2007年世界遺産に登録され、「歩く世界遺産」として世界的にも珍しい観光スポットとなった石見銀山。しかし実際には「なぜ世界遺産なの?」「何が魅力なの?」と、どのようなところなのかいまいち分からないという人も多いのでは?
そこで今回は、石見銀山の魅力とおすすめのスポット、さらにおすすめのモデルコースを紹介します!
石見銀山とは

名前を聞いたことはあるけれど、どのようなところなのかいまいち分からないという方もいるでしょう。そこで、まずは石見銀山についてご紹介します。
石見銀山の概要
石見銀山とは、1527年に発見された鉱山遺跡のことです。発見以後、本格的に銀鉱山の採掘が開始されました。2007年には、アジアの鉱山遺跡としては初めて世界遺産に登録され、採掘坑道である間歩や銀により栄えた町並みを散策しながら観光できることから、「歩く世界遺産」として世界的にも珍しい観光スポットとなっています。
銀を採掘していた間歩と呼ばれる坑道跡が点在する銀山エリアと、江戸時代の町並みがそのまま残る大森エリアとに分かれており、銀の歴史やレトロな町並みに触れながら散策ができます。
石見銀山の歴史や特徴
16~17世紀には、石見銀山の産銀は東アジアのみならず世界においても大きな役割を果たすようになりました。世界で流通した銀のおよそ3分の1が日本の銀であったと言われ、さらにそのほとんどが石見銀山で産出されたものであったとされています。当時作られたヨーロッパの世界地図に、石見銀山が「銀鉱山」と記されていることも、世界的に大きな役割を果たしていたことを物語っています。
石見銀山の特徴は、他の鉱山に比べ鉱害問題がほとんど発生しなかったこと。それに加え常緑樹と広葉樹を含む二次林の樹勢の回復力にも恵まれ、自然環境と共存した産業遺跡となりました。
石見銀山へのアクセス・駐車場
石見銀山へは、JR山陰本線・大田市駅から石見交通バスで33分、バス停「世界遺産センター」へ。車では山陰自動車道・仁摩石見銀山ICから約10分で世界遺産センターに到着します。世界遺産センターには無料の大駐車場があり、400台まで停めることができます。
世界遺産センターからは徒歩、または路線バスで石見銀山エリア内まで移動しましょう。
世界遺産センター
現地散策前に立ち寄ってほしい石見銀山のガイダンス施設


世界遺産センターでは、銀山発見当時からの歴史や銀の精錬技術を映像やジオラマで分かりやすく学ぶことができます。石見銀山に初めて訪れた方も、一から学べるところが魅力。世界遺産センターで事前に知識をインプットしてから町並み散策や鉱山遺跡へ行くと、より楽しめますよ。ぜひ、遺跡や町並みの散策前に立ち寄ってみてくださいね。
また、こちらの施設では3月~11月まで「大久保間歩」という江戸時代から明治時代にかけて大規模に開発された坑道の一般公開限定ツアーも開催しています。それ以外の時期でも普段は立ち入ることができない坑内を「VR銀山シアター」で見られますよ。
さらに毎週水・木曜日には、約138℃で溶ける低融点合金やプラ板を使ったオリジナルキーホルダーを作ることのできる「丁銀づくり体験」を開催。お土産や記念品としても好評です。
島根県大田市大森町イ1597-3
8時30分~17時30分【展示室観覧時間】 9時~17時(最終受付16時30分)※3月~11月は30分延長
毎月最終火曜日 ・年末年始
大人310円、小・中学生150円
【電車】JR大田市駅より石見交通バスで約30分世界遺産センター下車すぐ
「石見銀山世界遺産センター」の詳細はこちら
龍源寺間歩
まるでタイムスリップしたかのような感覚になれる坑道


間歩とは、銀を掘るための坑道のこと。石見銀山には大小合わせて1000近くもの間歩がありますが、龍源寺間歩はその中で唯一常時公開されている間歩です。全長はおよそ600mありますが、入り口から約160mが公開されています。普段は体験できないような探索をすることができますよ。
龍源寺間歩は江戸時代中期、代官所直営の間歩として操業されていました。そのため、採掘された銀は幕府にとっての直接の収入源だったのです。
これらの坑道はノミと金づちだけで掘られており、壁面には当時のノミの跡がそのまま残っているんです。そのため、当時にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
島根県大田市大森町ニ183
9時~17時(12月~2月は16時まで)※最終入場10分前
1月1日
大人410円、小人210円
【電車】JR大田市駅より石見交通バスで30分大森より徒歩40分【車】山陰道江津ICより45分、出雲ICより1時間
「龍源寺間歩」の詳細はこちら
レンタサイクル河村
石見銀山の移動にはレンタサイクルを使おう!

自然環境と共存した産業遺跡である石見銀山の観光は、排気ガスやゴミを出さないことが基本。そのため、石見銀山の移動手段としておすすめなのが自転車です。レンタサイクル河村は、バス停「大森代官所跡」の近くにあるレンタサイクル。赤いガソリンスタンドの外観が目印です。
徒歩で巡ることもできますが、石見銀山の風を切りながらレトロな町並みや坑道までの道を走るのも、歩くのとはまた違い気持ちが良いですよ。
しかし、路面が濡れている場合や悪天候の場合は貸出できないことも。天気が怪しい場合は、行く前にレンタル可能か確認してくださいね。
島根県大田市大森町ハ48-1
8時30分~17時(12月~2月は16時30分まで)
1月1日 ※悪天候の場合は休業あり
電動自転車:2時間700円・延長30分200円 / 普通自転車:3時間500円・延長30分100円
【電車】JR仁万駅より石見交通バスで約15分大森代官所跡下車すぐ
【車】浜田自動車道大朝ICより約1時間10分
「レンタサイクル河村」の詳細はこちら
石見銀山 群言堂 本店
地元の食材を使ったランチやスイーツが楽しめる


石見銀山 群言堂(ぐんげんどう) 本店約300坪(約990平米)のゆったりとした空間には、素材にこだわったオリジナルの衣類や生活雑貨を展開するショップとともにカフェが併設されています。1989年にオープンしたお店で、なんと江戸時代の商家(築約170年)を18年の歳月をかけて再生して作り上げた店舗だそうです。カフェでは、島根県美郷町のいのししや島根県出雲市結地区のお米「出雲 神結米」などの地元の食材を使ったメニューを楽しめます。
季節によって表情を変える中庭や懐かしくも新しい空間を味わいながら、お買い物やお茶を楽しんでみてくださいね。
写真のいちごパフェは、5月上旬まで。その後は夏みかんパフェを予定しているそうです。季節で変わる旬の果物を味わえます。
島根県大田市大森町ハ183
【店舗】10時~18時【カフェ】11時~17時(ランチLO15時、カフェLO16時30分)※冬期(12月~2月)営業時間変更有り
水曜日 (祝日は営業)※年末年始、その他臨時休業有り
季節のパフェ 単品800円(税込み)
【電車】JR大田市駅より石見交通バスで約25分大森停留所より徒歩3分
「群言堂石見銀山本店」の詳細はこちら
café住留
ジャズを聞きながらゆったりと


築100年の古民家を改造した、どこか懐かしさの残るカフェ「café住留」。CAFEの文字が大きく目立つ、赤と白の看板が目印です。
おすすめのメニューは、しまね和牛のすじ肉と地元産の玉ねぎをトロトロになるまで煮込んだ「牛すじトロトロハヤシ」。姿が見えないくらい柔らかくトロトロに煮込まれた牛すじのハヤシライスは、濃厚でコクがありつつも脂っこくなく絶品。他にも、地元野菜を使ったメニューやデザートなどを楽しめます。
場所は銀山エリアと大森エリアの丁度中間あたり。坑道を見学する前や後のランチにぴったりですよ。
島根県大田市大森町ハ206
11時~夕暮れ時※夜は予約のみの営業
月曜日※臨時休業有り
牛すじトロトロハヤシ 900円
【電車】JR大田市駅より石見交通バスで約25分大森より徒歩3分
ルールブルー石見銀山
日常の暮らしを豊かにできるアイテムが満載


ルールブルー石見銀山は、オーガニックや自然派の商品に興味がある方にぜひおすすめしたいスポット。「日常の暮らしを豊かに」をテーマに、国内外のオーガニック食品やフェアトレード商品、インテリア雑貨、衣料品など、衣食住にまつわる商品をトータルに揃えたお店です。
森山窯や西持田窯、垣内信哉ガラスなど、島根の窯元の器やガラス製品も多く見られます。また、島根産のオーガニックローズのお茶など島根土産にぴったりな商品もたくさん!
ぜひ、島根県のお土産を選びにお店を覗いてみてくださいね。
島根県大田市大森町ハ85
11時~16時
月・火・水曜日
【車】山陰自動車道仁摩・石見銀山ICより約8分代官所前ひろば駐車場より徒歩3分
「ルールブルー石見銀山」の詳細はこちら
インスタグラム:@lb.iwamiginzan
石見銀山 銀の店
ここでしか手に入らないデザインの銀アクセサリーが所狭しと並ぶ


銀の店は銀細工の工房をもつ銀製品の専門店。お店の中には金づちやかんてらなどの採掘道具をモチーフとした史跡石見銀山にちなんだデザインや、オリジナルデザインのアクセサリーが所狭しとならんでいます。
アクセサリーはすべて、silver925という耐久性に優れ長く愛用できる素材で作られています。気軽に買い物できる価格のものから揃っているため、気に入ったデザインのものが手に入るはず。
石見銀山のお土産や記念品にもぴったりです。
羅漢寺 五百羅漢
銀山の採鉱により亡くなった人々を供養しようと彫像された五百羅漢像


五百羅漢とは、お釈迦様に従っていた五百人の弟子のこと。
銀の採掘を行っていた当時、採鉱は命がけの仕事でした。過酷な状況で亡くなった人々の霊と先祖の霊を供養しようと温泉津町福光の石工が25年の歳月をかけて彫像したものが、五百羅漢像です。その像を守るために羅漢寺が建立されました。
人々の間で、「ここにお参りすれば亡くなった父母や近親者に会える」と言われ、今でも多くの人々が大切な人に似た羅漢さんを探しに訪れます。
ぜひ、鉱山で働いていた人々に思いを馳せながら参拝してみてください。
島根県大田市大森町イ804
[参拝時間]9時~17時
無休(感染状況、冬季、自坊法要事に臨時休業有)
【拝観料】大人500円、小人300円
JR大田市駅より石見交通バスで約25分大森より徒歩1分
「羅漢寺 五百羅漢」の詳細はこちら
いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)
名代官の愛称が名前の由来になったミュージアム


いも代官ミュージアムは、江戸幕府の代官所跡に立地する資料館で、築120年の旧郡役所の建物が活用されています。「いも代官ミュージアム」という名前は、「さつまいも」で大飢饉から人々を救った名代官・井戸平左衛門にちなんで付けられたもの。名代官・井戸平左衛門をメイン展示とし、他にも500年の歴史を凝縮した石見銀山年代記や石見銀山の町並み鳥瞰図がみどころです。
いも代官ミュージアムの表門と門長屋は、全国的にも珍しい代官所の建築物として国の史跡にも指定されています。
ぜひ、いも代官ミュージアムで石見銀山の町並みや歴史に触れてみてくださいね。
島根県大田市大森町ハ51-1
9時30分~17時
火・水曜日
大人(高校生以上)550円、子ども(小中学生)250円
【電車】JR大田市駅より石見交通バスで26分大森代官所跡下車すぐ
【車】山陰自動車道出雲ICより約60分、浜田自動車道大朝ICより約60分
「石見銀山資料館」の詳細はこちら
石見銀山のおすすめモデルプラン

世界遺産センター
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レンタサイクル河村
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龍源寺間歩
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café住留
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レンタサイクル河村(返却)
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いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)
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銀の店
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ルールブルー石見銀山
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石見銀山 群言堂 本店
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羅漢寺 五百羅漢
まずは、「世界遺産センター」で石見銀山について学びます。その後、「レンタサイクル河村」で自転車を借り、いざ「龍源寺間歩」へ。
龍源寺間歩の見学が終わったら、お腹が空いてくる頃。ランチには「café住留」の「トロトロ牛すじハヤシ」を楽しんで。
一度自転車を返却、大森バス停からバスに乗車し大森代官所跡バス停まで行きます。バスを降りたら、「いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)」へ。石見銀山エリアの歴史を学びます。その後は「銀の店」や「ルールブルー石見銀山」、「群言堂」のショップでお土産を選び、一通り見終わった後は、「群言堂」のカフェで一休み。最後に「羅漢寺 五百羅漢」を参拝して、一日を締めくくります。
※この記事は2022年4月25日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
※掲載の価格は全て税込み価格です。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
じゃらん編集部
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