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2021.10.20

山寺(宝珠山・立石寺)のおすすめスポット13選。絶景・参道グルメなど見どころを紹介【山形】

登山口から1070段以上の石段が続き、絶壁の上にお堂が建つ山寺は、山形県屈指の観光地。松尾芭蕉が「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」という俳句を詠んだ地としても有名です。実は、「山寺」は通称で、正式には「宝珠山 立石寺」という歴史あるお寺です。

山寺が観光地として人気なのは、石段を登り降りしつつ歴史を感じながら、新緑、深緑、紅葉、雪景色と四季折々の風情ある景観を見ることができるから。また、門前にずらりと並ぶお店を覗く楽しみもあります。

山寺駅から立石寺まで徒歩7分とアクセスしやすく、石段の昇り降りもそこまでハードではありません。気軽に観光できて、運動不足も解消できる、山寺観光をご案内します。

※この記事は2021年9月22日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

山寺とは

歴史と文化が刻まれた天空の古刹。

山寺
切り立った岩に建つ開山堂と納経堂

山寺は、天台宗を広めた慈覚大師 円仁によって860(貞観2)年に建立されました。その後、霊山として僧房が栄え、1689年には松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で訪れています。

現在も山形県を代表する名刹で、山全体が修行と信仰の場になっており、約109万平米もの敷地に大小約30もの堂塔が点在しています。「山門」から「奥之院」まで続く1015段の石段は、登ることで煩悩が消滅するといわれる修行の場でもあるそうです。

山寺を登ろう!

奥之院まで登ってこそ感動を味わえる。

山寺
山肌を縫うように続く石段。横幅が僅か約14㎝の狭いところも

石段の数を聞くとあきらめてしまう人もいるかと思いますが、山寺のすばらしさは登ってこそわかるもの。ぜひ、「奥之院」まで上ってみてください。石段の段差が低いので意外に歩きやすく、往復の所要時間は約1時間30分と、時間もそれほどかかりません。

途中には、「せみ塚」や「仁王門」などの見どころがあるので楽しみながら歩けますし、見学しながら休憩もできます。また、木立に包まれているので清々しく、振り返れば眼下には壮観な眺望が広がるので、爽快なウォーキングを満喫できます。

登山の装備も必要なく、スニーカーなど歩きやすい靴であれば普段着でOK。足腰に自信のない人は、門前の土産物店で杖の貸し出し(無料)をしているので、杖を使って登ってもよいでしょう。

ただし、気温が低いので冬は防寒対策が必要です。ダウンジャケットなどを着て出かけましょう。また、積雪時には1人が通れる程度のスペースで除雪されていますが、足元が滑りやすいので冬用のトレッキングシューズやブーツ、長靴などで歩くのがおすすめです。金具のスパイクがついた履物は、木製のお堂に傷をつけることもあるので控えてください。

登山口までは山寺駅から徒歩でアクセス。立谷川にかかる宝珠橋を渡って右折して、一番奥の階段まで向かいます。ここから登って、まずは「根本中堂」にお参りしましょう。

根本中堂

「不滅の法灯」が灯る日本最古のブナ建築。

根本中堂
国の重要文化財に指定されている根本中堂

立石寺の本堂にあたる御堂です。 現在の建物は1356(延文元)年に初代山形城主・斯波兼頼が再建した入母屋造・五間四面の建物で、ブナ材の建築物では日本最古といわれています。

入り口には、招福布袋尊の大きな木像があります。体をなでて願い事をすると願いが叶うといわれており、多くの人になでられた布袋尊の体はツルツルに。是非触って願い事をしてみてください。

堂内には、慈覚大師 円仁の作と伝わる木造薬師如来坐像が安置されています。この仏像は50年に一度だけご開帳され、次の御開帳は2063年になるそうです。また、比叡山延暦寺から分灯されて約1200年もの間、途絶えたことがないとされる「不滅の法灯」も、内陣で灯され続けています(内陣拝観料200円)。

根本中堂
根本中堂の御朱印 300円

「根本中堂」では、御朱印をいただくことができます。真ん中には法燈不滅(不滅の法灯)と書かれており、薬師如来の梵字の印と寶珠山の印、立石寺の印が押されています。

御朱印は、立石寺にある4つの支院や「奥之院」でもいただくことができます。それぞれ異なる御朱印なので、御朱印巡りもできますね。

根本中堂
松尾芭蕉と曽良の像、句碑

「根本中堂」から日枝神社、宝物殿へと進むと、左側に松尾芭蕉とその弟子、曽良の像が現れます。芭蕉像は1972(昭和47)年に建立され、曽良像は1989 (平成元)年に『奥の細道』紀行300年を記念して建立されました。

2人の像の間には、芭蕉の門人たちが1853(嘉永6)年に建てた句碑もあります。

山門

ここからが石段の連続!

山門
茅葺屋根が美しい山門

芭蕉と曽良の像を過ぎると、念仏堂があります。ここは、参詣者が自由に修行するために設けられた御堂だそうです。念仏堂の隣には、除夜の鐘を打つ鐘楼が建っています。

鐘楼の先にあるのが「山門」。鎌倉時代の建立といわれる登山口で、ここからが本番。大仏殿のある「奥之院」まで800段以上の石段を登ることになります。気を引き締めて目指しましょう。ここからは拝観料が必要なエリアになります(大人300円、中学生200円、4歳~小学生100円)。

せみ塚

芭蕉の旅に思いを馳せて休憩を。

せみ塚
せみ塚

「山門」から階段を上がり、地獄と極楽を分ける浄土口といわれる姥堂を過ぎて、さらに上ると「せみ塚」に至ります。

「せみ塚」は、1689(元禄2)年7月13日に松尾芭蕉が詠んだ句をしたためた短冊を埋めて、石の塚を立てたものです。芭蕉の句のとおり、木々に覆われ深閑とした心安らぐ場所です。

近くには、お休み処(週末や紅葉シーズンを中心に営業)があります。「奥之院」まで、まだ1/3ほどの距離ですので、一服してエネルギーチャージしてもよいですね。

仁王門

邪心を見抜く仁王尊像が睨む。

仁王門
仁王門

風雨が岩を削って阿弥陀如来の姿をつくり出した阿弥陀洞を過ぎると、「仁王門」に到着します。1848(嘉永元)年に再建されたけやき材の優美な門で、屋根は銅板葺の入母屋造りです。

左右には、運慶の弟子たちの作といわれる仁王尊像が安置されており、邪心をもつ人は登ってはいけないと、睨みつけています。

ちょうどこの辺りが中間地点。後ろを振りかえると眼下に眺望が開けています。ここから先は絶景ポイントの連続になりますよ。

奥之院

石段の最奥部、参道のゴールへ!

「仁王門」からさらに登ると、右手に性相院、金乗院、中性院、華蔵院の4つの院が続きます。江戸時代までは12の支院がありましたが、今はこの4つの院が残っています。ここまで来ると、さすがに足の疲れを感じますが、4つの支院を過ぎると「奥之院」ももうすぐです。

奥之院
奥之院全景
奥之院
右が奥之院、左が大仏殿

左右に分かれた階段を上ると到着です。奥之院は右側にあるお堂。参道の終点にあるので「奥之院」と呼ばれていますが、正しくは如法堂といいます。慈覚大師円仁が中国で修行中に持ち歩いていたと伝わる釈迦如来と多宝如来がご本尊です。石墨草筆の写経道場で、1872(明治5)年に再建されました。

左側は、高さ5mの金色の阿弥陀如来像を安置している大仏殿で、毎日、卒塔婆供養が行われています。

「奥之院」と大仏殿にお参りをしたら、山寺歩きのハイライトを目指しましょうか。

五大堂

山寺随一の絶景に感動!

五大堂
舞台造りで眺望のよい五大堂

いよいよ、山寺随一の絶景ポイントへ向かいます。「奥之院」から少し下って、右に伸びる道を進みましょう。道の突き当りにある巨岩の上に、開山堂と納経堂が建っています。

開山堂は慈覚大師 円仁の御堂で、崖下の自然窟には大師の御遺骸が埋葬されているそうです。また、御堂には木造の大師像が安置されており、年に一度、大師のご命日にあたる1月14日に法要が行われて御開帳されます。赤い小さな御堂は、写経を納める納経堂。県指定文化財の境内で最も古い建物です。

納経堂の上には、「五大堂」があります。舞台造りで張り出しているので、建物の下をくぐって入ります。

五大堂
五大堂からの眺め

「五大堂」の舞台に上がると、ぱっと視界が開けて、思わず歓声を上げてしまうはず。岩場に突き出したお堂は、まるで空に浮いているかのようです。向かいの山々と町の風景、納経堂など山寺の境内を一望にできます。

「五大堂」は、五大明王を祀って天下泰平を祈る道場で、建物は1714(正徳4)年に再建され、1852(嘉永5)年に改修されました。

美しい景観を十分堪能したら、ゆっくり下山しましょう。開山堂からは、性相院に繋がる道が伸びているので、そちらを通りましょう。

裏山寺(峯の浦)

余裕があれば、山寺のルーツの穴場絶景へも

垂水遺跡
遊歩道入り口から徒歩約15分の垂水遺跡

「裏山寺」は、千手院観音と垂水遺跡、七岩、修験場などのエリアで、慈覚大師 円仁が、現在の山寺の構想を練ったと場所だといわれています。「裏山寺」は通称で、正式名称は「峯の浦」といいます。

山寺の登山口から10分ほど西に向かった場所にあります。体力がある人は、こちらも歩いてみてください。

一番の見どころは、垂水遺跡です。凝灰岩が侵食されてできたハチの巣状の穴のある岩場で、古峯神社、稲荷神社、不動明王が祀られ、慈覚大師 円仁が山寺を開山する前に修行をしたと伝わる宿跡の洞穴もあります。ここでは大正時代まで山伏が修行していたそうですよ。

鬱蒼とした山の中に現れる奇岩の垂水遺跡は、ひんやりとした空気に包まれた、神聖な雰囲気が漂う絶景スポットです。

裏山寺(峯の浦)
裏山寺(峯の浦)の遊歩道

JR山寺駅から遊歩道入り口までは、徒歩約15分。1周すると1時間半ほどかかります。また、こちらは完全に山道なので、スニーカーやトレッキングシューズを履いて出かけましょう。

春~秋には、「裏山寺ガイド付き瞑想ハイキングツアー」(山寺観光協会ホームページより申し込み:大人5000円、小学生2500円)を開催しています。

山寺へのアクセス

山寺全景を見るならJR山寺駅見晴台へ。

JR山寺駅見晴台
JR山寺駅の見晴台からの風景

山寺へのお出かけはJRを利用するのがおすすめです。JR仙山線山寺駅から登山口まで徒歩7分とアクセスが便利で、駅から眺める山寺の景色も素敵なんです。

山寺駅の駅舎にある見晴台からは、石段を上っている時には見えない山寺の全景を見渡せます。また、ホームからの眺めもよいので、山寺駅に到着した時には険しさに驚き、帰りには歩いた道のりをしみじみ振り返ることができます。

立谷川
山寺の麓には立谷川が流れる

JR山寺駅のすぐ傍を流れる立谷川では、列車を待つ間に、川原で休憩している人の姿が見られます。清流を眺めながら、山寺歩きの疲れを癒やしてもよいですね。

一方、時間を気にせず、天童温泉や蔵王温泉など山寺周辺の観光も楽しみたいなら、車を利用するとよいでしょう。門前には、お土産を購入すると駐車場利用が無料になるお土産店もありますよ。

■山寺(宝珠山 立石寺)
[TEL]023-695-2843
[住所]山形県山形市大字山寺4456-1
[営業時間]8時~17時(季節によって変更あり)
[定休日]なし
[アクセス]【電車】JR 山寺駅より徒歩7分 【車】山形道山形蔵王IC・山形北ICより各20分
「山寺(宝珠山 立石寺)」の詳細はこちら

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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