に総手彫りで製作されました。

平和観音の横の階段を上ると、お腹辺りの高さまで行くことができます。

体力に自信のある方はぜひトライしてみてください。大谷の町を一望することができますよ。

隣接している大谷寺の大谷観音にも大谷石が使われているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

平和観音
[住所]栃木県宇都宮市大谷町1174
[営業時間]自由
[定休日]なし
[料金]無料
[アクセス]【電車】JR「宇都宮駅」西口よりバスで10分、東武鉄道宇都宮線「東武宇都宮駅」西口より徒歩20分【車】東北自動車道「宇都宮IC」より10分
[駐車場]115台(無料)
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おすすめスポット3.大谷寺(大谷観音)

大谷石の洞窟に包み込まれるように建てられた寺院

(画像提供:大谷寺)

大谷石の洞窟に包み込まれているように建てられた「大谷寺」。

堂内には10体の磨崖仏(まがいぶつ ※自然の岩壁や露岩、転石に造立された仏像のこと)があり、すべて国の特別史跡に指定されています。

その磨崖仏の中でも必ず見ておきたいのが、高さ4m・あの弘法大師の作と伝えられている「大谷寺本尊千手観音(通称・大谷観音)」。

(画像提供:大谷寺)

千の手と千の目で私たちを見守っている千手観音を、感謝の気持ちを持ってお参りしてください。

大谷寺
[住所]栃木県宇都宮市大谷町1198
[営業時間]【4月~9月】8時30分~17時【10月~3月】9時~16時30分(受付は20分前まで)
[定休日]12月~3月の木曜日、毎年12月21日~31日
[料金]【大人】500円【中学生】200円【小学生】100円
[アクセス]【電車】JR「宇都宮駅」西口よりバスで10分、東武鉄道宇都宮線「東武宇都宮駅」西口より徒歩20分【車】東北自動車道「宇都宮IC」より10分
[駐車場]普通車・50台、大型バス・3台
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(画像提供:大谷寺)

おすすめスポット4.宇都宮聖ヨハネ教会

重厚感と優雅さを持つ美しい礼拝堂

(画像提供:宇都宮聖ヨハネ教会)

尖りアーチやシザートラスという建築構造が用いられたゴシック様式の教会。

鐘塔と礼拝堂の外壁全体に大谷石が用いられており、重厚感を感じさせます。1998年には、国の登録有形文化財に指定されました。

内装は優雅な曲線を描く木が露出し、礼拝堂らしい厳かな空間を創り出しています。コンサートが行われることもあり、地域の人たちは楽しみに訪れるそう♪

無料で礼拝堂を見学できるので、宇都宮を訪れたらぜひその独特な雰囲気を体感しに行ってみてください。

(画像提供:宇都宮聖ヨハネ教会)
宇都宮聖ヨハネ教会
[住所]栃木県宇都宮市桜2-3-27
[営業時間]9時~17時 ※礼拝時間内の見学は不可
[定休日]なし
[料金]見学無料
[アクセス]【電車】JR「宇都宮駅」よりバスで10分、東武鉄道宇都宮線「東武宇都宮駅」西口より徒歩20分【車】東北自動車道「宇都宮IC」より10分
[駐車場]なし
「宇都宮聖ヨハネ教会」の詳細はこちら

(画像提供:宇都宮聖ヨハネ教会)

おすすめスポット5.旧篠原家住宅

重要文化財指定!風格を感じる歴史的シンボル

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

宇都宮市を代表する旧家の一つである篠原家。
江戸時代から、現在の場所で醤油醸造業や肥料商を営んでいました。

第二次世界大戦の戦災により、主屋と石蔵3棟以外の醤油醸造蔵や米倉などの建物は焼失してしまいましたが、明治時代の豪商の姿を今日に伝える貴重な建造物となっています。

黒漆喰(くろしっくい ※水酸化カルシウムを主成分とする建築材料のこと)や大谷石を用いた外壁や、商家を特徴付ける店先の格子は、一見の価値あり!

1・2階合わせて100坪という大きさが、堂々たる風格を形作っています。

また、国指定重要文化財と市指定有形文化財にも指定され、JR宇都宮駅前の歴史的シンボルとして地元の人からも愛されています。

(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)
旧篠原家住宅
[住所]宇都宮市今泉1-4-33
[営業時間]9時~17時(最終入館は16時30分まで)
[定休日]月曜日(祝休日の場合は翌日)、祝休日の翌日(土日除く)、年末年始(12月29日~1月3日)
[料金]【一般】100円【小中学生】50円 ※市内に在住、または通学する高校生以下は無料
[アクセス]【電車】JR「宇都宮駅」西口より徒歩3分【車】東北自動車道「鹿沼IC」より25分、東北自動車道「宇都宮IC」より30分、北関東自動車道「宇都宮上三川IC」より25分
[駐車場]なし(付近に有料駐車場あり)
「旧篠原家住宅」の詳細はこちら
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(画像提供:宇都宮観光コンベンション協会)

おすすめスポット6.ダイニング蔵 おしゃらく

大谷石と木のぬくもりを感じながら味わう健康美食

(画像提供:ダイニング蔵 おしゃらく)

”健康と美しさは食べ物から”がコンセプトの飲食店「ダイニング蔵 おしゃらく」。

宇都宮の公益質屋だった歴史ある大谷石蔵をリノベーションしたレトロな空間で、創作和食を楽しむことができます。

店内は柔らかな印象の大谷石と木のぬくもりを感じられる和のデザインで、明かりも抑えて蔵のイメージを表現しています。

大谷石でできた松が峰教会を眺めながら食事ができるテラス席は、まるで海外に来たようなロケーション!

料理は栃木県の農家から新鮮な野菜を仕入れたり、発酵食品や調味料を積極的に取り入れたりして、からだに優しいものを提供しています。

人気のランチメニューは「美養箱膳(1500円)」。その名の通り、美しさを養う料理として女性に評判です。

(画像提供:ダイニング蔵 おしゃらく)
ダイニング蔵 おしゃらく
[住所]栃木県宇都宮市宮園町8-9
[営業時間]【ランチ】11時30分~14時30分【ディナー】17時~21時(金・土曜日は22時まで)
[定休日]月曜日(祝休日の場合は翌日)、日曜日のディナー
[アクセス]【電車】東武日光線「東武宇都宮駅」より徒歩2分【車】東北自動車道「鹿沼IC」より15分
[駐車場]6台(無料)
「ダイニング蔵 おしゃらく」の詳細はこちら

(画像提供:ダイニング蔵 おしゃらく)

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トリクルマガジン編集部  トリクルマガジン編集部

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